(2)年間総労働時間 -100年間で1,200時間の短縮- 製造業従事者の1日平均労働時間は、今世紀初頭の段階では、10時間以上に上っていました。年間では合計3,000時間以上も働いていたのです。 1920年代以降は、ほぼ9時間台で推移して戦後時期を迎えますが、戦後は、労働基準法などの労働関係法規が整備されたことにより、8時間台に減少し、その後現在に至るまでこの水準はあまり変わっていません。近年、1日あたりの労働時間が大幅に短縮したという傾向は特にみとめられないのです。 ただし年間労働時間については、週休2日制の普及などの影響により、かなり短縮がみられ、1960年前後では2,500時間近くに上っていたのに対し、現在は1,900時間台にまで短くなっています。さらに明治期と比べると、年間労働時間は1,200時間以上も短縮されたことにより、この面に関しては勤労生活の改善がすすんだとみることができ