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DNSキャッシュ

pointこの用語のポイント

pointキャッシュだよ

pointフルサービスリゾルバが使うよ

point「DNSの話で出てくる」キャッシュだと念押ししているよ

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簡単に書くよ

DNSキャッシュ(読:ディーエヌエスキャッシュ 英:DNS cache)とは

答えが分からなかったら他のDNSサーバさん(IPアドレスとドメイン名の対応を管理するのが仕事のコンピュータ)に聞きに行くDNSサーバさん(フルサービスリゾルバ)の機能のひとつ
であり

他のDNSサーバさんに教えてもらった内容を覚えておく仕組みのこと
です。
あるいは

他のDNSサーバさんに教えてもらった内容をメモしたカンペのこと
を指している場合もあります。


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詳しく書くよ

順番に見ていきましょう。
まずは予備知識として

IPアドレス
ドメイン名
DNS
DNSサーバ
フルサービスリゾルバDNSキャッシュサーバ
権威DNSサーバDNSコンテンツサーバ
キャッシュ


について説明します。
「そんなの説明されなくても知ってるよ!」な人は適当に読み飛ばしてください。

IPアドレスは「コンピュータさん向けのネットワーク上の住所」です。
インターネットっぽい通信において、送信先を特定するときとかに使う情報です。
「198.51.100.2」のような形式になっています。

DNSキャッシュ

ドメイン名は「IPアドレスに付けた人間様向けの名前」です。
インターネットやメールなどで使われる住所です。
「i-3-i.info」のような形式になっています。

DNSキャッシュ2

DNSは「IPアドレスとドメイン名の紐付けをしまっせシステム」です。

パソコンさんはIPアドレスしか分かりません。
ドメイン名を見せられても「う~ん、どこの住所だろう」と困ってしまいます。

DNSキャッシュ3

一方、人間様はIPアドレスがピンときません。
例えば「198.51.100.1」と「198.51.100.10」と「198.51.100.11」の違いなんて、パッと見で分かりませんよね。
うっかりミスも増えそうです。

DNSキャッシュ4

そのため、コンピュータさんはコンピュータさんが分かりやすい形式の住所(IPアドレス)を、人間様は人間様が分かりやすい形式の住所(ドメイン名)を使えるようにするための仕組みがあります。
具体的には、事前にIPアドレスとドメイン名を対応付けておいて、必要に応じて変換するのです。

DNSキャッシュ5

この「IPアドレスとドメイン名を変換してくれる仕組み」をDNSと言います。

DNSキャッシュ6

変換のお仕事を生業にしているコンピュータさんは「DNSサーバ」です。

DNSキャッシュ7

さて、このDNSサーバさんですが、大きく分けて2種類あります。

1つは、どんな手を使ってでもお問い合わせに答えてあげるのが仕事のDNSサーバさんです。
問い合わせがあると、答えを知っていそうなDNSサーバさんに「ねーねー。こんな問い合わせが来たんだけど、答えを知っていたら教えてよ」と聞きに行きます。
言わばカンニング野郎です。
このカンニング野郎なDNSサーバを「フルサービスリゾルバ」や「DNSキャッシュサーバ」と言います。

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もう1つは、自分の管理している情報を教えてあげるのがお仕事のDNSサーバさんです。
自分の中にIPアドレスとドメイン名の対応表を持っていて、問い合わせに対して「あー、そのIPアドレスは、このドメイン名だね~」「そのドメイン名は、このIPアドレスだよ~」と答えてあげます。
対応表に載っていなければ「知らないな~」と答えます。
このDNSサーバさんは「権威DNSサーバ」や「DNSコンテンツサーバ」と呼ばれています。

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キャッシュは「よく使うデータを取り出しやすいところに準備しておく仕組み」です。
「おせーんだよ、チッ」って舌打ちされないための工夫です。

DNSキャッシュ10

以上を踏まえて、本題に入ります。

フルサービスリゾルバさんは他のDNSサーバさん(権威DNSサーバさん)に問い合わせた内容をカンペにメモって一定期間保存しています。
何回も同じ内容を問い合わせたら、他のDNSサーバさんもうんざりしますよね?
そこで、一度問い合わせた内容は自分の中にメモっておくのです。

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問い合わせがあったときは、まず自分の中にあるカンペに答えが載っていないかを探します。
カンペを見ても載っていなければ、そのときはじめて、他のDNSサーバさんに助けを求めます。
意外に気遣いのできるやつですね。

DNSキャッシュ12

このカンペを使う仕組みが「DNSキャッシュ」です。
1回やったことをメモっておくことで、2回目以降に手抜きする仕組みです。

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あるいは、この仕組みで使うカンペそのものを指して「DNSキャッシュ」と表現している場合もあります。

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どちらを意図しているかは文脈から判断してください。

単に「キャッシュ」と表現されることも多いですけどね。
キャッシュ自体はDNS以外でも使われる仕組みです。
そのため「これはDNSの話で登場するキャッシュだよ!」と強調したいときに「DNSキャッシュ」という言い方が使われます。


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一言でまとめるよ

まぁ「DNSキャッシュ」って単語が出てきたら「フルサービスリゾルバさん(答えが分からなかったら他のDNSサーバに聞きに行くDNSサーバ)が他のDNSサーバさん(IPアドレスとドメイン名の対応を管理するのが仕事のコンピュータ)に教えてもらった内容を覚えておく仕組み(もしくは、その仕組みで使うカンペ)なんだな~」と、お考えください。

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おまけ

■訳してみるよ

「DNS」は「Domain Name System(ドメイン・ネーム・システム)」の略です。
「domain(ドメイン)」の意味は「領域」とか「区域」とか「領土」とかです。
「name(ネーム)」の意味は「名前」とかです。
「system(システム)」はカタカナで「システム」と解釈してください。
「cache(キャッシュ)」の意味は「隠したもの」とか「隠し場所」とか「貯蔵所」とか「貯蔵物」とかです。
何となくくっつけると

領域名システムの貯蔵物

となります。