利益の出てる投資信託を一部売却して希望通りの金額を受け取る
来年から新NISAがスタート。
僕は新規投資をするお金がないので、保有している投資信託を売却し、その資金で新NISAの枠を使います。
その際に、360万円分とか受け取りたい金額だけ投資信託を一部売却します。
しかし、これが一筋縄ではいかない。
売却時には、どれだけ売るか金額指定ができるのですが、その額が丸々受け取れない場合があります。
手数料や信託財産留保額もありますが、これらは0の商品が多い。
問題は、利益に対する税金です。
例えば、一部売却で3万円分を売って、この3万円分に対する買値が1万円だった時。
利益の2万円に対して税金がかかってきます。
3万円から、2万円×税率分が引かれた額しか入金されません。
売却時に税引き後の金額を指定できたらいいのですが、指定できるのはあくまでも税引前の額。
受け取りたい金額がある場合は、買値がいくらになるかを確かめ、税金を加味して売却額を決定しないといけません。
全て売却する時は利益が分かりやすいので計算も楽ですが、一部売却だとややこしい・・・
売却額をX円、アップ率(現在値÷取得価格)をY倍、受け取りたい金額をZ円とします。
売却額に対する買値はX÷Yと表すことができます。
課税対象額は、売却額から買値を引いたもので、X-X÷Y。
これに税率0.20315を掛けたものが引かれる税金で、(X-X÷Y)×0.20315。
受取額は、売却額から税金を引いたもの。
Z=X-{(X-X÷Y)×0.20315}となります。
式を展開すると、X=Z÷(0.79685+0.20315÷Y)
今年のNISA枠が286,112円余っていたので、練習も兼ねてやってみました。
売却するのは、先進国株式の投資信託で、取得単価9,815円から現在地52,527円と5.3517倍になっています。
NISA枠を使い切るために、一部売却して286,112円を受け取りたい。
Y=5.3517、Z=286,112をそれぞれ代入。
計算すると、X=342,727。
342,727円を売却すれば、利益に対する税金が引かれて、受け取りたい286,112円となる。
以上の計算をした上で、NISA残り枠の286,112円分の投信を購入。
同時に、特定口座(NISAじゃない口座)の投信を342,727円分売却。
こうやればいいのですがミスをしてしまい、数千円のズレが生じてしまいました。
しかし、正しい値で計算したら誤差1円でほぼほぼピッタリでした。
実際には、投資信託の売買にはタイムラグがあるので、アップ率Yが正確ではありません。
利益が1%上下することはザラで、その場合今回の例だと数十円の差になります。
新NISAだと数百万円単位で売却することもあるので、数百円の差が生じることもあるでしょう。
これは制度上やむを得ません。
新NISAの活用の流れは以下。
①X=Z÷(0.79685+0.20315÷Y)をエクセルで作って、アップ率Y、受け取りたい金額Zを事例ごとに入力し、売却額Xを求める
②価格変動を最小限に抑えるため、無リスク資産を一時的に流用し、新NISAでZ円分の購入、特定口座でX円分の売却を同時に行う(NISAを恩恵を最大限受けるために、年初来なるべく早期に)
③投資信託の価格変動で、数十円、数百円程度の差は出るが、これは許容する
- 関連記事
-
- 立会外分売が全然当たらん
- 利益の出てる投資信託を一部売却して希望通りの金額を受け取る
- 市場に居続けることの意味