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【  2015年01月  】 

飛び立つ翼 -1-

番外編

2015.01.31 (Sat)

「では、すぐに新しい弟子の育成に当たれよ、アイマグ。お前の働きには満足しているが、人間、先は分からん。お前に万一のことがあった時、キャラバンに魔術師がいないのでは困る」 キャラバンの長であるクリガラはそう言い、手元の盃から酒を口にする。 クリガラは三十五歳。伝説のモクの大族長であるアムハンの弟、「賢い人」サカルンの孫の五男に当たる。良い家柄の人間らしい、鷹揚な態度の男だ。 これでいて、怒れば火のよ...

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飛び立つ翼・ご案内

番外編

2015.01.30 (Fri)

 「夢の向こうの私とあなた」番外編・第三弾です。 今回は、本編で一番不運だった人(^_^;) シュラハの師匠、アイマグのその後のお話です。 個人的に、彼のその後が一番気になっていて(笑) 本当は、「なろう」版の時から彼のその後は書きたいなーと思っていたのですが、あんまり終わった作品に恋々としても、と思って書かなかったのですが。 番外編を書くことにしちゃったから、この話も書くよ!  短めで、四回で完結予定...

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2話 ろくでなしとのクルーズ -12-

謎の王子先輩

2015.01.30 (Fri)

「クーズーひーまー!!」 なんか、すごい声で怒鳴られた。「何ですか?」「おまえ……。お前、なんてことしてくれるんだよ!」 唇まで真っ青になって、ブルブル震えている。「何かありましたか?」「何かじゃないよ! 僕の皿に、こんなモノをよそりやがって!!」 こんなモノって。「野菜とミックスベジタブルを入れただけですけど」「それだよ!」 王子先輩はわなわなと震えながら主張した。「こんなモノ、人間の食べるものじ...

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2話 ろくでなしとのクルーズ -11-

謎の王子先輩

2015.01.29 (Thu)

 かまってるとキリがないので、無理やり食事タイムに突入。「何かとりましょうか? ぼ……高原先輩」 ううむ。ついつい、坊ちゃん先輩と言いそうになってしまうな。「そうだな。そっちの野菜をよそってくれるか?」「はい」 野菜炒めとミックスベジタブルを大盛りでよそってあげる。「王子せんぱ……」 言いかけて、気が付いた。坊ちゃん先輩は、あだ名で呼ばれるのキライみたいだし。もしかして、王子先輩も本名で呼んだ方がいい...

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2話 ろくでなしとのクルーズ -10-

謎の王子先輩

2015.01.29 (Thu)

「ええと、あの。とにかく、お昼にしましょう」 私は言った。「お肉も野菜も、いい具合に焼けて来てますから」「ああそう」 冷たい声で王子先輩は言った。「じゃあさ、もう面倒くさいからお前全部脱いじゃえよ。いいや水着じゃなくても」 えええええ?! すごい直球のセクハラ発言キタ!「やめろって言ってるだろうが! このセクハラ大魔王が!」 坊ちゃん先輩はカンカンになった。「いい加減にしろ! そんなものが目的で、...

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2話 ろくでなしとのクルーズ -9-

謎の王子先輩

2015.01.28 (Wed)

 ということで、いろいろあったが。 時計が正午を回った頃には、船は沖に出て、観光地の島や砂浜を遠望できる場所に停泊した。 天気は良く、波も凪いでおり、絶好のクルーズ日和。 島の近くには、ヨットが何艇か帆に風を受けて走っているのが見える。 あんなクルーズにあこがれた時もあったわね……なんて遠い目でそれを見る私。 私と坊ちゃん先輩は、バーベキューの準備中。 テーブルの上に置かれたラジカセが、古い演歌を流...

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2話 ろくでなしとのクルーズ -8-

謎の王子先輩

2015.01.27 (Tue)

 とりあえず、先輩の蛮行はすぐに坊ちゃん先輩と、ナルさんというおっちゃんがやめさせてくれた。 と、いうか。このナルさん。「って……! 王子先輩の、お父さんですか!?」 この日最大の衝撃。王子先輩のお父さんは、男らしさMAXの漁師さんだった!! 礼子さんも似てないとは思ったけど。ナルさんに至っては共通点を探す方が難しい。 ナルさんはナルさんで、それなりに体育会系イケメンなんだけど、王子先輩とはイケメン...

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2話 ろくでなしとのクルーズ -7-

謎の王子先輩

2015.01.26 (Mon)

「待ってたぜ。準備は万端だぞ」 船からタラップを伝って軽い足取りでやってきたおっちゃんは、白い歯を見せてニカッと笑った。「ガソリンもたっぷり入れたし、縁起担ぎに大漁旗も掲げといてやったぜ。で、魚を入れる箱はどのくらい持っていく?」「いや、ナルさん。今日は別に、魚釣りに行くわけではないので」「何でだよ。魚釣らないで、何のための船だよ。カズのヘボ操船の練習台に使われるだけじゃあ、福ちゃんがカワイソウじ...

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2話 ろくでなしとのクルーズ -6-

謎の王子先輩

2015.01.26 (Mon)

 ところで、この辺りにヨットハーバーなんかあったっけ? 王子先輩の家を出た私は、首をかしげた。 車で二十分くらい行ったところに観光名所の島があって、そこには確かヨットハーバーがあったような。そこまで行くのかしら。 でも、坊ちゃん先輩は車とか用意している感じではないし。まさか、バス? バス移動? うーん、なんかセレブの移動手段としてそれはどうなのか。「久住さん、どうした」 坊ちゃん先輩が足を止めて、...

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2話 ろくでなしとのクルーズ -5-

謎の王子先輩

2015.01.25 (Sun)

 おばさんはこちらを向いた。色白で、目がパッチリして、割とかわいい感じの顔だ。同年代だったら、きっとモテただろう。 うちの母より、断然若い。 私の顔を見て目をぱちくりさせて、「えーと。誰?」 驚いたように、坊ちゃん先輩に聞く。「だから。アイツから聞いてませんか。今日一緒にバーベキューをやる、大学の後輩の久住さん」 坊ちゃん先輩が紹介すると。「ええっ! 女の子だったの?! ヤダよ、あの子ったら、後輩...

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プロフィール

椿

Author:椿
好きな小説を書き散らかしている女です。現在、サリエリ音楽にずっぽりハマっています。よろしかったらお付き合いくださいませ。また、拙著「最強船長と最高に愉快な仲間たち」が講談社レジェンドノベルス様より発売しております。そちらもよろしくお願いいたします。

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