子どもネットリテラシー講座
SNSでの誹謗中傷、裁判にかかる期間や費用は? 子どものネットトラブル防止の心構え
2024.04.26
SNSで誹謗中傷をよく見かけるようになりました。また、子どものスマホ所持率が上がり、SNSがごく身近なツールとなったことで、子どもがネットトラブルに巻き込まれる可能性も高まっています。もしSNSで子どもがトラブルに巻き込まれたら、保護者はどのように対応すべきでしょうか。また、損害賠償を求めて裁判を起こした場合、どれくらいの期間や費用がかかるのでしょうか。近年のネットをめぐるトラブル事例や法的措置の実情、トラブル防止方法について、弁護士の西田穣さんに聞きました。
(にしだ・みのる)慶應義塾大学文学部史学科卒業。2004年、東京東部法律事務所入所。専門分野は借地借家を含む不動産取引、交通事故その他民事一般、離婚等家事事件一般、刑事事件(裁判員裁判を含む)、遺産分割、遺言等相続全般。2022年より自由法曹団東京支部幹事長。
スマホの普及により、トラブルの様相が変化
――子どもに関わるネットトラブルには、どんな事例がありますか?
ストーカー被害や高額課金、ワンクリック詐欺、リベンジポルノといったトラブルが見られます。
SNSのLINEグループで子どもが友達から仲間外れにされるといったネットトラブルも耳にしますが、悪口や仲間はずれにするなどの行為自体は、スマホが社会に普及するずっと昔からありました。ですから、スマホが普及したことによる特有のネットトラブルというよりは、時代が変わっていじめの様相も変化してきた。そう捉えたほうが正確だと私は考えています。
――LINEのグループ内で誰かから悪口を言われるようなケースはどうでしょうか。どこまでが冗談で、どこからが相手への侮辱や誹謗中傷になるのか、境界線の判断は難しいように思えます。