PCの基本!パソコン間で簡単にデータ移行する方法は?

『パソコンデータの引越しを簡単にしてみよう』(最終更新:2017年7月)


パソコンを買い替えたときに、古いパソコンから新しいパソコンへデータを移行させたり、複数のパソコン間でデータを転送したいときに、簡単にできる方法が見つからなくて困ることがあります。←私

移行するデータには、文書や写真、動画、音楽などのファイルはもちろん、メールやアドレス帳、お気に入りなど容量の大きいものも含まれるので、効率的な方法であればストレスなく作業が行えると思います。

外付けハードディスクを経由したり、DVD-R/RWなどの光学メディアを使ったり、あるいはUSBメモリを使って移す方法でもいいのですが、もっと簡単にパソコンからパソコンへ直接移動できたら便利ですよね。

また、仕事で使う重要なデータや、他の人には見せたくない個人的なデータをを扱うのであれば、できるだけ自分ひとりでできる方法を選んだ方が安心だと思います。

パソコンに詳しくない人でも簡単にデータを移せる方法を把握しておくと、いざという時も困らないと思いますよ。そこで今回は、パソコン間で簡単にデータを移行する方法についてまとめました。

パソコンからパソコンへ、データを簡単に移動させる方法は?


PC間でのデータ移動の方法にはいろいろなものがありますが、一番便利だと感じたのが「USBリンクケーブルを使う方法」と「クロスケーブルを使う方法」の2つです。

まずは、「USBリンクケーブルを使う方法」から詳しく見ていきましょう。

USBリンクケーブルとは、2台のパソコンをUSBで直結するだけで簡単にデータの移動ができるケーブルのことです。

使い方もシンプルで、互いのパソコンのUSBポート(USBの差込口)にケーブルを差し込んで、マウスでドラッグ&ドロップするだけで手軽にデータのコピーができます。

このUSBリンクケーブルにはいろいろな種類のものがあるのですが、個人的に便利だと感じたのが「ドラッグ&ドロップの直感操作で使えるSANWA SUPPLY(Windows対応)」です。(リンク先はAmazon)

こちらは、パソコンにケーブルを繋ぐだけでデータ移行の作業が簡単に行えるものです。

2台のパソコンをケーブルで繋げば、マウスを使ってドラッグ&ドロップするだけで、ファイルやフォルダを簡単に転送することができます。

画面を横に並べて左右に移動するのはもちろん、設定を変更すれば縦に並べて上下移動させることも可能です。

また、一つのキーボードとマウスでPCを操作できるので、パソコン2台を1台のような感覚で使えるのも魅力ですね。データを移行した後も2台のパソコンを同時に使いたい時などは重宝します。

動作環境はWindows 10・8.1・8(64bit/32bit)、7(64bit/32bit)、Vista(64bit/32bit)、XP(SP1以降)、2000(SP3以降)と幅広く対応していますし、Windows OSを搭載したタブレットとも接続可能です。

ドライバもリンクケーブルに内蔵されているので、USBを挿すだけで簡単にインストールできます。

パソコン間でのデータ移行であればUSBリンクケーブルが一番便利だと思うので、どれにしようか迷ったときはこちらを選ばれると良いかもしれません。

※1:Amazonの商品説明欄ではWindows 10・8.1が対応機種に含まれていませんが、メーカーの公式サイトで確認すると含まれています。使い方なども詳しく説明されているので参照してください。(サンワサプライ公式サイト:KB-USB-LINK3K

※2:この他にも「Mac-Mac間」や「Mac-Windows間」でデータ移行が可能なものも売られているので、用途に合わせて選んでみましょう。

では次に、クロスケーブルを使った方法について見ていきましょう。

クロスケーブルを使う方法


クロスケーブルというのは、コンピュータ同士を直接結ぶたのに使われるケーブルのことです。

先ほどはUSBケーブルを使いましたが、ここではLANケーブルタイプのものを使います。つまり、パソコンのLANポートを使ってパソコン同士を直接繋ぎ、データを移動させる方法ということですね。

この方法は設定が必要になるので、パソコンに慣れていない人には少し難しく感じるかもしれませんが、手順を一つ一つクリアーしていけば簡単です。

ここでは、過去に私がWindows XPからWindows Vistaへパソコン内のデータを移動させたときの方法を例に紹介します。大まかな手順は以下のようなものです。

1.移動させるデータを、一つのファイルにまとめる
2.「コンピューター名」を設定をする
3.「ワークグループ名」を設定をする
4.ファイル共有の設定をする
5.クロスケーブルを接続してデータを移行する

それでは、順番に見ていきましょう。

1.移動させるデータを、一つのファイルにまとめる


まず、データの引越しを行うときは、古いパソコンから新しいパソコンへデータを移動しやすいようにひとつのファイルにまとめておき、デスクトップに保存しておきます。ここでは、まとめたファイルの名前を「Moving」とします。

2.コンピューター名を設定をする


次に、古いパソコンの設定を行います。

まずは古いパソコンと新しいパソコンを区別できるように、それぞれの名前を決めます。

パソコンを購入したときの初期設定で、既に別々の名前をつけているのであればそれでも構いません。もし同じ名前だと区別しずらいので、名前を変えておいた方が良いというだけのことです。

名前を変える際は、古いパソコンの名前を変えておくと良いかもしれません。(方法は下で紹介します。)

ちなみに私は名前を覚えてませんでしたが自動で出てきました。名前も違っていたので変更せずにそのまま行いました。

ここでは古いパソコン名を「PC1」、新しいパソコン名を「PC2」とします。

3.ワークグループ名を設定をする


次に、ワークグループの名前を記入します。

ワークグループとは、ネットワークで実際にデータのやり取りを行うパソコンのグループのことです。自宅の同じグループに属していればデータのやりとりが簡単にできます。

ここではワークグループの名前を「HOMEGROUP」とします。

パソコン名とワークグループ名の変更は古いパソコンで行います。Windows XPの変更は、以下の順番で行います。

1.[スタート]ボタンから[コントロールパネル]を選択
2.[システム]を選択
3.[システムのプロパティ]ウインドウが開いたら、[コンピュータ名]タブを選択して[変更]ボタンをクリック
4.[コンピューター名][ワークグループ名]に、それぞれ「PC1」「HOMEGROUP」と記入
5.記入後[OK]ボタンをクリック
6.パソコンを再起動するかを確認されたら、[OK]ボタンをクリックして再起動


次に、ファイル共有の設定をしてみましょう。

4.ファイル共有の設定をする


再起動したら、新しいパソコンから古いパソコンの中身が見られるようにファイル共有の設定を行います。ファイル共有の設定は以下のとおりです。

1.[スタート]ボタンから[コントロールパネル]を選択
2.[ネットワーク接続]を選択
3.[ローカルエリア接続]の上で右クリックして[プロパティ]を選択
4.[全般]タブの「この接続は次の項目を使用します」の項目で、「Microsoftネットワーク用クライアント」と「Microsoftネットワーク用ファイルとプリンタ共有」にチェックを入れる。チェックしてあればそのままでOK。
5.[OK]ボタンをクリック


次に、デスクトップに保存しておいた「Moving」のファイルの共有設定を行います。設定は以下の方法で行います。

1.「Moving」フォルダのアイコンの上で右クリックして、[プロパティ]を選択
2.「Movingのプロパティ」ウインドウが表示されるので[共有]タブを選択
3.「ネットワーク上での共有とセキュリティ」の項目の「このフォルダを共有する」にチェックをして[OK]ボタンをクリック


「Moving」ファイルのアイコンが変わっていると思います。手のひらに乗せた形になっていたら完了です。

5.クロスケーブルを接続してデータを移行する


パソコン間でデータのやり取りをするLANケーブルのことを「クロスLANケーブル」と言います。(Amazon:クロスLANケーブル

クロスケーブルを準備したら、古いパソコンと新しいパソコンの両方に接続します。

接続したら2台のパソコンを再起動します。

再起動したら、今度は新しいパソコンで以下の作業を行います。

1.新しいパソコン(Vistaの場合)の[スタート]ボタンから[ネットワーク]を選択
2.古いパソコン名のアイコンが存在すると思います。そのアイコンをクリック。
3.先ほど名前をつけたワークグループの名前の「HOMEGROUP」というアイコンが存在するので、これをクリック。
4.「HOMEGROUP」ウインドウの中に「PC1」と名づけられた古いパソコンのアイコンがあるので、これをダブルクリックして開きます。
5.「PC1」のウインドウの中に、先ほど設定した「Moving」フォルダが存在すれば、お互いのパソコンが実質的に接続されたことになります。
6.「Moving」フォルダを開いて古いパソコンの中からデータを移動させましょう。移動はドラッグ&ドロップで行います。あるいは、「Moving」フォルダをコピーして、新しいパソコンの好きなところに右クリックから[貼り付け]を選択しても移動可能です。


以上、パソコン同士を直接つなげてデータを移行する方法を二つ紹介しましたが、設定などが面倒に感じる人は最初に紹介した「USBリンクケーブル」を使う方法で行うと簡単に行えると思います。

またこれを機会に、パソコンが壊れたときやマルウェア感染してデータを失ってしまうようなケースに備えて、「外付けハードディスク」や「クラウドストレージ」で定期的にバックアップを取るようにしておくと安心だと思います。

いろいろな種類があるのでポイントを押さえてあなたに合ったものを選ぶ必要があるのですが、これについては「外付けハードディスクとは?初心者にもわかりやすく解説」「クラウドストレージとは?初心者にもわかりやすく解説」「パソコンデータのバックアップ方法とは?」でまとめましたので、こちらで理解を深めていただければと思います。

パソコンデータの簡単な移行方法についてはこんな感じです。データの移動もスムーズに行って、快適にパソコンを使えるようにしてみると良いかもしれません。参考にしてください。

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