1月の末、コンセルヴァトワールのフェスティヴァルで、ワルトトイフェル(Waldteufel)
のワルツAmour et Printemps とシュトラウス2世のアンネンポルカの管弦楽にヴィオラで参加した。
ワルトトイフェルはアルザスのドイツ系ユダヤ人家庭出身だが、パリ音楽院で学んだだけあって和声などがフランス的だ。日本ではスケータズ・ワルツが有名で私も子供の時にピアノで弾いたけれど、フランスではこの「愛と春」のワルツが突出して有名だ(人気テレビ番組のテーマ曲だった)。
15年くらい私のカルテット仲間だったヴァイオリニストのジャンの夫人はこのワルツが大好きで、彼らの娘が属するオーケストラの150周年記念コンサートでこの曲が弾かれて聴衆が踊ることができた時、二人で踊って至福の時を過ごしたそうだ。その数年後に夫人はなくなり、ジャンも今は介護施設にいる。
その一週間前に日本館でのトリオのコンサートがあったので、この二つのワルツを練習する余裕はなかった。技術的に難しいわけではないし、ソリストではないし、テンポを指揮する人がいるのだから気は楽だ。こんなに気軽に19世紀末の華やかなワルツを管弦楽で堪能できるのだから、楽勝かと思うが、実は、この手の全てのワルツに共通しているけれど、繰り返しが多い。ダカーポ、ダルセーニョ、コーダへの飛び方も注意する必要がある。繰り返し部分を間違えないように確認するだけで結構ストレスになる。
で、ヴァイオリニストのジャンマルタンらと少しは合わせていたのだけれど、はじめて舞台上で管楽器奏者にも加えての合同練習をしたのが、1/16だった。私はバロックバレーのレッスンを早めに切り上げてうちに帰ってすぐに楽器をもってコンセルヴァトワールに向かった。午後7h45-9hが練習時間。そこで初めてヴィオラの同じパートを弾く3人と合流した。私だけは譜面台を一人で使う。私はヴィオラの2つのパートにまたがって弾くので楽譜を切り貼りしたからだ。
その時にはじめて会ったのが、隣にいた小柄で色白の「瞳ちゃん」だった。
今までブランデンブルグやボレロなどの管弦楽で隣り合ったことのあるヴィオラ仲間ではない「新顔」だ。(続く)
(続く)