ENDING ENDLESS 雑記帖

文芸・音楽系文筆業=円堂都司昭のブログ

2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

マルレーネ・デュマス展

art

東京都現代美術館で「マルレーネ・デュマス――ブロークン・ホワイト」を見た。 微妙に歪な顔、滲んだ肌の色――という絵ばかりだ。 特に、人の顔をバーッと並べた展示、ほとんど裸の少年の姿を並べた展示に凄みがある。まるで、前者は遺影だけが収録された卒業…

未来からの……

レシートの整理をしていたら、こんなものが出てきた。 ゴミ取り物語三角コ \447 もやせないごみ用30 \99 もやせるゴミ用とっ \129小計 \675 この記載は、まぁいい。問題は日付だ。 2029年07月20日(金) どういう設定ミスだよ。なんと、22年後のレシートで…

勘違い、そして『漁港』

24日夜の献立 鶏肉入りきんぴらごぼう 春雨サラダ(きゅうり、にんじん、きくらげ、ハム。しょうゆ、香酢、黒糖、ごま油、ラー油) トマト 玄米ごはん ビール、発泡酒、チューハイ、芋焼酎 きんぴらごぼうに鶏肉を入れるだなんて、贅沢だよなぁ、と庶民の僕…

『バンビ〜ノ!』

YA

嵐の松本潤主演でドラマ化され現在放映中のこれを、毎回、なんとなく見ている。 イタリア料理人を目指す若者の話だが、店ではなかなか料理をさせてもらえない。ひたすら皿洗いが続いたかと思えば、ホールに回されて接客することになったり。したい仕事をなか…

NINE INCH NAILS live

昨夜は新木場のSTUDIO COASTで、ナイン・インチ・ネイルズを見た。 かつてのNINのステージでは、スクリーンが演出上大きな意味を持っていたが、今回は映像はなし。コンセプチュアルであるよりも、ギタリストがダイヴしたり、トレント・レズナ…

芦辺拓『からくり灯籠 五瓶劇場』

「五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)」などの演目を残した歌舞伎作者・並木五瓶を主人公にした連作集。いわゆる本格ミステリではないが、ミステリ的趣向(+怪異)を含んだ、なかなか凝った作りの時代小説になっている。 歌舞伎には、実際に起きた事件…

BJORK《VOLTA》

《ヴェスパタイン》、《メダラ》の内向から、外向に転じた《ヴォルタ》。ティンバランドやアントニー・ヘガティなどと共同作業したこの新作は、久しぶりにとっつきやすいポップさを取り戻しているが、相変わらずクオリティは高い。 エレクトロニカ寄りだった…

第7回本格ミステリ大賞

M

本日の公開開票式で、今年度の本格ミステリ大賞が決定した。 小説部門−−道尾秀介『シャドウ』asin:4488017347 評論・研究部門−−巽昌章『論理の蜘蛛の巣の中で』asin:4062135213 最近の自分の仕事 鳥飼否宇『痙攣的』の文庫解説asin:4334742440 本格ミステリ…

コンピュータのキーボードとケータイのボタン

(小説系雑誌つまみ食い 18−−「群像」6月号、「新潮」6月号) 橋本勝也「具体的な指触り」 「群像」6月号に、群像新人文学賞評論部門の優秀作として、橋本勝也「具体的(デジタル)な指触り(キータッチ)」が掲載されている。すでに一部で話題にされてい…

若杉公徳『デトロイト・メタル・シティ』3

この巻の後半は、凶悪なメタル・バンドが集まるフェス「サタニックエンペラー」が、話の中心になる。でも、同じジャンルのメタル同士で対決すると、イメージのインフレが起こりやすいし、あまりいい展開だとは思えない(クラウザーさんだけでなく、DMCの…

NINE INCH NAILS《YEAR ZERO》

ナイン・インチ・ネイルズの《ザ・フラジャイル》(99年)は、人気バンドとしてのポップさを維持しつつ、当時のロックのスタンダードとは違った音像を目指した点で、レディオヘッドの《KID A》(00年)と並ぶ意欲作だったと思う。だが、《ザ・フラジ…

TSUTAYA問題のその後

浦安のTSUTAYA空白問題だが、さくら通り店、新浦安店が営業再開の方向に動いているという。とりあえず、喜ばしい。 http://www.tsutaya.co.jp/shop/tenpo.zhtml?FCID=1634

島本理生『大きな熊が来る前に、おやすみ。』

若い女が部屋で男とすごしている――というシチュエーションを中心にした話が、三つならんでいる。動物をある種の象徴として扱っていること、暴力性や悪意をテーマにしていることで、三篇は共通している。 このうち「猫と君のとなり」は、あのハッピー・エンド…