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大そうじへの備え
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評価: ある夜、巨大な膜にすっぽり覆われてしまったため、空から星や月が消え、地球の時間だけが1億分の1の速度になっていた。人類は、太陽が膨張して、やがて地球を呑み込んでしまう運命にあることを知る。SFというと、天文用語や科学用語のてんこ盛りを想像して敬遠しがちだったが、この小説は主役達の感情表現がきっちり描かれていて、最後まで飽きなかった。裕福な家に生まれ、優秀なリーダーの素質を持ち、現代の危機を科学で解明しようとするジェイスン。高圧的な父と酒びたりの母に反発して、宗教に救いを求めるジェイスンの姉・ダイアン。医師というジェイスン寄りの職業を選びながら、ダイアンに惹かれている二人の幼なじみ・タイラー。危機に陥った時に、人間が救いを求めるもの「理性=科学」「感情=宗教」を対照的な姉弟に仮託し、その狭間で揺れるタイラーが人間の象徴のようだ。政治家の暗躍、火星人の出現、謎の病出現による世情不安など
「絶望的な状況の中でも、パンクに生きる。それがオトコだ。」 角川春樹監督が「繊細さと男の色気を併せ持つ、新しいタイプの役者」と絶賛する、俳優の大森南朋さん。数々の映画やドラマに出演し、次世代の日本映画界を支える名俳優として、注目を集める。同性をも魅了する"存在感"を持つオトコが選んだ一冊とは――。 「活字中毒が愛した本。そこには類まれな男の生き様があった。」 漫才師・浅草キッドとして活躍する水道橋博士さん。芸能界屈指の格闘技通であり、希代の健康マニアでもあり、政界・財界にも精通する。あくなき探求心と徹底した行動力。そんな "ルポライター芸人"を育んだ一冊とはーー。 「人生は博打の連続。そう考えれば、世界が変わる」 名人・立川談志をして「古典落語で言えば、どんな落語家よりもコイツがうまい」と言わしめた落語家・立川談春。今もっともチケットがとりづらい落語家のひとりでもある。談志に惚れ込み、飛び
作家の読書道 作家自身は、どんな「本屋のお客」なんだろう? そしてどんな「本の読者」なんだろう? そんな疑問を、作家の方々に直撃インタビューです。 第86回:枡野浩一さん 口語調の短歌で、今の時代の人の気分を的確に表現し、圧倒的な人気を得ている枡野浩一さん。短歌以外にもエッセイや漫画評、小説などさまざまなジャンルで活躍、その世界を拡大させ続け、さらには膨大な知識量でも私たちを刺激してくれています。相当な読書家なのでは、と思ったら、ご本人はいきなり謙遜。しかしお話をうかがうと、意外な本の話、意外な読み方がどんどん出できました! 爆笑に次ぐ爆笑のインタビューをお楽しみください。 その1「運動が苦手で読書に傾く」 その2「忘れられた作家シリーズ」 その3「ちょっぴり王道からずれた読書生活」 その4「スカスカ本シリーズ」 その5「昔から大ファンだった作家さんと対談」 その6「自作について」
お笑いのみならず、格闘技からサブカルチャー、政財界にも精通する水道橋博士さん。少年時代は「引きこもりの文系オタクだった」という。そんな水道橋博士少年の人生を大きく変えたのは2冊の本だった。 「思春期の頃、『ルポライター事始』に出会って、ルポライターに強烈に憧れたんですよ。でも、ストイックに正義をつらぬくことができるのかというところで、つまづいてしまった。そんな時に出会ったのが、殿の初めての自叙伝『たけし!』です。この2冊と出会っていなかったら、芸人にもならず、まったく違う人生を歩んでいたかもしれません」 水道橋博士さんは芸能界きっての格闘技通であり、読書家としても知られる。しかし、ご本人は「読書という行為そのものよりも、本を読んでいる人を見るのが好き」だという。 「本を読んでいるうちに、アナザーワールドに飲み込まれていく人を見るのがものすごく好きなんですよ。すごく面白い本に出会うと、
名人・立川談志をして「古典落語で言えば、どんな落語家よりもコイツがうまい」と言わしめた落語家・立川談春。今もっともチケットがとりづらい落語家のひとりでもある。談志に惚れ込み、飛び込んだ落語の世界。厳しい修行を乗り越え、正解のない芸の世界を生き抜いてきたオトコが読んできた本、そして座右の一冊とはーー。 誰も見向きもしない。だからこそ落語にハマった 落語との出会いは中学の図書室にあった落語全集。当時は一大ブームを巻き起こしていた漫才の話で盛り上がるクラスメイトを尻目に、落語に傾倒していった。 「他人が盛り上がっていると素直にそれに乗れない性格だったんですね。自分独りで盛り上がれるところがまた嬉しくて。寄席に入ったこともなければ、テープを聴くわけでもないのに、いっぱしの落語通気取り。当時の僕にとって、落語とは“読むもの”だったんです」 幼い頃から本が好きで、学校で推薦図書を大量に注文し、親に
いい天気だったので、先週使ったテントを隣の公園で干す。風通しを考え、組み立てて置いておいたら、いつの間にか近所の幼稚園児の秘密基地にされていた。 朝から仕事場へ。最近は外を歩くと、そこらじゅうでキンモクセイの匂いがして気持ちがいい。ところが、あ、キンモクセイ、と思ってあたりを見回しても、十回に九回はキンモクセイがない。 一度アップしていたつもりのサブカル・コラムが、微妙に心に引っかかっていたので、それをやっぱり手直し。さらにジョン・カーターさんに頼まれた別の原稿5枚の下書き。 夜のニュースで、宇都宮駅前のギョーザ像が、運搬中に落っことしたため半分に割れた、と大々的に報じていた。天変地異の前触れではないか。 ニュースによると、世界経済は同時株安で、恐慌寸前らしい。ギョーザ像は、きっとそのことを伝えたかったのだ。 飯嶋和一『出星前夜』(小学館)を読む。『始祖鳥記』で見せた圧倒的な取材力と
第83回:穂村 弘さん (ほむら・ひろし) チャーミングな口語短歌、トホホ&ニヤリな散文で人気を博している穂村弘さん。あの作風は、どんな読書体験から生まれてきたのでしょう。思春期の膨大な読書歴の背景には、実はとてつもなく切実な思いが託されていました。世界に対する思い、作品に対する思い。たっぷりと語ってくださいました。 (プロフィール) 1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』(沖積舎)でデビュー。2008年、『楽しい一日』で第44回短歌研究賞、『短歌の友人』(河出書房新社)で第19回伊藤整文学賞(評論部門)を受賞。また石井陽子とのコラボレーション『It's fire,you can touch it』(「火よ、さわれるの」)でアルスエレクトロニカ・インタラクティブアート部門honorary mention入選。短歌のみならず、近年はエッセイなどの散文でも幅広い人気を
第82回:柳 広司さん (やなぎ・こうじ) 歴史上の史実や有名人を絡ませ、ハードボイルドなミステリ作品から、ユーモラスな謎解き譚まで、幅広い作風で楽しませてくれる柳広司さん。シュリーマンやソクラテス、漱石まで登場する作品が生まれる背景には、相当な読書遍歴があったのではと思ったら、やはり、タダモノではありませんでした! 記憶に残る本たちはもちろん、学生時代の読書会のエピソードなど、楽しいエピソードが満載です。 (プロフィール) 1967年三重県生まれ。神戸大学法学部卒。1998年、『挙匪(ボクサーズ)』で歴史群像大賞佳作。2001年、『黄金の灰』(原書房)でデビュー。2001年『贋作「坊ちゃん」殺人事件』で第12回朝日新人文学賞受賞。2006年に刊行した『トーキョー・プリズン』は日本推理作家協会賞の最終候補作品になる。他に、『新世界』『はじまりの島』『聖フランシスコ・ザビエルの首』『ジョー
第19回:椎名 誠さん (しいな・まこと) 地球上のいたるところを縦横無尽に駆け巡り、あらゆる場所を読書スペースにしてしまう旅と読書の達人、椎名誠さん。 4月18日に本の雑誌社から発売された『いっぽん海ヘビトンボ漂読記』に、旅と読書にまつわる話がフンダンに書かれてはおりますが、椎名さん流の読書スタイルをさらに解明してほしいというファンの熱い要望に応えまして、「WEB本の雑誌」編集部員が直撃インタビューを行ってまいりました。 (プロフィール) 1944年東京生まれ。 1979年より、小説、エッセイ、ルポ等の作家活動に入りました。 これまでの主な作品は、『犬の系譜』(講談社)、『岳(ガク)物語』(集英社)、『アド・バード』(集英社)、『中国の鳥人』(新潮社)、『黄金時代』(文藝春秋)など。最新刊は、『絵本たんけん隊』(クレヨンハウス)、『かえっていく場所』(集英社)、『モヤシ』(講談社
第75回:花村萬月さん (ハナムラ・マンゲツ) 暴力、性、宗教、歴史。さまざまなテーマとモチーフで衝撃作を発表し続ける花村萬月さん。福祉施設で中学生時代を送り、その後は各地を放浪し、さまざまな職業を経験してきた半生の中で、出会った本とは? 厳しかった父親、放浪の青春時代、小説を書くきっかけ、そして文章に対する繊細な思い。波乱万丈なバックグラウンドとともにその読書道を、京都・百万遍にある喫茶店でおうかがいしました。 (プロフィール) 1955年東京生まれ。サレジオ中学卒。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第二回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞を受賞。同年、大長編『王国記』の序にあたる『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞を受賞。著書に『ブルース』『風転』『鬱』『守宮薄緑』『虹列車・雛列車』『百万遍』『私の庭』『錏娥哢た』『父の文章教室』などがある
第74回:万城目学さん (マキメ・マナブ) 京都の大学生たちが、小さなオニを操って戦うという奇妙キテレツなホルモーなる競技。奇想天外な青春譚『鴨川ホルモー』で06年第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞してデビューした万城目学さん。この作品が各メディアで話題となり、07年発表の第2作『鹿男あをによし』は直木賞候補に。あっという間に人気作家となった青年は、どんな読書遍歴を辿ってきたのか? とっても気さくな万城目さん、読書話も愉快です! (プロフィール) 1976年大阪府出身。京都大学法学部卒。 2006年、『鴨川ホルモー』で第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。第2作『鹿男あをによし』は直木賞候補に。 ――万城目さんは大阪出身ですよね。幼い頃はどんな本を? 万城目 : 幼稚園の頃は、なんていうんだろう、横に細長い絵本が家にいっぱいあって、それが好きだったことを覚えています。覚えている
出版業界がマイナス成長にあえいでいる中で、ひときわ元気な出版社があると聞いた。その名は英治出版株式会社。社員わずか数名の小出版社ながら、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の山田真哉さんのデビュー作『女子大生会計士の事件簿』シリーズのヒットをはじめ、ビジネス系を中心に数多くのベストセラーを排出。いまや国境をこえ、韓国でも出版活動を行っているという。 その英治出版が、出版のハードルを下げるために「ブックファンド」という仕組みを提唱、数多くの成功を収めているという。コンテンツ制作に対しファンドを組んで資金を募る、というのは欧米の映画などでときどき聞くが、日本、しかも出版ではまだまだ馴染みが少ない。いったい、どのようなものなのか? 同社代表取締役の原田英治氏に話を聞いた。 (取材日:2005年12月) ●『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』はブックファンドのおかげで誕生した!? →GO ●小出版
第70回:米澤穂信さん (ヨネザワ・ホノブ) 古典部シリーズ、小市民シリーズなど、高校生を主人公にした“日常の謎”で人気を博し、昨今では探偵小説、ダークな青春小説、そして新刊『インシテミル』では殺人ゲームを描くなど、作品の幅をどんどん広げている新鋭エンターテインナー、米澤穂信さん。幼い頃から物語を作るのが好きだった彼は、どんな作品の影響を受け、どんな物語を作ってきたのか。その読書歴&創作歴が分かります。 (プロフィール) 1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を授賞しデビュー。青春小説としての魅力と謎解き面白さを兼ね備えた作風で注目され、第3長編『さよなら妖精』は大好評を博した。他の著作に『春期限定いちごタルト事件』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番「十文字」事件』がある。 ――幼い頃から、物語を作るのが好きだっ
第69回:乙一さん (オツイチ) 17歳の若さでデビュー、残酷さと切なさの混在するテイスト、あっといわせるプロットで一気に多くのファンを獲得した乙一さん。本名で映像作家としても活動している彼が、幼い頃から現在に至るまで、影響を受けたものとは? 物語を創造するヒントを受けた作品が続々登場する読書道、乙一さんの原点が垣間見えます。 (プロフィール) 1978年10月21日、福岡県生まれ。 17歳のとき「夏と花火と私の死体」で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞する。2003年、連作短編集『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。代表作に「GOTH リストカット事件」(2003年)「ゴーストは小説家が好き」(2004年)など。 『それいけズッコケ三人組』 那須正幹 (著) ポプラ社 630円 (税込) >>Amazon.co.jp >> 本やタウン 『ジム・ボタ
第68回:有川 浩さん (アリカワ・ヒロ) 自衛隊三部作と呼ばれるデビュー作からの三作、「本の雑誌」が選ぶ2006年度上半期エンターテインメント第一位に輝いた『図書館戦争』。ミリタリー&ラブな要素をたっぷり盛り込んだ有川浩さんの作風は、どんな読書道から生まれたのか? ラストにショックを受けて10年間も引きずったといういわくつきのファンタジーをはじめ、数々の思い出の本が登場します。 (プロフィール) 高知出身。第10回電撃小説大賞「塩の街」にて作家デビュー。 代表作は「空の中」「海の底」「図書館戦争」「レインツリーの国」など。 有川 : いろんな種類の本が、無造作に転がっている家だったんです。親の本棚も手の届くところにありましたし、セールスマンが「お子さんにこれはいかがですか」と売り込みに来る、世界の童話シリーズの薄い本が100冊入っているボックスとか。親はそれを買うわりには「読め」とは
第65回:森見 登美彦さん (モリミ・トミヒコ) 生真面目な言葉遣いでアホなことを繰り出し爆笑を誘う。そんなデビュー作『太陽の塔』で一気に人気炸裂、現在も天然黒髪乙女と善良妄想青年の恋と奇天烈な騒動を描く『夜は短し歩けよ乙女』が話題の森見さん。幼少期のお気に入りの絵本はもちろん、あれです! そしてロボットや宇宙に憧れた森見少年が、諧謔味ある文体に辿り着くきっかけは、実は大学時代のむにゃむにゃ時代にあったようで…。 (プロフィール) 1979年、奈良県生まれ。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程終了。2003年『太陽の塔』(新潮文庫)で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。独特の文体と奇想に満ちた作風を身上とする。他の著書に『四畳半神話大系』(太田出版)、『きつねのはなし』(新潮社)がある。 ――1番古い、読書の記憶というと? 森見 : 1番昔は絵本ですね。母が買っ
第64回:阿部 和重さん (アベ・カズシゲ) 構想において手法において、つねに小説という手段で冒険を続ける阿部和重さん。新しい試みを続ける彼も、実は、過去の本からさまざまな影響を受けているといいます。はじめて自分で買い、今でも大きな存在となっている本とは? 小説の“発見”となった一冊とは? そして、いつかはこんな小説を書いてみたい…と思っている、名作のタイトルとは。意外なタイトルが次々飛び出すインタビューとなりました。 (プロフィール) 1968年9月23日、山形県東根市神町生まれ。94年『アメリカの夜』で群像新人文学賞、99年『無情の世界』で野間文藝新人賞、2004年『シンセミア』で伊藤整文学賞及び毎日出版文化賞(文学・芸術部門)、05年『グランドフィナーレ』で芥川賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ABC戦争―plus 2 stories』『ニッポニアニッポン』『映画覚書 Vol.1』『
第7回:川上 弘美さん (かわかみ・ひろみ) 大人気の「作家の読書道」第7回目に登場するのは、今年「センセイの鞄」で谷崎潤一郎賞を受賞された川上弘美さん。編集部は、三鷹を訪ね、「うんうん」と頷き、澄んだ文章そのままのたおやかな言葉で話される川上さんのお話に耳を傾けました。 (プロフィール) 1958年東京都生まれ。中高一貫の女子校から、お茶ノ水大学理学部生物学科へ。卒論のテーマは「ウニの生殖」。その後、田園調布雙葉中学校に勤務。結婚、旦那さまの転勤とともに専業主婦に。 94年、デビュー作「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞受賞。96年に「蛇を踏む」で第115回芥川賞を受賞。99年には、同「神様」でBunkamuraドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞を受賞、また「溺レる」で伊藤整文学賞、女流文学賞受賞。01年には、「センセイの鞄」で第37回谷崎潤一郎賞受賞。 ―― 本屋さんへはどれくらいの頻
第29回:小川 洋子さん (おがわ・ようこ) さまざまな作品世界で私たちを“静謐な”世界に導き、特に昨年度刊行された『博士の愛した数式』では、数式の美しさを物語の中にドラマティックに織り込みながら、記憶が80分しかもたない博士ら愛すべき人々の姿を暖かい眼差しで描き、深い感動を与えてくれた小川洋子さん。高校生の時に“書く”ことに目覚めた彼女が辿ってきた読書道とは? その道筋を、たっぷりと教えていただきました。 (プロフィール) 1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞を受賞。主な著作に、『冷めない紅茶』『やさしい訴え』『ホテル・アイリス』『沈黙博物館』『アンネ・フランクの記憶』『貴婦人Aの蘇生』『偶然の祝福』『まぶた』など。 ――やはり幼い頃から文学少女だったのでしょうか? 小川洋子
<お知らせ> 今月の新刊採点・単行本班の更新は2008年9月を持ちまして終了とさせていただきます。
『赤い蝋燭と人魚』 小川 未明 (著) 酒井 駒子 (著) 偕成社 1,470円(税込) >> Amazon.co.jp >> 本やタウン ※夏石さんがお探しの版とは異なります 『赤毛のアン』 モンゴメリ (著) 村岡 花子 (著) ポプラ社 1,365円(税込) >> Amazon.co.jp >> 本やタウン ――幼い頃の読書体験で記憶に残っているものは何でしょう。 夏石 : 5歳くらいで読んだ小川未明の『赤いろうそくと人魚』ですね。私は東京・葛飾の四つ木にいたんですが、今思うと母は古本屋で買ってくれたんじゃないかな。挿し絵を覚えているんですが、モノクロのとても悲しい、西洋の人魚姫とは違って、魚に近い人魚の絵だったんです。そのもの悲しい感じが、とても好きでした。 ――挿し絵を鮮明に覚えているんですね。 夏石 : はい。その後、松戸に引っ越したんですけれど、その際に子供の頃に読んだ本
第9回:長嶋 有さん (ながしま・ゆう) 「猛スピードで母は」で第126回芥川賞を受賞したばかりの、長嶋有さんの登場です。日常を淡々と、独特の文体とユーモアセンスで描く長嶋さんですが、その発想の素になっているのは、なんとマニアックなコミック群だったんですねえ。第9回「作家の読書道」は期せずして、マンガ好きにも見逃せないインタビューとなりました。 (プロフィール) 1972年埼玉県生まれ。東洋大学2部文学部国文学科卒業。会社勤務を経て、「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞を受賞。同作は第125回芥川賞候補作となり、高く評価された。続いて発表した「猛スピードで母は」で第126回芥川賞を受賞。 長嶋 : 岩明均の『雪の峠・剣の舞』ですかね。岩明均は初期に『風子のいる店』という、どちらかというと地味めな喫茶店マンガを描いていたんですが、その地味な作品の次があの『寄生獣』。その落差にかなりの計
第60回:中原 昌也さん (ナカハラ・マサヤ) 非常に個性的かつ魅惑的な作風で、読者を奇妙な感覚に誘ってくれる中原昌也さん。小学校時代のSF好きに始まり、実に幅広い読書歴の持ち主。音楽活動でも実績を持ち、映画にも精通している彼は、どんな本を好んできたのか。そして、そんな彼の目から見た、今の文学とは? 忌憚ない、生の声を聞かせてくれています。 (プロフィール) 1970年生。2001年『あらゆる場所に花束が……』で第十四回三島由紀夫賞を受賞。著書に『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』『名もなき孤児たちの墓』など。 『宇宙戦争』 H.G. ウェルズ(著) 東京創元社 630円(税込) >> Amazon.co.jp >> 本やタウン 『ひまつぶし』 クロード・クロッツ(著) ハヤカワ文庫 357円(税込) ※絶版 >> Amazon.co.jp 『SFベスト・オブ・ベスト(上・下)』 ジ
第59回:法月 綸太郎さん (ノリヅキ・リンタロウ) 非常に論理的に構築された推理小説で、私たちをいつも唸らせてくれる法月綸太郎さん。今回はお住まいのある京都でお話をうかがいました。 とっても穏やかに話してくださる姿が印象的。読書歴から広がって、ミステリー小説の歴史や、京大ミステリ研のエピソードなど、興味深いお話がたっぷりです。 (プロフィール) 島根県出身。 京都大学法学部卒。 在学中は京大推理作家研究会に所属。 1988年『密閉教室』でデビュー。 以後ロジカルかつ大胆な推理で読者を圧倒する本格ミステリを次々と生み出す。 2002年には『都市伝説パズル』で第55回推理作家協会賞短編賞を受賞。 近著に『生首に聞いてみろ』『怪盗グリフィン、絶体絶命』などがある。 『エルマーのぼうけん』 ルース・スタイルス・ガネット(著) 福音館書店 1,155円(税込) >> Amazon.co.jp
第49回:島本理生さん (しまもと・りお) 若い世代の、壊れそうなくらいの切ない思いを、確かな文章で綴る島本理生さん。まだ22歳ながら、今や人気作家の一人。中学生の時にすでに雑誌で文才を認められていた彼女は、やはり幼い頃から本好きの少女だったようです。ずっと作家になることを意識していた女の子の読書歴とは? (プロフィール)1983年東京生まれ。1998年初めて応募した『ヨル』で「鳩よ!」掌編小説コンクール第2期10月号当選、年間MVPを受賞。2001年『シルエット』で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。2003年都立高校在学中に『リトル・バイ・リトル』が第128回芥川賞候補となり、大きな話題を呼ぶ。同年、第25回野間文芸新人賞を最年少で受賞。2004年、『生まれる森』(「群像」2003年10月号)が第130回芥川賞候補となる。2005年『一千一秒の日々』刊行。思春期の繊細な感情や心の痛みを
第30回:金原ひとみさん (かねはら・ひとみ) デビュー作の『蛇にピアス』で、いきなり20歳で芥川賞を受賞し、04年初頭の読書界の話題をさらった金原ひとみさん。ご本人はというと、世間の大騒ぎに踊らされることなく、地に足のついた、非常にしっかりした印象の女の子。独自の文章世界を持ち、きらめく才能で我々を圧倒した彼女は、一体どんな本を読んできたのか。劇団「大人計画」が大好きという意外な一面も交えて、お話ししてくれました。 (プロフィール) 1983年8月東京都生まれ。99年文化学院高等課程中退。「蛇にピアス」で第27回すばる文学賞受賞。第130回芥川賞受賞。 ――小さい頃って、本を読んでました? 金原ひとみ(以下金原) : いえ、読んでいませんでした(笑)。幼稚園にあがる前くらいの、本当に小さい頃は、親に読んでもらってはいたんですけれど。 ――では、読書の喜びに目覚めたのはいつになるのでしょ
第16回:森 絵都さん (もり・えと) 飛び込みをテーマにした青春もの『DIVE!!』を完結させたばかりの森絵都さんの登場です。「作家になろうと思った時、最初に目指したのが児童文学だった」と語るとおり、児童文学の賞も数多く受賞されています。 その読書や本選びには、森さんならではの「ツボ」があるそう。それはシュールで健やかな世界とユーモアのエッセンスということなのですが……。 (プロフィール) 1968年東京都生まれ。第31回講談社児童文学新人賞受賞作『リズム』でデビュー。同作品で第2回椋鳩十児童文学賞を受賞。主な著書は、『ゴールド・フィッシュ』、『宇宙のみなしご』(第33回野間児童文芸新人賞・第42回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞)、『アーモンド入りチョコレートのワルツ』(第20回路傍の石文学賞)、『つきのふね』(第36回野間児童文芸賞)、『ショート・トリップ』など。 ――森絵都さ
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