最近下痢が流行ってるから、こんな問題が出るんやろな。
大阪大学2008年度文系第二問の解説です。
[問題]
実数a,bを係数に含む3次式
P(x)=x^3+3ax^2+3ax+b
を考える。P(x)の複素数の範囲における因数分解を
P(x)=(x-α)(x-β)(x-γ)
とする。α、β、γの間にα+γ=2βという関係があるとき、以下の問いに答えよ。
(1)bをaの式で表せ。
(2)α,β,γがすべて実数であるとする。このときaのとりうる値の範囲を求めよ。
(3)(1)で求めたaの式をf(a)とする。aが(2)の範囲を動くとき、関数b=f(a)のグラフをかけ。
[解答と解説]
ぱっと見た感じから言うても三次方程式の解と係数の関係をつかいそうで、実際使ってα,β,γとa,bの関係式を作るねんけど、ここでお兄ちゃんと三次方程式の解と係数の関係でも確認しとこか。
3次方程式の解と係数の関係は
ax^3+bx^2+cx+d=0(a≠0)
の三次方程式を考えて、aが0なら三次方程式違うからa≠0の仮定を忘れたらあかんねんけど、この解をα,β,γとすると
α+β+γ=-b/a
αβ+βγ+γα=c/a
αβγ=-d/a
って関係式が成り立つねん。
これが解と係数の関係やな。
これは覚えておいてください。
まあ覚えると言っても
ax^3+bx^2+cx+d=a(x-α)(x-β)(x-γ)
って因数分解出来るから
a(x-α)(x-β)(x-γ)=ax^3-a(α+β+γ)x^2+a(αβ+βγ+γα)x-aαβγ
って展開して
ax^3+bx^2+cx+d=ax^3-a(α+β+γ)x^2+a(αβ+βγ+γα)x-aαβγ
って恒等式が成り立つから、後は係数を比較しただけの話やから、覚えなくてもすぐにわかるねんけど。
α+β+γとαβ+βγ+γαとαβγは対称式でよく見かける形やしな。
それでこの問題の場合、解と係数の関係から
α+β+γ=-3a
αβ+βγ+γα=3a
αβγ=-b
って言う式と
α+γ=2β
が成りたつって問題文に書いててこういうのを計算しようとすると
こういうノンバーバルな状態になるねんな。
非言語的な状態や。
その身のこなしとかでわかって欲しいわけや。
それでこういう3つの文字の対称式での計算はどう扱ったらいいのかと言うと
(α+β)+γ
(α+β)γ+αβ
(αβ)γ
って考えるとα+βとαβの式になるわけやねんな。
こうやって扱うことが結構多いから、注意したってくれ。
それで解答は
(1)
α+β+γ=-3a
αβ+βγ+γα=3a
αβγ=-b
α+γ=2β
でαかβかγかを機械的に消していったら出来るんやろうけど、さっき言ったみたいにα+γとαγの式として見ると
(α+γ)+β=-3a
(α+γ)β+γα=3a
(αγ)β=-b
α+γ=2β
だからα+γ=2βを(α+γ)+β=-3aに代入して
3β=-3aからβ=-a
でα+γ=-2aで
今度はそれらを(α+γ)β+γα=3aに代入していって
2a^2+γα=3aからγα=3a-2a^2
だから(αγ)β=-bから
b=-(3a-2a^2)(-a)
=3a^2-2a^3
って求まりました。
こうやってα+γ,αγとか2文字の対称式として見るとかなり見通しがよくなることがあるねんな。
(2)
(1)からα,β,γは
α+γ=-2a
αγ=3a-2a^2
β=-a
が成りたつものやねんけど、βはもう-aって実数ってわかってしまってるからα,γが実数やったらええねんな。
だから
α+γ=-2a
αγ=3a-2a^2
に注目したらよくて、これも結局α+γ,αγとか2文字の対称式として見る考え方が有効に働いてるけど、
これはもう解と係数の関係から
t^2+2at+3a-2a^2=0
の解がα,γからこれが実数解を持てばいいから判別式をDとするとD≧0であればよくて
D/4≧0⇔
a^2-3a+2a^2≧0
⇔
a(a-1)≧0
⇔
a≦0,1≦a
うん、出来ました。
(3)
微分の問題をとりあえず出さなあかんから無理矢理に出してる感じやけど
f(a)=3a^2-2a^3
微分して
f'(a)=6a-6a^2
=-6a(a-1)
だからとりあえずはaが全ての実数の範囲での増減表を書いてみてf(a)のグラフを考えてからa≦0,1≦aの範囲の部分を抜き出して書けばええかな。
端点a=0とa=1は入るから●にしてあげてな。
●はその点をとるときで、○はとらない場合やな。
端点は自分のにあんま自信ないから○か●で見えんようにしてあげなあかんねん。
友達同士で銭湯に入るときと同じ理論や。
あ、オレだけちょっと…みたいな。
大阪大学の入試の数学の過去問の解説
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