自分のポートフォリオのリスクを把握していますか?
今回は、ポートフォリオのリスクの計算式とエクセルでの計算方法です。
ポートフォリオのリスクの計算式
ポートフォリオのリスクの計算式は以下です。
世の中には、数式で示す方がわかりやすい人もいれば、文章で説明した方がわかりやすい人もいます。
で、上の式は数式の人向けです。
文章の人向けにはこれから説明します。
まず、σpがポートフォリオのリスクです。それは、N個ある複数の資産(N個ある複数の証券でも、N個ある複数の投資信託でもいいです)のそれぞれについて、N×N個の組み合わせで、個別のウェイト(w)とリスク(σ)と相関(ρ)を掛け合わせて計算します。
掛け合わせた計算結果は、ポートフォリオの分散(variance)値になります。リスクは通常は標準偏差を使うので、ルートにします。(分散のルートが標準偏差)
さて、余計ややこしくなりました・・・ (-_-;
リスクを計算するには
具体的に、5つの投信で作ったポートフォリオのリスクをエクセルで計算しましょう。
必要なのは「分散・共分散行列」(Variance-covariance matrix)です。
分散・共分散行列を作る前に、5つの投信のリスク(標準偏差)と相関を計算します。セル(C2:G2)と(B3:B7)が標準偏差、(C3:G7)が相関です。
セルの(C11:G15)が分散・共分散行列です。
分散・共分散行列
分散・共分散行列は、各資産の相関行列とリスクから計算します。具体的には以下です。
分散・共分散行列ができたら、あとはそれぞれの投信のウェイトを掛けていくだけです。
ポートフォリオのリスクは、セル(H21)で計算します。
エクセル式では、MMULTという関数を使います。
セル(H21)では
{MMULT(MMULT(ウェイトの行,分散・共分散行列),TRANSPOSE(ウェイトの行))}^0.5
という式を入れています。
追記:画像ではTRANSPOSE(C19:G1)となっていますが、G1ではなくG19が正しいです。画像はミスです。
^0.5は、ルートを取るのと同じことです。
#VALUE!というエラーが出たら、CTRLとSHIFTを押しながらENTERを入れてください。配列数式なので、単にENTERを入れるとエラーになります。
と、ここまで書いて思いました。
面倒くさい・・・と
気休めかもしれないけど
リターンは予測できないと思っている人は多いですし、実際、相場を的確に予測するのは難しいと思います。
とはいえ、投資をするからには、割高なのか割安なのか、マクロ経済が上向きなのか成熟局面にあるのか、といったことはある程度は分析できるでしょう。それに、ポートフォリオのリスクはある程度は合理的に見積もることができます。
適格な予測は難しいとしても、現状を分析してちょっと先を予測することと、リスクを見積もる努力は、やらないよりはやった方がいいですよね。
ということで、自分の投資しているポートフォリオのリスクは、たまには見積もってみるといいかもしれませんね。
今日はちょっと固めの内容でした。(^^)
ブログ村:よろしければ一押しをお願いします。
ポートフォリオのリスクでたどりつきました
エクセルで、標準偏差と共分散から、相関行列を作る計算式を教えて頂くお願いいたします
※1396:とまとさん
コメントありがとうございます。
共分散行列が既にあるのであれば、共分散行列を標準偏差で割り戻せば、相関行列が作れます。
AとBの相関=AとBの共分散÷Aの標準偏差÷Bの標準偏差です。
恥ずかしながら、質問のしかたが不十分でした
素人ですみせん
データとしてあるのは、標準偏差だけです
エクセルで、標準偏差から、相関行列を作る計算式を御教示賜りたくお願い致します
お手数をおかけして申訳けございませんです
{MMULT(MMULT(ウェイトの行,分散・共分散行列),TRANSPOSE(ウェイトの行))}^0.5
TRANSPOSE(ウェイトの行)について、C19:G1
ではなくC19:G19にしたら、無事できました
有難う御座いました
※1404:とまとさん
問題解決でしょうか。^^
念のためエクセルで相関行列を作る方法です。
http://blog-imgs-84.fc2.com/i/n/v/investoronline/correl_sample.png
この画像ファイルをご覧ください。Correlの関数を使うのが便利です。
何かあればまたご連絡ください。
相関行列は、Correl関数で出せるんですね
数式を見ると頭痛がするタイプなので
助かりました
よくわからない質問でご面倒をおかけしました
標準偏差の値を使わなければ、見せかけの相関になる
また、相関行列と標準偏差があれば、共分散が出せるので
(相関係数)×(Aの標準偏差×Bの標準偏差)
共分散の比率で、簡単なポートフォリオを組むことができると考えてよいのでしょうか
※1407:とまとさん
見せかけの相関については、念のためですが、株価そのもので相関を取ると見せかけの相関で相関係数が高く出ます。だからリターンにして相関を見ます。
相関行列と標準偏差があれば、共分散が出せます。
共分散=(相関係数)×(Aの標準偏差×Bの標準偏差) で合ってます。
共分散の比率で簡単なポートフォリオを組むことはできますが、その場合はリスクの関係のみから導くポートフォリオになります。期待リターンの要素が入らないので、リスク・リターンの点でバランスがいいかは・・・何とも言い難いところです。(^^;
相関係数のところから行き詰って、4年も経過したので
自分にとっては、ここまででも
飛躍的な進歩となりました
この先、また自分で研究してみたいと存じます
本当に有難うございました
取り急ぎ御礼まで
※1410:とまとさん
ご連絡ありがとうございます。
また何かありましたら、いつでもご連絡ください。
個人的には、ポートフォリオのリスクの計算式としてはこの式が最もスッキリしていて好きです。
さらに、全く同じものだけど、
分散と相関係数を共分散にまとめてさらにスッキリさせた式も好きです。
※4155:いろいろでセカンドライフさん
ありがとうございます。
スッキリした式はいいですよね。
私、エクセルも数学も大変不得手なので、アホな質問をしてしまいます。
セル(H21)に書かれている式が
{MMULT(MMULT(C19:G19,C11:G15),TRANSPOSE(C19:G1))}^0.5
と書かれています。
このTRANSPOSE(C19:G1)
のG1が、なぜG1なのか理解できないのです。
お教えいただければ幸いです。
※4158:いろいろでセカンドライフさん
あ、
TRANSPOSE(C19:G19)が正解ですね。
G1はミスです。(^^;
ご指摘ありがとうございます。
理解できました、ありがとうございます^^
※4161:いろいろでセカンドライフさん
こちらこそご指摘ありがとうございます。(^^