中村敬斗(なかむら けいと、2000年7月28日 - )とは、日本のプロサッカー選手である。
フランス リーグ・アンのスタッド・ランス所属。サッカー日本代表。
千葉県我孫子市出身。180センチのサイズを持ちつつ、ドリブルなどで局面を打開する高いスキルを持つアタッカー。最大の魅力は決定力の高さで、2022-23シーズンはオーストリア1部のLASKリンツで14得点を記録するなど、フィニッシュのレベルが高い。また、ルックスの良さから女性からの人気が高い。
中学時代から街クラブの三菱養和SCでプレーし、2018年に高校2年生にしてガンバ大阪とプロ契約を交わし、プロデビューを果たしている。プロ2年目の2019年夏にオランダ1部のFCトウェンテと契約し渡欧するなど、キャリア的には同世代の先頭に立ってきた。
欧州移籍後はしばらく伸び悩んでいたが、LASKリンツ移籍後に才能が開花。2023年夏にはフランスのスタッド・ランスに移籍し、伊東純也との両翼コンビとして活躍している。
日本代表には2023年3月に初めて招集されると、代表デビュー戦から6試合連続ゴールという脅威の記録を打ち立てる。左ウイングには三笘薫という強力すぎるライバルがいるため定位置確保には至っていないが、代表の常連として定着するなど存在感を発揮している。
小学生の頃は高野山SSSに入団。その後は柏レイソルのジュニアに所属していたが、クラブの掲げるパスサッカーが肌に合わず、6年生のときに地元の高野山サッカースポーツ少年団でプレーするようになる。自分でドリブルで仕掛けるプレーを好んだ中村は、中学生になると個の力を重視する三菱養和SCに所属。この頃に、現在の武器となっているドリブルの技術を磨いている。中学3年生の頃にはU-15日本代表にも選出されるなど、注目度を増すようになる。
高校生になると、2年生ながら早くも複数のプロクラブから注目され、さらにU-17 FIFAワールドカップで活躍したことによって彼のプロ入りは予想したよりも早いものとなる。
2018年よりJ1リーグのガンバ大阪とプロ契約を交わし、17歳ながら飛び級でプロの世界に入る。G大阪はこれまでアカデミー出身の選手と高校卒業前にプロ契約を交わしたことはあったが、アカデミー出身以外の高校年代の選手とプロ契約を交わすことは初めてのことだった。
2月24日のJ1リーグ開幕戦名古屋グランパス戦で途中出場し、早くもプロデビューを果たす。3月14日のルヴァンカップ第2節浦和レッズ戦ではプロ初ゴールを記録。もっともトップチームではなかなか出場機会が与えられず、ガンバ大阪U-23の一員としてJ3リーグでのプレーが主戦となるが、ここでも15試合4得点をマーク。そして11月24日のJ1第33節V・ファーレン長崎戦でトップリーグでの初ゴールを記録。上々のプロ1年目となった。
2019年はルヴァンカップで5試合3得点という活躍を見せる。その後オランダへ活躍の場を移したものの、大会のニューヒーロー賞を受賞する。当時クラブの監督だった宮本恒靖からは「得点感覚は優れているが、それ以外は平均以下。戦えない、走れない、球際弱い」と評価され、レギュラー定着に至っていなかったが、7月3日の天皇杯2回戦カマタマーレ讃岐戦では18歳ながらもハットトリックの活躍を見せる。
2019年7月16日、オランダ エールディヴィジのFCトゥウェンテに期限付き移籍することが発表される。19歳という若さでの海外挑戦となったが、リーグ開幕戦のPSVアイントホーフェン戦でスタメンに抜擢。すると、デビュー戦で早速初ゴールを叩き込み、鮮烈なオランダデビューを果たす。この活躍でレギュラーを獲得し、前半戦で4ゴールを記録するなど順風満帆なスタートを切ったかと思われたが、12月14日の第17節フィテッセ戦で前半39分に途中交代を命じられると、以降は監督の構想から外れてしまい、試合終盤のみの出場、ついにはベンチメンバーからも外れるようになる。この年、新型コロナウィルス感染拡大の影響によってリーグは途中で打ち切りとなり、契約期間をあと1年残していたが、レンタル打ち切りという憂き目にあう。
2020年6月25日、日本人選手が多く在籍するベルギー ジュピラー・プロ・リーグのシント=トロイデンVVへ期限付き移籍。しかしここでも満足な出場機会が与えられず、ベンチにも入れない日々が続く。前半戦を5試合1得点に終わったことで出場機会を求め、移籍を希望する。
2021年2月9日、オーストリア2部のFCジュニアーズOÖ(LASKリンツのセカンドチーム)へ期限付き移籍することになる。オーストリア2部は平均年齢の低いリーグであり、ここで自身も「サッカーの楽しさを思い出した」と語るように出場機会を得られたことで輝きを取り戻すようになる。
2021-22シーズンもFCジュニアーズで開幕を迎えるが、リーグ戦5試合で3得点という活躍を見せる。ここでアピールに成功し、トップチームであるLASKから声がかかるのだった。
2021年8月11日、オーストリア1部ブンデスリーガのLASKリンツへ完全移籍することが発表される。加入当初はチーム内の序列は低く、途中出場が続いていたが、2021年11月5日のUEFAカンファレンスリーグ アラシュケルト戦で移籍後初ゴールとなる2ゴールの活躍を見せる。さらにその2日後となる11月7日のスワロフスキー・ティロル戦で公式戦2試合連続となる1部リーグ初ゴールをマーク。この活躍もあってチーム内での序列も上昇するようになり、プレー時間も増加。最終的に公式戦30試合9得点という結果を残す。
LASKでの2年目となった2022-23シーズンでは左ウイングのレギュラーを獲得。7月28日のリーグ開幕戦では1ゴール1アシストを記録、3ゴール全てに絡む大活躍を見せる。その後はまさに無双状態となり、第8節のルステナウ戦まで公式戦3試合連続ゴールをマーク。公式戦10試合の段階で8ゴール5アシストとチームの得点の半分に絡む活躍を見せ、チームのエースとなる。その後も勢いは衰えず、コンスタントにゴールとアシストを記録。2023年2月18日の第18節SVリード戦では、退場者を出し敗色濃厚となった試合終了間際にチームを救う劇的な同点ゴールを決め、リーグ戦のゴール数が二桁の大台に到達。この活躍により、欧州主要リーグへの移籍話が浮上し、「ネクスト三笘」と評されるようになる。結局チームはリーグ優勝を逃したものの、公式戦通算17得点4アシストを記録。大きなブレイクを果たしたシーズンとなる。
2023年8月10日、フランス リーグ・アンのスタッド・ランスへ完全移籍することが発表される。加入から2日後となる8月12日のリーグ・アン開幕戦オリンピック・マルセイユ戦で途中出場し、デビューを果たす。9月26日の第6節LOSCリール戦では移籍後初ゴールを決める。左ウイングのレギュラーを獲得し、右の伊東純也と共に日本人で両翼を担うかと思われたが、10月の代表戦で左足首を負傷。2か月の戦線離脱を強いられてしまう。復帰後の12月20日、第17節ル・アーブル戦でリーグ戦2得点目をマーク。後半戦に入りしばらくゴールから遠ざかっていたが、2024年4月13日のストラスブール戦で伊東のアシストから久々のゴールを決める。スタメンで出場しても早い時間帯に交代となることが多く、4ゴール1アシストと数字もやや物足りなく、成果と課題の両方が残ったシーズンとなった。
2024-25シーズンは開幕から左ウイングのレギュラーとして出場すると、2024年9月15日の第4節FCナント戦で伊東のアシストから決勝ゴールとなるシーズン初ゴールを決める。続く9月21日第5節には王者パリ・サンジェルマンを相手にゴールを決めれば、9月29日の第6節アンジェ戦、10月6日の第7節モンペリエ戦、10月20日のオセール戦とゴールを決め、リーグ戦5試合連続ゴールを記録。
中学生の頃にU-15日本代表に選出。2017年10月には、インドで開催されたU-17 FIFAワールドカップ2017に出場するU-17日本代表に選出。このときのメンバーには久保建英、菅原由勢が名を連ねている。初戦のホンジュラス戦では前半だけでハットトリックの活躍を見せる。さらに第3戦のニューカレドニア戦でも先制ゴールを決め、ラウンド16でイングランドに敗れたものの、チーム最多の4ゴールを記録。個の活躍が後の飛び級でのプロ入り、そして十代での海外移籍の足掛かりとなる。
2019年にはポーランドで開催されたU-20 FIFAワールドカップに出場するU-20日本代表に選出。大会ではスーパーサブとして全4試合に途中出場するもノーゴールに終わり、チームもラウンド16で韓国に敗れ、敗退。その後は年代別の代表から遠ざかることになる。
2023年3月、オーストリアでの活躍が認められ、フル代表に初選出。3月24日のウルグアイ戦でわずかな出場時間ながらも代表デビューを果たす。6月15日のエルサルバドル戦では後半から出場すると、U-17代表時代の同僚である久保のアシストから代表初ゴールを決める。初スタメンとなった9月12日のトルコ戦では2ゴールを決め、左ウイングのセカンドチョイスに定着。10月13日のカナダ戦では代表3試合連続となるゴールを決めたものの、相手の悪質なタックルによって左足首を負傷。2か月間の戦線離脱を余儀なくされる。2024年1月1日のタイ戦で代表に復帰すると、4戦連発となるゴールを決める。
2024年1月にカタールで開催されるAFCアジアカップ2024のメンバーに選出。初戦のベトナム戦では左45度の位置から理不尽なゴラッソによる逆転ゴールを決め、代表デビューから6試合連続ゴールという快挙を成し遂げる。第3戦のインドネシア戦とラウンド16のバーレーン戦でスタメン出場したがその後はゴールを決めることはできなかった。6月6日の2026 FIFAワールドカップ2次予選のミャンマー戦では代表では初となる1試合2ゴールをマーク。アジア最終予選では三笘薫が復帰したことで控えに回ることになるが、10月15日のホームのオーストラリア戦では途中出場から鋭いドリブル突破からオウンゴールを誘い、チームを敗戦から救う値千金の働きを見せる。
シーズン | 国 | クラブ | リーグ | 試合 | 得点 |
---|---|---|---|---|---|
2018 | ガンバ大阪 | J1リーグ | 17 | 1 | |
ガンバ大阪U-23 | J3リーグ | 15 | 4 | ||
2019 | ガンバ大阪 | J1リーグ | 7 | 0 | |
ガンバ大阪U-23 | J3リーグ | 6 | 1 | ||
2019-20 | トゥウェンテ(loan) | エールディヴィジ | 17 | 4 | |
2020-21 | シント=トロイデンVV(loan) | ジュピラー・プロ・リーグ | 5 | 1 | |
FCジュニアーズ(loan) | A・2.ブンデスリーガ | 5 | 1 | ||
2021-22 | FCジュニアーズ(loan) | A・2.ブンデスリーガ | 5 | 3 | |
LASKリンツ | A・ブンデスリーガ | 22 | 6 | ||
2022-23 | LASKリンツ | A・ブンデスリーガ | 31 | 14 | |
2023-24 | LASKリンツ | A・ブンデスリーガ | 1 | 0 | |
スタッド・ランス | リーグ・アン | 25 | 4 | ||
2024-25 | スタッド・ランス | リーグ・アン |
主戦場となるポジションは左ウイング。スピードとテクニックを駆使したドリブル突破を武器としており、狭い局面では相手をかわして前に進めるだけの技術と推進力がある。スペースのある局面だと、大きなタッチでスピードに乗って相手を置き去りにしてみせる。オーストリア1部リーグでは、ドリブル成功率がリーグトップのスタッツを記録している。
周りを使ったプレーよりも個人技で剥がしていくプレーを好むタイプで、左から切れ込んでのカットインシュートが最も得意なプレーの一つとなっている。ドリブル時に顔を上げることができるため、プレー選択の際にはしっかりと周りの動きを見ることもできる。
中村の大きなセールスポイントはシュート精度の高さによる得点力で、プロ入り当時にガンバ大阪の監督だったレヴィー・クルピは「17歳だがシュートがチームで一番うまい。そして一番強いシュートが打てる」とコメントしている。自ら切れ込むだけでなく、逆サイドからのボールに中で合わせてのゴールも多い。
逆に裏抜けなど、オフ・ザ・ボール時には課題がある。また、縦への突破はさほど得意ではなく、ドリブルで仕掛ける場面で縦に仕掛けるべきときでも中に入ろうとし過ぎる傾向にある。そのためカットインが切られてしまうと怖さが半減してしまう。
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最終更新:2024/12/23(月) 05:00
最終更新:2024/12/23(月) 04:00
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