物価が上がっているかで、お金を銀行に預けたままでは価値が下がっていく一方だ。不動産物件を購入すると、これからもどんどん値が上がるから資産が確実に増える。いまの経済状況下では、不動産を買う意外によい投資先があるわけでもない。不動産を買うのは黄金を買うのと同じだ。
ある書籍からの引用です。
今回は読書感想文です
中国版 サブプライム
本の名前は「中国版 サブプライム・ローンの恐怖」です。石平氏の著作です。
2011年9月の本なので情報としてはちょっと古い感はありますが、コンパクトで読みやすい本です。
経済分析については納得できる部分もあり、すんなり腑に落ちない部分もありで、その点ではいろいろ考えられる本です。へぇーそうなんだー、という部分と、少しですが、え、そうなの?と思う部分があります。
納得できるのは
労働力の安さこそ、中国経済のアキレス腱である
という部分です。
中国は付加価値の低いものを安価に作って世界に輸出しています。安価に作れるのは労働力が安いからで、価格競争力を維持するためにはそんなに人件費を上げられないのです。
だから、国の経済は発展しているのに労働者の分配は低く抑えられている。
だから、内需が弱い。
ということです。
中国のインフレ
石氏によると、中国では大量のマネーが供給された結果、貨幣価値が下がるインフレが起きていて、庶民は野菜を買うのにも苦労しているとのこと。
野菜という基本食材を買うのにアップアップしている庶民を、野菜の奴隷ということで「菜奴」と言うそうです。
で、インフレに追い打ちをかけるのが不動産価格の上昇です。中国の不動産バブルは崩壊しているという話もありますが、それでも一般の市民には手の届かない高値です。
一般の市民は給料はそれほど上がらず、物価は上昇し、不動産価格は共産党関係者への賄賂でその分のコストが反映された高値になっている・・・
でも住宅を買わないわけにはいかない。
で、住宅ローンの奴隷ということで、「房奴」という言葉もあるそうです。
市民の不満は高まっていて所々で暴動が起きている。それがいまの中国の姿とのことです。
まとめ、のようなもの&アフィリエイト
情報としてはちょっと古めですが、わりとサクサクっと読める本でした。
こういう本を読めば読むほど、共産主義の中国における金融市場って、大いなる矛盾を抱えているなーと思えてきます。
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今の中国の労働単価は、他のアジア諸国と比べて安くないですからね。彼等彼女等は、少しでも給与がよいところがあると、そちらの転職してしまうのでスキルが高くもないんですよね。
正直な話、トータルコストで考えると、日本のほうが安いくらい。
徐々にカンボジアとかラオスとか、そういう国々へ生産拠点が本格的に変わっていくとして、内需が弱い中国の強みはなんになるんでしょうかね。
数千万、数億人規模の暴動が起きた時、中国の終わりでしょうね(軍部がクーデターでも起こすかな)
※741:煙々さん
そうですね。アパレルは中国の先としてミャンマーとかバングラデッシュに関心が移ってるようですし、もちろんカンボジアやラオスも魅力ですね。
中国は難しい局面を迎えているのかなーという気がします。
日本の土地バブルの頃の書籍を読むと
家の値段が上がりすぎ、どうにかしろという
庶民からの批判が物凄かったようでした
この記事を読んでいると
日本よりも遥かに極端なかたちで
問題が起きているように感じます
壮大な実験場ですね
リアルタイムで立ち会えていることに幸せを感じます
※745:消費しないピノキオさん
日本の土地バブルもすごかったですけど、中国の方がもっとすごいみたいです。
そのうち銀行の倒産が起きるんじゃないかな・・・と思ってます。でも、鉄道事故があっても土に埋めちゃう国ですし、株価が下がれば取引を停止して売るなと圧力をかける国なので、常識外の方法でバブル処理をするかもしれません。
まさに壮大な実験場です。バブルという資本主義の経済現象を、共産党がどこまで支配できるのか・・・興味深いです。
共産主義者による資本主義経済の運営ですから、矛盾がありまくりですね、空売り禁止とか、なんだこりゃって感じで。
いずれ崩壊すると思っていますが、ショックはできるだけ少なめにお願いします、という希望。
ただショックが大きければそれだけ安く買える買い場が来た、とっも思えるわけで、ある程度の現金準備はしておきたいです。
となるとフルインベストメントはやはり怖いなあ。
※747:招き猫の右手さん
矛盾ありますねー。
マクロ経済的にも人口動態的にも中国の成長率鈍化は不可避だろうと思ってます。でも、人為的に成長率を操作しようとしているのが怖いです。
現金準備はしておきたいですね。