かく‐へき【隔壁】
隔壁(しきり)
作者うつつあや
収載図書現くずし―二十二話
出版社郁朋社
刊行年月2008.9
隔壁
隔壁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 15:13 UTC 版)
菌糸を仕切っている板を隔壁(septum)という。接合菌綱のケカビ目などでは菌糸には原則的には隔壁がなく、古くなると作られたり、生殖器官の下に形成される程度であるが、接合菌綱でもキクセラ目などでは規則的な隔壁が形成される。ただし、キクセラ目のものでは、隔壁の中央に、両側の細胞に突き出た特有の管がある。 子嚢菌類、担子菌類(および不完全菌類)の菌糸には、規則的に隔壁があり、それによって菌糸は細胞に分断されている。このような隔壁は核の分裂に連動して形成される。しかしながら、これらの菌類では、生殖部分を仕切る場合には完全な隔壁が形成されるが、通常の隔壁には、実はその中央に孔があって、細胞間で行き来ができるようになっている。子のう菌類の場合、隔壁は菌糸の軸に垂直な単なる細胞壁の板であるが、その中央部には1つの穴が開いている。この孔によって両隣の細胞質は連続しており、それを通じて、ミトコンドリアなどの細胞器官や核までも行き来が可能である。事実、子嚢菌に於いて、菌糸体の中を核が時速1~4cmの速度で移動することが確認されている。また、不完全菌に於いて、他の菌糸との接触によって異質の核が導入され、それらが孔を通って移動して核が融合したりするような過程で有性生殖と同等の効果が生じる疑似有性生殖が行われる例もある。 担子菌類では隔壁の構造はさらに複雑で、中央の孔の周辺はたる型に肥厚し、その両側を小胞体が帽子状になった孔帽と呼ばれる構造が覆っている。このような構造を持つ隔壁をドリポア隔壁(dolipore septum)という。この部分の詳細な構造は、下位の分類群によっても異なっている。 なお、核分裂と連動して形成される規則的な隔壁を一次隔壁(primary septum)、不規則的に形成されるものを不定隔壁(adventitionus septum)と言うこともある。
※この「隔壁」の解説は、「菌糸」の解説の一部です。
「隔壁」を含む「菌糸」の記事については、「菌糸」の概要を参照ください。
「隔壁」の例文・使い方・用例・文例
- 船が激しく揺れ、私は隔壁にたたきつけられた。
- 防水隔壁
- 両者間に隔壁を設ける
- 隔壁を設けて一社会を保護する
- 彼は人と交際するに隔壁を設ける、隔壁を設けぬ
- 隔壁を突破する(打ち解ける)
- 隔壁によって空洞を分割、または分配すること
- 偶然に整列した小葉間の中隔隔壁
- 青白い真珠状の隔壁のある渦巻き状の殻を持つインド・太平洋産の頭足類
- 一端は尖っており、もう一方の端には円錐状の窪みがあり,円錐状の窪みのところにはフラグモコーンと呼ばれる、内部に多数隔壁のある円錐状の構造があるが、壊れていることが多いが,過去に繁栄した頭足類ベレムナイト科の殻である円錐状の石灰質の化石
- 中心軸の周りを回転する4つの直交した隔壁で成り立つドア
- 右房の隔壁に位置する特殊な心筋の結節
- 家の並びで、同様の様式で建設され、共通の隔壁(または、それらが面している通り)があるもの
- 隔壁なしのまたは元の部分だけに隔壁のある複合卵巣の中心コラムにおいて卵が発育する場所
- 胚珠が、複子房の内部で不連続な隔壁を形作る壁の上、あるいはその延長上につく
- 隔壁を欠く分岐担子器を有するシロキクラゲ目に属している担子菌の菌類の科
- アカキクラゲ科の標準属:ふたまたに分かれた担子器を持ち、隔壁はない
- 心臓の左側と右側の間の隔壁における先天性異常
- 船体の,水密隔壁という仕切り壁
- 防水隔壁という,船内に設けた浸水防止の障壁
隔壁と同じ種類の言葉
- >> 「隔壁」を含む用語の索引
- 隔壁のページへのリンク