イタリアを代表する食べもの 味わうべき10選

ローマ、ベネチア、シチリアでこれを逃したらイタリアの食は語れない

2019.01.14
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イタリア北部、アオスタ渓谷に立つ12世紀のサンピエール城。そのすぐそばにぶどう畑が広がる。(PHOTOGRAPH BY MASSIMO RIPANI)
イタリア北部、アオスタ渓谷に立つ12世紀のサンピエール城。そのすぐそばにぶどう畑が広がる。(PHOTOGRAPH BY MASSIMO RIPANI)
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 イタリアの食は一つのスタイルで成り立ってはいない。異なる気候、農産物、歴史、文化から誕生したイタリア各地の伝統料理が組み合わさり、たとえるなら「美味のモザイク」というべきものがこの国の食だ。多様性に富む一方で、食べ方に目を移すと地域差はない。どの地方も地元の食材への敬意があり、調理はシンプルでありながら繊細、そして家族や友人たちとのんびりと楽しみながら味わうのだ。さっそくイタリアを代表する10の食べものを紹介していこう。 (参考記事:「所変わればパスタも変わる 深遠なるイタリアのパスタ文化」

1■ピエモンテ州のトリュフ

 500グラム弱が40万円近い値で取引される白トリュフ。我々を魅了してやまないこの食材を味わうために、人々はピエモンテ州アルバまで足を延ばし、トリュフを数枚スライスしたリゾットを食べる。白トリュフは地下で育つ。このため、一般的なキノコのように風で胞子を撒くことはない。白トリュフが次代を残す戦略は香りだ。強い香りを含んだ成分を放って動物を誘い、白トリュフを土の中から掘り出すことで胞子を拡散できるのだ。しかも、白トリュフが強い香りを放つのはわずか数日。香りが消えると、白トリュフ独特の風味も失われてしまう。トリュフの仲間には果樹園で収穫できるものもあるが、白トリュフはナラ、ヤナギ、ポプラ、ハシバミの木の根の周りでしか育たない。こうした希少性こそ白トリュフが究極の季節食材と言われるゆえんだ。

白トリュフを見つけた犬をほめるハンター。(PHOTOGRAPH BY GIUSEPPE CACACE, AFP/GETTY IMAGES)
白トリュフを見つけた犬をほめるハンター。(PHOTOGRAPH BY GIUSEPPE CACACE, AFP/GETTY IMAGES)
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2■ベネト州のポレンタ

 コーンミール(トウモロコシの粉)のようなポレンタはベネト料理の中でも独特の存在だ。どの料理カテゴリーにも属さず、前菜からデザートまで広く使われる。たとえば、バッカラ・アッラ・ビチェンティーナ(水で戻した塩漬け鱈の牛乳煮込み料理)のような、肉汁やソースがその風味を引き立たせてくれる料理に、ゆるい粥の状態で添えられることもある。あるいは、ポレンタの上にソース(肉入りでも肉なしでも可)と溶けるチーズを交互に重ねてオーブンで焼くのもいいだろう。ポレンタはさまざまなスイーツの定番の材料でもあり、トルタ・サッビオーザ(砂のケーキ)や、ベネチア名物の金色をしたクッキー「ザレッティ」にも使われる。 (参考記事:「ミステリアスで美しい、ベネチア・カーニバルの魅力」

3■エミリア=ロマーニャ州のプロシュート・ディ・パルマ

 「パルマハム」として世界に名高いプロシュート・ディ・パルマを作るには、次の4つが欠かせない。まず乳清(パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズの副産物)、そして健康な豚、乾燥した空気、塩だ。もちろん、おいしいパルマハム作りには連綿と継承されてきたノウハウも欠かせない。パルマはこれらがすべてそろう。ハムの原材料となるのは生後10カ月の豚の後ろ脚だ。塩漬けにされた後、ぶらさげられて乾燥させ、定期的にもまれる工程を経ながら、長い時間をかけて熟成させられる。オリーブ畑、チェストナットや松の林の香りを集めながら丘陵地帯の生ハム工場にアペニン山脈からの風が吹き抜ける。こうした風土が、パルマハムを誕生させたのだ。 (参考記事:「ダシは生ハム!スペインの豪快煮込み料理」

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