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日本教育心理学会第58回総会(かがわ国際会議場)にて、自主シンポジウム「ニイルとアドラーから考える21世紀の学校のもうひとつの姿」を開催します。

日本教育心理学会第58回総会(かがわ国際会議場)にて、自主シンポジウム「ニイルとアドラーから考える21世紀の学校のもうひとつの姿」を開催します。日時は、10月10日(月・祝)13:00-15:00に決まりました。

このシンポジウムでは、きのくに子どもの村学園の校長である堀真一郎氏を迎えて、ニイルの理念に基づく学校づくりを詳しく聞くとともに、アドラーの教育についてのアイデアを検討し、これからの日本の学校について考えたいと思います。

ぜひたくさんの人のご参加をお待ちしております。

(自主シンポジウム)ニイルとアドラーから考える21世紀の学校のもうひとつの姿

企画の趣旨(向後千春)

 サマーヒル学校を作ったニイル(1883-1973)は当時のフロイトの理論に影響を受けていたが,それ以上にアドラー(1870-1937)の理論,たとえば「劣等感とその補償(inferiority feelings and compensation)」や「優越性の追求(striving for superiority)」の方がより妥当だと考えていた。アドラーもまた子どもの教育については強い関心を持ち,それは『子どもの教育』(1970)のような本になっている。

 学校教育についてニイルとアドラーに共通するアイデアは以下のような点である。

 (1) 先生と生徒は人間として対等である。
 (2) ルールが必要なときは全員で決める。
 (3) 生徒は実際の経験や失敗から学ぶことが多い。
 (4) 学校の使命は教科の学習よりもむしろ人格の発達である。

 日本の学校教育は,その教育技術の研鑽が「レッスン・スタディ」として世界から評価されている一方で,いじめや不登校の問題は解決の方向に向かっているとは言いがたい。そして,21世紀の教育は,粘り強さや自己調整力といった「非認知的スキル」をいかに扱うかという課題を避けては通れないだろう。

 本シンポジウムでは,ニイルの理念による学校である「子どもの村学園」を和歌山県,福井県,山梨県で設立,運営している堀真一郎氏を迎えて,ニイルとアドラーの教育についてのアイデアを検討しながら,21世紀の学校のもうひとつの姿を見出すことを目的とする。

日本教育心理学会第58回総会