PCの基本!CPUとは何か?初心者にもわかりやすく解説
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『パソコンのCPUについて理解してみよう』(最終更新:2016年9月)
パソコンを買おうと思って製品紹介欄を見ていると、CPUという項目が目に入ると思います。
Core i7とかCeleron、Intel、AMDなど、いろんな名前が出てきて何の事だかよくわからない方もいるかもしれません。←私
でも、特徴を把握してある程度区別できるようになると、パソコンを選ぶのも楽しくなってきますよ。
CPUはパソコンの頭脳にあたるので、選ぶ際は一番慎重に選ばなければならないパーツです。「あなたがパソコンを使って何をするのか?」「その際にどの程度の性能が必要か?」「その性能に見合ったCPUはどれなのか?」といったことを見極めるのはとても大切です。
たとえば、自宅で夕飯を作るのに高級料亭で使うような高価な野菜は必要ありません。安くておいしい野菜であれば十分なはずです。同様にCPUも最新で高性能であれば良いというわけではありません。ExcelやWordを使って文書作成しかしないのに、最新の高性能のCPUを搭載しても宝の持ち腐れになってしまいます。
高性能のものは価格も高く、数万円近くの価格差が出ることもあります。もし性能の違いが分かっていて、最低限必要なものを選ぶことができたら、無駄な出費を抑えることにも繋がりますよね。なので、CPUの違いをなんとなく知っているだけでも、パソコンを選ぶ際には役立つはずです。
そこで今回は、CPUとは何かについてまとめました。
CPUとは、コンピューターの中でも頭脳にあたる部品(パーツ)です。私たちが出した命令をすべて引き受けて処理してくれます。
正式名称を「中央演算処理装置(central processing unit)」と言いますが、その名の通り計算をするための部品です。
そして、計算が早くできるものであればあるほど、処理速度も速くるなるので高性能という扱いになり、たくさんの命令や負荷のかかる命令を次々と出しても、それらをどんどん処理していってくれます。
逆に計算が遅いものは、処理に時間もかかるので、性能が低いという扱いになり、パソコンの動きも重く感じるようになります。
では、この性能はどのように判断すればいいのでしょうか?
次はこの点について見ていきましょう。
CPUの性能を判断するには、以下の7つを確認するようにします。
1.クロック数(動作周波数)
2.コア数
3.キャッシュ
4.ターボブースト
5.GPU
6.TDP
7.マイクロアーキテクチャー
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
クロック数(動作周波数)とは、CPUの名前の後ろに「2.40GHz」とか「2.90GHz」と書かれている数字のことです。
これは車の速度と同じようなものだと考えるとわかりやすいと思います。この数字が大きければ大きいほど速い、つまり高性能ということになります。
ただし、この数字は同じ概念で作られたCPU同士を比較するときに判断するものである、という点に注意が必要です。
たとえば、「CPU A(2.40GHz)」「CPU A(2.90GHz)」となっていたら、性能は2つ目の方が優れているということですが、「CPU B(2.40GHz)」「CPU A(2.90GHz)」の場合は、一概にクロック数だけで判断することはできません。
なぜなら、クロック数が低くても処理能力の高いCPUもあるからです。そのためCPUの性能を判断するには、コア数やキャッシュなども一緒に比較する必要があります。
コア数とは、高速道路の車線のようなものです。
1車線の道路と2車線の道路とでは、2車線の方が渋滞になりにくいですよね。
もし片側にゆっくり走っている車がいても、2車線あればスピードの速い車は追い越すことができます。でも、1車線しかなければ速い車もゆっくり走るしかありません。
考え方はこれと同じで、車線数が多ければ多いほど処理速度も上がるというわけです。そして一般的にコア数には、
◆1コア 1スレッド
◆1コア 2スレッド
◆2コア 2スレッド
◆2コア 4スレッド
◆4コア 4スレッド
◆4コア 8スレッド
◆6コア 6スレッド
◆6コア 12スレッド
といったものがあります。
最近は1コアというのは見かけません。ほとんどが2コア(デュアルコア)か4コア(クアッドコア)です。この他にも、「6コア(ヘキサコア)」「8コア(オクタコア)」「10コア(デカコア)」というものも出てきています。今後もコア数は増えていくのかもしれません。
ちなみにスレッドというのは、1車線で何台並走できるかということです。1スレッドなら1台、2スレッドなら2台走ることができます。並走できるわけなので車線数が増えるのと変わりません。「1コア 2スレッド=2車線」「2コア 2スレッド=2車線」となります。つまり、コア数とスレッド数が多ければ多いほど処理が速く高性能というわけです。
1コアで2スレッドあれば、2コアで2スレッドのものと変わらないので、スレッドのことを「仮想コア」と呼ぶことがあります。(コアが増えるのと同じだからです。)
また、1車線で2台並走できる技術のことを「HTテクノロジー(ハイパー・スレッディング・テクノロジー)」といいます。これは、1つのコアで2つの処理を同時にこなせる技術です。覚えておくと良いかもしれません。
ただし、1車線を2台で走るわけななので、1車線を1台で走るものに比べると少し狭いですよね。なので、1コアにつき1スレッドのものに比べると性能が若干ですが劣ることも理解しておきましょう。
キャッシュとは、データを一時的に保存する場所のことです。
「スペック(性能)の見方を初心者にもわかりやすく解説」の記事でメモリについて触れましたが、メモリと同じことがCPU内でもできたらもっとスピードが上がるわけです。つまり、わざわざ作業机まで行かなくても、本棚の前に立ちながらその場で作業ができてしまうようなものです。
そのため、キャッシュの容量が大きくてたくさんあればあるほど、立ったまま作業ができる能力がアップするので、処理速度も上がるということになります。
このキャッシュは、コアごとに用意されていたり、複数のコアで共通のキャッシュを使ったりしています。複数あることも多く、「1次キャッシュ」「2次キャッシュ」「3次キャッシュ」と呼ばれたりしますが、同じものという感覚で問題ありません。
このキャッシュがあることで役立つのは、同じ演算を繰り返す場合です。たとえば、動画編集や高度なグラフィック作業、3Dゲームなどといったものです。これらの作業をするのであればキャッシュの多い方が良いということになります。
ターボ・ブースト・テクノロジーとは、インテルのCPUで使われている技術で、高速道路が混んできたら全ての車のアクセルを踏んでスピードを上げて渋滞を緩和させてくれる機能、と考えるとわかりやすいと思います。
たとえば、動画編集や高度なグラフィック作業、3Dゲームなどを行っていてCPUに負荷がかかったとしましょう。
でも、まだCPUの温度に余裕があれば、自動で動作周波数を上げて処理を加速してくれるわけです。ちなみにこの動作周波数を上げることを「クロックアップ」と言います。
通常、クロック数を上げると発熱が増すのでCPUは焦げ付いてしまいますが、この機能が付いているとCPUの温度を自動で確認して安全な範囲内でクロック数を数倍に上げてくれるわけです。
となると、この機能が付いているCPUであれば、前述の1で説明したクロック数をチェックすることはあまり意味がないということがわかります。
なぜなら、数倍の能力まで引き上げてくれるわけなので、「最大クロック数(最大倍率)」を確認することの方が意味があると言えるからです。(調べ方は次回紹介します)
なおAMD社のCPUでは、これと同じ機能に「ターボコア」と呼ばれるものがあります。
CPUは計算をする装置だと書きました。しかし、計算をして処理したものをディスプレイに表示する能力はありません。表示するには別の装置が必要です。その装置のことを「グラフィックボード(グラフィックカード)」と言います。
以前は、このCPUとグラフィックボードは別々でしたが、マザーボードに搭載(オンボード)したり、CPU自体にグラフィックボードを搭載しているものもが一般的になってきています。
つまり、CPUがディスプレイに表示する能力を持ったということです。この能力のことを「GPU(Graphics Processing Unit)」といいます。
これは主に3Dを表示させるときに必要なもので、一般的な使い方をするのであれば性能を気にする必要はありません。
しかし、使い方によっては高性能のGPUを求められたり、あるいはグラフィックボードを別途搭載する必要も出てきます。たとえば、負荷のかかる3Dゲームを行うといったケースですね。
そのため、高度なグラフィック処理や3D処理作業、3Dゲームなどをするのであれば、グラフィックボードを搭載した方がよいでしょう。
TDP(Thermal Design Power)は、CPUがフルパワーで動いたときに、最大でどれくらいの熱を発するのかを表しています。たとえば、「TDP:55W」と書かれていたら、CPUがフルパワーで動いたときに「55W近くまで電気を使う」という意味になります。
どれくらいの電力を使うのかがわかるので、モバイルノートPCを購入する際にバッテリー消費量の低いものを選びたければ、数値の低いものを選ぶのが好ましいと言えます。
ただし、CPUが高性能になればなるほど電力消費量は増えるので、電力消費量が低ければ性能の低いCPUが搭載されている可能性があります。
そのため、CPUの性能も一緒に確認しながらTDPを参考程度に見るといった使い方でいいと思います。
マイクロアーキテクチャーとは、設計(デザイン)と考えるとわかりやすいと思います。
たとえば、自動車は同じブランドでも世代が変わると、デザインが変わったり性能が向上したりしますよね。あれと同じようなものです。世代が変われば設計(デザイン)も変わります。
CPUの場合は、電子回路の線の太さが変わるのですが、「45nm」のように「nm」の単位で表記されます。これは回路の線の細さを表しています。
CPUは電気が流れると熱を持つので、ファンで風を送って常に冷やしています。もし線が細ければ空気に触れる表面積も減るので、電気が流れても熱として逃げていくエネルギーが減ります。
つまり、電力を節約でき、発熱も下げることができるわけです。発熱が下がれば他のパーツの故障リスクも下がるといったメリットもあります。そのため「nm」の数字が小さい方が性能は上、ということになります。
以上、CPUを見分ける7つのポイントにについてまとめましたが、基本的に1・2・4だけチェックして、余裕があればその他のものも確認する程度で良いと思います。自作をする方は全てのポイントを押さえて選んでみると良いかもしれません。
それでは、これまで学んだ内容をもとに、CPUの種類と性能の違いについて見ていきましょう。
CPUは、大きく分けると「Intel(インテル)」と「AMD(エイエムディ)」の2つに分類されます。
これらは米国の企業名です。「インテル○○」と言ったら「インテル社の○○という製品」という意味になります。
この2社は世界で最もシェアの多い企業になるので、パソコンを選ぶ際は基本的にこのどちらかを選ぶことになると思います。
インテルは、WindowsやMacなどの市販されているパソコンに搭載されていることが多いので、メーカーのパソコンにはたいていインテルが搭載されていると思います。
一方、AMDはインテルよりも性能が若干劣りますが、安価なので自作パソコンで好まれて使われることが多いようです。(もちろんメーカー製のパソコンでも使われることもあります。)性能が劣るといっても、グラフィックボードとCPUをひとつにした製品に関してはAMDの方が優れているようです。
そして、このインテルとAMDのCPUはそれぞれいくつかのブランドに枝分かれしています。次はこのブランドの種類について見ていきましょう。
まず、インテルのブランドには、「Core-i(コアアイ)」「Core2(コアツー)」「Pentium(ペンティアム)」「Celeron(セレロン)」といったものがあります。
一方、AMDには、「Opteron(オプテロン)」「FX(エフエックス)」「Fusion(フュージョン)」「Turion II Neo(テュリオン)」「Athlon Neo(アスロン)」といったものがあります。
どちらも覚える必要はありません。「こんな種類で分かれているんだ」という程度で把握できれば問題ありません。
パソコンを買うときにCPUの欄を見るとこのブランド名が記載されていますが、上記のブランドが搭載されているかによって性能や価格が大きく変わってきます。高性能で高価なものや、性能は低いけど安価なもの、消費電力の低いものなど特徴は様々です。
そして、それぞれのブランドはさらに細かく分かれていて、性能も大きく変わってきます。ここからが大事なのですが、このことについて説明すると長くなるので、詳しくは「インテルCPUの種類と性能の違い」と「AMD CPUの種類と性能の違い」の記事でわかりやすくまとめましたので、こちらを参考にしてください。読んでいただければ、どのように性能を比較して判断していけばいいのかがわかるようになると思います。
なお、パソコンの選び方については「初心者のPC購入!選び方のポイントと注意点」でわかりやすくまとめましたので、こちらを参考にしてください。
パソコンを買おうと思って製品紹介欄を見ていると、CPUという項目が目に入ると思います。
Core i7とかCeleron、Intel、AMDなど、いろんな名前が出てきて何の事だかよくわからない方もいるかもしれません。←私
でも、特徴を把握してある程度区別できるようになると、パソコンを選ぶのも楽しくなってきますよ。
CPUはパソコンの頭脳にあたるので、選ぶ際は一番慎重に選ばなければならないパーツです。「あなたがパソコンを使って何をするのか?」「その際にどの程度の性能が必要か?」「その性能に見合ったCPUはどれなのか?」といったことを見極めるのはとても大切です。
たとえば、自宅で夕飯を作るのに高級料亭で使うような高価な野菜は必要ありません。安くておいしい野菜であれば十分なはずです。同様にCPUも最新で高性能であれば良いというわけではありません。ExcelやWordを使って文書作成しかしないのに、最新の高性能のCPUを搭載しても宝の持ち腐れになってしまいます。
高性能のものは価格も高く、数万円近くの価格差が出ることもあります。もし性能の違いが分かっていて、最低限必要なものを選ぶことができたら、無駄な出費を抑えることにも繋がりますよね。なので、CPUの違いをなんとなく知っているだけでも、パソコンを選ぶ際には役立つはずです。
そこで今回は、CPUとは何かについてまとめました。
CPUってなに?
CPUとは、コンピューターの中でも頭脳にあたる部品(パーツ)です。私たちが出した命令をすべて引き受けて処理してくれます。
正式名称を「中央演算処理装置(central processing unit)」と言いますが、その名の通り計算をするための部品です。
そして、計算が早くできるものであればあるほど、処理速度も速くるなるので高性能という扱いになり、たくさんの命令や負荷のかかる命令を次々と出しても、それらをどんどん処理していってくれます。
逆に計算が遅いものは、処理に時間もかかるので、性能が低いという扱いになり、パソコンの動きも重く感じるようになります。
では、この性能はどのように判断すればいいのでしょうか?
次はこの点について見ていきましょう。
CPUの性能の見方は?
CPUの性能を判断するには、以下の7つを確認するようにします。
1.クロック数(動作周波数)
2.コア数
3.キャッシュ
4.ターボブースト
5.GPU
6.TDP
7.マイクロアーキテクチャー
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
1.クロック数ってなに?
クロック数(動作周波数)とは、CPUの名前の後ろに「2.40GHz」とか「2.90GHz」と書かれている数字のことです。
これは車の速度と同じようなものだと考えるとわかりやすいと思います。この数字が大きければ大きいほど速い、つまり高性能ということになります。
ただし、この数字は同じ概念で作られたCPU同士を比較するときに判断するものである、という点に注意が必要です。
たとえば、「CPU A(2.40GHz)」「CPU A(2.90GHz)」となっていたら、性能は2つ目の方が優れているということですが、「CPU B(2.40GHz)」「CPU A(2.90GHz)」の場合は、一概にクロック数だけで判断することはできません。
なぜなら、クロック数が低くても処理能力の高いCPUもあるからです。そのためCPUの性能を判断するには、コア数やキャッシュなども一緒に比較する必要があります。
2.コア数ってなに?
コア数とは、高速道路の車線のようなものです。
1車線の道路と2車線の道路とでは、2車線の方が渋滞になりにくいですよね。
もし片側にゆっくり走っている車がいても、2車線あればスピードの速い車は追い越すことができます。でも、1車線しかなければ速い車もゆっくり走るしかありません。
考え方はこれと同じで、車線数が多ければ多いほど処理速度も上がるというわけです。そして一般的にコア数には、
◆1コア 1スレッド
◆1コア 2スレッド
◆2コア 2スレッド
◆2コア 4スレッド
◆4コア 4スレッド
◆4コア 8スレッド
◆6コア 6スレッド
◆6コア 12スレッド
といったものがあります。
最近は1コアというのは見かけません。ほとんどが2コア(デュアルコア)か4コア(クアッドコア)です。この他にも、「6コア(ヘキサコア)」「8コア(オクタコア)」「10コア(デカコア)」というものも出てきています。今後もコア数は増えていくのかもしれません。
ちなみにスレッドというのは、1車線で何台並走できるかということです。1スレッドなら1台、2スレッドなら2台走ることができます。並走できるわけなので車線数が増えるのと変わりません。「1コア 2スレッド=2車線」「2コア 2スレッド=2車線」となります。つまり、コア数とスレッド数が多ければ多いほど処理が速く高性能というわけです。
1コアで2スレッドあれば、2コアで2スレッドのものと変わらないので、スレッドのことを「仮想コア」と呼ぶことがあります。(コアが増えるのと同じだからです。)
また、1車線で2台並走できる技術のことを「HTテクノロジー(ハイパー・スレッディング・テクノロジー)」といいます。これは、1つのコアで2つの処理を同時にこなせる技術です。覚えておくと良いかもしれません。
ただし、1車線を2台で走るわけななので、1車線を1台で走るものに比べると少し狭いですよね。なので、1コアにつき1スレッドのものに比べると性能が若干ですが劣ることも理解しておきましょう。
3.キャッシュってなに?
キャッシュとは、データを一時的に保存する場所のことです。
「スペック(性能)の見方を初心者にもわかりやすく解説」の記事でメモリについて触れましたが、メモリと同じことがCPU内でもできたらもっとスピードが上がるわけです。つまり、わざわざ作業机まで行かなくても、本棚の前に立ちながらその場で作業ができてしまうようなものです。
そのため、キャッシュの容量が大きくてたくさんあればあるほど、立ったまま作業ができる能力がアップするので、処理速度も上がるということになります。
このキャッシュは、コアごとに用意されていたり、複数のコアで共通のキャッシュを使ったりしています。複数あることも多く、「1次キャッシュ」「2次キャッシュ」「3次キャッシュ」と呼ばれたりしますが、同じものという感覚で問題ありません。
このキャッシュがあることで役立つのは、同じ演算を繰り返す場合です。たとえば、動画編集や高度なグラフィック作業、3Dゲームなどといったものです。これらの作業をするのであればキャッシュの多い方が良いということになります。
4.ターボブーストってなに?
ターボ・ブースト・テクノロジーとは、インテルのCPUで使われている技術で、高速道路が混んできたら全ての車のアクセルを踏んでスピードを上げて渋滞を緩和させてくれる機能、と考えるとわかりやすいと思います。
たとえば、動画編集や高度なグラフィック作業、3Dゲームなどを行っていてCPUに負荷がかかったとしましょう。
でも、まだCPUの温度に余裕があれば、自動で動作周波数を上げて処理を加速してくれるわけです。ちなみにこの動作周波数を上げることを「クロックアップ」と言います。
通常、クロック数を上げると発熱が増すのでCPUは焦げ付いてしまいますが、この機能が付いているとCPUの温度を自動で確認して安全な範囲内でクロック数を数倍に上げてくれるわけです。
となると、この機能が付いているCPUであれば、前述の1で説明したクロック数をチェックすることはあまり意味がないということがわかります。
なぜなら、数倍の能力まで引き上げてくれるわけなので、「最大クロック数(最大倍率)」を確認することの方が意味があると言えるからです。(調べ方は次回紹介します)
なおAMD社のCPUでは、これと同じ機能に「ターボコア」と呼ばれるものがあります。
5.GPUってなに?
CPUは計算をする装置だと書きました。しかし、計算をして処理したものをディスプレイに表示する能力はありません。表示するには別の装置が必要です。その装置のことを「グラフィックボード(グラフィックカード)」と言います。
以前は、このCPUとグラフィックボードは別々でしたが、マザーボードに搭載(オンボード)したり、CPU自体にグラフィックボードを搭載しているものもが一般的になってきています。
つまり、CPUがディスプレイに表示する能力を持ったということです。この能力のことを「GPU(Graphics Processing Unit)」といいます。
これは主に3Dを表示させるときに必要なもので、一般的な使い方をするのであれば性能を気にする必要はありません。
しかし、使い方によっては高性能のGPUを求められたり、あるいはグラフィックボードを別途搭載する必要も出てきます。たとえば、負荷のかかる3Dゲームを行うといったケースですね。
そのため、高度なグラフィック処理や3D処理作業、3Dゲームなどをするのであれば、グラフィックボードを搭載した方がよいでしょう。
6.TDPってなに?
TDP(Thermal Design Power)は、CPUがフルパワーで動いたときに、最大でどれくらいの熱を発するのかを表しています。たとえば、「TDP:55W」と書かれていたら、CPUがフルパワーで動いたときに「55W近くまで電気を使う」という意味になります。
どれくらいの電力を使うのかがわかるので、モバイルノートPCを購入する際にバッテリー消費量の低いものを選びたければ、数値の低いものを選ぶのが好ましいと言えます。
ただし、CPUが高性能になればなるほど電力消費量は増えるので、電力消費量が低ければ性能の低いCPUが搭載されている可能性があります。
そのため、CPUの性能も一緒に確認しながらTDPを参考程度に見るといった使い方でいいと思います。
7.マイクロアーキテクチャーってなに?
マイクロアーキテクチャーとは、設計(デザイン)と考えるとわかりやすいと思います。
たとえば、自動車は同じブランドでも世代が変わると、デザインが変わったり性能が向上したりしますよね。あれと同じようなものです。世代が変われば設計(デザイン)も変わります。
CPUの場合は、電子回路の線の太さが変わるのですが、「45nm」のように「nm」の単位で表記されます。これは回路の線の細さを表しています。
CPUは電気が流れると熱を持つので、ファンで風を送って常に冷やしています。もし線が細ければ空気に触れる表面積も減るので、電気が流れても熱として逃げていくエネルギーが減ります。
つまり、電力を節約でき、発熱も下げることができるわけです。発熱が下がれば他のパーツの故障リスクも下がるといったメリットもあります。そのため「nm」の数字が小さい方が性能は上、ということになります。
以上、CPUを見分ける7つのポイントにについてまとめましたが、基本的に1・2・4だけチェックして、余裕があればその他のものも確認する程度で良いと思います。自作をする方は全てのポイントを押さえて選んでみると良いかもしれません。
それでは、これまで学んだ内容をもとに、CPUの種類と性能の違いについて見ていきましょう。
CPUの種類は?
CPUは、大きく分けると「Intel(インテル)」と「AMD(エイエムディ)」の2つに分類されます。
これらは米国の企業名です。「インテル○○」と言ったら「インテル社の○○という製品」という意味になります。
この2社は世界で最もシェアの多い企業になるので、パソコンを選ぶ際は基本的にこのどちらかを選ぶことになると思います。
インテルは、WindowsやMacなどの市販されているパソコンに搭載されていることが多いので、メーカーのパソコンにはたいていインテルが搭載されていると思います。
一方、AMDはインテルよりも性能が若干劣りますが、安価なので自作パソコンで好まれて使われることが多いようです。(もちろんメーカー製のパソコンでも使われることもあります。)性能が劣るといっても、グラフィックボードとCPUをひとつにした製品に関してはAMDの方が優れているようです。
そして、このインテルとAMDのCPUはそれぞれいくつかのブランドに枝分かれしています。次はこのブランドの種類について見ていきましょう。
IntelとAMDのCPUにはどんなものがあるの?
まず、インテルのブランドには、「Core-i(コアアイ)」「Core2(コアツー)」「Pentium(ペンティアム)」「Celeron(セレロン)」といったものがあります。
一方、AMDには、「Opteron(オプテロン)」「FX(エフエックス)」「Fusion(フュージョン)」「Turion II Neo(テュリオン)」「Athlon Neo(アスロン)」といったものがあります。
どちらも覚える必要はありません。「こんな種類で分かれているんだ」という程度で把握できれば問題ありません。
パソコンを買うときにCPUの欄を見るとこのブランド名が記載されていますが、上記のブランドが搭載されているかによって性能や価格が大きく変わってきます。高性能で高価なものや、性能は低いけど安価なもの、消費電力の低いものなど特徴は様々です。
そして、それぞれのブランドはさらに細かく分かれていて、性能も大きく変わってきます。ここからが大事なのですが、このことについて説明すると長くなるので、詳しくは「インテルCPUの種類と性能の違い」と「AMD CPUの種類と性能の違い」の記事でわかりやすくまとめましたので、こちらを参考にしてください。読んでいただければ、どのように性能を比較して判断していけばいいのかがわかるようになると思います。
なお、パソコンの選び方については「初心者のPC購入!選び方のポイントと注意点」でわかりやすくまとめましたので、こちらを参考にしてください。
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