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カタツムリは2つの脳細胞を使って複雑な選択を素早く処理し、決断を下していることが判明(英研究)

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 「食べるべきか、食べざるべきか?」 淡水カタツムリは水辺でエサを目の前にしたときにとっさにこう考え、すぐさま決断を下しているという。

 この素早い決断は、カタツムリのノロノロしたペースにはそぐわないように思える。しかし、研究者たちはカタツムリは2つの脳細胞を駆使して複雑な決断を素早く行っていることを発見した。

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 一方の脳細胞が、空腹かどうかを判断し、もう一方の脳細胞が食べ物がそこにあるかどうかを見極めているのだ。

たった2つのニューロンが複雑な決定をする

 イギリス、サセックス大学の研究者たちは、淡水カタツムリがエサをとる様子を観察していて、この発見に至った。この発見は、より効率的なロボットの人工知能の開発につながる可能性があるという。

 「わたしたち人間は複雑な行動決定をしているが、それを実行に移すとき、脳の中でなにが起こっているのか、実はあまりわかっていない」研究を進めるサセックス大の神経科学者、ジョージ・ケメネス教授は言う。

この研究は、たったふたつのニューロンが、生物の脳内でいかにして複雑な決定作業をし、それを効果的に利用するメカニズムを作っているかを初めて明らかにした。

さらに、このシステムが一度の決定作業時にかかるエネルギー消費量を管理していることもわかった

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 カタツムリの決定作業をテストするために、脳に電極を取りつけて、ニューロンの活動の変化をみた。

 すると、コントローラーとモチベーターというふたつの細胞が、決定作業をするのに互いにフィードバックしていることがわかった。

 食べ物が目の前にあると、コントローラーがカタツムリにその存在を知らせ、モチベーターが空腹だと言えば、カタツムリは食べるという行為に出る。

 しかし、食べ物がないと、この回路は活動を抑え、エネルギーを節約する。食べ物を探すのは、生き物にとって生存スキルの基本であり、直接目標に向かう行動だ。

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photo by Pixabay

 こうしたタイプの決定作業をしている間に、カタツムリはまわりの環境の情報を取り込んで、自分の体の状態と組み合わせているに違いない。エネルギーをムダに浪費せずに食べ物を見つけるためだ。

 ケメネス教授は、この発見が似たような決定作業プロセスの根底にあるコアなニューロンシステムを特定するのに役立つかもしれないという。

 最終的には、必要最小限な構成部品で複雑なタスクを行うという原則を踏まえた、ロボットの人工知能の開発に役立つだろうという。

 研究の次のステップは、カタツムリの脳の特殊なニューロンをピンポイントで狙えるツールを開発することだ。

via:dailymail/ translated konohazuku / edited by parumo

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この記事へのコメント、36件

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  1. 2つの脳ではなくってたった2コの脳細胞でやっているんですか?

  2. 第一の脳「食べちまえよww腹減ってんだろ ? 」
    第二の脳「食べたらダメッ。太ってしまうわ ! 」

  3. つまりわ、頭の回転は速いけど体がついていかないってこと?
    な~んだ、頭も体もすっとろい我輩より有能じゃまいか orz

  4. 昔話題になったけど、鳥が群れて飛ぶのを再現する複雑そうなシミュレーションの条件が
    実はたった三つで済んだというのと似てる。
    実は意外とやってることは超単純な気がする。

  5. 接続先が少ないと間違いも少なくなって素早く判断出来るって事か?
    そういや学生時代、言い間違いとかの笑って済むミスを「ニューロンが余所見してた」とか「シナプス投げ損なった」とか言い訳するのが自分のネタだったのを思い出した。

  6. お腹がすいてるから餌を食べる、という回路だけで、その食べ物が安全かどうかを客観的に判断してるかどうかとは別と言うことか

  7. CPUの性能にマザーボードが対応しきれてなくて尚且つGPUとメモリが貧弱って感じか

  8. カタツムリの中の悪魔「食っちまえよ」
    カタツムリの中の天使「食っちまえよ」

  9. 元論文のタイトルが A two-neuron system for adaptive goal-directed decision-making in Lymnaea で、厳密に言えばカタツムリじゃなくモノアラガイの話だな。

  10. 仮に人間並みの自意識があったらストレス半端なさそうだね
    いくら決断が早くても体がまったく追いついていかないって
    アムロ・レイをボールに乗せてる、みたいな

  11. 判断がどれだけ早くても、行動がノロノロだったら意味無いじゃん

  12. なんで電電虫?と不思議に思って調べたらヤフコメで
    >でんでんむしは、「出出虫(ででむし)」の変化した語。
    >「ででむし」は、「出る」の命令形「出よ」「出ろ」の意味で、
    >「出ない」を意味する「出ん」や「電電虫」ではない。
    >「出ん」は、「出ろ」という命令形
    と書いてあった。 出ん出ん虫であって、童謡から来たとの説が有力らしい

  13. マイマイカブリ「迷うことはねぇ。お前自身が食べ物なんだから。」

    1. >>29
      唐突のマイマイカブリ兄かっかえ!w
      ・・ただし、マイマイカブリは日本の固有種だから、海外には居ない。
      (ジョジョの奇妙な冒険には、アメリカにマイマイカブリいた気がするが、実在はしないのでクリーチャーである。マイマイカブリは飛べないし。)

  14. なんで意思決定プロセスの話がエネルギー消費量にすり替わってんの?

  15. もっともらしい事を言ってるようでいて、その実なにも語っていない話よりも
    写真の美しさに心を奪われる

  16. 人間の脳ですら神経系の生物的な到達点ではなく、人間とは違ったコンセプトで神経が発達していった知的生命体が未来あるいは宇宙の何処かにはいるのではないかと思う。

  17. つまり本能行動にNoと言える機能が備わってるってことだよな
    意外とかたつむりって理性的だったんだな

  18. 2種類じゃなくて2個の脳細胞なの?
    にしても、ニューロンの電気信号まで節約対象なのか…。いや、食べ物がないときは空腹感?まるっと無視ってことだよな。つまり食べものがないとエネルギーが尽きかけても空腹感的な警告も出ず、みたいな?

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