ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

2024年ふり返り

今年を少しふり返ってみる。杉江松恋『日本の犯罪小説』、千街晶之『ミステリから見た「二○二○年」』はいずれも「ジャーロ」連載中からインタビューしたいと思って媒体に提案し、あらかじめ了解を得ていた。

https://realsound.jp/book/2024/12/post-1880808.html

 

千街・杉江両氏とは面識を得てからずいぶん経つし、何度も話す機会はあった。でも、インタビューというあらたまった場を設定すると、普段ならしないような話もするわけで、そういうのが自分には面白い。

https://realsound.jp/book/2024/08/post-1757325.html

 

なんとなくミステリ評論を問うシリーズみたいなことを考えていて、千街・杉江両氏のインタビュー以前には、若林踏×渡邉大輔対談も私の発案で行っていた。

https://realsound.jp/book/2024/02/post-1558724.html

 

また、唐木厚氏の取材は、ここ数年あれこれ編集者インタビューをしてきた流れと、ミステリジャンルへの関心の接点でとり組んだ。

https://realsound.jp/book/2024/06/post-1689504.html

 

純文学関連の取材や原稿の仕事もするせいか、たまにミステリ業界人から「ミステリの仕事を減らしてるんですか」とかいわれるが、そんなつもりはない(小川公代さんとの対談などでそう思われたのかもしれない)。

https://realsound.jp/book/2024/09/post-1760903.html

 

もともとミステリ・エンタメと文学・批評の両方に関心を持っていた。江戸川乱歩賞の栗本薫と群像新人賞評論部門の中島梓を同時に知ったのが、自分の一つの出発点だったというのもある。

https://note.com/endingendless/n/n9e4931f88aaf

 

その意味で中島梓と関係の深い『JUNE』の佐川俊彦・元編集長に話をうかがえたのは嬉しかった。もちろんいわゆる“少年愛”がテーマの取材だったけど、この記事では、当時の出版界におけるワセダミステリクラブ出身者の存在感に関しても、意識して話を聞いていた。

https://realsound.jp/book/2024/06/post-1699528.html

 

ミステリ関連では「ジャーロ」の「アフタートーク」で今年4月に青崎有吾『地雷グリコ』を取材していた。各種受賞やランキング1位連発よりも前である。この連載は小説執筆および刊行のプロモーションや反響を後から作者と編集者に語ってもらうものだが、同作についてはお祭りのビフォーになった感も。

https://note.com/giallo_kobunsha/n/n91a097548077

 

知人インタビューとしては、すでに速水健朗、矢野利裕両氏を取材したし、機会があれば今後もやりたい。誰がいいでしょうかね(といいつつ取材したくない知人もいなくはない。誰と聞かないでちょんまげ)。

 

 

2024年の私的重大事

・昨年12月の『ポスト・ディストピア論』に続き『物語考 異様な者とのキス』『坂本龍一語録』刊行

・引っ越したがかろうじて浦安市内に踏みとどまる

・『異様キス』刊行&転居記念に中島華映さんの絵を購入(どの作品かは内緒)

 

 

最近の自分の仕事

-人間椅子・和嶋慎治、怪奇と幻想に彩られた文芸路線を貫く理由を聞く 歌詞集『無情のスキャット』について|Real Sound|リアルサウンド ブック