2022年も夜空は壮大な天体ショーで私たちの目を楽しませてくれることだろう。日食や月食のほか、横並びになった惑星と月とのコラボなど、今年予定表に書き込んでおきたい注目の天文イベントを8つ、ピックアップしてみた。なかでも11月の皆既月食は、日本で見るのに良い条件がそろっている。
3月24日~4月5日:金星、火星、土星の三角関係
3月下旬から4月上旬にかけて、日の出の約1時間前に南東の方角を見ると、空の低い位置で金星、火星、土星が集まって細長い三角形を作っているのが見えるだろう。3月27日と28日には、明けの三日月がそのすぐそばを通過する。
毎朝観測していると、三角形は次第に平たくなっていることに気付くはずだ。そして、4月1日に3つの惑星は横並びになる。その後、土星が火星へ近づいていき、最接近する4月4日には、2つの星が月の見かけの直径ほどの距離になる。
4月30日:部分日食
地球と太陽の間に月が入り、太陽の一部が欠けて見えるという部分日食が、2022年には2回起こる(ともに日本では見られない)。1回目は4月30日、南米大陸南部、南極大陸の一部、太平洋上および南極海上の一部から見ることができる。最大食は協定世界時20時41分(日本時間5月1日5時41分)で、この時太陽の64%が月に隠れる。
最も大きく欠けた太陽を見るには、南極半島の西の南極海まで行かなければならないが、チリやアルゼンチンの最南端からでも、太陽の約60%が欠けて見えるはずだ。
日食を安全に観察するには、目を保護するための日食グラスが必要だ。太陽がいつもより暗くなっていたとしても、直接見るとやはり目を傷める恐れがある。国際的な安全基準を満たした日食グラスを使用することをお勧めする。
4月30日~5月1日:金星と木星が重なり合う
4月の間、木星は南東の空を毎日少しずつ上昇し、明るく輝く金星へ近づく。4月30日の夜明け前、2つの惑星は合体しそうなほど近くなる。これは、双眼鏡や家庭用の望遠鏡でも観測可能だ。加えて、その右上には火星と土星の姿も見ることができる。
ただし、太陽がこのすぐ近くから昇るため、観測のタイミングが重要だ。南東の方角に高い障害物がない場所を見つけ、現地の日の出時間を確認したうえで、30分前にはスタンバイしよう。
おすすめ関連書籍
世界があこがれた空の地図
美しく奇抜な発想があふれる驚異の芸術。ベストセラー第3弾! 〔全国学校図書館協議会選定図書〕
定価:2,970円(税込)