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- 2016年11月号
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火星移住 人類の挑戦
火星に人類が移り住む…SFのような計画だが、実現に向けてカウントダウンが始まっている。火星を目指すプロジェクトの最新情報を伝える。
火星に宇宙船を軟着陸させるのは、月よりもはるかに難しい。火星の重力は月より大きく、大気は薄いといっても、降下中に宇宙船の表面を過熱させる程度の密度はあるからだ。
そんな火星への着陸には、これまで多くの無人機が失敗してきた。NASAは重量1トン近くある無人探査車キュリオシティを軟着陸させることには成功した。だが、人間を乗せ、補給物資を積む宇宙船は一軒家ぐらいの大きさになり、重量は最低でも20トンになる。そこで、イーロン・マスクが率いる米国の宇宙開発ベンチャー、スペースX社の技術陣の出番となる。
スペースX社、ロケットの軟着陸実験に成功
火星への軟着陸で現在最も有望な方法は、スペースX社が開発中の「超音速逆推進」という技術だ。同社のロケット「ファルコン9」のブースターは、打ち上げ後に切り離され、空気の薄い地球の大気圏上層を超音速で降下するが、これは火星とよく似た条件となっている。そのため、2015年12月にファルコン9が地上へ軟着陸する実験を成功させ、その後、洋上の無人船への軟着陸にも成功したことで、火星有人飛行の実現に向けて一気に期待が高まった。
※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2016年11月号でどうぞ。
火星で暮らすための1年間の模擬実験中、施設に隔離された6人のクルーのうち「少なくとも2人が家族の死を経験した」というニュースは、ちょっとショッキングでした。火星へ行ったら最後、二度と会えないのは覚悟のうえ…と頭では思っていても、こういう現実を突きつけられると、なかなか手を挙げるのは難しそうです。でも、45歳以上になると宇宙空間での放射線に耐性が出てくるので、ある程度の年齢を重ねた方が移住者に選ばれる可能性があるんだとか。40歳にしてサーフィンを始める、50歳にしてサックスを習う、そんな「もうひと花咲かせてやろうじゃない!?」というときの選択肢の一つに「火星移住」があれば、何だかちょっと、かっこいい大人になれるような気がします。(H.O.)
人類の火星への旅は、もはや夢物語ではない――。
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