田舎の転校生 35 校内探訪も興味津々

(承前)  刷り上がった問題を盗み見るだけの時間はたっぷりあったが、遂に手に取ることは無く、ただ、機械仕掛けの人形の様に、枚数だけを念仏のように口に出し勘定しながら印刷を続け、インクの匂いを振りまく全ての用紙を先生まで早足で届けた。  その時、自分が試されているのだと云う思いよりも、先生の、無言の全面的な信頼に応えなければならないと…

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継体と三嶋 3 馬飼首は陵墓にも関与

(承前)  『大阪府全志』が云う、土地の開発者として「富貴繁栄を極め」「数代にわたって地域に居住した」という耳麻呂長者・伝説もあり、真相は闇の彼方に霞んでいますが、耳原という地名が「毛受野」の字と共に残されている事自体、珍しいとは思いませんか!  勿論、耳原古墳は六世紀後半の円墳(径約23m)、鼻摺古墳は七世紀初め頃に築造されたと考…

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田舎の転校生 34 試験用紙の印刷を手伝う

(承前)  そう言えば、こんな出来事もあった。その頃、試験の答案用紙は、小テスト、ドリルの類を除き、全て先生が自ら問題を考え、ガリ版を切り、作成していたが、三学期のある日の放課後、多分、全校見回りを終え、職員室へ報告に行った時だと記憶している。担任に挨拶を済ませ帰りかけると、先生が呼び止めた。    『もう、帰るだけやろ、先生ちょっ…

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