打出の小槌 2 大黒天とは
よくオオクニヌシ(大国主神)と混同されるのですが、
大黒天は元々インドの古い神様で、仏教に習合した後、我が国に伝えられた
「天部」の一柱です。上に添付した画像にも記述がある通り、
伝教大師・最澄が比叡山の塔頭内に祀ったのが始まりだとも言われ、
初めは台所、つまり豊かな食べ物を提供してくれる豊穣の神様として
崇められていたようです。
それが、いつの頃からか同じ読み方を有する「大国さま」と融合し、
民間でも福徳にあやかろうとする信仰が広まりました。
この神様が乗っているのは「米俵」そして右手には打出の小槌が
握りしめられています。庶民の願い事を何でも叶えようという訳ですね。
上図に見られる通り、この神様は「三面六臂」の形式で表現されていますが
これも大黒天が持っている神徳の多様性を意味するものなのでしょう。
「大黒」という名称から、元々ヒンドゥーの教えでは今とは異なり
別の役割が与えられていたのかも知れません。筆者としては、
「大=偉大な」「黒=宇宙」の主が本来のイメージではないか、
そんな風に思ったりしています。
この大黒様も七福神の一人、一柱であり、市井の人々に
何らかの「福」を与えてくれる有難い神様なのです。
(終わり)
楽しく歴史や文学に親しみましょう
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