「理屈をこねる国家など要らない。働き蜂(奴隷)の国家がほしいのだ」。
「今まさに、世界規模の組み換えが行われようとしている。
われわれが必要としていることは、それ相当の大惨事である。そうすれば、各国は新世界秩序を受け入れるだろう」。
(1991年、ドイツのバーデンで開催されたビルダーバーグ会議でディヴィッド・ロックフェラーが述べたこと 画像クリック)
人工知能に打ち勝つことのできるのは高度なナレッジである
知識人からでさえ、「今、世界で何が起こっているのか分からない」とお嘆きのメールをいただく。
にもかからわず、知識人は、「果たして、日本人は何も知らされずにこのままで大丈夫なのか」と心配している。
心配になるのは、こちらのほうである。
「知識人」とは、知性がある人のことではない。
その意味は、3.11を境に変わった。
それは、教育はあるが、教養や見識は、一般的な水準よりだいぶ劣っている人々のことである、と言い換えてもいい。
歯に衣着せぬ言い方が許されるなら、それは「気が付かないボンクラの蔑称」の意味が込められていると言っていもいい。
卑近な例で言えば、「気が付かないボンクラ」とは、試験の成績は良いが、答案用紙の設問が、いったい何のために、どんな目的で設定されているのか、まったく考えない人々のことである。
だから、あなたが他人から「知識人」と言われたら、嘆かなければならないのである。「知識人」の希少価値など、もはや「ない!」。
それでも、3.11の前までは、権威が知識の階層化をかろうじて支え、「知による秩序」が保たれていた。もっとも、それを「洗脳」と言う人がいるが。
しかし、3.11によって、多くの偉い先生方、政治家、エリート官僚たちが、ほとんど専門知識もないのに、「放射能は怖くない」、「正しく怖がるべき」などと言い出した。彼らはベクレルとシーベルトの違いも分からない人々なのに、である。
果ては、「食べて応援、買って応援」だ。めまいがする。
そのうちの何人かの世渡り上手は、首尾よくバラエティー番組のレギュラーの座を手に入れて、日々、口から出まかせを言いつつ、面白おかしく蓄財に励んでいる。彼らは、生まれつき、不治の病にかかっているのだ。
反対に、「反原発」「脱原発」を唱え続けている人々は、そのほとんどが専門知識を持たず、また、3.11から5年以上経っているにも関わらず、正しい専門知識を身に着けようともしないために、自分たちの立ち位置を失うまい、と必死にならざるを得なくなっているのである。
それでも、彼らは「いかがわしい権威」というものを失墜させ、大学教授の言うことを妄信するのではなく、市井の一般人の素人考えにも耳を傾けさせるように世間の意識を変えることに成功したことは大きな進歩である。
いわゆる、「専門」の上に胡坐をかいていた「権威の構造」の崩壊とともに、「知識人」と「一般人」との境界が取り払われ、逆に、「一般人」の常識と日常感覚によって、「彼らの専門知識」がジャッジされるケースさえ出てきたのである。
随分前のことであるが、一時期、「デジタル・ディバイド」という言葉が新聞の紙面に載らない日はなかった。
丸の内の中年ホワイトカラーの何人かが、コンピュータを使いこなせなくて将来を悲観するあまり次々と自殺していった。それから数年が経って、「デジタル・ディバイド」という言葉が使われるようになった。
要するに、コンピュータのスキルの違いが生み出す格差のことである。
当然、柔軟な思考を持つ若者の方がスキルが高い。
前頭葉の後退が始まった中高年にとっては、もっとも辛い時代だったのかも知れない。
彼らは、自分の中高生の息子にコンピュータを使う調べ物を頼んでいたのである。
しかし、だいぶ経ってから、コンピュータとは、ただのデータのつまった筐体に過ぎないことが分かってから、中高年もまた、ネットライフを謳歌するようになった。
そのプログラムさえ、ネット上から呼び出して使うことができるし、データもクラウドに預けておけばいいのであるから、そもそもマイ・コンピュータを持つ必要さえなくなるのかも知れない。それは、どこにでもあるからである。
確かに「デジタル・ディバイド」は、若者たちに多くのニュービジネスを提供した。
しかし、その多くは特別なスキルを必要としない。
それゆえ、街のお店の看板が年中、塗りかえられていくように、スクラップ・アンド・ビルドを繰り返している。
唯一、それは、資本によってのみ制御することができる。誰が真っ先に面展開を完成するか、といった・・・。
残念ながら、ネット企業は、そうした考え方を改めない限り、常に借金経営から脱出できない。ソフトバンクは、綱渡りをやっている。
「デジタル・ディバイド」は、情報格差市場(お悩み解決市場)を生み出し、そのギャップを埋めるための多くのサービスが次々と世に放たれた。
しかし、そのギャップの堀は、年々、浅くなりつつあり、最終的にはコンピュータの高度なスキルを持つことが競争社会における優位性にならない時代が近づいているのである。
日進月歩の人工知能によつて、一時期、開発不可能とまで言われた自動翻訳機が、2020年に実用化されるとの予測がある。
もちろん、ごく初歩的なプログラムに違いないから、細やかな感情まで相手に伝えられないとしても、海外旅行に行くくらいなら実用に耐える程度のものはできるのではないだろうか。
それは、旅行先や旅行目的の多様化を進めることになるので、行先は、何も英語圏の国に限定されることがなくなるのである。
あと、10年もしないうちに、ハワイのカラカウア通りのショップは、閑古鳥が鳴くようになるかも知れない。
そうした社会は、一定の境を乗り越えると、突然、訪れるのである。
そのときに必要なのは、「デジタル・ディバイド」における優位性ではなく、あなたが、旅行先のイスラム圏の国で危険な目に遭わないようにする知恵である。
それは、自動翻訳機のプログラムを搭載したスマートフォンのマイクに向かって、誤解を与える余地がないほど、明確な言葉を選びながら話しかける知恵と能力である。
これこそは、人工知能の仕事ではなく、あなたの仕事である。
ここに、新たな格差が生じるのである。
これをなんと言えばよいのか・・日本語では見つけられない。
仕方なく、「ナレッジ・ディバイド(Knowledge divide)」という言葉を使わせていただく。
「いったい、何を信じていいのか」・・・ネット上からは、多くの人々のボヤキが聞こえる。
これに関して、私は困ったことが一度もない。
特別な場合を除いては、情報が多くても少なくても、全く影響しない。
ただ、情報が少なければ、自分で探すか、自分でつくるかである。
自分でつくるより、検索のキーワードをたくさん知っていれば、比較的すぐ探し物が見つかるので、時間を節約するために、そちらを選んでいるだけである。
しかし、多くの人たちは、情報洪水に流されて、それこそ、“藁をもつかむ思い”で、ついついガセを抱かされる。
だから、「まとめサイト」や「掲示板」を重宝するようになる。
しかし、この両者とも、すでにバイアスがかかっているので、それを利用する瞬間から、納得した上でなければ、自分でマインド・コントロールにかかってしまうのである。
掲示板は、さらに注意しなければならない。
“向こう三軒両隣、赤信号みんなで渡れば怖くない”・・・自分の意見を述べているかのごとく錯覚しているだけであって、実は迎合していることに気が付かなければならないのである。
こうしたものは、すべて「ノイズ」である。
「まとめサイト」や「掲示板」で楽をする習慣をつけてしまうと、あなたの情報判断能力、情報処理能力、洞察力は、実は、どんどん退化していくのである。
これが「ナレッジ・ディバイド」である。
「見識の高さにおける格差」、「判断力における正確さ」は、ナレッジである。人工知能が人間に取って代われるのは、せいぜい、ナレッジのマネジメントまでである。
人工知能が、一人一人の感情の機微や、心の襞(ひだ)まで読み取ることはできない。「ナレッジ」とは、また、そのことを言う。
シンギュラリティは2045年だという。
シンギュラリティ―とは、人工知能が人間の能力を凌駕する技術的特異点のことを言う。
しかし、シンギュラリティ―が訪れても、「ナレッジ」は人工知能にとっては不得手な分野のままで残される。
なぜなら、人間の心の微妙な動き読み取ることは、人間でさえできないのだから、それができるのは「神」ということになる。
「知性劣化」と共産主義は同義である
人工知能は、どこまで行っても「神」にはならない。ただ、一つの例外を除いては。
それは、人間や人間社会が、人工知能に近づいていく場合である。
つまり、人工知能の能力の限界に、人間社会のほうが合わせるために近づいていくのである。
人工知能の能力は、たえず伸びていくから、人間社会のほうが、それに振り回されるようになる。それは人間の頭脳の退化をもたらす。
そのことを、欧米は、「知性劣化」と呼ぶようになった。
また、そうした社会のことを、ダミング・ダウン・ソサイエティー(Dumbing Down Society)と言う。
つまり、「自分で考えて自分の言葉でものが言えない愚民による愚鈍社会」のことである。別な言い方をすれば、「白痴化が止まらない社会」。
アメリカには、いくつもの「Dumbing Down Society」専門サイトができている。
アメリカという国には、すでにダミング・ダウン・ソサイエティーのシステムが完璧に整備されている。
オギャーと生まれた瞬間から、すぐにさまざまな家電の電磁波スープの中で暮らすことを強いられ、遺伝子組み換え食品を与えられながら、混合ワクチンを何度も注射されるのである。
注射を拒否することもできることはできるが、学校から白い目で見られ、村八分にされかねない。
たいていの親は、それに負けてしまうのだ。
アメリカにも、同調圧力はあるのである。
そして、学校に上がった子供たちは、再び電磁波洪水の中で暮らすのである。
破産した自治体の学校は民間企業に買い取られ、公営の学校は、金のかかる快適な私立学校に生まれ変わるものの、そこでは、なんと、教育に競争原理が導入されている。
生徒のテストの成績を上げられない教師は淘汰されていく。
成績の良い生徒は、将来、世界的な有名ブランドの多国籍企業に優先的に入社できるのである。
しかし、その学生たちは、国家を豊かするために働くのではなく、多国籍企業の利益を最大化するために使役されるのである。
そして、彼らのゴールは、「ハイル・ヒットラー!」である。
無表情の同じ顔の生徒ばかり。ロボットの量産である。これが、民営化のなれの果てである。
こうした傾向は、アメリカだけでなく世界的な広がりを見せている。
日本は、というと、国民が、まったく気が付いていないという点では、アメリカより深刻な事態である。そう、国民の精神が死にかけているのである。
なにより、日本の与党の政治家の国会答弁を見ればいい。
彼らは、自分が何をやっているのか、まったく分かっていないのだ。与党の政治家のすべてが、口パクのロボットである。
アメリカの場合は、ある意味で正直者のヒラリー・クリントンが、ダミング・ダウン・ソサイエティーを示してくれた。
しばらく公開ディベートを休んでいたヒラリーに対して、トランプはこう言った。
「あなたは、しばらく姿が見えなかったが、いったい何をしていたんだい?」
ヒラリーは、こう答えた。
「私は(あなたのように、思ったことを口にするようないい加減な人間ではないので)準備していたのです」・・・
ヒラリーをバックアップしている“有能な側近”たちは、タヴィストック人間研究所の助けを借りながら、「トランプがこう攻めて来たら、このように受け答えしよう」と、ボロを出さないために、ありとあらゆる想定の下に応酬トークを考え、それを頭にインプットしていたのである。
たとえば、トランプがメール問題を持ち出して来れば、「ははぁん、下品なトランプだから、そうくるか、というような、自信たっぷりのしたり顔をしながら、余裕の表情を見せる」と脚本に注意書きが書かれているように。
それこそ、タヴィストック人間研究所による大衆の心象操作に関するレポートを参考にしながらね。
社会を人工知能の「神」の下に、ひれ伏せさせるためには、「人間の画一化」を進めなければならない。
それができるのは、共産主義だけである。
人々は、「新自由主義」が資本主義の暴走だと勝手に思い込んでいる。
ここでは、やや乱暴だが「新自由主義」のことを、便宜的に「リバタリアリズム」と言いたい。
そう、20世紀の奇書「アトラス・シュラッグド」を書いたアイン・ランドが主唱する野放図な弱肉強食の資本主義の暴走のことである。
しかし、その果てには、共産主義が待っているのである。
理屈は簡単である。競争を極限まで高めていくと、生き残るために、最終的には一強多弱になる。
それをコントロールするのは、統治体である。
アイン・ランドは、ジョン・トッドによるとイルミナティーであった。
今、日本の政権が進めていることは、まさにそれである。
自民党とは、共産主義を実現するために、せっせと社会的弱者を見殺しにする政策を進めているのである。
そして、反対に、共産党はそれを阻止しようとしているのである。まったくの逆転現象が起こっているのである。
共産党は早く党名を変えなさい。チャンスを逸してしまうと手遅れになる。
第一、共産主義なんかじゃないじゃないか。
さて、みなさんは、いったい何をすればいいのか・・・
すでに始まっている「ナレッジ・ディバイド」の負け組にならないようにすればいいのである。
といって、“1年365日24時間”働けば、そうなれるというものでもない。皮肉なことに、努力すればするほど「ナレッジ・ディバイド」の負け組になっていくのである。
どういうことかというと、日本の社会全体が、情報判断能力、情報処理能力、洞察力、分析力、クリエイティブな創造力を失っているのであるから、まずは、そこから脱出しなければならないのである。
トップ画像のように、「理屈をこねる国家など要らない。働き蜂の国家がほしいのだ」というロックフェラーの願望どおりに世界は劣化しているのである。
すでに日本はダミング・ダウン・ソサイエティー(Dumbing Down Society)に入ってしまった。
その中にいればいるほどダミング・ダウンしていくのである。
一番簡単な方法は、あなたの眼力を養うことである。
これは、正しく、冷静に、静かに努力すれば、できることである。
それは、世の中のすべての事象について、国家か企業かを峻別する能力を身に着けることである。
そうすれば、自然に視界がパァーッと開けてきて、近未来が見通せるようになる・・・かもしれない。
・・・ダメか。
いったん切って、次の記事で、もっとも難易度が低い事例を示すことにしよう。
「今まさに、世界規模の組み換えが行われようとしている。
われわれが必要としていることは、それ相当の大惨事である。そうすれば、各国は新世界秩序を受け入れるだろう」。
(1991年、ドイツのバーデンで開催されたビルダーバーグ会議でディヴィッド・ロックフェラーが述べたこと 画像クリック)
人工知能に打ち勝つことのできるのは高度なナレッジである
知識人からでさえ、「今、世界で何が起こっているのか分からない」とお嘆きのメールをいただく。
にもかからわず、知識人は、「果たして、日本人は何も知らされずにこのままで大丈夫なのか」と心配している。
心配になるのは、こちらのほうである。
「知識人」とは、知性がある人のことではない。
その意味は、3.11を境に変わった。
それは、教育はあるが、教養や見識は、一般的な水準よりだいぶ劣っている人々のことである、と言い換えてもいい。
歯に衣着せぬ言い方が許されるなら、それは「気が付かないボンクラの蔑称」の意味が込められていると言っていもいい。
卑近な例で言えば、「気が付かないボンクラ」とは、試験の成績は良いが、答案用紙の設問が、いったい何のために、どんな目的で設定されているのか、まったく考えない人々のことである。
だから、あなたが他人から「知識人」と言われたら、嘆かなければならないのである。「知識人」の希少価値など、もはや「ない!」。
それでも、3.11の前までは、権威が知識の階層化をかろうじて支え、「知による秩序」が保たれていた。もっとも、それを「洗脳」と言う人がいるが。
しかし、3.11によって、多くの偉い先生方、政治家、エリート官僚たちが、ほとんど専門知識もないのに、「放射能は怖くない」、「正しく怖がるべき」などと言い出した。彼らはベクレルとシーベルトの違いも分からない人々なのに、である。
果ては、「食べて応援、買って応援」だ。めまいがする。
そのうちの何人かの世渡り上手は、首尾よくバラエティー番組のレギュラーの座を手に入れて、日々、口から出まかせを言いつつ、面白おかしく蓄財に励んでいる。彼らは、生まれつき、不治の病にかかっているのだ。
反対に、「反原発」「脱原発」を唱え続けている人々は、そのほとんどが専門知識を持たず、また、3.11から5年以上経っているにも関わらず、正しい専門知識を身に着けようともしないために、自分たちの立ち位置を失うまい、と必死にならざるを得なくなっているのである。
それでも、彼らは「いかがわしい権威」というものを失墜させ、大学教授の言うことを妄信するのではなく、市井の一般人の素人考えにも耳を傾けさせるように世間の意識を変えることに成功したことは大きな進歩である。
いわゆる、「専門」の上に胡坐をかいていた「権威の構造」の崩壊とともに、「知識人」と「一般人」との境界が取り払われ、逆に、「一般人」の常識と日常感覚によって、「彼らの専門知識」がジャッジされるケースさえ出てきたのである。
随分前のことであるが、一時期、「デジタル・ディバイド」という言葉が新聞の紙面に載らない日はなかった。
丸の内の中年ホワイトカラーの何人かが、コンピュータを使いこなせなくて将来を悲観するあまり次々と自殺していった。それから数年が経って、「デジタル・ディバイド」という言葉が使われるようになった。
要するに、コンピュータのスキルの違いが生み出す格差のことである。
当然、柔軟な思考を持つ若者の方がスキルが高い。
前頭葉の後退が始まった中高年にとっては、もっとも辛い時代だったのかも知れない。
彼らは、自分の中高生の息子にコンピュータを使う調べ物を頼んでいたのである。
しかし、だいぶ経ってから、コンピュータとは、ただのデータのつまった筐体に過ぎないことが分かってから、中高年もまた、ネットライフを謳歌するようになった。
そのプログラムさえ、ネット上から呼び出して使うことができるし、データもクラウドに預けておけばいいのであるから、そもそもマイ・コンピュータを持つ必要さえなくなるのかも知れない。それは、どこにでもあるからである。
確かに「デジタル・ディバイド」は、若者たちに多くのニュービジネスを提供した。
しかし、その多くは特別なスキルを必要としない。
それゆえ、街のお店の看板が年中、塗りかえられていくように、スクラップ・アンド・ビルドを繰り返している。
唯一、それは、資本によってのみ制御することができる。誰が真っ先に面展開を完成するか、といった・・・。
残念ながら、ネット企業は、そうした考え方を改めない限り、常に借金経営から脱出できない。ソフトバンクは、綱渡りをやっている。
「デジタル・ディバイド」は、情報格差市場(お悩み解決市場)を生み出し、そのギャップを埋めるための多くのサービスが次々と世に放たれた。
しかし、そのギャップの堀は、年々、浅くなりつつあり、最終的にはコンピュータの高度なスキルを持つことが競争社会における優位性にならない時代が近づいているのである。
日進月歩の人工知能によつて、一時期、開発不可能とまで言われた自動翻訳機が、2020年に実用化されるとの予測がある。
もちろん、ごく初歩的なプログラムに違いないから、細やかな感情まで相手に伝えられないとしても、海外旅行に行くくらいなら実用に耐える程度のものはできるのではないだろうか。
それは、旅行先や旅行目的の多様化を進めることになるので、行先は、何も英語圏の国に限定されることがなくなるのである。
あと、10年もしないうちに、ハワイのカラカウア通りのショップは、閑古鳥が鳴くようになるかも知れない。
そうした社会は、一定の境を乗り越えると、突然、訪れるのである。
そのときに必要なのは、「デジタル・ディバイド」における優位性ではなく、あなたが、旅行先のイスラム圏の国で危険な目に遭わないようにする知恵である。
それは、自動翻訳機のプログラムを搭載したスマートフォンのマイクに向かって、誤解を与える余地がないほど、明確な言葉を選びながら話しかける知恵と能力である。
これこそは、人工知能の仕事ではなく、あなたの仕事である。
ここに、新たな格差が生じるのである。
これをなんと言えばよいのか・・日本語では見つけられない。
仕方なく、「ナレッジ・ディバイド(Knowledge divide)」という言葉を使わせていただく。
「いったい、何を信じていいのか」・・・ネット上からは、多くの人々のボヤキが聞こえる。
これに関して、私は困ったことが一度もない。
特別な場合を除いては、情報が多くても少なくても、全く影響しない。
ただ、情報が少なければ、自分で探すか、自分でつくるかである。
自分でつくるより、検索のキーワードをたくさん知っていれば、比較的すぐ探し物が見つかるので、時間を節約するために、そちらを選んでいるだけである。
しかし、多くの人たちは、情報洪水に流されて、それこそ、“藁をもつかむ思い”で、ついついガセを抱かされる。
だから、「まとめサイト」や「掲示板」を重宝するようになる。
しかし、この両者とも、すでにバイアスがかかっているので、それを利用する瞬間から、納得した上でなければ、自分でマインド・コントロールにかかってしまうのである。
掲示板は、さらに注意しなければならない。
“向こう三軒両隣、赤信号みんなで渡れば怖くない”・・・自分の意見を述べているかのごとく錯覚しているだけであって、実は迎合していることに気が付かなければならないのである。
こうしたものは、すべて「ノイズ」である。
「まとめサイト」や「掲示板」で楽をする習慣をつけてしまうと、あなたの情報判断能力、情報処理能力、洞察力は、実は、どんどん退化していくのである。
これが「ナレッジ・ディバイド」である。
「見識の高さにおける格差」、「判断力における正確さ」は、ナレッジである。人工知能が人間に取って代われるのは、せいぜい、ナレッジのマネジメントまでである。
人工知能が、一人一人の感情の機微や、心の襞(ひだ)まで読み取ることはできない。「ナレッジ」とは、また、そのことを言う。
シンギュラリティは2045年だという。
シンギュラリティ―とは、人工知能が人間の能力を凌駕する技術的特異点のことを言う。
しかし、シンギュラリティ―が訪れても、「ナレッジ」は人工知能にとっては不得手な分野のままで残される。
なぜなら、人間の心の微妙な動き読み取ることは、人間でさえできないのだから、それができるのは「神」ということになる。
「知性劣化」と共産主義は同義である
人工知能は、どこまで行っても「神」にはならない。ただ、一つの例外を除いては。
それは、人間や人間社会が、人工知能に近づいていく場合である。
つまり、人工知能の能力の限界に、人間社会のほうが合わせるために近づいていくのである。
人工知能の能力は、たえず伸びていくから、人間社会のほうが、それに振り回されるようになる。それは人間の頭脳の退化をもたらす。
そのことを、欧米は、「知性劣化」と呼ぶようになった。
また、そうした社会のことを、ダミング・ダウン・ソサイエティー(Dumbing Down Society)と言う。
つまり、「自分で考えて自分の言葉でものが言えない愚民による愚鈍社会」のことである。別な言い方をすれば、「白痴化が止まらない社会」。
アメリカには、いくつもの「Dumbing Down Society」専門サイトができている。
アメリカという国には、すでにダミング・ダウン・ソサイエティーのシステムが完璧に整備されている。
オギャーと生まれた瞬間から、すぐにさまざまな家電の電磁波スープの中で暮らすことを強いられ、遺伝子組み換え食品を与えられながら、混合ワクチンを何度も注射されるのである。
注射を拒否することもできることはできるが、学校から白い目で見られ、村八分にされかねない。
たいていの親は、それに負けてしまうのだ。
アメリカにも、同調圧力はあるのである。
そして、学校に上がった子供たちは、再び電磁波洪水の中で暮らすのである。
破産した自治体の学校は民間企業に買い取られ、公営の学校は、金のかかる快適な私立学校に生まれ変わるものの、そこでは、なんと、教育に競争原理が導入されている。
生徒のテストの成績を上げられない教師は淘汰されていく。
成績の良い生徒は、将来、世界的な有名ブランドの多国籍企業に優先的に入社できるのである。
しかし、その学生たちは、国家を豊かするために働くのではなく、多国籍企業の利益を最大化するために使役されるのである。
そして、彼らのゴールは、「ハイル・ヒットラー!」である。
無表情の同じ顔の生徒ばかり。ロボットの量産である。これが、民営化のなれの果てである。
こうした傾向は、アメリカだけでなく世界的な広がりを見せている。
日本は、というと、国民が、まったく気が付いていないという点では、アメリカより深刻な事態である。そう、国民の精神が死にかけているのである。
なにより、日本の与党の政治家の国会答弁を見ればいい。
彼らは、自分が何をやっているのか、まったく分かっていないのだ。与党の政治家のすべてが、口パクのロボットである。
アメリカの場合は、ある意味で正直者のヒラリー・クリントンが、ダミング・ダウン・ソサイエティーを示してくれた。
しばらく公開ディベートを休んでいたヒラリーに対して、トランプはこう言った。
「あなたは、しばらく姿が見えなかったが、いったい何をしていたんだい?」
ヒラリーは、こう答えた。
「私は(あなたのように、思ったことを口にするようないい加減な人間ではないので)準備していたのです」・・・
ヒラリーをバックアップしている“有能な側近”たちは、タヴィストック人間研究所の助けを借りながら、「トランプがこう攻めて来たら、このように受け答えしよう」と、ボロを出さないために、ありとあらゆる想定の下に応酬トークを考え、それを頭にインプットしていたのである。
たとえば、トランプがメール問題を持ち出して来れば、「ははぁん、下品なトランプだから、そうくるか、というような、自信たっぷりのしたり顔をしながら、余裕の表情を見せる」と脚本に注意書きが書かれているように。
それこそ、タヴィストック人間研究所による大衆の心象操作に関するレポートを参考にしながらね。
社会を人工知能の「神」の下に、ひれ伏せさせるためには、「人間の画一化」を進めなければならない。
それができるのは、共産主義だけである。
人々は、「新自由主義」が資本主義の暴走だと勝手に思い込んでいる。
ここでは、やや乱暴だが「新自由主義」のことを、便宜的に「リバタリアリズム」と言いたい。
そう、20世紀の奇書「アトラス・シュラッグド」を書いたアイン・ランドが主唱する野放図な弱肉強食の資本主義の暴走のことである。
しかし、その果てには、共産主義が待っているのである。
理屈は簡単である。競争を極限まで高めていくと、生き残るために、最終的には一強多弱になる。
それをコントロールするのは、統治体である。
アイン・ランドは、ジョン・トッドによるとイルミナティーであった。
今、日本の政権が進めていることは、まさにそれである。
自民党とは、共産主義を実現するために、せっせと社会的弱者を見殺しにする政策を進めているのである。
そして、反対に、共産党はそれを阻止しようとしているのである。まったくの逆転現象が起こっているのである。
共産党は早く党名を変えなさい。チャンスを逸してしまうと手遅れになる。
第一、共産主義なんかじゃないじゃないか。
さて、みなさんは、いったい何をすればいいのか・・・
すでに始まっている「ナレッジ・ディバイド」の負け組にならないようにすればいいのである。
といって、“1年365日24時間”働けば、そうなれるというものでもない。皮肉なことに、努力すればするほど「ナレッジ・ディバイド」の負け組になっていくのである。
どういうことかというと、日本の社会全体が、情報判断能力、情報処理能力、洞察力、分析力、クリエイティブな創造力を失っているのであるから、まずは、そこから脱出しなければならないのである。
トップ画像のように、「理屈をこねる国家など要らない。働き蜂の国家がほしいのだ」というロックフェラーの願望どおりに世界は劣化しているのである。
すでに日本はダミング・ダウン・ソサイエティー(Dumbing Down Society)に入ってしまった。
その中にいればいるほどダミング・ダウンしていくのである。
一番簡単な方法は、あなたの眼力を養うことである。
これは、正しく、冷静に、静かに努力すれば、できることである。
それは、世の中のすべての事象について、国家か企業かを峻別する能力を身に着けることである。
そうすれば、自然に視界がパァーッと開けてきて、近未来が見通せるようになる・・・かもしれない。
・・・ダメか。
いったん切って、次の記事で、もっとも難易度が低い事例を示すことにしよう。
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