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回答(7件)
第一次世界大戦で登場した新兵器に対して参謀本部や陸軍研究所で次世代戦のあり方の研究が行われ、陸軍機械化という形で装備や編成の具体化が進められました。 機甲は、機械化と装甲の合成語で語源はフランスだったかドイツが作った言葉を直訳したものです 昭和に入りフランスからルノー装甲車を輸入、自動車偵察部隊を創設しました。その後騎兵は装甲自動車を装備した捜索連隊とする転換がはじまります。太平洋戦争の頃はこれを母体に師団戦車隊となります。ただ当時の日本は自動車が今の自家用機位に希少だったので装備はなかなか進展しませんでした。 また、昭和5年に陸軍近代化の第一弾として駄馬の自動車化が計画され輜重兵の自動車化が始まります。 機甲本部の構想はおそらくはドイツからの輸入と思われていて、ずっと遅い昭和13年のドイツ再軍備とそれに伴う機甲戦略からきているようです。 この時の機甲部隊は航空偵察と地上射撃を支援する航空部隊と連携した自動車化された陸軍部隊を指しています。駄馬を廃止し自動車化された歩兵連隊、装甲車を装備した騎兵連隊(捜索連隊)、砲兵の自動車牽引、輜重兵の自動車化、司令部伝令のオートバイ化を指していて戦車はオプションでした。 戦車と機甲の関係は、今書いたように戦車はオプションです。というのも機甲部隊の構想ができた当初は昭和12年頃で、装甲車が主体。当時実用化した戦車は世界的に見ても軽戦車だけでした。 それが昭和14年から中戦車、重戦車が米英で完成を始めます。ドイツでは砲兵の代わりに戦車を運用する思想でした。 そういうわけで、日本陸軍でも航空戦力と連携する自動車化された部隊を機甲、その一部の戦車を中心にした部隊を戦車隊と呼んでいます。 航空部隊は、そのために襲撃機、直共偵察機が作られています。
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あくまで旧陸軍における機甲について答えます。現代的な意味などは無視しますよ。 さて、そもそもこの「機甲」という単語はどこから出てきた言葉なのか? これについては諸説ありますがおおむね1938年~1940年ごろに陸軍内部で作られた造語であると言われています。 意味するところは機械化されて装甲を持った兵器というものです。 機械化されて装甲を持った兵器とはすなわち戦車の事ではないのか? という風に思うかもしれませんけど、戦車と呼べない事情、戦車と呼ばれては困る事情があったのです。 それは何かというと「騎兵」の存在なんです。 以前から陸軍には騎兵、戦車兵という別々の兵種が存在しました。 ちなみに旧陸軍の戦車兵はもともとは歩兵から分かれたものですから、戦車兵は歩兵科グループの一員です。 そしてこの2つの兵種はそれぞれに戦車を持っていた。 1930年代になると騎兵は馬から戦車(軽戦車や装甲車)に乗り換えていたんですね。 別々の兵種が同じような兵器を使っているという問題はいつの時代にもあるのですが、1930年代の終わりごろの旧陸軍では騎兵と戦車兵でこの問題が生じていました。 そしてこの2つの兵種の統合の話が持ち上がります。 この時、ある騎兵中将がさかんに使ったのが「機甲」という言葉なんです。 統合兵種を騎兵と呼ぶにはあまりにも実態からかけ離れている、かといって戦車兵と呼んでしまえば騎兵のプライドが傷ついてしまう。 旧陸軍の騎兵はエリートですからね、発言力もそれなりに強いんですよ。 そして1941年に陸軍は騎兵と戦車兵を統合した新兵種である機甲兵を創設します。騎兵+戦車兵=機甲兵。これが陸軍における戦車と機甲の関係になります。 余談ですが、エリート騎兵将校であったバロン西こと西竹一中佐が戦車に乗って硫黄島で戦っていたのはこういう流れがあったからです。 兵種統合以降の陸軍内部における「戦車」とは単に兵器の種類を表す言葉となります。ちなみに当時の陸軍内の区分では装甲車も戦車です。 その後1942年には関東軍傘下に「機甲軍」が作られ、その下に戦車第一師団と戦車第二師団が創設されます。ちなみにこの機甲軍のトップである吉田中将は元騎兵将校で、上の説明で出てきた、機甲という言葉を作った人というのもこの人です。要するに日本の機甲部隊の生みの親とも言える人です。 さて、最後に使い分けについてまとめます。 旧陸軍において機甲というのは兵種の名前として使われますので、中央の組織や部門、実戦部隊においては師団より上の集団の名前として使われます。 つまり機甲本部、機甲学校、機甲軍などですね。 師団以下の部隊には戦車を使います。 これは航空兵部門とちょうどよく似ています。 航空本部、航空学校、航空軍、航空総軍に対して、師団以下は飛行師団となりますよね。 と言う感じなので、あまり現代的な意味とか、外国の事にとらわれない方が旧陸軍の言葉の使い方については理解しやすいと思います。
機甲軍とは、機動戦を実施する主に装甲戦闘車両からなる大規模部隊。 旧陸軍の組織では、軍が師団の直属の上級部隊であった。軍の長は司令官(軍司令官)と称し、天皇により親補される。 戦略単位が軍、作戦単位が師団、戦術単位が旅団・連隊である、 ニュース映画などでドイツの「機甲師団」という単語が有名になりましたが、これは実際に進軍・戦闘を行う機甲部隊の作戦単位を意味し、各方面に展開する師団の総称が軍団である。 日本では、1942年7月に関東軍の下に機甲軍が開設されたが、1943年10月の組織改変で廃止されています。戦車第一師団・第二師団・指導旅団の編成で、有事の際には第1方面軍に隷下戦車師団を配備する計画であった。
機甲というのは戦車を主体とした諸兵科連合部隊になります。 日本の場合、師団までは戦車連隊の集合体のようなもので戦車師団と言いましたが、その上級部隊は混合兵科部隊になるので機甲兵団になりました。 「機甲」自体は現在のような兵科名ではなく観念なようなものでした。 戦車兵の兵科は戦車です。 ドイツの場合、「Panzer~」で連隊までは「戦車~」と訳し師団以上は「機甲~」と訳していました。ただし、「Panzer」はそもそも「戦車」ではなく「装甲」を意味しますから、近年では「装甲~」と訳すことが多くなりました。 アメリカやイギリスの場合、旅団までは「Tank~」、師団以上は「Armored Division(米)」「Armoured Division(英)」であり、どちらも直訳すれば「装甲化師団」を意味しますから、ドイツと同じと言えます。つまり、どこの国も「機甲師団」は持っていなかったという事になります。 ただ、「装甲化」だと中世の鎧装備の部隊も該当するため「機械化装甲」の意味で「機甲」を使うわけですが、訳者の意図する、もしくは好みで「機甲~」か「装甲(化)~」と記されます。
旧陸軍では機甲を付けた部隊・師団・方面軍・軍(総軍)はありません。 …というより、自衛隊にも無いんですけどね。 恐らく、機甲戦術を行う部隊という事でそう思われているのかと思うが。 自分が知りうる限りだと、機甲師団というのがあるのは大戦中のアメリカ陸軍のみ。 それも機械化された部隊という意味なので戦車という意味でもない。 実際、戦車大隊もありましたので。 逆に、戦車以外で、機械化された装甲戦力を持った大隊などに付いています。 機甲歩兵大隊とか、機甲野砲大隊とか、機甲偵察中隊とか、機甲工兵大隊とか。 尚、ナチは装甲師団。