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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

平面図形の問題、大阪大学2008年度理系第二問文系第一問の共通問題の解説
最近栄養不足になって寝込んで初めて、チャート式じゃないのを買わされた奴の気持ちがわかった。


大阪大学2008年度理系第二問の解説です。

[問題]
090924_m6.jpg

点Oで交わる2つの半直線OX,OYがあって∠XOY=60°とする。2点A,BがOX上にO,A,Bの順に、また、2点C,DがOU上にO,C,Dの順に並んでいるとして、線分ACの中点をM,線分BDの中天をNとする。線分ABの長さをs,線分CDの長さをtとするとき、以下の問いに答えよ。

(1)線分MNの長さをsとtを用いて表せ

(2)点A,BとC,Dがs^2+t^2=1を満たしながら動くとき、線分MNの長さの最大値を求めよ。


[解答と解説]
数学の問題はまず考える前に図を描いてみる。

これがもう一番大切なことくらいやねんけどベクトルの問題の場合、図を考えると

090924_m7.jpg

かえって、こういう世界に足を踏み込んでしまいます。

ベクトルは図よりも式だけを見て定石にしたがって計算した方がやりやすいことが多いです。

それはベクトル自体が代数的に定義されいて図形的なものが計算で扱えるってことがメリットがあったわけやからな。
ただもっと難しい問題とかでは図を描いて図で考えるのが大切になってきたりするので忘れないでください。


(1)
090924_m8.jpg

早速やっていきますが


Mは線分ACの中点より

OM→=(OA→+OC→)/2
ON→=(OB→+OD→)/2

ってあほみたいに白目むきながら計算して|MN→|を求めるから始点をOに揃えて

MN→=ON→-OM→
=(OA→-OB→+OC→-OD→)/2
=(BA→+DC→)/2

で|MN→|求めようとしたら、内積がいるから∠XOY=60°より

BA→・DC→=|BA→||DC→|cos60°
=st/2

よって

|MN→|=1/2・√(BA→+DC→)^2
=1/2・√(|BA→|^2+2BA→・DC→+|DC→|^2)
=1/2・√(s^2+st+t^2)

となんも考えずにあほみたいに白目むいて計算した方がうまくいきます。

(2)
090924_m9.jpg

s^2+t^2=1と言う関係式があるとき,s,tの式になってるMNの長さ
1/2・√(s^2+st+t^2)
の最大値を求める時は、s=cosΘ,t=sinΘって置くと簡単に求まりやすいことが多いです。

ただしs>0,t>0だから0<Θ<90°です。

|MN→|=1/2・√(s^2+st+t^2)
=1/2・√((cosΘ)^2+cosΘsinΘ+(sinΘ)^2)
=1/2・√(1+(sin2Θ)/2)

0<2Θ<180°より最大値はΘ=45°の時、1/2・√(1+1/2)=(√6)/4

をとります。


これはチャート式などでベクトルの例題などしっかり覚えてマスターしていれば、ええ得点源になる類の問題やと思います。

大阪大学の入試の数学の過去問の解説




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行列の問題、大阪大学2008年度理系第一問の解説
もうコーヒーにも裏切られた し、誰をオレは信じたらええねん。

こんなネガティブな気持ちで申し訳ないけど今回は大阪大学2008年度の理系第一問、行列の問題の解説します。
大阪大学の2008年度の問題も解説していきたいと思います。
阪大志望者も結構いるのに、2009年度しか解説してなかったからな。

[問題]
090924_m1.jpg

2次の正方行列A_0,A_1,A_2,A_3,…をA_0=O,A_n=B+A_(n-1)C(n=1,2,3,…)
で定める。ただし、Oは2次の零行列、BとCは2次の正方行列とする。

(1)A_n(E-C)をBとCを用いて表せ。
ここでEは2次の単位行列とする。
(2)BとCを
B=(0 1 1 0),C=(1 3 -1 1)とするとき、A_3nを求めよ。


[解答と解説]
これは僕たちはあの時何かもが行列やった…と言う問題です。


行列は普通の実数と同じ計算は出来ません。

でも足し算、引き算は自由に出来る、掛け算は交換律は成り立たないけど出来る、割り算は出来ないけど逆行列が存在するものはある、

だから実数で成り立つ関係式や公式なども、行列でも出来る演算なら行列でも成り立ちます。

今日は問題はそんな難しいわけちゃうけど、そこを意識したってください、


例えば

090924_m2.jpg

a,b,c,dを実数として

x,yが実数の時

(ax+by)(cx+dy)=acx^2+(ad+bc)xy+bdy^2

と言うように、情報公式がありますが、

A,Bを行列として一般にはAB=BAは成り立たないから

(aA+bB)(cA+dB)=acA^2+adAB+bcBA+bdB^2
≠acA^2+(ad+bc)AB+bdB^2

ですが,AB=BAが成り立ってる時は、

(aA+bB)(cA+dB)=acA^2+(ad+bc)AB+bdB^2

と言うように、実数と同じ公式が成り立ちます。

AB=BAの時AとBは可換とか言うねんけどな。
そんなん覚えるんは大学入ってからでええけど。

ちょっと今から可換とか言うてたら、もうこいつは経験済みかとか思われるからな。


それでこの問題の場合は、

090924_m3.jpg

xを実数として
(1+x+x^2+…+x^(n-1))(1-x)=1-x^n
と言う恒等式がありますが、覚えていない人はこれを覚えていて欲しい恒等式ですが、

Aを行列として
(E+A+A^2+…+A^(n-1))(E-A)=E-A^n
は成り立ちます。

まあこれでE-Aが逆行列を持つなら
(E+A+A^2+…+A^(n-1))=(E-A^n)(E-A)^(-1)
と言うように等比数列の和に対応した式が出来たりするねんな。

実数での割り算が逆行列をかけることと対応してるねん。


問題を解くにはこれだけでもええねんけど、A_n=B+A_(n-1)Cは漸化式として解いてもよくて、これも実数では{a_n}を数列、b.c(c≠1)を実数として
a_n=b+ca_(n-1)
は特性方程式はx=b+cxよりx=b/(1-c)だから
a_n-b/(1-c)=c(a_(n-1)-b/(1-c))
とやって解きましたやん。

行列でもこれと同じように出来ないか考えて割り算は出来ないから
(1-c)a_n-b=c((1-c)a_(n-1)-b)
を考えて
A:行列
A_n=B+A_(n-1)C
の両辺に(E-C)を右からかけて
A_n(E-C)=B(E-C)+A_(n-1)C(E-C)

A_n(E-C)-B=(A_(n-1)(E-C)-B)C
と言うようにやれば
A_n(E-C)-B=(A_0(E-C)-B)C^n
と解けます。

行列だから、右からかけるのか左からかけるのかとか注意しといたってください。


そしたら、あんまぐちゅぐちゅ説明しててたら、あ…もう…ってなるから解答に入っていこか。


(1)
090924_m4.jpg

関係式を繰り返し使っていくと
A_n=B+A_(n-1)C
=B+(B+A_(n-2)C)C
=B+BC+(B+A_(n-3)C)C^2

=B+BC+BC^2+…+BC^(n-1)+A_0C^n
=B(E+C+C^2+…+C^(n-1))

だから
(E+C+C^2+…+C^(n-1))(E-C)=E-C^n
だったから
A_n(E-C)=B(E+C+C^2+…+C^(n-1))(E-C)
=B(E-C^n)

と求まります。


それか漸化式と見て解くと

A_n=B+A_(n-1)Cより右から(E-C)をかけて
A_n(E-C)=(B*A_(n-1)C)(E-C)

A_n(E-C)-B={A_(n-1)(E-C)-B}C

A_n(E-C)-B={A_0(E-C)-B}C^n
=-BC^n

A_n(E-C)=B(E-C^n)

まあ、こんな感じや。

次いきましょか。


(2)
090924_m5.jpg

A_nを求めろじゃなくてA_3nを求めろって言うところが可愛いらしいやないか。

こういう行列は大切に扱ってあげなあかん。

だから(1)から
A_n(E-C)=B(E-C^n)
やったからC^3が何か簡単な行列になってC^3nは簡単に求まるんちゃうかって言うのを察してあげてこそ男って言うもんやねん。


実際C^3=-8EやからC^3n=(-8E)^n=(-8)^nE

だから
A_3n(E-C)=B(E-(-8)^nE)

後は数字を入れていって、E-Cは逆行列と持つから(E-C)^(-1)を右からかけてA_3nを求めたってください。

大阪大学の入試の数学の過去問の解説




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円の接線は半径と垂直である証明
前回の曲線と点、曲線と曲線の距離の最小値の記事で


090914_m8.jpg

こんな食道の中を舞い降りていくウィルス性のなんかみたいなことになってる人をよく見かけます。

とか書いてたら、ほんまにウィルス性胃腸炎になって一日中倒れてもた。


みんなも書いたことはほんまになるから気をつけたってくれ。

ほんま三日間くらい流動食やったしな。



それで今度は前回のことを幾何的にやりたいねんけど、円にはこんな有名な定理があります。

090914_m2.jpg

○円に接線が引かれてるとき、その接点を通り、接線に垂直な直線(法線)は円の中心を通る


これを証明します。

この証明は数学3Cまで習えば解析的にxy平面で半径rの円
x=rcosθ
y=rsinθ
を考えて
(x,y)・(dx/dθ,dy/dθ)
=(rcosθ,rsinθ)・(-rsinθ,rcosθ)
=0
って微分したら一瞬で示せると言えば示せるねんけど、中学生ぐらいの初等幾何で示す方法を今回はやっときます。


090922_m2.jpg

ある円とその接線lがあって円の中心をO、接点をTとする。

どうやるかと言うと背理法を使うねん。

証明自体はあほみたいに簡単やねんけど、平面図形に背理法を使うから変な感じがするかもしれんな。
ありえない図形を仮定するからなあ。


l⊥OTでないと仮定して矛盾を導きます。

点Oからl上に垂線OHをおろします。
点TはOT⊥lにならんからOH⊥lとなるような別の点Hが存在するってわけやな。

それでそういう点Hがあると、l上にHT=HIとなるような点Iを点Tと反対側にとれるねん。

すると△OHTと△OHIにおいて

○辺OHは共通
○HT=HI
○∠OHT=∠OHI=90°

より二辺とその間の角が等しいから△OHT≡△OHI

だからOT=OI

になるねん。

でも線分OTの長さは半径やから、線分OIの長さ半径で円Oの周上の点でもあるわけやねんな。
だから円Oと直線lは異なる2点、TとIを共有点持つから矛盾。

lが接線やから円Oとの共有点は一つじゃないとあかんからな。


よってl⊥OT

なんか騙されたような証明やけどな。


まあこんな証明があったなって感じで流して置いてください。



それで円に接線が引かれてるとき、その接点を通り、接線に垂直な直線(法線)は円の中心を通るって言う定理があれば、前回の


○曲線C上に無い点Aがあって曲線C上を点Tが動くとする。

2点A,Tの距離dが最小になるような点Tが存在するとき

CのTにおける接線⊥直線AT
(直線AT'がCの法線)


が幾何的に簡単に示せます。

まあほぼ当たり前になってしまうねんけど。

ちなみにここで曲線は全ての点において接線が引けるものを考えたって下さい。

090922_m1.jpg

点Aを中心とした半径rの円を考えると、円周上の点は点Aから距離rの点やけど円を大きくしていって曲線Cに接するときに初めて円と曲線は共有点を持つから、このときの半径が点Aと曲線Cとの距離の最小値になるわけやん。

だから円との接点がTで、円Aの点Tにおける接線と直線ATは垂直に交わってて、円Aの点Tにおける接線と曲線Cの点Tにおける接線は共通やから、CのTにおける接線⊥直線ATと示せます。

高校数学の公式や問題の解説

中学数学の公式や問題の解説




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