2号機の格納容器内で、高い値のクリプトン85が検出されています。
クリプトン85はガンを発症させるので、核燃料サイクルを進める上では、邪魔で隠しておきたい核種
ガンダーセン氏:
「当時は(私は)原発賛成派で、スリーマイル島事故の後、テレビで放射能はほとんど漏れていないと言っていました。
11年後、1990年になってやっと大量の放射能が漏れていたことに気づいたんです。
白血病や肺ガンの増加が指摘されました。
肺ガンは、事故で放出された放射性のキセノンとクリプトンの吸入によるものだと思います」。
広瀬氏:
「今回の事故でも、キセノンやクリプトンはすべて出たのに、まったく話題にもならない。
放射性物質を体に取り込む内部被曝を防ぐ手立てがほとんどなされていなくて、私は、これが原因で大変なことが起きると非常に心配しています」。
これは、週刊朝日の誌上対談「広瀬隆×アーニー・ガンダーセン対談」の中で話し合われていたことです。
このクリプトン85に関して、ENERGY NEWS(5月9日のエントリー)に、次のような見出しが躍っています。
「2号機原子炉内で、クリプトン85の量が2倍。今年になってから最高レベル」
Krypton-85 doubles inside Reactor No. 2 ― At highest level since year began
事実か確認してみましょう。
ただし、あくまでも、東電がデータを捏造していなければ、という前提の上でのことですが。
東電の日本語のプレス用配布資料のアーカイブで、これ、これ、このように発表されています。
【福島第一原子力発電所2号機原子炉格納容器・ガス管理システムの気体のサンプリング結果について】というタイトルのpdfファイルを1月からすべて列挙すると以下。
2012年5月9日 Kr-85 2.6×102(Bq/cm3)
2012年5月3日 以下同 1.3×102
2012年4月26日 5.5×101
2012年4月18日 5.9×101
2012年4月17日 4.0×101 ※
2012年4月4日 9.7×101
2012年3月29日 7.3×101
2012年3月22日 3.7×101
2012年3月15日 検出限界未満
2012年3月9日 1.2×101 ※
2012年3月8日 検出限界未満
2012年3月1日 検出限界未満
2012年2月24日 検出限界未満
2012年2月23日 検出限界未満
2012年2月17日(2度目) 検出限界未満
2012年2月17日 検出限界未満
2012年2月16日 検出限界未満
2012年2月14日 検出限界未満
2012年2月13日 検出限界未満
2012年2月12日 検出限界未満
2012年2月8日 1.5×101 ※
2012年2月7日 検出限界未満
2012年2月2日 検出限界未満
2012年1月19日 4.1×101
2012年1月16日 6.0×101 ※
2012年1月12日 1.8×102
2012年1月5日 2.7×102
これをグラフにすると下図のようになります。
クリックで拡大
もっとも新しい検査結果(検査実施:5月8日)は下のキャプチャー。
5月8日には、クリプトン85(Kr-85)だけが検出されており、2.6×102(Bq/cm3)という値。
これは1月4日に計測された2.7×102(Bq/cm3)についで二番目に高い値。
1月1日の最高値は、鳥島近海で起きた推定マグニチュード7.0の地震の影響も手伝ったものと考えられますが、5月8日の結果もこれに迫っています。
クリプトン85は半減期が10.76年の不活性の放射性ガスで、エネルギーの低いβ線とわずかなγ線を放出します。
核実験や原子炉の中で生成されるので、端的に考えれば、これが大量に検出されたということは、2号機の下で核分裂反応が再び、活発化していることを示しています。
しかし、同じく核分裂のときに出るヨウ素131やセシウムが検出限界値以下というのは理屈に合いません。
このデータが正しいなら、2号機の地下で私たちの想定外の何かが確実に起こっているのです。
それは何か。
1940年代の大気中濃度は、空気1m3あたり0.001ベクレル以下。
天然のクリプトン85は、ほぼ存在しないと考えられるほど微量なため、これは人工的に創られたものと考えられます。
1940年代後半には、アメリカの核兵器製造のための再処理がおこなわれたために、大気が汚染されていったのです。
これを基準に、世界で行われている核燃料の再処理の状況から、現在の濃度は1m3あたり1ベクレル以上と推計されています。1940年代の1000倍です。
(以上、Wikiおよび原子力資料情報室)
そして、福島第一原発2号機の格納容器内で確認されたのは、5月8日の検出値で、2.6×102(Bq/cm3)ですから、これを1m3当たりに換算すると、×100(cm)3で、2億6000万ベクレル/1m3という途方もない量になります。
放射能ミニ知識:クリプトン-85(85Kr)
上の図が示すように、クリプトン85の半減期は10.76年ですが、これが増えているということは、主に世界のどこかの再処理工場から常時、大気中に放出されている、あるいは、放出されてきたことを表しています。
クリプトン85は、希ガスのため、非常に捉えにくく、その挙動も十分わかっていないことから、電力会社、政府はクリプトン85の人体への影響について、常に作為的とも言える過小評価を行っています。
これは、言うまでもなく、使用済み燃料の再処理工場が心配するほど有害ではないとして、六ヶ所村の他にも新たな再処理工場を建設し、運営するための方便(嘘)に過ぎないわけです。
つまり、原子力を推進したい側の人々にとって、クリプトン85の存在は、できるだけ隠しておきたい核種なのです。
上のレポートは、青森県六ヶ所村の再処理施設で、実際に使用済み燃料を用いたアクティブ試験を行い(2006年3月より)、クリプトン85の空間線量率がどのように上昇したかを調べたものです。
13ページ目(上の表紙)以降に、クリプトン85の挙動の特徴について書かれてあります。
一般の放射性核種は、大気中に漂っていたものがエアロゾルなどに吸着され、雨により地表に降下します(濃度が高ければホットスポットになる)が、クリプトン85は、それとは異なった動きをすることが分かっています。
普通、大気中に放出された放射性物質によって、雨天時、あるいは雨天直後の地上の空間線量率は上がり、風のない晴天の日には、空間線量率が上がることはないはずです。
しかし、この実験では、晴天時でも空間線量が大幅に上昇することが認められ、その原因をクリプトン85が急激に大量に生成されたことに求めています。
クリプトン85は、雨(当然、雪にも)に影響されない、ということです。(つまり、空気中のエアロゾルとくっつきにくい)
上は、同レポートの27ページ目。
「再処理施設から放出される核種のうち、クリプトン85の量が最大である」と結論付けています。
再処理工場では、クリプトン85は排気塔から、すべて大気中に放出されることになっています。
クリプトン85地表濃度に関する原燃の著しい過少評価によれば、六ヶ所村の日本原燃は、
「排気は排気筒からさらに高く吹き上がるとされ、大気安定度によって異なるが、原燃の標準では吹き上がり高さは190mである。
放射能雲(プルーム)の中心は、常にその高さの位置にあるとされ、風に流されつつ上下左右に拡散すると仮定されている。
風速は一般に高さによって異なり、排気筒の高さでは大きく、地表面では小さいが、計算ではプルーム全体が排気筒の高さでの風速に従って流されると仮定している。
排気筒近くでは、プルームが下まであまり拡散してこないので、地表面濃度は小さいという結果になる」
と主張しています。
この日本原燃の犯罪的な過小評価については、
日本原燃(株)の事業申請書(大気へ気体放出量)から実効線量を計算した表において、
「六ヶ所村再処理工場から大気への放出放射能は、年間5700人の吸入急性致死量に相当。
また、一般人、3900万人の年摂取限度に相当」
との分析があります。
(三陸の海を放射能から守る岩手の会:作成2006.3)
どの使用済み燃料の再処理工場からも、クリプトン85がもっとも多く垂れ流されている
大気中のクリプトン85の量は、年々、増え続けています。
半減期は10.76年ですが、累積でどんどん増えているのです。
特に日本の大気中には、原発大国のアメリカ、フランス以上のクリプトン85が浮遊しているのです。(下の図)
つまり、不活性であるがゆえに、大気がクリプトン85の貯蔵庫の代わりをしており、それが年々増える一方だということなのです。
私たちは、特にセシウムを問題にしていますが、クリプトン85には関心を払っていません。
「(クリプトン85の)この図のような増加は、核実験に起因するものですが、核実験が中止された70年代以降はほとんどが核燃料再処理工場を原因として増加しています。
今日まで運転された 大型の再処理工場は、英(セラフィールド)、仏(ラ・アーグ)など数ヶ所で、これらの工場によってそれ以前の核実験の量を上回るクリプトンが日々大気中に 放出されています。
今まで大気圏で行われた核実験の数は全部で約500回。
ラ・アーグの再処理工場を1年間稼動させれば、全部の大気圏の核実験によって出たクリプトン85の量より多くなるのです。
このまま原発を動かし続け、さしたる技術開発も進まないまま、使用済み燃料の再処理を続ければ、人類は、クリプトン85によって窒息死させられるでしょう。
その前に人類は絶滅しているでしょうけれど。
六ヶ所再処理工場の運転によって大気中に放出される放射能の中でもクリプトン85は、最大の量で、
毎年 3.3×10の17乗=330,000,000,000,000,000Bq(33京ベクレル)が六ヶ所村の上空に放出されます。
放出の方法も、高さ約 150メートルの排気塔から排風機を使って時速約70キロメートルの速さで大気中に放出されます。
膨大な量の放射性クリプトンを放出するため放出口では許容濃度をはるかに超えているのですが、非常に高い排気塔から加速して排気し大気中に拡散することで薄めてしまうから、地上に降りてくるときに濃度が低くなり問題ないというのが国や日本原燃の説明です」。
(以上、原子力資料情報室)
ここでも、「薄まってしまうから問題ない」です。
院内での不適切な行為によって左遷された原子力安全・保安院の西山(元)審議官が、福島第一原発の循環冷却システムが稼動せず、海洋に汚染水を、そのまま放流するたびに、ストロンチウム汚染が騒がれました。
そのとき、彼は、記者会見に臨んで常にこう言っていました。
「魚介類への影響は、薄まってしまうのでたいしたことない」。
「どうせ海水で薄まってしまって、因果関係など誰にも分からないから、そのまま垂れ流してしまえ」というのが経済産業省の長年の方針なのです。まったく薄汚い人々です。
クリプトン85は、再処理工場で最初に使用済み燃料を剪断(切断)する瞬間に開放されます。
その後、核燃料棒が解かされる工程では、大量のクリプトン85が発生します。
茨城県東海村の動力炉・核燃料開発事業団の再処理工場では、すでに「相当量を除去できる」技術を開発しましたが、事業主体の日本原燃は、コストがかかることを理由に、回収施設を造らず、クリプトン85すべてを大気中に「垂れ流し」する方針を決め、国もこれを了承したのです。
まったく信じられない国です。
クリプトンは気象に影響を与えたり、被ばくで皮膚ガンを増やしたりするのではないかと心配されています。
反核団体、原子力資料情報室の代表であった故・高木仁三郎代表は「回収施設がなければ多量のクリプトンが垂れ流しになり、地球環境にも大きな影響を与える。経済性を理由に回収しないというのは許されない」と批難し続けてきました。
クリプトンは水に溶けにくい性質があるので、海水にはわずかしか溶けず、北半球では1985年までの 10年間で大気中の濃度が2倍になり、世界気象機関(WMO)はオゾン層破壊や酸性雨を引き起こす物質とともに、監視項目に指定しました。
日本では気象庁気象研究所が濃度変化を監視しているのこと。
(以上、原子力発電【放射能】 [1993-1996])
六ヶ所村再処理工場が、万一本格操業を開始すれば、日本の標準的な原発1基から1年間に放出される量の放射能が、たった1日で放出されます。
これが毎日毎日、1年365日続くのです。
世界は、やがて終るでしょう。
実は、かねてから最大の問題となっているクリプトン85を捕獲して、閉じ込めておく技術は、すでに東海再処理施設などで開発されています。
クリプトン85を低温の活性炭に吸着させ、捕獲する方法です。
しかし、その後が厄介なのです。
クリプトン85は、不活性な希ガスなので、安定化合物として処理することができないということから、ガス状のままシリンダー充填方式で、100年以上保管しておかなければなりません。
六ヶ所村再処理施設を稼動させたら、下北半島全体が、クリプトン85の希ガスの保管所になってしまいそうです。
こうしたことから、クリプトン85の捕獲はコストがかかりすぎるという理由で、最初から考慮されていないのです。
六ヶ所村の住民を国家ぐるみで騙し続け、六ヶ所村再処理施設の計画をスタートしたときには、住民を見殺し(本当に死んでもいいと思っているのです)にすることを決めたのです。
西独で起こった反原発運動で暴露されたことを例にとって、六ヶ所村再処理工場で事故が起これば、日本が滅亡することもありうると、1977年の1月15日、毎日新聞が示唆しています。
再処理工場での事故は、世界の破滅につながるかもしれません。
1980年に人類絶滅寸前の事故があった フランスのラ・アーグ再処理工場事故がそれです。
05.後編1/4・土崩瓦解 核廃棄物:原発の悪夢 アレバ社の正体?
04:50からご覧ください。
ラ・アーグのクリプトン85について、とても重大なことが報告されています。
08:40~
記者:
「ラ・アーグの排出量はどの様に決めているのですか?」
仏原子力安全機関 委員長:
「この場合はアレヴァ社ですが・・・・・」
記者:
「使用済み核燃料を処理する際クリプトン85を含むガスが放出されます。
このガスは閉じ込められないので、その排出量は施設の稼働時間に比例するのでは?」
クリラッド研究者:
「その場合、私達は企業側に処理方法の再検討を求めて排出物を外に出さない方法を見つけるよう伝えます。
期限を定めてその再検討の結果を提出してもらいます」
記者:
「クリプトン85を閉じ込められますか?」
クリラッド研究者:
「今は出来ません、企業側にはこのタイプの排出物を減らすよう要請しましたが簡単ではありません」
-----------------------------------------------------------
アレヴァ社と仏原子力規制機関とは癒着どころか、一心同体なのです。
何より、アレヴァ社(原子力産業コングロマリットの持ち株会社)が、ラ・アーグ再処理工場から放出させてもいいクリプトン85の量を決めているというのです。
アレヴァ社が、ある意味、ヨーロッパの人々の生殺与奪を握っているというわけです。
アレヴァ社には、ロスチャイルド一族が入っていることで知られています。
その実力は、福島第一原発の汚染処理システムでも明らかになったわけですが(結局、日本の原発メーカーの汚染粋処理システムが中心となっている)、そのことも一因としてあるのかもしれませんが、もともとサルコジと反りが合わなかったアレヴァ社の女性CEO、アンヌ・ローベルジョンは6月に突如、更迭。
しかし、その翌月には、彼女はフランスの左派系新聞リベラション紙の監査諮問委員長に就任することが決まりました。
リベラション紙は、エドワード・ロスチャイルドらが大株主。
この女性の人生は、ロスチャイルドの意のまま、というところです。
映画『ロボコップ』のオムニ社以上の巨大組織が、すでにフランスにあったのです。
しかし、ドイツの脱原発宣言が響いて、大幅リストラを余儀なくされ、アレヴァ社は12月になってから証券取引所での株式取引を停止されてしまいました。
1970年代から東海村核燃料再処理工場からは、すべてのクリプトン85が大気中に撒き散らされてきた
クリプトン85は、不活性な希ガスであるため、水分には容易に溶けずに(クリプトンの水への溶解度は、わずか0.067)、空気中にほぼそのままの状態で漂っています。
人は、まず呼気からクリプトン85を吸い込み、これが肺から血中に取り込まれて全身を回ります。
クリプトン85は水分に溶けないので、血液などの体液に溶けるのではなく、物理的に血液の中に「混じる」ということ。
クリプトン85の健康への悪影響でまず挙げられるのが皮膚ガンです。
また、血液に取り込まれて血流と共に全身に行き渡ってしまうので、体のどこにでも濃縮される可能性がありります。
特に、全身のリンパ組織に悪性腫瘍ができるホジキン病を発症させると考えられています。
そして、次に白血病を誘発する可能性が出てきます。
イギリス北西部にあるセラフィールド再処理工場の周辺で、白血病が増えていることは知られています。
原因は、プルトニウムなどのミクロン以下の極微粒子を肺に吸い込んで、それが全身を回り、局所的な部位に高い被曝線量を継続して与えることが原因であるとされていますが、ICRPのリスクモデルでは、これを認めていません。
(被ばくに伴うガンのリスク、第2部:最近の証拠)
ただし、核の再処理工場から出てくるのは、むしろクリプトン85のほうが圧倒的に多いはずであり、半減期の長いプルトニウム(プルトニウム239の半減期は2万4000年)より、半減期10.76年のクリプトン85を考慮しないわけにはいかないでしょう。
白血病が多いのは、セラフィールド再処理工場周辺だけでなく、他の核再処理工場でも同様ですから、再度、クリプトン85の人体への悪影響について、使用済み核燃料の再処理という観点から洗いなおして欲しいものです。
東海村核燃料再処理工場では、1970年代半ばからクリプトン85が、すべて大気中に放出されてきました。
福島第一原発事故後、福島県では突然、患者調査を中止しました。
彼らには、本当の理由を言うことはできません。
野田も、甲状腺被曝の追加検査を打ち切るように指示しました。
理由は「差別の原因になるから」という、どうにもならない理由です。
確かなことは、今も福島第一原発からはクリプトン85が放出されている、ということです。
そして、2号機の地下では、得体の知れないことが起こっているということです。
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ガンダーセン氏:
「当時は(私は)原発賛成派で、スリーマイル島事故の後、テレビで放射能はほとんど漏れていないと言っていました。
11年後、1990年になってやっと大量の放射能が漏れていたことに気づいたんです。
白血病や肺ガンの増加が指摘されました。
肺ガンは、事故で放出された放射性のキセノンとクリプトンの吸入によるものだと思います」。
広瀬氏:
「今回の事故でも、キセノンやクリプトンはすべて出たのに、まったく話題にもならない。
放射性物質を体に取り込む内部被曝を防ぐ手立てがほとんどなされていなくて、私は、これが原因で大変なことが起きると非常に心配しています」。
これは、週刊朝日の誌上対談「広瀬隆×アーニー・ガンダーセン対談」の中で話し合われていたことです。
このクリプトン85に関して、ENERGY NEWS(5月9日のエントリー)に、次のような見出しが躍っています。
「2号機原子炉内で、クリプトン85の量が2倍。今年になってから最高レベル」
Krypton-85 doubles inside Reactor No. 2 ― At highest level since year began
事実か確認してみましょう。
ただし、あくまでも、東電がデータを捏造していなければ、という前提の上でのことですが。
東電の日本語のプレス用配布資料のアーカイブで、これ、これ、このように発表されています。
【福島第一原子力発電所2号機原子炉格納容器・ガス管理システムの気体のサンプリング結果について】というタイトルのpdfファイルを1月からすべて列挙すると以下。
2012年5月9日 Kr-85 2.6×102(Bq/cm3)
2012年5月3日 以下同 1.3×102
2012年4月26日 5.5×101
2012年4月18日 5.9×101
2012年4月17日 4.0×101 ※
2012年4月4日 9.7×101
2012年3月29日 7.3×101
2012年3月22日 3.7×101
2012年3月15日 検出限界未満
2012年3月9日 1.2×101 ※
2012年3月8日 検出限界未満
2012年3月1日 検出限界未満
2012年2月24日 検出限界未満
2012年2月23日 検出限界未満
2012年2月17日(2度目) 検出限界未満
2012年2月17日 検出限界未満
2012年2月16日 検出限界未満
2012年2月14日 検出限界未満
2012年2月13日 検出限界未満
2012年2月12日 検出限界未満
2012年2月8日 1.5×101 ※
2012年2月7日 検出限界未満
2012年2月2日 検出限界未満
2012年1月19日 4.1×101
2012年1月16日 6.0×101 ※
2012年1月12日 1.8×102
2012年1月5日 2.7×102
これをグラフにすると下図のようになります。
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もっとも新しい検査結果(検査実施:5月8日)は下のキャプチャー。
5月8日には、クリプトン85(Kr-85)だけが検出されており、2.6×102(Bq/cm3)という値。
これは1月4日に計測された2.7×102(Bq/cm3)についで二番目に高い値。
1月1日の最高値は、鳥島近海で起きた推定マグニチュード7.0の地震の影響も手伝ったものと考えられますが、5月8日の結果もこれに迫っています。
クリプトン85は半減期が10.76年の不活性の放射性ガスで、エネルギーの低いβ線とわずかなγ線を放出します。
核実験や原子炉の中で生成されるので、端的に考えれば、これが大量に検出されたということは、2号機の下で核分裂反応が再び、活発化していることを示しています。
しかし、同じく核分裂のときに出るヨウ素131やセシウムが検出限界値以下というのは理屈に合いません。
このデータが正しいなら、2号機の地下で私たちの想定外の何かが確実に起こっているのです。
それは何か。
1940年代の大気中濃度は、空気1m3あたり0.001ベクレル以下。
天然のクリプトン85は、ほぼ存在しないと考えられるほど微量なため、これは人工的に創られたものと考えられます。
1940年代後半には、アメリカの核兵器製造のための再処理がおこなわれたために、大気が汚染されていったのです。
これを基準に、世界で行われている核燃料の再処理の状況から、現在の濃度は1m3あたり1ベクレル以上と推計されています。1940年代の1000倍です。
(以上、Wikiおよび原子力資料情報室)
そして、福島第一原発2号機の格納容器内で確認されたのは、5月8日の検出値で、2.6×102(Bq/cm3)ですから、これを1m3当たりに換算すると、×100(cm)3で、2億6000万ベクレル/1m3という途方もない量になります。
放射能ミニ知識:クリプトン-85(85Kr)
上の図が示すように、クリプトン85の半減期は10.76年ですが、これが増えているということは、主に世界のどこかの再処理工場から常時、大気中に放出されている、あるいは、放出されてきたことを表しています。
クリプトン85は、希ガスのため、非常に捉えにくく、その挙動も十分わかっていないことから、電力会社、政府はクリプトン85の人体への影響について、常に作為的とも言える過小評価を行っています。
これは、言うまでもなく、使用済み燃料の再処理工場が心配するほど有害ではないとして、六ヶ所村の他にも新たな再処理工場を建設し、運営するための方便(嘘)に過ぎないわけです。
つまり、原子力を推進したい側の人々にとって、クリプトン85の存在は、できるだけ隠しておきたい核種なのです。
上のレポートは、青森県六ヶ所村の再処理施設で、実際に使用済み燃料を用いたアクティブ試験を行い(2006年3月より)、クリプトン85の空間線量率がどのように上昇したかを調べたものです。
13ページ目(上の表紙)以降に、クリプトン85の挙動の特徴について書かれてあります。
一般の放射性核種は、大気中に漂っていたものがエアロゾルなどに吸着され、雨により地表に降下します(濃度が高ければホットスポットになる)が、クリプトン85は、それとは異なった動きをすることが分かっています。
普通、大気中に放出された放射性物質によって、雨天時、あるいは雨天直後の地上の空間線量率は上がり、風のない晴天の日には、空間線量率が上がることはないはずです。
しかし、この実験では、晴天時でも空間線量が大幅に上昇することが認められ、その原因をクリプトン85が急激に大量に生成されたことに求めています。
クリプトン85は、雨(当然、雪にも)に影響されない、ということです。(つまり、空気中のエアロゾルとくっつきにくい)
上は、同レポートの27ページ目。
「再処理施設から放出される核種のうち、クリプトン85の量が最大である」と結論付けています。
再処理工場では、クリプトン85は排気塔から、すべて大気中に放出されることになっています。
クリプトン85地表濃度に関する原燃の著しい過少評価によれば、六ヶ所村の日本原燃は、
「排気は排気筒からさらに高く吹き上がるとされ、大気安定度によって異なるが、原燃の標準では吹き上がり高さは190mである。
放射能雲(プルーム)の中心は、常にその高さの位置にあるとされ、風に流されつつ上下左右に拡散すると仮定されている。
風速は一般に高さによって異なり、排気筒の高さでは大きく、地表面では小さいが、計算ではプルーム全体が排気筒の高さでの風速に従って流されると仮定している。
排気筒近くでは、プルームが下まであまり拡散してこないので、地表面濃度は小さいという結果になる」
と主張しています。
この日本原燃の犯罪的な過小評価については、
日本原燃(株)の事業申請書(大気へ気体放出量)から実効線量を計算した表において、
「六ヶ所村再処理工場から大気への放出放射能は、年間5700人の吸入急性致死量に相当。
また、一般人、3900万人の年摂取限度に相当」
との分析があります。
(三陸の海を放射能から守る岩手の会:作成2006.3)
どの使用済み燃料の再処理工場からも、クリプトン85がもっとも多く垂れ流されている
大気中のクリプトン85の量は、年々、増え続けています。
半減期は10.76年ですが、累積でどんどん増えているのです。
特に日本の大気中には、原発大国のアメリカ、フランス以上のクリプトン85が浮遊しているのです。(下の図)
つまり、不活性であるがゆえに、大気がクリプトン85の貯蔵庫の代わりをしており、それが年々増える一方だということなのです。
私たちは、特にセシウムを問題にしていますが、クリプトン85には関心を払っていません。
「(クリプトン85の)この図のような増加は、核実験に起因するものですが、核実験が中止された70年代以降はほとんどが核燃料再処理工場を原因として増加しています。
今日まで運転された 大型の再処理工場は、英(セラフィールド)、仏(ラ・アーグ)など数ヶ所で、これらの工場によってそれ以前の核実験の量を上回るクリプトンが日々大気中に 放出されています。
今まで大気圏で行われた核実験の数は全部で約500回。
ラ・アーグの再処理工場を1年間稼動させれば、全部の大気圏の核実験によって出たクリプトン85の量より多くなるのです。
このまま原発を動かし続け、さしたる技術開発も進まないまま、使用済み燃料の再処理を続ければ、人類は、クリプトン85によって窒息死させられるでしょう。
その前に人類は絶滅しているでしょうけれど。
六ヶ所再処理工場の運転によって大気中に放出される放射能の中でもクリプトン85は、最大の量で、
毎年 3.3×10の17乗=330,000,000,000,000,000Bq(33京ベクレル)が六ヶ所村の上空に放出されます。
放出の方法も、高さ約 150メートルの排気塔から排風機を使って時速約70キロメートルの速さで大気中に放出されます。
膨大な量の放射性クリプトンを放出するため放出口では許容濃度をはるかに超えているのですが、非常に高い排気塔から加速して排気し大気中に拡散することで薄めてしまうから、地上に降りてくるときに濃度が低くなり問題ないというのが国や日本原燃の説明です」。
(以上、原子力資料情報室)
ここでも、「薄まってしまうから問題ない」です。
院内での不適切な行為によって左遷された原子力安全・保安院の西山(元)審議官が、福島第一原発の循環冷却システムが稼動せず、海洋に汚染水を、そのまま放流するたびに、ストロンチウム汚染が騒がれました。
そのとき、彼は、記者会見に臨んで常にこう言っていました。
「魚介類への影響は、薄まってしまうのでたいしたことない」。
「どうせ海水で薄まってしまって、因果関係など誰にも分からないから、そのまま垂れ流してしまえ」というのが経済産業省の長年の方針なのです。まったく薄汚い人々です。
クリプトン85は、再処理工場で最初に使用済み燃料を剪断(切断)する瞬間に開放されます。
その後、核燃料棒が解かされる工程では、大量のクリプトン85が発生します。
茨城県東海村の動力炉・核燃料開発事業団の再処理工場では、すでに「相当量を除去できる」技術を開発しましたが、事業主体の日本原燃は、コストがかかることを理由に、回収施設を造らず、クリプトン85すべてを大気中に「垂れ流し」する方針を決め、国もこれを了承したのです。
まったく信じられない国です。
クリプトンは気象に影響を与えたり、被ばくで皮膚ガンを増やしたりするのではないかと心配されています。
反核団体、原子力資料情報室の代表であった故・高木仁三郎代表は「回収施設がなければ多量のクリプトンが垂れ流しになり、地球環境にも大きな影響を与える。経済性を理由に回収しないというのは許されない」と批難し続けてきました。
クリプトンは水に溶けにくい性質があるので、海水にはわずかしか溶けず、北半球では1985年までの 10年間で大気中の濃度が2倍になり、世界気象機関(WMO)はオゾン層破壊や酸性雨を引き起こす物質とともに、監視項目に指定しました。
日本では気象庁気象研究所が濃度変化を監視しているのこと。
(以上、原子力発電【放射能】 [1993-1996])
六ヶ所村再処理工場が、万一本格操業を開始すれば、日本の標準的な原発1基から1年間に放出される量の放射能が、たった1日で放出されます。
これが毎日毎日、1年365日続くのです。
世界は、やがて終るでしょう。
実は、かねてから最大の問題となっているクリプトン85を捕獲して、閉じ込めておく技術は、すでに東海再処理施設などで開発されています。
クリプトン85を低温の活性炭に吸着させ、捕獲する方法です。
しかし、その後が厄介なのです。
クリプトン85は、不活性な希ガスなので、安定化合物として処理することができないということから、ガス状のままシリンダー充填方式で、100年以上保管しておかなければなりません。
六ヶ所村再処理施設を稼動させたら、下北半島全体が、クリプトン85の希ガスの保管所になってしまいそうです。
こうしたことから、クリプトン85の捕獲はコストがかかりすぎるという理由で、最初から考慮されていないのです。
六ヶ所村の住民を国家ぐるみで騙し続け、六ヶ所村再処理施設の計画をスタートしたときには、住民を見殺し(本当に死んでもいいと思っているのです)にすることを決めたのです。
西独で起こった反原発運動で暴露されたことを例にとって、六ヶ所村再処理工場で事故が起これば、日本が滅亡することもありうると、1977年の1月15日、毎日新聞が示唆しています。
再処理工場での事故は、世界の破滅につながるかもしれません。
1980年に人類絶滅寸前の事故があった フランスのラ・アーグ再処理工場事故がそれです。
05.後編1/4・土崩瓦解 核廃棄物:原発の悪夢 アレバ社の正体?
04:50からご覧ください。
ラ・アーグのクリプトン85について、とても重大なことが報告されています。
08:40~
記者:
「ラ・アーグの排出量はどの様に決めているのですか?」
仏原子力安全機関 委員長:
「この場合はアレヴァ社ですが・・・・・」
記者:
「使用済み核燃料を処理する際クリプトン85を含むガスが放出されます。
このガスは閉じ込められないので、その排出量は施設の稼働時間に比例するのでは?」
クリラッド研究者:
「その場合、私達は企業側に処理方法の再検討を求めて排出物を外に出さない方法を見つけるよう伝えます。
期限を定めてその再検討の結果を提出してもらいます」
記者:
「クリプトン85を閉じ込められますか?」
クリラッド研究者:
「今は出来ません、企業側にはこのタイプの排出物を減らすよう要請しましたが簡単ではありません」
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アレヴァ社と仏原子力規制機関とは癒着どころか、一心同体なのです。
何より、アレヴァ社(原子力産業コングロマリットの持ち株会社)が、ラ・アーグ再処理工場から放出させてもいいクリプトン85の量を決めているというのです。
アレヴァ社が、ある意味、ヨーロッパの人々の生殺与奪を握っているというわけです。
アレヴァ社には、ロスチャイルド一族が入っていることで知られています。
その実力は、福島第一原発の汚染処理システムでも明らかになったわけですが(結局、日本の原発メーカーの汚染粋処理システムが中心となっている)、そのことも一因としてあるのかもしれませんが、もともとサルコジと反りが合わなかったアレヴァ社の女性CEO、アンヌ・ローベルジョンは6月に突如、更迭。
しかし、その翌月には、彼女はフランスの左派系新聞リベラション紙の監査諮問委員長に就任することが決まりました。
リベラション紙は、エドワード・ロスチャイルドらが大株主。
この女性の人生は、ロスチャイルドの意のまま、というところです。
映画『ロボコップ』のオムニ社以上の巨大組織が、すでにフランスにあったのです。
しかし、ドイツの脱原発宣言が響いて、大幅リストラを余儀なくされ、アレヴァ社は12月になってから証券取引所での株式取引を停止されてしまいました。
クリプトン85は、不活性な希ガスであるため、水分には容易に溶けずに(クリプトンの水への溶解度は、わずか0.067)、空気中にほぼそのままの状態で漂っています。
人は、まず呼気からクリプトン85を吸い込み、これが肺から血中に取り込まれて全身を回ります。
クリプトン85は水分に溶けないので、血液などの体液に溶けるのではなく、物理的に血液の中に「混じる」ということ。
クリプトン85の健康への悪影響でまず挙げられるのが皮膚ガンです。
また、血液に取り込まれて血流と共に全身に行き渡ってしまうので、体のどこにでも濃縮される可能性がありります。
特に、全身のリンパ組織に悪性腫瘍ができるホジキン病を発症させると考えられています。
そして、次に白血病を誘発する可能性が出てきます。
イギリス北西部にあるセラフィールド再処理工場の周辺で、白血病が増えていることは知られています。
原因は、プルトニウムなどのミクロン以下の極微粒子を肺に吸い込んで、それが全身を回り、局所的な部位に高い被曝線量を継続して与えることが原因であるとされていますが、ICRPのリスクモデルでは、これを認めていません。
(被ばくに伴うガンのリスク、第2部:最近の証拠)
ただし、核の再処理工場から出てくるのは、むしろクリプトン85のほうが圧倒的に多いはずであり、半減期の長いプルトニウム(プルトニウム239の半減期は2万4000年)より、半減期10.76年のクリプトン85を考慮しないわけにはいかないでしょう。
白血病が多いのは、セラフィールド再処理工場周辺だけでなく、他の核再処理工場でも同様ですから、再度、クリプトン85の人体への悪影響について、使用済み核燃料の再処理という観点から洗いなおして欲しいものです。
東海村核燃料再処理工場では、1970年代半ばからクリプトン85が、すべて大気中に放出されてきました。
福島第一原発事故後、福島県では突然、患者調査を中止しました。
彼らには、本当の理由を言うことはできません。
野田も、甲状腺被曝の追加検査を打ち切るように指示しました。
理由は「差別の原因になるから」という、どうにもならない理由です。
確かなことは、今も福島第一原発からはクリプトン85が放出されている、ということです。
そして、2号機の地下では、得体の知れないことが起こっているということです。
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