オンボードグラフィックの基本!種類と性能の違いは?
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『オンボードグラフィックについて理解してみよう』(最終更新:2016年9月)
以前書いた「グラフィックボードの種類と性能の違い」の記事では、パソコンにグラフィックボードが搭載されていなくても、画像や映像を表示ができるものもあるということを説明しました。こうしたものを「オンボードグラフィック(onboard graphics)」と言います。
グラフィックボードなしで画像を表示するなんて、一体どういった仕組みになっているのでしょう? 気になる方もいるかもしれません。←私
そこで今回は、このオンボードグラフィックについてまとめました。
オンボードグラフィックとは、マザーボード・CPU・チップセットなどにグラフィックチップ(GPU)などのグラフィックスコントローラを付加することで、グラフィックボードを使わずに画面表示ができる機能のことです。
わかりやすく説明してみましょう。まず、パソコンの頭脳に当たる部品のことを「CPU」言います。そして、CPUやメモリーなどパソコンの心臓部となる重要な部品は、小さな四角い板(基盤)に乗せてパソコンに搭載されます。この板のことを「マザーボード」と言います。
CPUやメモリは互いに情報のやり取りをするのですが、マザーボードにはこのやり取りを管理する部品も一緒に乗せています。この部品のことを「チップセット」と言います。
一般的にディスプレイへ画像を表示させるためには、「グラフィックチップ(GPU)」と呼ばれる画像処理をするための頭脳が必要なのですが、この頭脳をCPUやマザーボード、チップセットに備えることもあります。これを「オンボードグラフィック」と言います。(グラフィックチップってなに?)
もっとわかりやすく説明すると、まず、あなたの自宅にある身近なゲーム機を思い出してみてください。
ゲーム機本体だけ持っていても、ゲームは楽しむことはできませんよね。ゲームをするには、ゲームソフトやカセットなどを本体に差し込まなければなりません。
同様に、パソコンもディスプレイに画像や映像を表示させるには、グラフィックカードと呼ばれるカセットを差し込まなければならないわけです。
でも、これを差し込まなくても画像を表示できるようにしたものもあります。つまり、ゲームソフトを予めゲーム機に搭載するようなものです。
言い換えると、グラフィックス機能(画像処理の頭脳)をマザーボード上に直接搭載したり、CPUやチップセットに内蔵したりしするわけです。これを「オンボードグラフィック(onboard graphics)」と言います。
ちなみに、この他にも「内蔵グラフィックス(internal graphics)」「オンボードビデオ」「内蔵ビデオ」と呼ばれたりもします。一緒に覚えておくと混乱することもないと思います。
では、オンボードグラフィックのメリットとデメリットについても見ていきましょう。
オンボードグラフィックの利点は2つ、「省スペースでも搭載できる」のと「価格を抑えられる」という点です。
もし、あなたのパソコンをの使い方がWeb検索やメール、ExcelやWordなどの文書作成などといった一般的なものであれば、グラフィックボードは必要ありません。わざわざ高いお金を払ってまで搭載されたパソコンを買うのはもったいないです。
特に、軽量化や省電力化が重視されるノートパソコンを費用を抑えて購入したいのであれば、グラフィックボード搭載PCよりも、オンボードグラフィックのPCを選んだ方が良いと思います。
ただし、デメリットもあります。これについても理解しておきましょう。
オンボードグラフィックのパソコンを選ぶ際に注意しなければならないのは、このグラフィック機能がグラフィックボードのように高性能ではなく、最低限の機能や性能しか備えていないことが多いという点です。
たとえば、「3Dゲーム」や「三次元設計ソフトウェア」のような負荷のかかる計算処理が必要な作業をするのであれば、画面が滑らかに動かなかったり、きちんと表示されない可能性があるということです。
そのため、こうした3Dを扱うのであれば、グラフィックボードを搭載することをお勧めします。一方、そうでないのであればオンボードグラフィックでも十分だと思います。
オンボードグラフィックには上記のような利点と欠点があるので、これらを考慮しながらどちらにするかを決めるといいかもしれません。
ちなみにオンボードグラフィックにもいくつか種類があるのですが、基本的に選ぶことはできません。「オンボードグラフィックのパソコンである」ということ以外は、何が搭載されているかもわからないことが多いです。
でも、一応どんな種類のものがあるのかについても簡単に見ていきましょう。
まず、オンボードグラフィックを開発している企業には以下の5つがあります。
1.インテル製
2.ATI製(2006年にAMDが買収)
3.AMD製
4.NVIDIA製
5.VIA Technologies(S3 Graphics)製
6.SiS製
この中で最も広く使われているのがインテル製のものです。
では、歴史を遡りながら、どのようなものがあるのかをザックリと以下にまとめてみます。
まず、インテル製にはどのようなものがあるのかを簡単に見てみましょう。下に行くほど新しくなります。(リンク先はWikipedia)
◆Intel Graphics Technology(IGT):1998年にインテルが最初に開発したグラフィックス・アクセラレータ・チップです。これをチップセットと統合する形で設計したオンボードグラフィックコアがIntel 810とIntel 815ですね。ちなみにインテルでは、こうしたグラフィックス統合型チップセットのことを「GMCH」と呼んでいます。
◆Intel Extreme Graphics:Intel Graphics Technology(IGT)の後継製品です。Intel 830のグラフィック機能として発売されました。
◆Intel Graphics Media Accelerator:2004年に発売された製品です。Intel Extreme Graphicsの後継製品でIntel GMAとも呼ばれます。こちらもインテルが開発したチップセットに搭載されるタイプのもので、GPU市場で出荷される約半数にこれが使われています。ちなみに上の2つはグラフィックアクセレーターという製品でしたが、ここからグラフィックコントローラ(GPU)という製品になります。ようやくGPUに相当する機能を備えたわけです。
◆Intel HD Graphics:2010年に発売されたIntel GMAの後継製品で、これまでのチップセットに統合する形からCPUに統合する形に変わります。つまり、プロセッサ内蔵グラフィックコントローラになったというわけですね。もっとわかりやすく言うと、パソコンの頭脳であるCPUに内蔵される形で搭載されたわけです。これが現在使われているタイプです。
ATI Technologies社は、RADEONを開発したカナダの半導体設計メーカーです。しかし、2006年にAMD社に買収されたので、ここでは2社を同系列として扱います。
先程、インテルでグラフィックス統合型のチップセットのことをGMCHと呼ぶと説明しましたが、これはインテル独自の呼称です。他社では一般的にIGP(Integrated Graphics Processor)と呼ばれています。意味は「統合グラフィックプロセッサ」です。
これを踏まえて、ATI製・AMD製のオンボードグラフィックを見てみましょう。(リンク先はWikipedia)
◆RADEON 9100 IGP(ATI社のグラフィック機能内蔵のチップセット)
◆RADEON XPRESS(ATI社のグラフィック機能内蔵のチップセット)
◆RADEON IGP(Integrated Graphics Processor)
◆AMD IGP(ATI社製のチップセットを含まないAMD社のIGP製品です。IGPの欄に記載のあるものがこれに該当します。下に行くほど最新のものになります。)
NVIDIA社が開発したグラフィック機能内蔵のチップセットには以下のものがあります。(リンク先はWikipedia)
◆nForce
◆GeForce 3
◆GeForce 6150/GeForce 6100
◆GeForce 7050PV/GeForce 7025
◆GeForce 8200/8100
◆GeForce 9300/9400
グラフィック機能内蔵のチップセットで、「ProSavage」「UniChrome」「Chrome9 HC」があります。(リンク先はWikipedia)
グラフィック機能内蔵のチップセットです。かつてこの分野ではかなり有力でしたが、インテルとAMDの競争に追従できず市場シェアは消滅しました。(リンク先はWikipedia)
◆SiS(Silicon Integrated Systems)
オンボードグラフィックについてはこんな感じです。種類はいろいろありますが滅多に耳にすることはありません。
パソコンを選ぶ際は、グラフィックボードとオンボードグラフィックのどちらが搭載されているのか、ということを確認する程度で十分だと思います。
なお、グラフィックボードについては「グラフィックボードの種類と性能の違い」でまとめましたので、こちらを参考にしてください。
以前書いた「グラフィックボードの種類と性能の違い」の記事では、パソコンにグラフィックボードが搭載されていなくても、画像や映像を表示ができるものもあるということを説明しました。こうしたものを「オンボードグラフィック(onboard graphics)」と言います。
グラフィックボードなしで画像を表示するなんて、一体どういった仕組みになっているのでしょう? 気になる方もいるかもしれません。←私
そこで今回は、このオンボードグラフィックについてまとめました。
オンボードグラフィックってなに?
オンボードグラフィックとは、マザーボード・CPU・チップセットなどにグラフィックチップ(GPU)などのグラフィックスコントローラを付加することで、グラフィックボードを使わずに画面表示ができる機能のことです。
わかりやすく説明してみましょう。まず、パソコンの頭脳に当たる部品のことを「CPU」言います。そして、CPUやメモリーなどパソコンの心臓部となる重要な部品は、小さな四角い板(基盤)に乗せてパソコンに搭載されます。この板のことを「マザーボード」と言います。
CPUやメモリは互いに情報のやり取りをするのですが、マザーボードにはこのやり取りを管理する部品も一緒に乗せています。この部品のことを「チップセット」と言います。
一般的にディスプレイへ画像を表示させるためには、「グラフィックチップ(GPU)」と呼ばれる画像処理をするための頭脳が必要なのですが、この頭脳をCPUやマザーボード、チップセットに備えることもあります。これを「オンボードグラフィック」と言います。(グラフィックチップってなに?)
もっとわかりやすく説明すると、まず、あなたの自宅にある身近なゲーム機を思い出してみてください。
ゲーム機本体だけ持っていても、ゲームは楽しむことはできませんよね。ゲームをするには、ゲームソフトやカセットなどを本体に差し込まなければなりません。
同様に、パソコンもディスプレイに画像や映像を表示させるには、グラフィックカードと呼ばれるカセットを差し込まなければならないわけです。
でも、これを差し込まなくても画像を表示できるようにしたものもあります。つまり、ゲームソフトを予めゲーム機に搭載するようなものです。
言い換えると、グラフィックス機能(画像処理の頭脳)をマザーボード上に直接搭載したり、CPUやチップセットに内蔵したりしするわけです。これを「オンボードグラフィック(onboard graphics)」と言います。
ちなみに、この他にも「内蔵グラフィックス(internal graphics)」「オンボードビデオ」「内蔵ビデオ」と呼ばれたりもします。一緒に覚えておくと混乱することもないと思います。
では、オンボードグラフィックのメリットとデメリットについても見ていきましょう。
オンボードグラフィックのメリットは?
オンボードグラフィックの利点は2つ、「省スペースでも搭載できる」のと「価格を抑えられる」という点です。
もし、あなたのパソコンをの使い方がWeb検索やメール、ExcelやWordなどの文書作成などといった一般的なものであれば、グラフィックボードは必要ありません。わざわざ高いお金を払ってまで搭載されたパソコンを買うのはもったいないです。
特に、軽量化や省電力化が重視されるノートパソコンを費用を抑えて購入したいのであれば、グラフィックボード搭載PCよりも、オンボードグラフィックのPCを選んだ方が良いと思います。
ただし、デメリットもあります。これについても理解しておきましょう。
オンボードグラフィックのデメリットは?
オンボードグラフィックのパソコンを選ぶ際に注意しなければならないのは、このグラフィック機能がグラフィックボードのように高性能ではなく、最低限の機能や性能しか備えていないことが多いという点です。
たとえば、「3Dゲーム」や「三次元設計ソフトウェア」のような負荷のかかる計算処理が必要な作業をするのであれば、画面が滑らかに動かなかったり、きちんと表示されない可能性があるということです。
そのため、こうした3Dを扱うのであれば、グラフィックボードを搭載することをお勧めします。一方、そうでないのであればオンボードグラフィックでも十分だと思います。
オンボードグラフィックには上記のような利点と欠点があるので、これらを考慮しながらどちらにするかを決めるといいかもしれません。
ちなみにオンボードグラフィックにもいくつか種類があるのですが、基本的に選ぶことはできません。「オンボードグラフィックのパソコンである」ということ以外は、何が搭載されているかもわからないことが多いです。
でも、一応どんな種類のものがあるのかについても簡単に見ていきましょう。
オンボードグラフィックの種類と性能の違いは?
まず、オンボードグラフィックを開発している企業には以下の5つがあります。
1.インテル製
2.ATI製(2006年にAMDが買収)
3.AMD製
4.NVIDIA製
5.VIA Technologies(S3 Graphics)製
6.SiS製
この中で最も広く使われているのがインテル製のものです。
では、歴史を遡りながら、どのようなものがあるのかをザックリと以下にまとめてみます。
1.インテル製のオンボードグラフィック
まず、インテル製にはどのようなものがあるのかを簡単に見てみましょう。下に行くほど新しくなります。(リンク先はWikipedia)
◆Intel Graphics Technology(IGT):1998年にインテルが最初に開発したグラフィックス・アクセラレータ・チップです。これをチップセットと統合する形で設計したオンボードグラフィックコアがIntel 810とIntel 815ですね。ちなみにインテルでは、こうしたグラフィックス統合型チップセットのことを「GMCH」と呼んでいます。
◆Intel Extreme Graphics:Intel Graphics Technology(IGT)の後継製品です。Intel 830のグラフィック機能として発売されました。
◆Intel Graphics Media Accelerator:2004年に発売された製品です。Intel Extreme Graphicsの後継製品でIntel GMAとも呼ばれます。こちらもインテルが開発したチップセットに搭載されるタイプのもので、GPU市場で出荷される約半数にこれが使われています。ちなみに上の2つはグラフィックアクセレーターという製品でしたが、ここからグラフィックコントローラ(GPU)という製品になります。ようやくGPUに相当する機能を備えたわけです。
◆Intel HD Graphics:2010年に発売されたIntel GMAの後継製品で、これまでのチップセットに統合する形からCPUに統合する形に変わります。つまり、プロセッサ内蔵グラフィックコントローラになったというわけですね。もっとわかりやすく言うと、パソコンの頭脳であるCPUに内蔵される形で搭載されたわけです。これが現在使われているタイプです。
2.ATI製、3.AMD製のオンボードグラフィック
ATI Technologies社は、RADEONを開発したカナダの半導体設計メーカーです。しかし、2006年にAMD社に買収されたので、ここでは2社を同系列として扱います。
先程、インテルでグラフィックス統合型のチップセットのことをGMCHと呼ぶと説明しましたが、これはインテル独自の呼称です。他社では一般的にIGP(Integrated Graphics Processor)と呼ばれています。意味は「統合グラフィックプロセッサ」です。
これを踏まえて、ATI製・AMD製のオンボードグラフィックを見てみましょう。(リンク先はWikipedia)
◆RADEON 9100 IGP(ATI社のグラフィック機能内蔵のチップセット)
◆RADEON XPRESS(ATI社のグラフィック機能内蔵のチップセット)
◆RADEON IGP(Integrated Graphics Processor)
◆AMD IGP(ATI社製のチップセットを含まないAMD社のIGP製品です。IGPの欄に記載のあるものがこれに該当します。下に行くほど最新のものになります。)
4.NVIDIA製のオンボードグラフィック
NVIDIA社が開発したグラフィック機能内蔵のチップセットには以下のものがあります。(リンク先はWikipedia)
◆nForce
◆GeForce 3
◆GeForce 6150/GeForce 6100
◆GeForce 7050PV/GeForce 7025
◆GeForce 8200/8100
◆GeForce 9300/9400
5.VIA Technologies(S3 Graphics)製のオンボードグラフィック
グラフィック機能内蔵のチップセットで、「ProSavage」「UniChrome」「Chrome9 HC」があります。(リンク先はWikipedia)
6.SiS製のオンボードグラフィック
グラフィック機能内蔵のチップセットです。かつてこの分野ではかなり有力でしたが、インテルとAMDの競争に追従できず市場シェアは消滅しました。(リンク先はWikipedia)
◆SiS(Silicon Integrated Systems)
オンボードグラフィックについてはこんな感じです。種類はいろいろありますが滅多に耳にすることはありません。
パソコンを選ぶ際は、グラフィックボードとオンボードグラフィックのどちらが搭載されているのか、ということを確認する程度で十分だと思います。
なお、グラフィックボードについては「グラフィックボードの種類と性能の違い」でまとめましたので、こちらを参考にしてください。
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