日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

同胞ブライダル事情を探る

2016-02-29 09:00:00 | ï¼ˆç†ï¼‰ã®ãƒ–ログ
 近年、親戚、友人、知人などの結婚式に参加することが急増した。伝統衣装を着る人、チャペルで式を挙げる人、自分たちでチャンゴを叩いて参加者たちと楽しむ人、手作りのメッセージカードを参席者全員に渡す人…さまざまな結婚式の形があって楽しい。

 イオ4月号では、近年の同胞の結婚式事情を特集する。若い世代の結婚式は、1世、2世たちの結婚式と比べてどう変わってきているのか? 最近のトレンドは…? また、結婚式を裏で支える人々の姿も紹介する。

 取材では同胞結婚相談所を訪ねたり、実際に結婚式にお邪魔したりもする。結婚式の楽しい雰囲気を伝えると同時に、在日同胞の結婚式について改めて伝えらえるような内容にしたい。(理)

「広がる“労働崩壊”」

2016-02-26 09:00:00 | ï¼ˆæ„›ï¼‰ã®ãƒ–ログ
 2日前のブログで(相)さんが書いていたが、いまの日本は本当に生きづらい世の中だと思う。
 2月22日放送のクローズアップ現代で、「広がる“労働崩壊”~公共サービスの担い手に何が~」と題して、公共サービスを担う現場で、低賃金で過酷な労働に苦しむ労働者たちをルポしていた。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3773_all.html
 公立の現場で働く職場が民間に委託され、その現場で働く保育士たちが全員非正規社員となったとのこと。給料は13万円ほど。
 番組内では、「2001年以降、国が推し進めてきた構造改革が引き金になったと指摘…
 保育分野では「公営保育所の運営費が高い」と指摘され、人件費の抑制を目的とした民営化が加速。株式会社も次々に参入し、民営化や民間委託が進められました」と。
 公立から民間に委託されることで、採算が重視され、賃金カット、ブラック企業化していってしまうのは、少し考えればわかることなのに。
 保育士たちの待遇がこれでは、質のいい保育サービスを望むことすらできないと共感した。
 と、同時に子どもを安心して預けられる場がどんどん減っていっていることに恐怖すら感じた。

 テレビをみながら、公立の介護現場で働いていた友人が、どんどん都内の介護現場も民間に委託されていく現状に嘆き怒っていたことを思いだした。
 いま月9では、民間の介護現場で派遣として、いいように働かされる若者たちが描かれているが、日本の雇用現場は崩壊に突き進んでいるように思えてならない。

 私たち在日も税金を毎年支払っているが、国に支払われた税金が必要とされるべきところに使われてないなと本当に思う。
 コスト削減などは保育や介護の現場など、福祉に向けられるものではなく、不必要に配備したPAC3等に使われる経費や思いやり予算を減らしたらどうだろうかと思えてくる。

 日本の友人はどんどん福祉が崩壊しているのに、それを推し進めようとする知事を支持する人たちが多いのがなぜかと憤慨していた(石原慎太郎が知事の頃)。
 当時は2007年位だったかと思うが、友人が憂慮していたように、介護や保育の現場などの福祉全般を支える法制度がたてられることもなく、崩壊の一途をたどっているような気がしてならない。
 多摩市のように自治体ならではの模索もあるようだが、自治体単位ではなく、もっと大きな枠組みで、弱者切り捨てをやめ良質な福祉を提供できるようにすべきだと思うのだが…。(愛)


インフルエンザの予防を

2016-02-25 09:00:00 | ï¼ˆï¼³ï¼‰ã®ãƒ–ログ
インフルエンザが流行している。実際は周囲にかかった人があまりいないので、実感がわかない。

学生の頃に何度かかかったことがあるが、早めの処方のおかげで、幸い症状は軽く済んだ。熱も1日ほどで下がり、ピンピンしたまま学校を休めるのが嬉しかったり…。

そういったこともあり、インフルエンザを特に警戒したこはなかったが、一度だけ予防接種をしたことがあった。去年、大学4年生のとき。この時期にサークルの最後の定期公演があり、まさかのインフルエンザで公演に出られなくなってしまっては大変だと思い、初めて予防接種にお金を使った。学生にとっては痛い出費だったが、かかってはいけない絶対的な理由がある場合は、今まではどうでもよかった予防接種にも積極的になるものだ。

社会人になるとなおさらだ。
もしインフルエンザにかかったら、予定していた取材や出張のスケジュールはどうなってしまうのだろう。想像するとヒヤッとする。学生時代と違って、仕事に支障をきたすことを考えると、自身の体調管理は本当に重要だと思う。(S)

ウェルカムボード=我が子?

2016-02-24 09:00:00 | ï¼ˆéº—)のブログ
(相)さんの結婚式で、ウェルカムボードの依頼を受けさせて頂いた。
ウェルカムボードは今まで何回か制作してきたが、毎回ちゃんと本人に似せることが出来るかとても心配になる。

頂いた数枚の写真を見ながら描いていくのだが、幸せそうににこやかに微笑んでいる写真を見ると、段々その笑顔が自分に向けられている様に思えてきてちょっと恥ずかしい。制作するときは毎回こういう気持ちに(勝手に)なってしまう。

受付に飾られたウェルカムボードを見ると、手塩にかけて育てた“我が子”の旅立ちを見る様で感動する。
「幸せになれよ…」と、ほんのり寂しさを感じつつも、新居に迎えられるであろう“我が子”を見送る。

このブログでも記事を書いたが、何年か前に地元の友達にウェルカムボードを描いた。
その子の家に何回か遊びに行ったが、自分が描いたウェルカムボードを玄関に丁寧に飾ってくれていた。
こうして自分が手掛けたものが誰かの生活に溶け込んでいき、当たり前のものとして側にあるというのはなんと幸せなことか、ととても感慨深かった。

ウェルカムボード制作を生業にしている人は、毎回こういった気持ちになるのだろうかと、ぼんやり思った。(麗)

生きづらい世の中

2016-02-23 09:00:00 | (相)のブログ
 「はてな匿名ダイアリー」のとあるエントリが各所で話題になっている。
「保育園落ちた日本死ね!!!」
 http://anond.hatelabo.jp/20160215171759

 何なんだよ日本。
 一億総活躍社会じゃねーのかよ。
 昨日見事に保育園落ちたわ。
 どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。
 …
 不倫してもいいし賄賂受け取るのもどうでもいいから保育園増やせよ。
 どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ。
 ふざけんな日本。


 保育園の入園審査に落ちた人の「心の叫び」が書き連ねられているエントリだ。
 子育て中の保護者が保育所または学童保育施設に入所申請をしているにもかかわらず、入所できない状態にある、いわゆる「待機児童」の問題が社会問題となって久しい。厚生労働省のまとめによると、2014年4月1日時点の待機児童数は日本全国で2万1371人。4年連続で減っているものの、6年連続で2万人を超えた。しかし待機児童のカウントの仕方は統一されていないため、正確な実態はつかめていないという。
http://digital.asahi.com/special/taikijido/?iref=special_taikijido_redirect
 待機児童の大部分は都市部に集中している。リンク先の記事によると、東京、埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪、兵庫の7都府県と、その他の政令指定都市・中核市で全待機児童の約8割を占めている。
 待機児童の問題は、
 保育士不足(保育士の処遇が低いことが要因だが、政府は処遇改善の予算をわずかしか取っていない)http://digital.asahi.com/articles/ASH9Y524SH9YUEHF00S.htmlや基準に見合う用地の不足などで新しい保育園をなかなかつくれないことが原因として挙げられている。

 私事で恐縮だが、このたび結婚した。これまで子育てやそれに関わる話題に接してもどこか遠い世界のことのように感じていたが、いざ自分が結婚し家庭を築く段になると、とたんに切実な問題として迫ってくるのだから不思議なものだ。上記のエントリにSNS経由で接した後、すぐさま自宅のある地方自治体のサイトから近隣の保育所と待機児童の数を調べた。
 日本政府の「対北朝鮮独自制裁」や朝鮮学校に対する無償化除外、補助金不支給の問題など、最近のニュースに接するたび、ますます生きづらい世の中になっているなぁ、とため息ばかりが出てきてしまう。(相)

劇団態変、12年ぶりの東京公演→3月11、12、13日

2016-02-22 09:00:00 | ï¼ˆç‘›ï¼‰ã®ãƒ–ログ


 今日は演劇の告知を。

 2015年から月刊イオで、連載「これは態変だ!」を執筆いただいている金満里さん。金さん率いる劇団態変の東京公演が3月11~13日に座・高円寺で行われる。実に12年ぶりの東京公演だ。

 劇団態変は、重度の身体障害者たちが織り成す魂のパフォーマンスとして世界中から注目される演劇集団。私も、1月末に主宰の金満里さんの話を初めて聞いて、どんなものかと沸々と興味が沸いている。

 今回上演する「ルンタ」では、チベット仏教にある「死者の書」という経典の世界を表現する。人が生きるために、絶対に避けては通れない生と死に迫るわけについて、金さんはこう話していた―。

 …チベット仏教に「死者の書」という経典がある。チベット仏教では、この書に沿って死後の輪廻転生への入口である49日間を死者が迷わずに進んでいくための法要を行う。遺族ではなく、関係のない他人が、死臭と腐敗にまみれながら、死者と一緒に暮らすのだ。チベットの人々の暮らしぶりにすごく驚き、これはすごいヒントやな、と思った。生きている裏返しの「死」を直視して、何か考えていけないだろうかと思った。

 ルンタは一言で文明批判。人間の価値が経済で決まり、経済で計られてしまう価値観そのものをどこかで変えていくことが、今本当に大急ぎで求められている。物質や資本がすべてなのか。それは、できないと思われているが、「できるんじゃないか」という答えを求めているのもたしか。

 きっと、自然の中で生活するということは、新たな道のりになる。現代人は、生活スタイルを含めて、全部をもう一度考えなおし、作り直さなければ。


 態変のパフォーマーたちが舞台でまとうのは、レオタード1枚。この演出については―。

 …服はひとつのメタファー。本当にその服を着たくて着ているのか? 着せられているのか―。私は服を疑問視している。

 多くの障害者は車椅子に乗ったり、介助者に助けられながら移動するが、地面に体をつけるしかないのが障害者。体こそが地面、寝たきりということが一番重要だ。だからそれを目立つように演出する。

 そこで求められるのが、パフォーマーと、かれらの動きを支える黒子の信頼関係。全身黒ずくめの黒子は役者の最高の演技を舞台上に実現すべく、袖裏の交通整理から役者の登場退場の際の幕介錯などを支え、何より身体障害者の動きを損なわぬため、実に繊細な動きが求められる。「心配せーへんでも受けて立つから」という黒子の包容力とパフォーマーのプライド。これが、価値観を転倒させる共存の世界を作っている。

 3月の舞台に向け、若い人たちが黒子に参加しており、エキストラには、重度の身体障害者も多くいる。このような実践にも、障害者たちの自由とは何か、という大きなテーマが潜んでいるように思える。

 …障害者は車イスに乗らないと社会に出られないように、健常者的に社会に出ている人に限って、障害の外の部分がイヤで仕方なかったと話す。つまり、障害者の多くは、自分の障害そのものを、どう認めていいのか、どう自己認識していいのか、わからない。それは、この社会が障害をあってはならないものと扱っているからで、私は過去、優生思想を掲げたナチスによって、障害者が病院や施設から直接、ガス室に連れて行かれ、大量虐殺された歴史を思い起こしている。今はまさに、かつての時代に来ている実感が、態変という身体表現に私を向かわせている。


 劇団態変のルンタ、東京ではなかなか見られません!

 チケット購入については劇団態変、イオ編集部までお問合せを(瑛)。

●「ルンタ(風の馬)〜いい風よ吹け〜」東京公演●

◇作・演出・芸術監督:金滿里

◇日時:3月11日(金)19:00、12日(土)13:00/19:00、13日(日)13:00 ※12日13:00公演終了後、アフタートークあり

◇会場:座・高円寺1(JR高円寺駅から徒歩5分、東京都杉並区高円寺北2-1-2)チケット(前売・当日共に同価格、全席自由)

◇料金:一般 4,000円/学生 3,000円/シルバー3,500円
  ※障がい者手帳をお持ちの方は、座・高円寺チケットボックスでのご予約に限り1割引き。車椅子スペースをご利用の方は、前日までお申し込み必要です(定員あり)。

◇ご予約:劇団態変 TEL/FAX 06-6320-0344 座・高円寺チケットボックス TEL 03-3223-7300(10:00〜18:00)

「朝鮮学校百物語」に思うこと

2016-02-19 09:00:00 | ï¼ˆï¼³ï¼‰ã®ãƒ–ログ

イオの連載「朝鮮学校百物語」の取材を何度かしました。
朝鮮学校にまつわるさまざまな話をまとめるもので、現在は「はじまり」というテーマで連載を進めています。

取材の前は、「何かいい話があるだろうか」と頭の中が漠然としています。地域の方もあまり知らないような話を掘り起こせるのか、限られた時間で取材が十分に出来るのかなど、実際は不安でもあります。それでも、取材を重ねると少しずつ見えてくるものがあったり、自分にとっての発見があったりと、とても印象に残る取材です。なによりも、貴重なお話を聞けた瞬間や、残っていないだろうと思っていた当時の写真を目にした瞬間は、宝石を見つけたような嬉しい気持ちになります。

昨日完成したイオ3月号では、広島朝鮮初中高級学校の吹奏楽部の創部初期について取り上げました。部活は、あくまで学校生活の一部にすぎませんが、生徒たちの中には「学校生活のすべて」といってもいいくらい全身全霊を注ぐ子たちがたくさんいます。部活に泣き、部活に笑い、そんな濃い時間をともにした部員同士の絆もとても深いものです。それほど学校になくてはならないものですが、部活の歴史というと、これまであまり考える機会がありませんでした。個人的に吹奏楽に触れたことはありませんでしたが、そんな意味で今回の取材はとても興味深いものでした。

広島初中高の吹奏楽部ができたころは、演奏どころか楽譜すら誰も読めなかったそうです。そんな時期に指導にあたってくれたのが日本の方だったことには驚きました。当時、部員だった金さんが、目を輝かせながら昔の思い出を語ってくれたのが印象的でした。「昔から、日本の方たちと手を取り合ってきた。在日や朝鮮学校に理解ある方たちの存在は大きな励みになった」(金さん)

部活の歴史に、このような形で日本の方との繋がりがあったということに感動しました。複雑な朝・日関係の中でも、個々人の絆が存在したということを改めて感じました。形は違っても朝鮮学校の無償化適用を求める運動や、いろいろな現場で今も変わらず、それぞれの絆があるということも。

日の目を見ていない物語が、一人ひとりの記憶の中にたくさんあります。それらを一つでも多く掘り起こすことで、未来につながる小さなヒントが見つけられればと思います。(S)

イオ3月号完成!

2016-02-18 09:00:00 | ï¼ˆæ„›ï¼‰ã®ãƒ–ログ
今日、イオ2016年3月号が完成しました!
3月号の特集は「モノつくる人々」。

近年、日本の「モノづくり」の現場にあらためて注目が集まっています。
在日朝鮮人も古くから靴やカバン製造、プラスチック成型など多種多様な仕事につきながら、日本の製造業の現場を下支えしてきました。
本特集では、確かな技術力で不景気の荒波を乗り越える町工場、伝統を受け継ぐ職人など製造業に従事する同胞たちにスポットを当てました。
モノづくりに対するこだわりとプライド、競争を勝ち抜くノウハウ、事業継承のポイントにも迫ります。
/特集リードより


今回の特集には、ものづくりを基盤から支える職人さんたちが紹介されています。
去年、ドラマ「下町ロケット」が人気だったそうですが、トンポの中にも生活を豊かにするために基盤から支えてくださる職人さんがいて、
決して目立ちはしないけれど、重要な仕事をしてくださることに敬意を感じました。


そして特別企画は「トンポのための年金問題Q&A」です!

2012年、「社会保障と税の一体改革」として、国会で年金関連法が計4法成立(年金機能強化法)し、年金制度が大きく変わりました。
これにより、2014年の消費税8%引き上げ時の制度改正に引き続き、来年2017年4月予定の消費税10% 引上げ時には、受給資格期間が25年(300ヵ月)から10年(120ヵ月)に大幅短縮されます。
この改正は、現在年金を受給していない在日同胞にも大きな関係があります。さあ、あなたにも年金受給のチャンスがあるかもしれません!
/特別企画リードより


年金に関して詳しく解説しています。ぜひお手にとってみて、ご自分の年金についても考えてみてください。

今月の表紙はジオラマを使った今までとはまた一味違った可愛らしいテイストになっています。
モノづくりの職人さんたちが語る吹き出しの中もぜひ読んでみてください。

そして、<短期連載>「私が見た、韓国ろうと朝鮮ろう」が始まりました。上・中・下の三回連載でお届けします。

その他の記事では、重度の身体障害者たちが織りなす魂のパフォーマンス―。劇団態変が12年ぶりに東京公演をするということで
主宰の金満里さんにインタビューをした記事「地べたに這う、転倒の舞台 ルンタ、いい風よ吹け」や
朝鮮学校生徒たちが優勝に貢献した第21回全国ジュニア・ラグビーフットボール大会の様子、
「韓日「合意」になぜ抗うか 日本軍性奴隷制という植民地犯罪を問う」と題して金優綺さんに寄稿して頂きました。

イオ3月号もぜひお手にとってみてください!(愛)



かごのなかの鳥

2016-02-15 09:00:00 | ï¼ˆç‘›ï¼‰ã®ãƒ–ログ
 もはや、この日本が牢獄にしか思えない。10日に発表された日本政府の対朝鮮独自制裁。その内容は、在日朝鮮人の再入国許可も出さないという、驚くべき内容で「在日朝鮮人の人質化」が一層進んだことに、この時代の闇の深さを感じた。

2007年から続く安倍政権の朝鮮制裁は、在日コリアンをジリジリと火にあぶるやり方で続けられてきたが、海外渡航すらも許さない悪態は、日本の外に出られなかった1970年代以前の状況を彷彿とさせる。制裁発表後、ある同胞の再入国許可の取消通知が出たし、今後も陰湿ないじめが続くだろう。

日本政府の制裁内容は以下。(首相官邸ホームページから)

…我が国は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するために何が最も有効な手段かという観点から真剣に検討してきた結果、以下の独自措置を実施することを決定した。

第一に、人的往来の規制措置を実施する。具体的には、以下の措置を実施する。

 1.北朝鮮籍者の入国の原則禁止
 2.在日北朝鮮当局職員及び当該職員が行う当局職員としての活動を補佐する立場にある者の北朝鮮を渡航先とした再入国の原則禁止(対象者を従来より拡大)
 3.我が国から北朝鮮への渡航自粛要請
 4.我が国国家公務員の北朝鮮渡航の原則見合わせ
 5.北朝鮮籍船舶の乗員等の上陸の原則禁止
 6.「対北朝鮮の貿易・金融措置に違反し刑の確定した外国人船員の上陸」及び「そのような刑の確定した在日外国人の北朝鮮を渡航先とした再入国」の原則禁止
 7.在日外国人の核・ミサイル技術者の北朝鮮を渡航先とした再入国の禁止

 第二に、北朝鮮を仕向地とする支払手段等の携帯輸出届出の下限金額を100万円超から10万円超に引き下げるとともに、人道目的かつ10万円以下の場合を除き、北朝鮮向けの支払を原則禁止する。

 第三に、人道目的の船舶を含む全ての北朝鮮籍船舶の入港を禁止するとともに、北朝鮮に寄港した第三国籍船舶の入港を禁止する。

第四に、資産凍結の対象となる関連団体・個人を拡大する。
……


 5日後の2月20日は、3年前、自民党政権が朝鮮高校を高校無償化から外すために(ハ)の規定を削除した日。高校無償化差別も「政治」を理由にした「立派な」制裁だ。

韓国への朝鮮籍者の入国が制限されていることと合わせ、植民地支配の歴史的経緯から日本に暮らすことになった私たちが、なぜこれほどの仕打ちを受けなくてはならなのか。歴史の歯車が戻っていく今、出口はあるのか―。私たちとともに、誰が声をあげてくれるのか。頭の中がうまく整理されない。とにかく、来月号に企画を組むことにした。

 今後、「朝鮮籍」者以外の在日コリアンにも、日本政府の制裁はジリジリと影響を及ぼすだろう。個々人のリスクヘッジだけではなく、在日コリアンが生き続けるための方途を探したいと思う(瑛)。 以下は高林敏之さんのFBから。

…発表された措置の第1項目には「北朝鮮籍者の入国の原則禁止」とあり、第2項目には「在日北朝鮮当局職員及び当該職員が行う当局職員としての活動を補佐する立場にある者の北朝鮮を渡航先とした再入国の原則禁止(対象者を従来より拡大)」とある。また第6・7項目には一定の「在日外国人の北朝鮮を渡航先とした再入国の禁止」を定めている。

 ここでは「北朝鮮籍者」に対しては「入国」、「在日外国人」に対しては「再入国」と、対応する用語が峻別されている。措置第5項等で「北朝鮮籍船舶」という語が使われていることと併せて判断すると、措置第1項にいう「北朝鮮籍」とは、日本の外国人登録における「朝鮮籍」の在日朝鮮人ではなく、《DPRKの国籍(船籍)を持ちDPRKないし日本国外から来航した人物(船)》のことを指すと見てよいだろう(「北朝鮮国籍」としないのは、日本がDPRKを国家承認していないがゆえ)。
 よって、またぞろ国際スポーツ競技会のたびに、DPRK選手団の入国をめぐって悶着する場面がありそうだ。

 逆に、「再入国」禁止対象に関して「在日外国人」の語を使っているのは、日本として正確に把握できない「在日のDPRK国籍所持者」に限定しない措置であるからだ。例えば、「対北朝鮮の貿易・金融措置に違反」してマツタケ取引などに従事し刑の確定した在日韓国籍者もDPRKを渡航先とした再入国禁止の対象となるということになるだろうし、核やロケット技術を専門とする在日外国人(コリアンとは限らない)の科学者は、おちおちDPRKに観光もできないということであろう。

 今回の注目点は、対象者の拡大された「在日北朝鮮当局職員及び当該職員が行う当局職員としての活動を補佐する立場にある者の北朝鮮を渡航先とした再入国の原則禁止」であろう。
「在日北朝鮮当局職員」とはDPRK最高人民会議の代議員である朝鮮総聯議長や朝鮮大学校学長ら数名を指すとして、「当該職員が行う当局職員としての活動を補佐する立場にある者」というのは、実に曖昧である。

 自民党の拉致問題対策本部による提言を受けて検討されていた、総聯の中央常任委員会委員・中央委員会委員をまとめて再入国禁止対象にすることは見送られた(ましてや朝鮮籍者全般に再入国禁止を適用するという乱暴な措置はさすがに採られなかった)。しかし、何をもって「当局職員としての活動を補佐する立場にある」と判断するかは日本政府側の勝手次第なので、なし崩しに対象者が拡大される恐れは拭えない。(毎日新聞:1月13日)http://mainichi.jp/articles/20160113/k00/00m/010/146000c

*とはいうものの、総聯が発行するDPRKパスポートを所持する在日朝鮮籍者が第1項目に該当する余地が全くないとも断定はできない。そういうあやふやさを残していることが、さらなる不安を与えることになる。

開城工業地区の操業、全面中断へ

2016-02-12 09:00:00 | (相)のブログ
 韓国(以下、南)政府は10日、朝鮮(以下、北)南西部、軍事境界線近くに位置する開城工業地区の操業を全面的に中断すると発表した。
 撤収作業は翌11日から始まっている。南の統一部は、工業地区を通じて北側に支払われた現金が「核兵器と長距離ミサイルを高度化するのに悪用された」と述べ、今回の措置が北側の核実験や人工衛星の打ち上げへの対抗措置としてとられたものであると明らかにした。南側はこれまで、開城工業団地だけは「南北経済協力の象徴」として制裁の例外としてきたが、今回、その方針の撤回に踏み切った。
 開城工業地区は2000年6月の北南首脳会談の合意を受けて造成され、04年に操業開始。南の企業が入居し、北の労働者が働く、北南経済協力事業としてスタートした。昨年11月の時点で韓国企業124社が進出しており、北側の労働者5万4000人あまり、韓国企業関係者800人あまりが働いている。年間生産額は5億ドルを超える。
 操業開始から11年。開城工業地区は何度か危機を迎えながらも稼動を続けてきた。2013年3月には北側が米韓合同軍事演習への対応措置として一時閉鎖したが、その後、両者の協議を経て9月から操業が再開された。この際、北と南は「中断の再発を防止し、情勢の影響を受けることなく…工業地区の正常運営を保障すること」に合意している。今回、南側はこの合意を破ったことになる。
 中断が長期化する可能性も指摘される中、工業地区に入居する南側企業への打撃は致命的なものになると指摘されている。韓国メディアは、「死刑宣告を受けたに等しい」「会社が存亡の危機に直面する」など工業地区の稼働中断を通告された進出企業の経営者の声を伝えている。工業地区の稼働が全面的に中断され、現地工場の設備や資材、完成品などを回収できなければ、南側の被害額が1兆ウォン(約950億円)に達するという試算も出ている。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/02/11/2016021100754.html

 北南関係の「最後の砦」として残っていた開城工業地区の稼動を南側が一方的に中断したことによって、両者をつなぐ糸は完全に切れた。経済的な損失より、こちらのほうが深刻な事態だと言わざるをを得ない。(相)


自転車通勤が恋しい

2016-02-10 09:00:00 | ï¼ˆéº—)のブログ
毎日の通勤で欠かせないのが電車。

事務所が東日暮里に移ってから、以前より電車に乗る時間が増え、
家を出る時間も20分程早くなりました。

毎日の満員電車にうんざりしている私にとって、以前していた自転車通勤が恋しい今日この頃です。

「じゃあ自転車で通ったら?」
そんな声が聞こえてきそうですが、いまの事務所から自転車通勤にすると、
通常よりも早く家を出ないといけないため、
それが何よりも億劫であり、45分以上もかけて漕ぐ体力もないため、やめました…。

いつもストレス満載な満員電車の中、「なぜ満員電車はなくならないのか」という壮大に無駄なことを延々と考えながら
押し寄せる人の波に毎日耐えています。(麗)

不思議な力

2016-02-09 09:00:00 | ï¼ˆç†ï¼‰ã®ãƒ–ログ
 霊感とか不思議な体験とは無縁の人生を送ってきたから、その手の話にとても興味がある。

 何年か前に読んだ本には、他人の寿命が見えてしまう人のことが書かれていた。それは普通の人の感覚とは逆で、例えば私たちが周りの人を見て、なんとなく「高校生くらいだな」とか「30代前半かな」とか「50代に見える」と分かるように(中には年齢不詳な人もいるが)、その人は「あと50年くらい」「8年ほど」「残りわずか」というのが分かるらしい。

 他にも、幽霊が見える人とか、人のオーラが見えるとか、守護霊が見えるとか、不思議な力というのは、普通の人が見ることのできないものを見る力、というのが多い気がする。

 オモニは昔、友達に連れられてよく当たると有名な占い師のところに行ったという。先に占ってもらっている友達の姿を見ながら、オモニが心の中で「こんなん当たるわけないじゃん」と考えた瞬間、占い師に「あなた今、こんなの当たるわけないって思ったでしょ」と言われたらしい。あからさまに表情に出ていたんじゃ…とも思うが、その時のオモニは怖くなってそのまま帰ったと話していた。

 普通の人には見えない色々なものが見えるというのはどんな感覚なのだろう。朝鮮の民話には、よく盲目の占い師がでてくる。目で見える以上のことが見える代わりに、通常の視力を失うのだそうだ。

 また、世の中には「共感覚」といって、いくつかの感覚を同時に感じることのできる人たちがいることを最近知った。人によって伴う感覚は違うが、例えば音に匂いを感じたり、色が見えたりする。これもすごく不思議な力だが、科学によって原因が解明されているという。なんでも、脳神経の一部に通常では見られない結びつきがあるのだとか。

 冒頭に書いた他人の寿命が見える人も、脳の構造によってそういう力を得たのだろうか? 科学的なものと霊的なものとの境界線は…? 考えれば考えるほど興味が沸いてくる。

 私自身はまだ、不思議な力を持った人に直接出会ったことはない。いつか実際に会って色々な話を聞くのが、ちょっとした夢である。(理)

広島無償化裁判第10回口頭弁論

2016-02-05 09:00:00 | ï¼ˆï¼³ï¼‰ã®ãƒ–ログ

広島朝鮮高級学校生たちが無償化適用を訴えた、広島無償化裁判第10回口頭弁論が2月3日、広島地裁で開かれた。
今回は被告(国)側が準備書面7を提出。前回原告側が提出した準備書面9、10に対する反論が行われた。

前回、原告である広島朝鮮学園が提出した準備書面9では、大阪のとある日本私立学校で5億円の不正流用があった以降も就学支援金が支給され続けている一方で、朝鮮学園については運営を問題視し無償化の対象から外しているのは、被告側の明らかな差別だと指摘。国が大阪の私立学校への就学支援金を打ち切らない理由を被告側に求めていた。

これに対し国は、大阪府を通じ、同校で不正経理があっても就学支援金に関する不正はないとの回答を得たと主張した。
国は、広島朝鮮学園を無償化から除外する理由を、規程13条が定める「運営の適正」に適合すると認めるに至らなかったとしている。今回の私立学校での不正流用は明らかに「運営の不適切」に該当するものであり、「就学支援金に関する不正」は全く異なる論点といえる。

また被告は、文部科学大臣の判断が不合理ではないと主張し、その裏付けとして、大阪市立大学の伊地知紀子教授の鑑定意見書を引用した。この鑑定意見書は大阪府内にある朝鮮学校全10校の保護者を対象としたアンケートをもとに作成され、大阪補助金裁判で過去に原告が提出したものだ。朝鮮学校における民族教育の意義を主張している。

そもそも、広島朝鮮学園は伊地知教授の鑑定意見書は提出していない。それにも関わらず本書面では、アンケートに書かれた保護者らの多様な意見から、朝鮮学校は総連と距離を置いた方がいいなどといった被告側に有利な記述だけを大量に引用し、意図的に悪用した。さらに無償化除外による経済的変化はなかったなどの保護者個人の記述を取り上げ、無償化制度からの除外と家庭での経済的問題は無関係であると主張した。

今回、原告は裁判官に学校を直接訪れ事実を確認してほしいとの検証申出を行った。また、校長先生、生徒、保護者、支援者、一橋大学の田中宏名誉教授の尋問申請を行った。

閉廷後の報告会では、被告側の主張に対する矛盾点を指摘、今後の裁判の流れについて説明が行われた。いよいよ次の法廷で生徒などの生の証言を聞く機会が設けられる予定だ。

第11回口頭弁論は4月20日の午前11時から行われる。(S)

美味しいお味噌汁を作りたい

2016-02-04 09:00:00 | ï¼ˆæ„›ï¼‰ã®ãƒ–ログ
今日は本の紹介をしたいと思います。

「おくすり味噌汁114」。
レシピ本ですが、114品もの味噌汁を紹介しています。
貧血、免疫力低下、二日酔い、イライラなど、その日の体調に合わせて食べたい味噌汁たちがたくさん紹介されています。

体を温める、エネルギーを補うなどの8章に分類されており、どれも簡単に作れそうな品ばかり。
単調になりがちな味噌汁レシピを豊富にしてくれます。
お味噌汁に関するコラムもついており、正に味噌汁に特化した本!

実家で生活していたころは、母が共働きで忙しくとも、真夜中に必ず具だくさんのお味噌汁を作り置きしてくれました。
朝にはそれを温めて食べる。
体質のせいか、朝が弱く朝食もがっつり食べれらない私は、朝食はそのお味噌汁とご飯だけで充分で、それだけでも力がでました。
韓国の親戚は実家に泊まると必ず辛い味噌汁を作ってくれました。
ある日は魚、ある日はお肉、そしてたっぷりの野菜がはいったお味噌汁はそれだけでもうごちそうです。

朝の毒消しともいわれる程、お味噌汁は栄養的にも素晴らしいらしいですね。
料理が苦手な私でもお味噌汁位はちゃんと作れるように、美味しいお味噌汁を沢山作ろう!と思い、いまこの本を読んでいます。
この中にでてくる、玉ねぎとチーズのお味噌汁は意外にも美味しく、家族にも好評でした。

日々の食生活、つい考えなしになってしまいますが、きちんと栄養があって、美味しいものを食べたい、食べさせたいと思う今日この頃です。(愛)




いつでも、どこでも

2016-02-03 09:08:02 | ï¼ˆç‘›ï¼‰ã®ãƒ–ログ


 昨日、(相)さんがアナウンスをしていたように、在日コリアンを取り巻く社会課題が解決をみず、朝鮮半島をめぐるメディアの状況も変わらないなかで、日々「ミニコミ」の仕事を続けていると、時にこの方法で果たして何を変えられるんだろうか、と頭を抱えることがあります。

それでも、このハンパな気持ちは、声を挙げ続ける人たちにカツを入れられます。

 昨日も大阪府庁前で181回目の火曜行動があり、今日はソウルで水曜集会があり、今週は文科省前で金曜行動が続きます。なかでも、水曜行動は1000回を超えています。

昨年12月末に日本と韓国側が日本軍性奴隷問題を永遠に消しさるための「合意」とやらを発表しましたが、声をあげなければ、苦しみ続けたサバイバーたちの存在は、人々の記憶から消えていくことはまちがいない。こんな焦燥感と苛立ちが募るなか、ネット上でこんなプロジェクトを見つけました。

언제 어디서나 수요집회―(いつでもどこでも水曜集会)  
https://tumblbug.com/forgetnever

被害者たちが心から望む謝罪を実現させるためのクラウドファンディングでした。

 平日の昼間にたとえ水曜行動の場に行けなくても、トレーナーを着たりして、「日常的に、感覚的に」参加しませんか、と呼びかけています。

見ると、20代のデザイナーさん3人が立ち上げたサイトでした。サイトをスクロールしていくと、プロジェクトの趣旨が一目瞭然! キャッチーなタイトルはやはり、コピー作りに長けているからでしょう。

また、被害者のハルモニの声を聞ける動画や、性奴隷問題を知るためのアニメなどもあり、プロジェクトの趣旨がスッと入ってきます。お金がなくても大丈夫!だと、スマホの待ち受け画面も準備している。

色んな人が色んな形で参加できるっていいですね。(瑛)