氷帽とは? わかりやすく解説

ひょう‐ぼう【氷帽】

読み方:ひょうぼう

山頂部を覆う氷河陸地を覆う氷河場合面積5万平方キロメートル以下と定義されるそれ以上面積場合氷床とよんで区別する氷冠冠氷


氷帽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/07 14:38 UTC 版)

ヴァトナヨークトル氷河、アイスランド

氷帽(ひょうぼう, : ice cap)とは、氷冠(ひょうかん)または冠氷(かんぴょう)ともいい、陸地を覆う5万km2未満の氷河の塊のこと。陸地を覆う氷河の塊が5万km2以上にわたって広がっている場合は、氷床と呼んで区別する[1][2][3]

氷帽は平原に多い氷床と異なり、起伏の多い地形にも多数みられる。特に、ひとかたまりのの山頂部から中腹にかけてを覆うように氷帽が存在していることが多い。普通、この氷帽は時間が経つにつれて、山頂を境に割れて、それぞれが山麓に向かって流出していく一方、割れて山肌が露わになった表面には新雪が積もり、新たな氷帽が形成されていく[1][3]

氷帽に覆われた地形の表面は、氷帽による変形、浸食等の氷食地形により大きな影響を受ける。五大湖をはじめとした北アメリカの多くの湖は、氷帽が後退したときに、数十万年という長い時間をかけて谷のように地形が削られた影響で形成されたと考えられている。

惑星の地域を覆う氷のことを「極冠氷」と呼ぶことがあるが、これはマスメディアによる命名で、学術的には不正確だという主張がある(本来、5万km2以上の氷河は冠氷ではない)[4]

世界の主な氷帽

氷河の一覧(氷床含む)も参照。
ヨーロッパ

脚注

  1. ^ a b Benn, Douglk; David Evans (1998). Glaciers and Glaciation. London: Arnold. ISBN 0-340-58431-9 
  2. ^ Bennett, Matthew; Neil Glasser (1996). Glacial Geology: Ice Sheets and Landforms. Chichester, England: John Wiley and Sons Ltd.. ISBN 0-471-96345-3 
  3. ^ a b Greve, R.; Blatter, H. (2009). Dynamics of Ice Sheets and Glaciers. Springer. doi:10.1007/978-3-642-03415-2. ISBN 978-3-642-03414-5 
  4. ^ TIME Magazine Online: Arctic Ice Explorers
  5. ^ Flowers, Gwenn E.; Shawn J. Marshall, Helgi Bjŏrnsson and Garry K. C. Clarke (2005). “Sensitivity of Vatnajŏkull ice cap hydrology and dynamics to climate warming over the next 2 centuries”. Journal of Geophysical Research 110: F02011. doi:10.1029/2004JF000200. http://www.eos.ubc.ca/research/glaciology/research/Publications/FlowersMarshallBjornssonClarke(JGR-2005).pdf 2007年5月31日閲覧。. 
  6. ^ . 5. http://navigator-sru.passhe.edu/login?url=http://site.ebrary.com/lib/sru/Doc?id=10103983. 

関連項目


氷帽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/21 01:08 UTC 版)

ウシャコフ島」の記事における「氷帽」の解説

島は氷帽に覆われている。氷帽の最高点294 m (965 ft)である。氷床の下の岩がちな地表平坦で、一部海面下にある。氷帽の縁は20 m (66 ft)から30 m (98 ft)の崖を形成している 。氷帽の表面積1950年から2000年の間に2km2 (1 sq mi)減少したが、氷床体積35立方キロメートル (8 cu mi)から38立方キロメートル (9 cu mi)に増加した氷床平均厚さ107 m (351 ft)から118 m (387 ft)に増加した

※この「氷帽」の解説は、「ウシャコフ島」の解説の一部です。
「氷帽」を含む「ウシャコフ島」の記事については、「ウシャコフ島」の概要を参照ください。

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