助け人走る
助け人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 15:29 UTC 版)
中山文十郎 演 - 田村高廣 酒好きの素浪人。平内からは「文さん」と呼ばれる。 明朗快活な性格で、人当たりが良いが、流派は我流ながらも腕の立つ剣客である。妹のしのと共に長屋に住み、その日暮らしの生活を送る。 しのを溺愛しており、由緒正しい家に嫁ぐことを望んでいるため、男を近づけさせないでいるが、妹思いが高じるあまり、勝手に婚約させようとしたことがある(第3話)。 第2話で、高田馬場の決闘に加勢した中山安兵衛の似顔絵を見て、「どこかで見た顔だな」と発言している。 助け人崩壊後は困窮するが、しのの援助もあり、平内ほどは困らなかった。為吉の死が心に重くのしかかっており、当初は裏稼業への復帰を渋るが、自ら招いた頼み人の死に責任を感じ、裏稼業を再開する。 第27話で、大刀を売り払い、お吉のために5両を用立てている。 終盤まで、利吉としのが恋仲であることを知らされていなかったが、最終話で、2人の関係を認め、しのを利吉に託し、待っていたお吉と共に旅立つ。 辻平内 演 - 中谷一郎 坊主頭の侍崩れで、陽気な人物。文十郎からは「平さん」と呼ばれる。 三度の飯より煙管が好きで、標的を目の前にしながら傍にあった高級品の煙草に手を出したり、自分で煙草の葉を蒸して手作りしたり、街頭の珍しい煙草屋で楽しんでいたほか、自分の部屋に数々の煙管を収集していた。 女にも目がなく、博打にも手を出すなど、根っからの享楽家。気ままな一人暮らしの一方で、別居中の妻に毎月、八のつく日に生活費を送ることを約束しており、今も妻子のことを大事に思っている。八の日を迎え、金策に奔走するシーンがよく描写される。 少年時代、父親は飢えていた自分と母親のために窃盗と殺人を犯し、島送りで行方知れずとなる。その後、辻家の婿養子に納まったが、武家社会に嫌気がさして出奔した過去を持つ。 助け人稼業崩壊後の終盤は仕事が全く無く、困窮し、辻家の恥として、妻から会うことも拒絶されてしまう。 文十郎とは表裏とも気の合う間柄だったが、最終話で大奥 中臈脱出の依頼を巡って対立する。その大仕事の後、わだかまりを残したまま、一人で旅立った。 油紙の利吉 演 - 津坂匡章 清兵衛の配下で、助け人の密偵。 お調子者の男だが、仕事には忠実である。文十郎の妹のしのと密かに付き合っている。元々は清兵衛の配下の盗賊で、潜入の際などは盗賊時代に培った業を見せることがある。本人によると、盗賊歴は12年である。 助け人解散後は、清兵衛が江戸を離れたため裏稼業を任されており、依頼人との仲介人も務める(店は閉め切っており、表稼業の口入屋としては休業状態)。奉行所の監視下から巧みに逃れつつ、文十郎たちに繋ぎを取り、仕事を依頼した。 殺しは基本的に行わない前提だが、例外的に第25話ではフグ鍋に毒を混入させ、4人の悪人を殺している。 出羽国本荘郡日吉村の出身で5歳の時に人買いに売られ、村に残った両親と2歳違いの兄と生き別れになった過去がある(第29話)。 最後の大仕事の後、文十郎にしのとの仲を認められ、しのと頼み人のおちさを連れて、旅立つ。 為吉 演 - 住吉正博 清兵衛の配下で、助け人の密偵。 利吉の盗賊時代からの弟分で奉行所に捕まって拷問で石を何段も積まれても口を割らなかった過去がある(第5話)。 生真面目な性格で、私生活も謎だったが、第24話で妻子がいることが明かされる。裏の仕事にかかわる者として、実の息子に自分が父親だとは明かさず「為(ため)のおじちゃん」と呼ばせていた。利吉同様、元々は清兵衛の配下の盗賊であった。 第24話で、奉行所に捕らえられ、苛烈な拷問を受けるが、助け人稼業のことを決して明かさず、絶命する。 お吉 演 - 野川由美子 芸者。途中から助け人の密偵となる。 姉御肌で、気風のいい性格。文十郎とは互いに好きあっているが、喧嘩も多い。第5話で、助け人の裏の仕事を知り、以後、清兵衛に気に入られ、裏の仕事に加わる。 なお彼女だけは第24話で助け人だと奉行所に割れなかった(第25話)。 最後の大仕事の後、一人で旅立とうとする文十郎を待ち伏せし、共に旅立つ。 島帰りの龍 演 - 宮内洋 第20話から登場。裏の仕事専門の一匹狼の青年。島流しから戻ってきた男で、江戸に帰ってきて、早々に裏稼業としての「助け人」を始める。 他者の助けを借りようとせず、当初は清兵衛達に喧嘩を売るに近い形で顔を見せるが、清兵衛の気迫から裏稼業を行うにあたっての覚悟や未熟さを悟り、彼の配下となる。助け人崩壊後は、困窮した文十郎や平内とは異なり、さほど生活は変わらなかったようで、賭場にも出入りしていたが、境内の床下で寝泊まりしており、泊めてもらおうと思った平内も考え直している。 最後の大仕事で、清兵衛たちを逃がすために囮となり、大勢の捕り方を迎え撃ち、満身創痍になりながら最後は橋の上から川に落ち、生死不明となる。 中山しの 演 - 佐野厚子 文十郎の妹で、普段は茶屋で働いている。 兄思いだが、何かと自分に干渉しようとしてくる点については反発している。 文十郎の裏の仕事を知らず、助け人の表の仕事をする兄を情けなく頼り無いと愚痴をこぼす。裏の仕事に出向こうとする兄に不審を抱いたりしていたが、為吉の捕縛で、奉行所からの追及を受けた際に、文十郎から真実を聞かされる。以後、彼女も裏の仕事を、繋ぎ役として手伝うようになる。 最終話で、利吉との仲を文十郎から認められ、兄と別れ、利吉と共に旅立つ。 清兵衛 演 - 山村聡 助け人の元締。表稼業では口入屋を営む、人当たりの良い初老の男。 裏の「助け人」の元締として、文十郎と平内に裏の人助け、殺しを依頼する。かつては「幻の清兵衛」と呼ばれた大盗賊で、現在は足を洗っているが、裏世界の人間との交友関係も広い。 元締のため、自らは原則として動かないが、情報収集を行い、裏の仕事の先陣を切ることがある。場合によっては例外的に殺しを行っている。 第24話で、奉行所に捕まった為吉のために奔走するが、結局、彼を救うことはできず、為吉の死に責任を感じ、裏稼業から手を引く。店は利吉に任せ、為吉の故郷に遺骨を届けるため、巡礼の旅に出る。 その後、江戸近郊の山奥の小屋で仏像を彫っていたが、偶然に出会った侍の頼みで、一時的に江戸に戻る(第33話)。最終話で、大奥に絡む裏の仕事を文十郎たちに持ち込む。
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