グラフィックボードの基本!選び方と注意点は?
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『グラフィックボードの性能を見極めて選んでみよう』(最終更新:2018年9月)
前回の「グラフィックボードの種類と性能の違い」では、グラフィックボードの性能(スペック)を見極める際に確認しなければならない重要なポイントについて説明しました。
そのポイントというのが、「グラフィックチップ(GPU)」という頭脳の部分でしたね。(以降GPUと書きます)(グラフィックチップってなに?)
つまり、ボードに搭載されている脳がどれくらい優秀なのかを判断するのが大切なわけです。もちろん、それ以外にも総合的にグラフィックボードの優劣を判断しなければならないのですが、どのように選んだらいいのかわからない方も多いと思います。←私
そこで今回は、性能の見分け方や、選ぶ際の注意点などについてまとめました。
グラフィックボードを選ぶ際に確認しなければならないのは、以下の9つです。
1.ブランド名
2.コアクロック(クロック数)
3.コアブーストクロック(Boost)
4.メモリ容量
5.メモリクロック
6.メモリバス幅(バス幅)
7.解像度
8.入出力ポート(I/Oポート)
9.API
でも、よくわからないという方も多いと思うので、わかりやすく車に例えてみましょう。
◆ブランド名=エンジンメーカー
◆コアクロック=車の速度
◆コアブーストクロック=アクセル
◆メモリ容量=車の大きさ
◆メモリクロック=車の速度
◆メモリバス幅=高速道路の車線
◆解像度
◆入出力ポート
◆API=車の免許
となります。では、一つずつ詳しく見ていきましょう。
ブランドとは、「車のエンジンメーカー」のようなもので、どの会社のエンジンが使われているのかを表しています。
グラフィックボード選ぶ際は、ボードに搭載されているエンジンを確認しなければなりません。
このエンジンにあたるのが「GPU」と呼ばれるものなのですが、このブランドは「NVIDIA GeForce(ジーフォース)」「AMD RADEON(レイディオン/ラディオン)」の2種類に分かれます。
一つ目のGeForceは、米国のNVIDIA(エヌビディア)社が開発しているGPUのブランド名です。技術競争が激しかった頃から開発スピードが速く、現在最も普及しているGPUと言われています。
廉価版から高性能なものまで幅広く扱っていますし、2D・3Dグラフィックの両方とも安定しています。
また、最近の製品は映像や動画において定評のあるRADEONにも引けを取りません。
さらに、ゲームの分野ではGeForceを基に開発されていることも多いので、不具合などの発生もRADEONに比べて低いといった特徴があります。
最近のものであれば、オールマイティなGPUと言えると思います。シェアも高いので、万一トラブルが起きても対処しやすいといった魅力もあります。(GeForceの種類と性能の見方や比較方法)
二つ目のRADEONは、米国のAMD(エイエムディ)社が開発しているGPUのシリーズ名です。以前は、ATI Technologies(カナダ)という企業でしたが、2006年にAMDに買収されました。
かつては映像や動画の性能がGeForceよりも優れていると言われていましたが、現在はGeForceと大差はありません。
また、3Dの性能がGeForceよりも劣っているとも言われていましたが、この点においても現在は差がないようです。
GeForceに比べるとシェアは低いですが、同性能のものが低価格で購入できるといった特徴があります。(RADEONの種類と性能の見方や比較方法)
それぞれの違いについては各記事内でまとめましたので、そちらを参考にしてください。
どちらにしようか迷われた時は、「初心者であればGeForce」「上級者で価格帯も考慮しながら選ぶならRADEON」といった具合に判断してみると良いかもしれません。
買いたいと思っているパソコンに、どちらのGPUブランドが搭載されているのかを確認したら、今度は製品名(モデル名)をチェックします。
ここからGPUの性能を判断することになるのですが、この性能を左右するのが以下の2~7です。
コアクロックとは「車の速度」のようなもので、どれくらいの速さでデータを処理できるのかがわかります。
クロック数とは、CPUについて説明した際にも出てきましたが、これと同じものと考えて問題ありません。(CPUとは何か?初心者にもわかりやすく解説)
また、「コアクロック」と記載されていますが、ここでのコアとはGPUのことを指しています。つまり、「GPUのクロック数」ということですね。
CPUとGPUの違いは、CPUがパソコン全体の計算処理をする脳だとすると、GPUは映像に関する計算処理をCPUの代わりに行う脳だと考えるとわかりやすいと思います。CPU一人だと大変なので、専門の職人さんに手伝ってもらうようなものですね。
この職人さんが、どれくらいの速さで計算処理できるのかを表したものが「クロック数(動作周波数)」と呼ばれるもので、「875MHz」とか「1046MHz」といった形で表記されます。この数字が大きければ大きいほど処理が速くなるので高性能と言えるわけです。
ただし、コアクロック以外にも以下のメモリ容量やメモリバス幅などといった、他の要素も考慮しなければなりません。つまり、コアクロック数のみで性能を判断することはできないので、総合的に考慮しなければならないということですね。
ちなみにコアに関連して「プロセスルール(製造プロセス/プロセス)」というものを目にするかもしれませんが、これは半導体の回路線幅を表しています。
簡単に言うと、GPUの内部がどれだけ細かく作られているかを表したもので、「80nm(ナノメートル)」とか「65nm」といった単位で表記されます。細かくなればなるほど小型化や速度性能の向上が図れるようになるので、数字が小さいほど高性能だと思ってもらって構いません。
選ぶ際にはここまで気にする必要はありませんが、余裕があれば一つの指標として使ってみると良いかもしれませんね。
コアブーストクロックとは「車のアクセル」のようなものです。たくさんのデータを処理するときに、アクセルを踏んでGPUの処理速度を加速させる機能です。
これを「ブーストクロック」と言い、先述した2のコアクロックのことをブーストクロックとは対照的に「ベースクロック」と言ったりもします。
たとえば、「ベースクロック:1020MHz」「ブーストクロック:1085MHz」となっていたら、「アクセルを踏んだ時に1085MHzまでクロック数を上げられます」ということ意味しています。
これはCPUの「ターボブースト」と同じようなものなので、詳しく知りたい方は先ほど紹介したCPUの記事を参考にしてください。
メモリ容量とは「車の大きさ」のようなもので、どれだけ荷物を詰め込めるかがこの大きさによって変わります。
ちなみにこの容量は「1024MB」とか「1536MB」といった数字で表されますが、数字が大きいほど容量も大きいということです。
まずはメモリの役割について簡単に理解してみましょう。
パソコンにメモリが搭載されているように、グラフィックボードにも専用のメモリが搭載されています。では、パソコンのメモリはどのような働きをしていたでしょう?
情報を処理しやすいように手助けをする役割を担っていましたね。(メモリとは何か?初心者にもわかりやすく解説)
グラフィックボードのメモリも同様に、画像や映像などの情報をスムーズに表示できるよう手助けをしてくれています。このとき重要になるのが容量です。
なぜ容量が重要なのか、その仕組みについて簡単に説明します。
GPUは、ディスプレイに表示するためのデータを計算処理して映し出すための準備をしますが、このデータをどれだけ溜められるかがメモリの大きさによって変わります。
メモリをバケツと考えるとわかりやすいと思います。バケツの容量が大きければ、頭脳が計算し終えたデータをたくさんの溜めることができます。すると、ディスプレイにどんどん表示しても、まだストックがたくさんあるので、映像も滑らかに表示させることができるわけです。
しかし、容量が小さいとストックをそんなに溜めておけません。ストックを使いきってしまうと、「まだ計算が終わってないから、ちょっと待って!」とまごついてしまいます。そのため動作が不安定になったり、表示された画像の一部が抜けてしまうなどの原因になるわけです。
なので、大容量データを扱うのであれば、メモリ容量も大きめのものを選んでおいた方が安心だと言えます。
ちなみにグラフィックボードに搭載されているメモリのことを「グラフィックスメモリ(graphics memory)」「ビデオメモリ(video memory)」「VRAM(video RAM)」と言ったりもするのですが、全て同じ意味で使われます。
一方、VRAMを使わずにパソコンのメインメモリーを使うグラフィック機能のことを「オンボードグラフィック」と言います。(オンボードグラフィックの種類と性能の違い)
これはグラフィックボードに比べると機能は劣りますが、パソコンで負荷のかかる3Dの作業を扱わないのであれば、こちらでも問題ないと思います。
メモリクロックとは「車の速度」のようなもので、メモリがどれくらいの速さでデータを処理できるのかがわかります。
「5000MHz」とか「7000MHz」といった形で表すのですが、コアクロックと同様に数字が大きければ大きいほど処理速度が速くなるので高性能と言えます。
先程のコアクロックも「車の速度」と例えましたよね。速度に当たるものが2つも存在します…。なぜなのか?
それは先程も説明したように、コアクロック単体でグラフィックボードの性能を判断できないからです。つまり、グラフィックボードには「メモリ容量」や「メモリクロック」、「メモリバス幅」などいろいろな要素があるので、これらを一緒に考慮していかなければ判断できないということです。
メモリバス幅とは「高速道路の車線」のようなものです。
たとえば、高速道路が1車線であれば、どんなに速いスポーツカーが走っていても前の車が遅ければ、そのスピードに合わせなければなりませんよね。
でも、2車線であれば、速い車は追い越すことができます。つまり、高速道路の幅によって通過する車(データ)の量にも差が出てくるわけです。
もっとわかりやすく言うと、メモリが一度にどれくらいの量のデータを送れるのかがわかるのがメモリバス幅というわけです。
この幅を表したのが「128bit」とか「384bit」といったもので、数字が大きいほど大容量のグラフィック表示でも滑らかに表示させることができます。
解像度とは、ディスプレイに表示したときの映像の美しさを左右するものです。
「2,560x1,600」とか「4,096x2,160」といった形で表されますが、この値が大きいほど自然に近い美しい映像を表示できます。
逆に値が小さいほど、文字や映像にギザギザの角ばったラインが表れるようになります。ちなみにこのギザギザのことを「ジャギ」と言います。
ラインを極力滑らかに表示したいのであれば、解像度の高いものを選ぶといいかもしれません。
これはディスプレイとパソコンを繋げるケーブルの差し込み口のことで、どの種類のケーブルが使えるのかがわかります。たとえば、「DVI」「HDMI」「VGA」「DisplayPort」といったものがあります。
あなたの使いたいケーブルに対応しているかを確認しておきましょう。ケーブルについては、「ディスプレイケーブルの種類と違いとは?」でわかりやすくまとめましたので、こちらを参考にしてください。
APIとは「車の免許」のようなもので、あなたが使う画像編集や動画編集のソフトウェアにGPUが対応しているかがわかります。
主にグラフィック系の製作をしている人に関わってくるものですね。「DirectX」「OpenGL」「OpenCL」といったものがあります。
以上9つのポイントについて簡単にまとめました。選ぶ際にはこれらの点を考慮して選ぶ必要があるのですが、グラフィックボードは結構ややっこしいので難しくてよくわからない方も多いかもしれません。
目安としては、3Dゲームを楽しみたいのであれば「コアクロック」「メモリ容量」を重視するようにし、DVDやBlu-rayなどの動画を高画質で楽しみたいなら「メモリ容量」「メモリクロック」「メモリバス幅」を重視すると良いかもしれません。
でも、もっと簡単にグラフィックボード搭載のパソコンを選びたい人は、DELLやHPなどの大手メーカーから出ているパソコンから選ぶようにすると目的に合ったものを簡単に見つけられると思います。(Amazon:ゲーミングPC・関連アクセサリ)
なぜなら、ゲームをするための専用のパソコン(ゲーミングPC)から、クリエイティブのプロが使う本格的なものまで幅広く用意されているからです。
たとえば、DELLなら「動画像の編集」や「ゲーム」に適したデスクトップPCやノートパソコンが豊富に用意されていますし、グラフィックボードの選択肢もかなり絞られているので悩むことなく選べるはずです。比較的安価な価格で手に入れられるのも嬉しいですね。
パソコンの購入を考えている方は、選択肢の一つに入れておくと良いかもしれません。ちなみにDELLの製品については、「DELLパソコンの特徴は?」でまとめましたので、こちらで理解を深めてみてください。
もちろん、他のメーカーからもさまざまな製品が出ているので一緒に比較してみることをお勧めします。
また、綺麗な映像と音で動画やDVDなどを楽しみたいのであれば、dynabookか富士通のパソコンを選ばれると良いかもしれません。(Amazonなら品揃えも豊富:dynabook、富士通)
dynabookのパソコンは、テレビのREGZA(レグザ)技術が使われている製品が多いことで知られています。そのため、昔から映像は非常に綺麗なのですが、2014年から「HDMI4K出力対応」の製品も発売されています。4Kの圧倒的な美しさをパソコンでも楽しめるので、映像と音にこだわりたい方はこちらを選択肢に入れておくと良いかもしれません。(dynabookパソコンの特徴は?)
富士通のESPRIMOFHシリーズは、FullHD液晶に加えPioneer製のスピーカーを搭載していて画質・音質共に高品質のものを快適に楽しめます。(富士通パソコンの特徴は?)
基本的な知識があれば初心者でも手軽に購入できるので、この際にきちんと学んで理解して、納得のいくパソコンを手に入れてみると良いかもしれません。詳しくは、「初心者のPC購入!選び方のポイントと注意点」でまとめましたのでこちらを参考にしてください。
グラフィックボードの選び方と注意点についてはこんな感じです。あなたの探しているピッタリのパソコンを探してみると、その後のパソコンの使い勝手も変わってくると思います。参考にしてください。
前回の「グラフィックボードの種類と性能の違い」では、グラフィックボードの性能(スペック)を見極める際に確認しなければならない重要なポイントについて説明しました。
そのポイントというのが、「グラフィックチップ(GPU)」という頭脳の部分でしたね。(以降GPUと書きます)(グラフィックチップってなに?)
つまり、ボードに搭載されている脳がどれくらい優秀なのかを判断するのが大切なわけです。もちろん、それ以外にも総合的にグラフィックボードの優劣を判断しなければならないのですが、どのように選んだらいいのかわからない方も多いと思います。←私
そこで今回は、性能の見分け方や、選ぶ際の注意点などについてまとめました。
グラフィックボードの選び方と注意点は?
グラフィックボードを選ぶ際に確認しなければならないのは、以下の9つです。
1.ブランド名
2.コアクロック(クロック数)
3.コアブーストクロック(Boost)
4.メモリ容量
5.メモリクロック
6.メモリバス幅(バス幅)
7.解像度
8.入出力ポート(I/Oポート)
9.API
でも、よくわからないという方も多いと思うので、わかりやすく車に例えてみましょう。
◆ブランド名=エンジンメーカー
◆コアクロック=車の速度
◆コアブーストクロック=アクセル
◆メモリ容量=車の大きさ
◆メモリクロック=車の速度
◆メモリバス幅=高速道路の車線
◆解像度
◆入出力ポート
◆API=車の免許
となります。では、一つずつ詳しく見ていきましょう。
1.ブランド名
ブランドとは、「車のエンジンメーカー」のようなもので、どの会社のエンジンが使われているのかを表しています。
グラフィックボード選ぶ際は、ボードに搭載されているエンジンを確認しなければなりません。
このエンジンにあたるのが「GPU」と呼ばれるものなのですが、このブランドは「NVIDIA GeForce(ジーフォース)」「AMD RADEON(レイディオン/ラディオン)」の2種類に分かれます。
一つ目のGeForceは、米国のNVIDIA(エヌビディア)社が開発しているGPUのブランド名です。技術競争が激しかった頃から開発スピードが速く、現在最も普及しているGPUと言われています。
廉価版から高性能なものまで幅広く扱っていますし、2D・3Dグラフィックの両方とも安定しています。
また、最近の製品は映像や動画において定評のあるRADEONにも引けを取りません。
さらに、ゲームの分野ではGeForceを基に開発されていることも多いので、不具合などの発生もRADEONに比べて低いといった特徴があります。
最近のものであれば、オールマイティなGPUと言えると思います。シェアも高いので、万一トラブルが起きても対処しやすいといった魅力もあります。(GeForceの種類と性能の見方や比較方法)
二つ目のRADEONは、米国のAMD(エイエムディ)社が開発しているGPUのシリーズ名です。以前は、ATI Technologies(カナダ)という企業でしたが、2006年にAMDに買収されました。
かつては映像や動画の性能がGeForceよりも優れていると言われていましたが、現在はGeForceと大差はありません。
また、3Dの性能がGeForceよりも劣っているとも言われていましたが、この点においても現在は差がないようです。
GeForceに比べるとシェアは低いですが、同性能のものが低価格で購入できるといった特徴があります。(RADEONの種類と性能の見方や比較方法)
それぞれの違いについては各記事内でまとめましたので、そちらを参考にしてください。
どちらにしようか迷われた時は、「初心者であればGeForce」「上級者で価格帯も考慮しながら選ぶならRADEON」といった具合に判断してみると良いかもしれません。
買いたいと思っているパソコンに、どちらのGPUブランドが搭載されているのかを確認したら、今度は製品名(モデル名)をチェックします。
ここからGPUの性能を判断することになるのですが、この性能を左右するのが以下の2~7です。
2.コアクロック(クロック数)
コアクロックとは「車の速度」のようなもので、どれくらいの速さでデータを処理できるのかがわかります。
クロック数とは、CPUについて説明した際にも出てきましたが、これと同じものと考えて問題ありません。(CPUとは何か?初心者にもわかりやすく解説)
また、「コアクロック」と記載されていますが、ここでのコアとはGPUのことを指しています。つまり、「GPUのクロック数」ということですね。
CPUとGPUの違いは、CPUがパソコン全体の計算処理をする脳だとすると、GPUは映像に関する計算処理をCPUの代わりに行う脳だと考えるとわかりやすいと思います。CPU一人だと大変なので、専門の職人さんに手伝ってもらうようなものですね。
この職人さんが、どれくらいの速さで計算処理できるのかを表したものが「クロック数(動作周波数)」と呼ばれるもので、「875MHz」とか「1046MHz」といった形で表記されます。この数字が大きければ大きいほど処理が速くなるので高性能と言えるわけです。
ただし、コアクロック以外にも以下のメモリ容量やメモリバス幅などといった、他の要素も考慮しなければなりません。つまり、コアクロック数のみで性能を判断することはできないので、総合的に考慮しなければならないということですね。
ちなみにコアに関連して「プロセスルール(製造プロセス/プロセス)」というものを目にするかもしれませんが、これは半導体の回路線幅を表しています。
簡単に言うと、GPUの内部がどれだけ細かく作られているかを表したもので、「80nm(ナノメートル)」とか「65nm」といった単位で表記されます。細かくなればなるほど小型化や速度性能の向上が図れるようになるので、数字が小さいほど高性能だと思ってもらって構いません。
選ぶ際にはここまで気にする必要はありませんが、余裕があれば一つの指標として使ってみると良いかもしれませんね。
3.コアブーストクロック(Boost)
コアブーストクロックとは「車のアクセル」のようなものです。たくさんのデータを処理するときに、アクセルを踏んでGPUの処理速度を加速させる機能です。
これを「ブーストクロック」と言い、先述した2のコアクロックのことをブーストクロックとは対照的に「ベースクロック」と言ったりもします。
たとえば、「ベースクロック:1020MHz」「ブーストクロック:1085MHz」となっていたら、「アクセルを踏んだ時に1085MHzまでクロック数を上げられます」ということ意味しています。
これはCPUの「ターボブースト」と同じようなものなので、詳しく知りたい方は先ほど紹介したCPUの記事を参考にしてください。
4.メモリ容量
メモリ容量とは「車の大きさ」のようなもので、どれだけ荷物を詰め込めるかがこの大きさによって変わります。
ちなみにこの容量は「1024MB」とか「1536MB」といった数字で表されますが、数字が大きいほど容量も大きいということです。
まずはメモリの役割について簡単に理解してみましょう。
パソコンにメモリが搭載されているように、グラフィックボードにも専用のメモリが搭載されています。では、パソコンのメモリはどのような働きをしていたでしょう?
情報を処理しやすいように手助けをする役割を担っていましたね。(メモリとは何か?初心者にもわかりやすく解説)
グラフィックボードのメモリも同様に、画像や映像などの情報をスムーズに表示できるよう手助けをしてくれています。このとき重要になるのが容量です。
なぜ容量が重要なのか、その仕組みについて簡単に説明します。
GPUは、ディスプレイに表示するためのデータを計算処理して映し出すための準備をしますが、このデータをどれだけ溜められるかがメモリの大きさによって変わります。
メモリをバケツと考えるとわかりやすいと思います。バケツの容量が大きければ、頭脳が計算し終えたデータをたくさんの溜めることができます。すると、ディスプレイにどんどん表示しても、まだストックがたくさんあるので、映像も滑らかに表示させることができるわけです。
しかし、容量が小さいとストックをそんなに溜めておけません。ストックを使いきってしまうと、「まだ計算が終わってないから、ちょっと待って!」とまごついてしまいます。そのため動作が不安定になったり、表示された画像の一部が抜けてしまうなどの原因になるわけです。
なので、大容量データを扱うのであれば、メモリ容量も大きめのものを選んでおいた方が安心だと言えます。
ちなみにグラフィックボードに搭載されているメモリのことを「グラフィックスメモリ(graphics memory)」「ビデオメモリ(video memory)」「VRAM(video RAM)」と言ったりもするのですが、全て同じ意味で使われます。
一方、VRAMを使わずにパソコンのメインメモリーを使うグラフィック機能のことを「オンボードグラフィック」と言います。(オンボードグラフィックの種類と性能の違い)
これはグラフィックボードに比べると機能は劣りますが、パソコンで負荷のかかる3Dの作業を扱わないのであれば、こちらでも問題ないと思います。
5.メモリクロック
メモリクロックとは「車の速度」のようなもので、メモリがどれくらいの速さでデータを処理できるのかがわかります。
「5000MHz」とか「7000MHz」といった形で表すのですが、コアクロックと同様に数字が大きければ大きいほど処理速度が速くなるので高性能と言えます。
先程のコアクロックも「車の速度」と例えましたよね。速度に当たるものが2つも存在します…。なぜなのか?
それは先程も説明したように、コアクロック単体でグラフィックボードの性能を判断できないからです。つまり、グラフィックボードには「メモリ容量」や「メモリクロック」、「メモリバス幅」などいろいろな要素があるので、これらを一緒に考慮していかなければ判断できないということです。
6.メモリバス幅(バス幅)
メモリバス幅とは「高速道路の車線」のようなものです。
たとえば、高速道路が1車線であれば、どんなに速いスポーツカーが走っていても前の車が遅ければ、そのスピードに合わせなければなりませんよね。
でも、2車線であれば、速い車は追い越すことができます。つまり、高速道路の幅によって通過する車(データ)の量にも差が出てくるわけです。
もっとわかりやすく言うと、メモリが一度にどれくらいの量のデータを送れるのかがわかるのがメモリバス幅というわけです。
この幅を表したのが「128bit」とか「384bit」といったもので、数字が大きいほど大容量のグラフィック表示でも滑らかに表示させることができます。
7.解像度
解像度とは、ディスプレイに表示したときの映像の美しさを左右するものです。
「2,560x1,600」とか「4,096x2,160」といった形で表されますが、この値が大きいほど自然に近い美しい映像を表示できます。
逆に値が小さいほど、文字や映像にギザギザの角ばったラインが表れるようになります。ちなみにこのギザギザのことを「ジャギ」と言います。
ラインを極力滑らかに表示したいのであれば、解像度の高いものを選ぶといいかもしれません。
8.入出力ポート(I/Oポート)
これはディスプレイとパソコンを繋げるケーブルの差し込み口のことで、どの種類のケーブルが使えるのかがわかります。たとえば、「DVI」「HDMI」「VGA」「DisplayPort」といったものがあります。
あなたの使いたいケーブルに対応しているかを確認しておきましょう。ケーブルについては、「ディスプレイケーブルの種類と違いとは?」でわかりやすくまとめましたので、こちらを参考にしてください。
9.API
APIとは「車の免許」のようなもので、あなたが使う画像編集や動画編集のソフトウェアにGPUが対応しているかがわかります。
主にグラフィック系の製作をしている人に関わってくるものですね。「DirectX」「OpenGL」「OpenCL」といったものがあります。
以上9つのポイントについて簡単にまとめました。選ぶ際にはこれらの点を考慮して選ぶ必要があるのですが、グラフィックボードは結構ややっこしいので難しくてよくわからない方も多いかもしれません。
目安としては、3Dゲームを楽しみたいのであれば「コアクロック」「メモリ容量」を重視するようにし、DVDやBlu-rayなどの動画を高画質で楽しみたいなら「メモリ容量」「メモリクロック」「メモリバス幅」を重視すると良いかもしれません。
でも、もっと簡単にグラフィックボード搭載のパソコンを選びたい人は、DELLやHPなどの大手メーカーから出ているパソコンから選ぶようにすると目的に合ったものを簡単に見つけられると思います。(Amazon:ゲーミングPC・関連アクセサリ)
なぜなら、ゲームをするための専用のパソコン(ゲーミングPC)から、クリエイティブのプロが使う本格的なものまで幅広く用意されているからです。
たとえば、DELLなら「動画像の編集」や「ゲーム」に適したデスクトップPCやノートパソコンが豊富に用意されていますし、グラフィックボードの選択肢もかなり絞られているので悩むことなく選べるはずです。比較的安価な価格で手に入れられるのも嬉しいですね。
パソコンの購入を考えている方は、選択肢の一つに入れておくと良いかもしれません。ちなみにDELLの製品については、「DELLパソコンの特徴は?」でまとめましたので、こちらで理解を深めてみてください。
もちろん、他のメーカーからもさまざまな製品が出ているので一緒に比較してみることをお勧めします。
また、綺麗な映像と音で動画やDVDなどを楽しみたいのであれば、dynabookか富士通のパソコンを選ばれると良いかもしれません。(Amazonなら品揃えも豊富:dynabook、富士通)
dynabookのパソコンは、テレビのREGZA(レグザ)技術が使われている製品が多いことで知られています。そのため、昔から映像は非常に綺麗なのですが、2014年から「HDMI4K出力対応」の製品も発売されています。4Kの圧倒的な美しさをパソコンでも楽しめるので、映像と音にこだわりたい方はこちらを選択肢に入れておくと良いかもしれません。(dynabookパソコンの特徴は?)
富士通のESPRIMOFHシリーズは、FullHD液晶に加えPioneer製のスピーカーを搭載していて画質・音質共に高品質のものを快適に楽しめます。(富士通パソコンの特徴は?)
基本的な知識があれば初心者でも手軽に購入できるので、この際にきちんと学んで理解して、納得のいくパソコンを手に入れてみると良いかもしれません。詳しくは、「初心者のPC購入!選び方のポイントと注意点」でまとめましたのでこちらを参考にしてください。
グラフィックボードの選び方と注意点についてはこんな感じです。あなたの探しているピッタリのパソコンを探してみると、その後のパソコンの使い勝手も変わってくると思います。参考にしてください。
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