あやなし

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共通語にも同じ文言がありますが、出雲地方では「あやなし」の他、
次のような言い回しをすることが多いので方言として取り上げます。

  あのさんは、いつも弁がたつと言われとーが、
  聞いてみーと、なんだい、あやくちゃのない事ばっかで、
  ひとつだい分からんことが多い。
  ほんに、あやくたが無て、ついていけんが。

要するに、理屈に合わない「あやなし」の話しぶりが無茶苦茶で、
何を言おうとしているのか良く解らない、と批判されている訳ですが、
この「あや」は「or」であり、道理・理屈を意味しています。
それが「ない」のですから、相手にされない事になります。
また「あやくた」の「くた」は「ちり・あくた」の「くた」が
語源だと思われ「あや」が「くたくた」になって、つまり
時間と共に朽ちるように「使い物にならなくなって」しまった、
そんな状態を表わしているものだと考えられます。
「くた」については「くたぶれ」という言葉も出雲にはあり、
こちらは「疲れ」意味しています。

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