PCの基本!ウイルス対策ソフトはいらないのか?
- セキュリティ対策入門
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『ウイルス対策ソフトについて理解してみよう』(最終更新:2016年12月)
この20年余りで私たちの生活はインターネットを使うことが当たり前の時代へと変わりました。
ちょっとしたことでも検索して調べたり、アプリやメールなどで気軽に連絡を取り合ったり、音楽や動画をダウンロードして楽しんだりと、これまでとは大きく異なった世界へと変化を遂げたわけです。
そのおかげで私たちの生活の質は劇的に快適なものへと変わりましたが、同時に危険も身近なものになったと実感している方も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、ネット空間にはごく一般的な使い方をしている善良な人もいれば、悪意のある使い方をした人達も一緒に存在しているからです。彼らは、今この瞬間もインターネットを介して、あなたのコンピューターに様々な攻撃を仕掛けてきています。
インターネットには多くの危険が存在しますが、こうした危険からあなたのパソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末を守るのが「ウイルス対策ソフト(セキュリティソフト)」と呼ばれるものです。
これはインターネットを安全に利用するために必要不可欠なソフトウェアですが、あまりよくわからないという方も多いかもしれません。
なんとなく「危険なものから守ってくれているのだろう」ということはわかっても、具体的にどのようなことをしてくれているのかはあまり知られていません。そのため、安易に選んでしまったり、有効期限が切れてもそのままにしている方も少なくないと思います。
せっかくウイルス対策ソフトを購入しても、あなたが望む使い方ができなければ、満足できないものにお金を払い続けてしまうことにもなります。
理解に欠けた使い方はもったいないだけでなく、自らを危険にさらしていることにもなるので注意しなければなりません。
やはりきちんと理解して、納得したセキュリティソフトを選んでおきたいわけです。←私
そこで今回は、ウイルス対策ソフトとは何なのか、どのような種類があるのか、どうやって比較すればよいのか、そして自分にピッタリのウイルス対策ソフトを選ぶにはどうしたらよいのか、そもそもそうしたことは必要なのか、についてまとめました。
少し長いですが、最後まで読んでいただければ一通り理解できるかと思います。
ウイルス対策ソフトとは、危険なソフトウェアやプログラムによる攻撃から、あなたのパソコンやスマートフォン、タブレットなどを守ってくれるソフトウェアのことです。
わかりやすくパソコンを家に例えてみましょう。
パソコンをインターネットに繋いでいる状態は、あなたの家にたくさんの人(情報)が出入りしている状態です。
しかし、この人達の中には危険な人もいます。もし彼らを家の中に上げてしまうと、家の中のものを勝手に捨てたり、盗んだり、知らない人にあげたり、ばらまいたり、家を乗っ取ったりするなどの悪さをします。
こうした悪さをするものの総称を一般的に「ウイルス」と言いいますが、最近はウイルス以外にもたくさんの種類が出ていているので、これらと区別するために「マルウェア」と呼ばれています。よく出てくる言葉なので覚えておきましょう。
このマルウェアが、勝手に家の中に入ってこないように守ってくれるのが「ウイルス対策ソフト」と呼ばれるものです。これは言わば家の警備員のようなものです。「出入りする人の中に危険な人がいないか?」、「家の中に危険な人が入り込んでいないか?」と目を光らせて家を守ってくれるわけですね。
ちなみにウイルス対策ソフトは別名、「セキュリティソフト」「アンチウイルスソフトウェア(Anti-Virus Software)」「ワクチン(ソフト)」とも呼ばれます。
では、いつごろから使われるようになったのでしょう?
次は、このことについて見ていきましょう。
セキュリティソフトが使われるようになったのは、インターネットやコンピュータが普及し始めた1990~2000年代にかけてと言われています。なぜなら、この頃からウイルスによる感染が増えてきたからです。
当初は、コンピュータをウイルスから保護する役割が中心でしたが、現在はウイルス以外にもさまざまな種類のマルウェアが生まれたため、これらの危険から守るための機能も備えられるようになりました。
たとえば、「個人情報を外に漏らさない個人情報漏えい防止機能」、「危険なサイトを警告するWebサイト評価機能」、「ネットの危険から子供達を守る保護者機能(ペアレンタルコントロール機能)」などがあります。
ちなみに、こうした複数の機能を備えたウイルス対策ソフトのことを「総合セキュリティソフト」と言います。(以下、「総合セキュリティソフト」と記載します。)
では、この総合セキュリティソフトがないと、一体どうなるのでしょう?
次は、このことについて見ていきます。
家に警備員がいないわけですから、危険な人も簡単に家に入って悪さができるようになります。つまり、マルウェアに感染してしまいます。
感染すると以下のような被害に遭う可能性が出てきます。
◆ファイルを勝手に削除・破壊される
◆通常とは異なる動作をする
◆大量のウイルス付きメールを勝手に送信する
◆パソコンからパソコンへと感染を拡大させる
◆PCやスマートフォンなど端末内の情報が流出する
◆端末内の情報を暗号化され、戻すための身代金を要求される
◆端末を乗っ取られて遠隔操作される
つまり、パソコン・スマートフォン・タブレットなどが正常に使えなくなるだけでなく、大切な情報を失ったり、友人や知人あるいは取引先のコンピュータも危険にさらして迷惑をかけてしまうリスクがあるわけです。
どのマルウェアに感染するかによって被害の内容も変わってくるのですが、たとえば遠隔操作によってあなたのパソコンが勝手に操られてしまうのは「トロイの木馬」や「ボット」と呼ばれるマルウェアに感染した場合です。
また、ネット銀行の口座やメールアカウントなどのIDやパスワードを盗み出す「スパイウェア」と呼ばれるマルウェアが仕掛けられることもあります。
あるいは銀行や会員サイトからのメールだと偽り、IDやパスワードを騙し取る「フィッシング詐欺」といったものもあります。
この他にもインターネットにはたくさんの危険が潜んでいますが、これらの危険から総合セキュリティソフトを使わずにコンピュータを守ることは不可能です。
「インターネットには繋がないから大丈夫」という方でも、USBフラッシュメモリやDVD-Rなどの光メディアなど物理的な媒体から感染することもあります。
つまり、感染しないと考えるよりも、感染することを前提にどう対策しなければならないかを考える必要があるわけです。
その対策方法として有効なのが、総合セキュリティソフトを使って、あなたのパソコンやスマートフォン、タブレットなどを保護するという方法です。
しかし、総合セキュリティソフトにはたくさんの種類があるので、どのように選べばいいのかわからない方も多いと思います。
そこで特徴などを比較しながら、自分に合ったセキュリティソフトを見分ける方法について見ていきましょう。
総合セキュリティソフトを選ぶ際のポイントは以下の5つです。
1.正確な検出
2.機能の種類
3.パソコンへの負荷
4.インストール台数
5.価格
一見難しそうに感じるかもしれませんが、理解すればそんなに難しいものでもありません。ここでは初心者の方でもわかるように説明していきます。では、さっそく見ていきましょう。
繰り返しになりますが、まずは言葉の説明からです。より具体的に説明します。
先ほど説明したウイルスやトロイの木馬、スパイウェアなどの危険なソフトウェアの総称を「マルウェア」といいます。つまり、あなたのコンピューター内で悪さをするソフトウェアの総称のことです。
一般的なソフトウェアは、あなたにとって便利で役に立つ仕事をしてくれますよね。たとえば、Windowsや会計ソフト、SNSやSMSのアプリ、キャッシュレス決済のアプリなどがそうです。
でも、フリーソフトやアプリの中には、あなたが望まない仕事をするものもあります。たとえば、パソコンやスマートフォンなど端末内のデータを破壊したり、個人情報を勝手に盗んだり、遠隔操作であなたの端末を許可なく勝手に操ったりするといったことです。
こうした望んでもいないことを勝手にするソフトウェアやプログラムの総称をマルウェアと言います。
そして、このマルウェアからコンピュータを守るのが総合セキュリティソフトであると先ほど説明しましたが、これにはいくつかの種類があります。たとえば、
◆ウイルスから守るソフト(アンチウイルスソフトウェア)
◆トロイの木馬・スパイウェアから守るソフト(アンチスパイウェア)
◆ハッキングなどから守るソフト(ファイアーウォール)
◆スパムメールを除去するソフト(メールフィルタリングソフト)
◆有害サイトを除外するソフト(Webコンテンツフィルタリングソフト)
など役割が分かれているわけです。
考えられる全ての危険から守らなければ意味がないので、全てのソフトを入れないければなりません。
しかし、一つずつ入れていくのは大変ですし、競合するなどの理由から一緒に使えないものもあります。これでは困りますね。
そこで、一つのソフトウェアで全てのマルウェアの攻撃から保護できるものが現れました。こうしたソフトウェアのことを「総合セキュリティソフト(トータルセキュリティソフト)」と言います。
ただし、総合セキュリティソフトであればどれでも良いというわけではありません。ここで注意しなければならないのが「検出率」です。つまり、マルウェアを発見する能力が、どれくらい優れているのかを確認しておく必要があるわけです。
わかりやすく例をあげると、あなたがダウンロードした無料ゲームアプリに「ウイルス1」と「ウイルス2」の2つのマルウェアが入っていたとします。
そして、「総合セキュリティソフトA」でチェックすると両方とも検出されるのに、「総合セキュリティソフトB」では「ウイルス1」しか検出されなかったとしましょう。
もしあなたが検出されなかった方の「総合セキュリティソフトB」を使っていたら、ウイルスに感染して被害にあってしまいます。こうした危険を避けるためにも検出率の高いものを選ぶ必要があるわけです。
では、どうやって調べればよいのでしょうか?
この調べ方は、世界的に有名な調査機関の評価を確認することである程度わかります。中でも比較的公正な評価をするところを選ぶのがポイントです。以下にサイトを紹介します。(英語サイトです)
◆ドイツにある世界有数の第三者機関:AV-TEST
◆オーストリアにある世界有数の第三者機関:AV-Comparatives
こちらの調査結果をもとに、評価の高いものを選ぶようにすると客観的に選ぶことができると思います。
ただし、これらの結果が絶対的なものではないということも理解しておかなければなりません。つまり、ここで検出率が高いと評価されても、単純にその製品が他の製品よりも品質が良く信頼性が高いとは言い切れないということです。また、検出率が高いという結果の出た製品を使っていても、マルウェアに感染することは十分にあり得ます。
これについては少し古いですが、興味深い記事があるので後で読んでみてください。
◆参考:AV-Test研究員インタビュー:国内セキュリティソフトの“格付け”は、ちょっとヘン?
◆参考:「ウイルス検出率」だけで製品を選ばないで――評価機関が勧めるポイント
では、どのように選んだらよいのでしょう?
大切なのは、テスト結果を絶対視するのではなく、一つの参考情報として見ることです。
次に、あなたが求めている機能を備えているのかを見極めること。子供がいるなら、子供のインターネットの使い方を監視できる機能が付いているかなどですね。
それと、あなたが持っているパソコンの性能で重く感じないか、快適に使えるかを考慮すること。重すぎたら使うのを苦痛に感じるでしょう。
こうした点に注意しながら実際に使ってみて、機能・使いやすさ・価格などを総合的に判断し、あなたに合ったものを選別していくしかないと思います。
念のため付け加えておきますが、第三者機関の出した結果が無意味ということではありません。実際にテストを行って、その結果が公表されているわけですから、一つの判断材料として使うには役立つはずです。
もしかしたら、「総合セキュリティソフトは入れなくてもいいのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、そんなとき私は次のように考えるようにしています。
先ほどインターネットは危険を伴うと説明しました。つまり、ネットを使うということは、自ら危険地帯に足を踏み入れるようなものです。
もし、あなたが戦地へ赴くとしたら、何も装備を身に付けずに普段着のまま行くでしょうか。私なら、せめて防弾ベストとヘルメットくらいは用意すると思います。でも、防弾ベストで覆われているところ以外に被弾すれば負傷しますよね。それなら、防弾ベストは必要ないと考えますか?
私は、総合セキュリティソフトもこれと同じだと考えています。検出率の高いソフトを使っても、感染するときには感染します。テスト結果が優秀なものでも、全ての攻撃を防ぐことはできません。でもだからといって、総合セキュリティソフトが必要ないということにはならないと思います。
100%防御できたらそれに越したことはありませんが、現実には不可能です。現実的ではないことを求めるよりも、現実を直視して用心深く行動することの方が被害に遭うリスクを大きく減らせる思います。
話を元に戻しますが、日本国内向けに販売されている製品を以下に挙げますので、試しに先ほど紹介した評価機関のWebサイトでテスト結果を参考に比較してみてください。
なお、評価機関のテスト結果は製品名で記載されています。たとえば、ESETなら「ESET」と書かれているわけです。ただし、一部違う表記のものもあります。
たとえば、G DATAは「Bitdefender&Avast!」、ZEROスーパーセキュリティは「Bitdefender」、ZEROウイルスセキュリティは「K7-Computing」のエンジンが搭載されているので、これらの名称を確認しましょう。また、ウイルスバスターは企業名の「Trend Micro」と表記されていると思います。(※AV-TESTに結果のないものは、AV-Comparativesを参考にされてください。)
それと、「Windows」と表記されているものはWindows Defenderを指します。現在、主流のOSであるWindows 10には、このセキュリティソフトが標準搭載されているので、このソフトに搭載されている機能で十分であると判断したときは別途購入する必要はないと考えています。
では、日本国内向けに販売されている製品を以下に挙げます。(リンク先はAmazon)
◆ウイルスバスター(初心者でも使いやすい)
◆ノートン(子供を守る機能が充実)
◆ESET(安価で軽い)
◆マカフィー(インストール可能台数が多い)
◆G DATA(機能が豊富)
◆ZERO スーパーセキュリティ(更新料0円)
では次に、先ほど触れた機能について見ていきましょう。
検出率の次に考慮すべきなのが機能です。あなたが必要としている機能の有無を確認して選ぶということですね。
基本的に総合セキュリティソフトには、最低限必要な機能は備えられているものが多いのでさほど気にする必要はありませんが、中には他の製品にはない独自の機能が付いているものもあるので、あなたが必要だと感じている機能があれば、そうした機能の付いたものを選ばれた方がより満足した使い方ができるようになると思います。例えば以下のようなものですね。
◆迷惑メール対策機能(メールからの感染を防ぐ)
◆保護者機能(子供の教育と安全を守る)
◆Webサイト評価機能(サイトの安全性を事前に確認)
◆個人情報保護機能(個人情報流出を強固に防ぐ)
◆バックアップ機能(バックアップを保存できる)
上記5つ目のバックアップ機能は、データのバックアップを定期的に行ってくれる機能ですが、全般的に容量が少なかったりしてあまり使えません。個人的には、外付けハードディスクやクラウドストレージを使い、自分でバックアップを定期的に取っておくのが安心だと思います。(パソコンデータのバックアップ方法とは?)
この他にも年々新しい機能が追加されているので、必要だと感じるものがあれば一緒に比較してみるといいかもしれません。
では次に、PCに過剰な負荷がかからないかについて見ていきましょう。
軽くて快適に使えるものを選ぶのもポイントです。
数年前までは総合セキュリティソフトを入れると、パソコンが重くなって使いづらくなることが多かったのですが、最近はパソコンの性能が向上している影響もあるのか軽快に使えるソフトが多いように感じます。
しかし、もしあなたが古いパソコンや低スペックのパソコンを使っているのであれば、パソコンに負荷のかかりにくいものを選ぶようにすると良いかもしれません。
たとえば、私が今持っているCore-i3を搭載したパソコンで使うと、総合セキュリティソフトの中にはパソコンの動作が非常に重くなるものもあります。製品によってはCore-i5を搭載したパソコンでも若干重く感じるものもあるので、PCの動作が重くなるのは避けたいというときには、こうした点にも注意して選ぶようにすると快適に使えるようになるはずです。
これを判断するには実際に使ってみるしかありません。なぜなら、使用しているパソコンの性能は人によって異なりますし、高性能PCを使っていても負荷のかかる作業を頻繁に行うのであれば重く感じるかもしれないからです。つまり、ある人は「重くなる」と言っていても、自分のパソコンではそうは感じないこともありますし、その逆もあるわけです。ですから、実際に試してみなければわからないと思います。
ちなみに古いパソコンや低スペックのパソコンでも快適に使いたいときは、先ほど上で紹介したESETを選ばれるといいかもしれません。他の総合セキュリティソフトと比べると負荷が小さいので、軽快に使いたいのであれば必ず選択肢に入れておきたい製品です。
では次に、何台までインストールできるのかについて見ていきましょう。
2013年頃までは、パソコン(WindowsやMac)のみで使えるものが中心でしたが、モバイル端末の普及に伴いスマートフォンやタブレット(iOSやAndroid)も一緒に使える製品が増えてきています。
たとえば、あなたがパソコン・スマートフォン・タブレットをそれぞれ1台ずつ持っていたとしましょう。
もし、所有している端末のOS(Windows、Mac、Android、iOSなど)が対応していて、最大3台まで使えるソフトを選べば、一つの総合セキュリティソフトで全てをカバーできるわけです。つまり、何個も総合セキュリティソフトを買わなくて済むということです。この方が無駄な出費がありません。
あるいは、あなたのパソコン・両親のパソコン・祖父母のパソコンを1つのソフトで保護できるものであれば、こういった使い方も可能です。
このように複数の端末を所有している場合は、それに対応した製品を選ぶことで費用も節約できるので、どのOSに何台までインストールできるのかは選択する際の大切なポイントです。
それでは、最大何台まで対応しているのかを以下にまとめます。左に製品名、右の( )内に対応OSを記載します。(2016年12月時点)
◆マカフィー リブセーフ[同居家族に限る](Windows/Mac/Android/iOS対応)
◆ノートン セキュリティプレミアム(Windows/Mac/Android/iOS対応)
◆ESET ファミリーセキュリティ(Windows/Mac/Android対応)
◆GDATA インターネットセキュリティ2016(Windows/Android対応)
◆ウイルスバスター クラウド(Windows/Mac/Android/iOS対応)
◆ZEROスーパーセキュリティ(Windows/Mac/Android対応)
◆ZEROウイルスセキュリティ(Windows対応)
上記の製品は、各企業が販売している総合セキュリティソフトの中で台数と対応機種が最も多いものを挙げました。
注意しなければならないのは、製品名が同じでも対応しているOSや利用可能台数が異なるものもあるという点です。つまり、同じ製品名でもスマートフォンに対応していないものや、1台のみしか利用できないものなども用意されているわけです。そのため、購入前に必ず仕様を確認するようにしてください。
では次に、価格について見ていきましょう。
価格は数千円~一万円以上と幅があります。
価格差が生まれる要因はいくつかありますが、考えられるのは「使用期間」「機能の有無」「サポートの質」です。
たとえば、使用期間では1年版のものから5年版のものまであるので、期間が長くなればなるほど価格も上がります。
また、機能の有無も影響してきますが、価格を抑えたいのであれば余計な機能がついていない製品と比較して、本当に必要な機能かどうかを判断しながら選ぶようにしてみるといいかもしれません。
サポート面の満足度は個人差があるので、実際に使ってみないと判断するのは難しいと思います。ですが、個人的には有料の製品であればさほど不安を感じる必要はないと思います。
以上、選ぶ際の5つのポイントについて説明してきましたが、迷ってしまった方もいると思います。そこで、個人的にどれを選べばいいのかを以下に挙げてみますので参考にしてみてください。
人によって求める機能が異なるので、一概にどれがいいということは難しいのですが、私が前述の1~5のポイントを総合的に判断して選ぶと「ノートン」と「マカフィー」の2つに絞り込まれます。
では、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
ノートンは知名度も高いので、ご存知の方も多いと思います。優れた技術力と機能面の充実度においては、他のセキュリティソフトに引けを取りません。設定も細かくできる仕様なので、初心者から上級者まで満足できる総合セキュリティソフトだと思います。
用意されている製品は、1台(スタンダード)・3台(デラックス)・5台(プレミアム)の3種から選べるので、所有している台数に合わせて柔軟に選ぶことが可能です。ただし、付属機能なども変わるので、この点も注意して選ぶようにしましょう。
もしあなたが充実した機能を求めているのであれば、価格帯は上がりますが「プレミアム」を選ばれるといいかもしれません。対応機種も「Windows、Macintosh、Android、iOS」と複数のOSに対応しています。
また、子供のネット利用を管理できる保護者機能が充実しているのも魅力です。たとえば、子供のスマホの使用時間を管理したり、閲覧サイトを監視・制限したり、SNSをどのように使ってるかを把握したりすることも可能なので、インターネットにおける子供の教育や安全を重視されるのであれば、ノートンは最適な選択だと思います。(Amazon:ノートン)
ノートン同様にマカフィーも知名度の高いITセキュリティ会社です。ITセキュリティの対策製品を供給する企業規模は世界一で、総合セキュリティソフトの他にもセキュリティ関連製品の開発から販売までを総合的に行っています。
セキュリティソフトのラインナップは他の企業と比べても豊富で、目的に合わせて選べるよう多数用意されています。万全に管理したいのであれば「マカフィー リブセーフ」を選ばれるといいかもしれません。特徴は、同居家族であれば全員何台でもインストールができるという点です。
近年は、一人で複数の端末を所有していることが多いので、家族分の総合セキュリティソフトを用意するのは結構な出費となります。でも、この製品は同居家族の端末であれば無制限にインストールすることができるので節約につながると思います。
対応機種も「Windows、Macintosh、Android、iOS」と複数のOSに対応しており、機能も充実しているので満足度は高いと思います。(Amazon:マカフィー)
以上、2つの製品を選んでみましたが、あくまで私が個人的に良いと感じた総合セキュリティソフトです。人によって求める機能や価格は異なるので、他の総合セキュリティソフトなども一緒に比較して、あなたの使い方や予算に合ったものを選ぶようにしてみましょう。
先述した「2.機能の種類を比較する」を参考に、機能面なども比較しながら考慮してみると納得したものを選びやすくなると思います。
総合セキュリティソフトを選ぶ際は迷いますが、ポイントを押さえて選ぶようにすると納得した決断が下せるようになると思います。これも楽しみの一つと考えて選んでみると、より良い時間が過ごせるかもしれません。参考にしてください。
次回は、「パソコンデータのバックアップ方法とは?」についてまとめます。
この20年余りで私たちの生活はインターネットを使うことが当たり前の時代へと変わりました。
ちょっとしたことでも検索して調べたり、アプリやメールなどで気軽に連絡を取り合ったり、音楽や動画をダウンロードして楽しんだりと、これまでとは大きく異なった世界へと変化を遂げたわけです。
そのおかげで私たちの生活の質は劇的に快適なものへと変わりましたが、同時に危険も身近なものになったと実感している方も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、ネット空間にはごく一般的な使い方をしている善良な人もいれば、悪意のある使い方をした人達も一緒に存在しているからです。彼らは、今この瞬間もインターネットを介して、あなたのコンピューターに様々な攻撃を仕掛けてきています。
インターネットには多くの危険が存在しますが、こうした危険からあなたのパソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末を守るのが「ウイルス対策ソフト(セキュリティソフト)」と呼ばれるものです。
これはインターネットを安全に利用するために必要不可欠なソフトウェアですが、あまりよくわからないという方も多いかもしれません。
なんとなく「危険なものから守ってくれているのだろう」ということはわかっても、具体的にどのようなことをしてくれているのかはあまり知られていません。そのため、安易に選んでしまったり、有効期限が切れてもそのままにしている方も少なくないと思います。
せっかくウイルス対策ソフトを購入しても、あなたが望む使い方ができなければ、満足できないものにお金を払い続けてしまうことにもなります。
理解に欠けた使い方はもったいないだけでなく、自らを危険にさらしていることにもなるので注意しなければなりません。
やはりきちんと理解して、納得したセキュリティソフトを選んでおきたいわけです。←私
そこで今回は、ウイルス対策ソフトとは何なのか、どのような種類があるのか、どうやって比較すればよいのか、そして自分にピッタリのウイルス対策ソフトを選ぶにはどうしたらよいのか、そもそもそうしたことは必要なのか、についてまとめました。
少し長いですが、最後まで読んでいただければ一通り理解できるかと思います。
ウイルス対策ソフトってなに?
ウイルス対策ソフトとは、危険なソフトウェアやプログラムによる攻撃から、あなたのパソコンやスマートフォン、タブレットなどを守ってくれるソフトウェアのことです。
わかりやすくパソコンを家に例えてみましょう。
パソコンをインターネットに繋いでいる状態は、あなたの家にたくさんの人(情報)が出入りしている状態です。
しかし、この人達の中には危険な人もいます。もし彼らを家の中に上げてしまうと、家の中のものを勝手に捨てたり、盗んだり、知らない人にあげたり、ばらまいたり、家を乗っ取ったりするなどの悪さをします。
こうした悪さをするものの総称を一般的に「ウイルス」と言いいますが、最近はウイルス以外にもたくさんの種類が出ていているので、これらと区別するために「マルウェア」と呼ばれています。よく出てくる言葉なので覚えておきましょう。
このマルウェアが、勝手に家の中に入ってこないように守ってくれるのが「ウイルス対策ソフト」と呼ばれるものです。これは言わば家の警備員のようなものです。「出入りする人の中に危険な人がいないか?」、「家の中に危険な人が入り込んでいないか?」と目を光らせて家を守ってくれるわけですね。
ちなみにウイルス対策ソフトは別名、「セキュリティソフト」「アンチウイルスソフトウェア(Anti-Virus Software)」「ワクチン(ソフト)」とも呼ばれます。
では、いつごろから使われるようになったのでしょう?
次は、このことについて見ていきましょう。
ウイルス対策ソフトはいつから使われるようになったの?
セキュリティソフトが使われるようになったのは、インターネットやコンピュータが普及し始めた1990~2000年代にかけてと言われています。なぜなら、この頃からウイルスによる感染が増えてきたからです。
当初は、コンピュータをウイルスから保護する役割が中心でしたが、現在はウイルス以外にもさまざまな種類のマルウェアが生まれたため、これらの危険から守るための機能も備えられるようになりました。
たとえば、「個人情報を外に漏らさない個人情報漏えい防止機能」、「危険なサイトを警告するWebサイト評価機能」、「ネットの危険から子供達を守る保護者機能(ペアレンタルコントロール機能)」などがあります。
ちなみに、こうした複数の機能を備えたウイルス対策ソフトのことを「総合セキュリティソフト」と言います。(以下、「総合セキュリティソフト」と記載します。)
では、この総合セキュリティソフトがないと、一体どうなるのでしょう?
次は、このことについて見ていきます。
総合セキュリティソフトがないとどうなるの?
家に警備員がいないわけですから、危険な人も簡単に家に入って悪さができるようになります。つまり、マルウェアに感染してしまいます。
感染すると以下のような被害に遭う可能性が出てきます。
◆ファイルを勝手に削除・破壊される
◆通常とは異なる動作をする
◆大量のウイルス付きメールを勝手に送信する
◆パソコンからパソコンへと感染を拡大させる
◆PCやスマートフォンなど端末内の情報が流出する
◆端末内の情報を暗号化され、戻すための身代金を要求される
◆端末を乗っ取られて遠隔操作される
つまり、パソコン・スマートフォン・タブレットなどが正常に使えなくなるだけでなく、大切な情報を失ったり、友人や知人あるいは取引先のコンピュータも危険にさらして迷惑をかけてしまうリスクがあるわけです。
どのマルウェアに感染するかによって被害の内容も変わってくるのですが、たとえば遠隔操作によってあなたのパソコンが勝手に操られてしまうのは「トロイの木馬」や「ボット」と呼ばれるマルウェアに感染した場合です。
また、ネット銀行の口座やメールアカウントなどのIDやパスワードを盗み出す「スパイウェア」と呼ばれるマルウェアが仕掛けられることもあります。
あるいは銀行や会員サイトからのメールだと偽り、IDやパスワードを騙し取る「フィッシング詐欺」といったものもあります。
この他にもインターネットにはたくさんの危険が潜んでいますが、これらの危険から総合セキュリティソフトを使わずにコンピュータを守ることは不可能です。
「インターネットには繋がないから大丈夫」という方でも、USBフラッシュメモリやDVD-Rなどの光メディアなど物理的な媒体から感染することもあります。
つまり、感染しないと考えるよりも、感染することを前提にどう対策しなければならないかを考える必要があるわけです。
その対策方法として有効なのが、総合セキュリティソフトを使って、あなたのパソコンやスマートフォン、タブレットなどを保護するという方法です。
しかし、総合セキュリティソフトにはたくさんの種類があるので、どのように選べばいいのかわからない方も多いと思います。
そこで特徴などを比較しながら、自分に合ったセキュリティソフトを見分ける方法について見ていきましょう。
総合セキュリティソフトを選ぶときのポイントは?
総合セキュリティソフトを選ぶ際のポイントは以下の5つです。
1.正確な検出
2.機能の種類
3.パソコンへの負荷
4.インストール台数
5.価格
一見難しそうに感じるかもしれませんが、理解すればそんなに難しいものでもありません。ここでは初心者の方でもわかるように説明していきます。では、さっそく見ていきましょう。
1.正確に検出するのかを確認する
繰り返しになりますが、まずは言葉の説明からです。より具体的に説明します。
先ほど説明したウイルスやトロイの木馬、スパイウェアなどの危険なソフトウェアの総称を「マルウェア」といいます。つまり、あなたのコンピューター内で悪さをするソフトウェアの総称のことです。
一般的なソフトウェアは、あなたにとって便利で役に立つ仕事をしてくれますよね。たとえば、Windowsや会計ソフト、SNSやSMSのアプリ、キャッシュレス決済のアプリなどがそうです。
でも、フリーソフトやアプリの中には、あなたが望まない仕事をするものもあります。たとえば、パソコンやスマートフォンなど端末内のデータを破壊したり、個人情報を勝手に盗んだり、遠隔操作であなたの端末を許可なく勝手に操ったりするといったことです。
こうした望んでもいないことを勝手にするソフトウェアやプログラムの総称をマルウェアと言います。
そして、このマルウェアからコンピュータを守るのが総合セキュリティソフトであると先ほど説明しましたが、これにはいくつかの種類があります。たとえば、
◆ウイルスから守るソフト(アンチウイルスソフトウェア)
◆トロイの木馬・スパイウェアから守るソフト(アンチスパイウェア)
◆ハッキングなどから守るソフト(ファイアーウォール)
◆スパムメールを除去するソフト(メールフィルタリングソフト)
◆有害サイトを除外するソフト(Webコンテンツフィルタリングソフト)
など役割が分かれているわけです。
考えられる全ての危険から守らなければ意味がないので、全てのソフトを入れないければなりません。
しかし、一つずつ入れていくのは大変ですし、競合するなどの理由から一緒に使えないものもあります。これでは困りますね。
そこで、一つのソフトウェアで全てのマルウェアの攻撃から保護できるものが現れました。こうしたソフトウェアのことを「総合セキュリティソフト(トータルセキュリティソフト)」と言います。
ただし、総合セキュリティソフトであればどれでも良いというわけではありません。ここで注意しなければならないのが「検出率」です。つまり、マルウェアを発見する能力が、どれくらい優れているのかを確認しておく必要があるわけです。
わかりやすく例をあげると、あなたがダウンロードした無料ゲームアプリに「ウイルス1」と「ウイルス2」の2つのマルウェアが入っていたとします。
そして、「総合セキュリティソフトA」でチェックすると両方とも検出されるのに、「総合セキュリティソフトB」では「ウイルス1」しか検出されなかったとしましょう。
もしあなたが検出されなかった方の「総合セキュリティソフトB」を使っていたら、ウイルスに感染して被害にあってしまいます。こうした危険を避けるためにも検出率の高いものを選ぶ必要があるわけです。
では、どうやって調べればよいのでしょうか?
この調べ方は、世界的に有名な調査機関の評価を確認することである程度わかります。中でも比較的公正な評価をするところを選ぶのがポイントです。以下にサイトを紹介します。(英語サイトです)
◆ドイツにある世界有数の第三者機関:AV-TEST
◆オーストリアにある世界有数の第三者機関:AV-Comparatives
こちらの調査結果をもとに、評価の高いものを選ぶようにすると客観的に選ぶことができると思います。
ただし、これらの結果が絶対的なものではないということも理解しておかなければなりません。つまり、ここで検出率が高いと評価されても、単純にその製品が他の製品よりも品質が良く信頼性が高いとは言い切れないということです。また、検出率が高いという結果の出た製品を使っていても、マルウェアに感染することは十分にあり得ます。
これについては少し古いですが、興味深い記事があるので後で読んでみてください。
◆参考:AV-Test研究員インタビュー:国内セキュリティソフトの“格付け”は、ちょっとヘン?
◆参考:「ウイルス検出率」だけで製品を選ばないで――評価機関が勧めるポイント
では、どのように選んだらよいのでしょう?
大切なのは、テスト結果を絶対視するのではなく、一つの参考情報として見ることです。
次に、あなたが求めている機能を備えているのかを見極めること。子供がいるなら、子供のインターネットの使い方を監視できる機能が付いているかなどですね。
それと、あなたが持っているパソコンの性能で重く感じないか、快適に使えるかを考慮すること。重すぎたら使うのを苦痛に感じるでしょう。
こうした点に注意しながら実際に使ってみて、機能・使いやすさ・価格などを総合的に判断し、あなたに合ったものを選別していくしかないと思います。
念のため付け加えておきますが、第三者機関の出した結果が無意味ということではありません。実際にテストを行って、その結果が公表されているわけですから、一つの判断材料として使うには役立つはずです。
もしかしたら、「総合セキュリティソフトは入れなくてもいいのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、そんなとき私は次のように考えるようにしています。
先ほどインターネットは危険を伴うと説明しました。つまり、ネットを使うということは、自ら危険地帯に足を踏み入れるようなものです。
もし、あなたが戦地へ赴くとしたら、何も装備を身に付けずに普段着のまま行くでしょうか。私なら、せめて防弾ベストとヘルメットくらいは用意すると思います。でも、防弾ベストで覆われているところ以外に被弾すれば負傷しますよね。それなら、防弾ベストは必要ないと考えますか?
私は、総合セキュリティソフトもこれと同じだと考えています。検出率の高いソフトを使っても、感染するときには感染します。テスト結果が優秀なものでも、全ての攻撃を防ぐことはできません。でもだからといって、総合セキュリティソフトが必要ないということにはならないと思います。
100%防御できたらそれに越したことはありませんが、現実には不可能です。現実的ではないことを求めるよりも、現実を直視して用心深く行動することの方が被害に遭うリスクを大きく減らせる思います。
話を元に戻しますが、日本国内向けに販売されている製品を以下に挙げますので、試しに先ほど紹介した評価機関のWebサイトでテスト結果を参考に比較してみてください。
なお、評価機関のテスト結果は製品名で記載されています。たとえば、ESETなら「ESET」と書かれているわけです。ただし、一部違う表記のものもあります。
たとえば、G DATAは「Bitdefender&Avast!」、ZEROスーパーセキュリティは「Bitdefender」、ZEROウイルスセキュリティは「K7-Computing」のエンジンが搭載されているので、これらの名称を確認しましょう。また、ウイルスバスターは企業名の「Trend Micro」と表記されていると思います。(※AV-TESTに結果のないものは、AV-Comparativesを参考にされてください。)
それと、「Windows」と表記されているものはWindows Defenderを指します。現在、主流のOSであるWindows 10には、このセキュリティソフトが標準搭載されているので、このソフトに搭載されている機能で十分であると判断したときは別途購入する必要はないと考えています。
では、日本国内向けに販売されている製品を以下に挙げます。(リンク先はAmazon)
◆ウイルスバスター(初心者でも使いやすい)
◆ノートン(子供を守る機能が充実)
◆ESET(安価で軽い)
◆マカフィー(インストール可能台数が多い)
◆G DATA(機能が豊富)
◆ZERO スーパーセキュリティ(更新料0円)
では次に、先ほど触れた機能について見ていきましょう。
2.機能の種類を比較する
検出率の次に考慮すべきなのが機能です。あなたが必要としている機能の有無を確認して選ぶということですね。
基本的に総合セキュリティソフトには、最低限必要な機能は備えられているものが多いのでさほど気にする必要はありませんが、中には他の製品にはない独自の機能が付いているものもあるので、あなたが必要だと感じている機能があれば、そうした機能の付いたものを選ばれた方がより満足した使い方ができるようになると思います。例えば以下のようなものですね。
◆迷惑メール対策機能(メールからの感染を防ぐ)
◆保護者機能(子供の教育と安全を守る)
◆Webサイト評価機能(サイトの安全性を事前に確認)
◆個人情報保護機能(個人情報流出を強固に防ぐ)
◆バックアップ機能(バックアップを保存できる)
上記5つ目のバックアップ機能は、データのバックアップを定期的に行ってくれる機能ですが、全般的に容量が少なかったりしてあまり使えません。個人的には、外付けハードディスクやクラウドストレージを使い、自分でバックアップを定期的に取っておくのが安心だと思います。(パソコンデータのバックアップ方法とは?)
この他にも年々新しい機能が追加されているので、必要だと感じるものがあれば一緒に比較してみるといいかもしれません。
では次に、PCに過剰な負荷がかからないかについて見ていきましょう。
3.PCに過剰な負荷がかからないかを確認する
軽くて快適に使えるものを選ぶのもポイントです。
数年前までは総合セキュリティソフトを入れると、パソコンが重くなって使いづらくなることが多かったのですが、最近はパソコンの性能が向上している影響もあるのか軽快に使えるソフトが多いように感じます。
しかし、もしあなたが古いパソコンや低スペックのパソコンを使っているのであれば、パソコンに負荷のかかりにくいものを選ぶようにすると良いかもしれません。
たとえば、私が今持っているCore-i3を搭載したパソコンで使うと、総合セキュリティソフトの中にはパソコンの動作が非常に重くなるものもあります。製品によってはCore-i5を搭載したパソコンでも若干重く感じるものもあるので、PCの動作が重くなるのは避けたいというときには、こうした点にも注意して選ぶようにすると快適に使えるようになるはずです。
これを判断するには実際に使ってみるしかありません。なぜなら、使用しているパソコンの性能は人によって異なりますし、高性能PCを使っていても負荷のかかる作業を頻繁に行うのであれば重く感じるかもしれないからです。つまり、ある人は「重くなる」と言っていても、自分のパソコンではそうは感じないこともありますし、その逆もあるわけです。ですから、実際に試してみなければわからないと思います。
ちなみに古いパソコンや低スペックのパソコンでも快適に使いたいときは、先ほど上で紹介したESETを選ばれるといいかもしれません。他の総合セキュリティソフトと比べると負荷が小さいので、軽快に使いたいのであれば必ず選択肢に入れておきたい製品です。
では次に、何台までインストールできるのかについて見ていきましょう。
4.インストール可能台数を確認する
2013年頃までは、パソコン(WindowsやMac)のみで使えるものが中心でしたが、モバイル端末の普及に伴いスマートフォンやタブレット(iOSやAndroid)も一緒に使える製品が増えてきています。
たとえば、あなたがパソコン・スマートフォン・タブレットをそれぞれ1台ずつ持っていたとしましょう。
もし、所有している端末のOS(Windows、Mac、Android、iOSなど)が対応していて、最大3台まで使えるソフトを選べば、一つの総合セキュリティソフトで全てをカバーできるわけです。つまり、何個も総合セキュリティソフトを買わなくて済むということです。この方が無駄な出費がありません。
あるいは、あなたのパソコン・両親のパソコン・祖父母のパソコンを1つのソフトで保護できるものであれば、こういった使い方も可能です。
このように複数の端末を所有している場合は、それに対応した製品を選ぶことで費用も節約できるので、どのOSに何台までインストールできるのかは選択する際の大切なポイントです。
それでは、最大何台まで対応しているのかを以下にまとめます。左に製品名、右の( )内に対応OSを記載します。(2016年12月時点)
台数無制限
◆マカフィー リブセーフ[同居家族に限る](Windows/Mac/Android/iOS対応)
最大5台まで
◆ノートン セキュリティプレミアム(Windows/Mac/Android/iOS対応)
◆ESET ファミリーセキュリティ(Windows/Mac/Android対応)
◆GDATA インターネットセキュリティ2016(Windows/Android対応)
最大3台まで
◆ウイルスバスター クラウド(Windows/Mac/Android/iOS対応)
◆ZEROスーパーセキュリティ(Windows/Mac/Android対応)
1台のみ
◆ZEROウイルスセキュリティ(Windows対応)
上記の製品は、各企業が販売している総合セキュリティソフトの中で台数と対応機種が最も多いものを挙げました。
注意しなければならないのは、製品名が同じでも対応しているOSや利用可能台数が異なるものもあるという点です。つまり、同じ製品名でもスマートフォンに対応していないものや、1台のみしか利用できないものなども用意されているわけです。そのため、購入前に必ず仕様を確認するようにしてください。
では次に、価格について見ていきましょう。
5.価格を確認する
価格は数千円~一万円以上と幅があります。
価格差が生まれる要因はいくつかありますが、考えられるのは「使用期間」「機能の有無」「サポートの質」です。
たとえば、使用期間では1年版のものから5年版のものまであるので、期間が長くなればなるほど価格も上がります。
また、機能の有無も影響してきますが、価格を抑えたいのであれば余計な機能がついていない製品と比較して、本当に必要な機能かどうかを判断しながら選ぶようにしてみるといいかもしれません。
サポート面の満足度は個人差があるので、実際に使ってみないと判断するのは難しいと思います。ですが、個人的には有料の製品であればさほど不安を感じる必要はないと思います。
以上、選ぶ際の5つのポイントについて説明してきましたが、迷ってしまった方もいると思います。そこで、個人的にどれを選べばいいのかを以下に挙げてみますので参考にしてみてください。
どの総合セキュリティソフトを選べばいいか迷ったときは?
人によって求める機能が異なるので、一概にどれがいいということは難しいのですが、私が前述の1~5のポイントを総合的に判断して選ぶと「ノートン」と「マカフィー」の2つに絞り込まれます。
では、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
1.ノートン(Norton)の特徴は?
ノートンは知名度も高いので、ご存知の方も多いと思います。優れた技術力と機能面の充実度においては、他のセキュリティソフトに引けを取りません。設定も細かくできる仕様なので、初心者から上級者まで満足できる総合セキュリティソフトだと思います。
用意されている製品は、1台(スタンダード)・3台(デラックス)・5台(プレミアム)の3種から選べるので、所有している台数に合わせて柔軟に選ぶことが可能です。ただし、付属機能なども変わるので、この点も注意して選ぶようにしましょう。
もしあなたが充実した機能を求めているのであれば、価格帯は上がりますが「プレミアム」を選ばれるといいかもしれません。対応機種も「Windows、Macintosh、Android、iOS」と複数のOSに対応しています。
また、子供のネット利用を管理できる保護者機能が充実しているのも魅力です。たとえば、子供のスマホの使用時間を管理したり、閲覧サイトを監視・制限したり、SNSをどのように使ってるかを把握したりすることも可能なので、インターネットにおける子供の教育や安全を重視されるのであれば、ノートンは最適な選択だと思います。(Amazon:ノートン)
2.マカフィー(McAfee)の特徴は?
ノートン同様にマカフィーも知名度の高いITセキュリティ会社です。ITセキュリティの対策製品を供給する企業規模は世界一で、総合セキュリティソフトの他にもセキュリティ関連製品の開発から販売までを総合的に行っています。
セキュリティソフトのラインナップは他の企業と比べても豊富で、目的に合わせて選べるよう多数用意されています。万全に管理したいのであれば「マカフィー リブセーフ」を選ばれるといいかもしれません。特徴は、同居家族であれば全員何台でもインストールができるという点です。
近年は、一人で複数の端末を所有していることが多いので、家族分の総合セキュリティソフトを用意するのは結構な出費となります。でも、この製品は同居家族の端末であれば無制限にインストールすることができるので節約につながると思います。
対応機種も「Windows、Macintosh、Android、iOS」と複数のOSに対応しており、機能も充実しているので満足度は高いと思います。(Amazon:マカフィー)
以上、2つの製品を選んでみましたが、あくまで私が個人的に良いと感じた総合セキュリティソフトです。人によって求める機能や価格は異なるので、他の総合セキュリティソフトなども一緒に比較して、あなたの使い方や予算に合ったものを選ぶようにしてみましょう。
先述した「2.機能の種類を比較する」を参考に、機能面なども比較しながら考慮してみると納得したものを選びやすくなると思います。
総合セキュリティソフトを選ぶ際は迷いますが、ポイントを押さえて選ぶようにすると納得した決断が下せるようになると思います。これも楽しみの一つと考えて選んでみると、より良い時間が過ごせるかもしれません。参考にしてください。
次回は、「パソコンデータのバックアップ方法とは?」についてまとめます。
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