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今年の「かわいい」
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昨冬、米ニューハンプシャー州にあるドーバー公立図書館は6週間にわたり、ファストファッションの代替として衣服を貸し出すサービスを提供した。 (※本記事は気候変動やよりよい未来に役立つ情報を掲載する非営利メディア『Grist』に2024年6月26日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています) 注目の取り組み、「衣服図書館」 今年初め、ニューハンプシャー州ドーバー市の図書館では、通常貸し出している本やCDの棚に加えて、衣服のラックが登場した。12月から1月中旬までの毎週日曜・月曜に、ドーバー公立図書館の講堂で新しいタイプの貸し出しサービス、「衣服図書館」の実証が行われたのだ。来館者は、1人5点までを2週間レンタルできた。レンタルできる衣類は冠婚葬祭など「特別な場で着る服」を中心に集められており、パーティーのドレスや結婚式の衣装、スキー旅行用の防寒具など、一度だけ着ることが多い服が対象だった。
安倍政権の規制改革の一つとして「健康食品の機能性表示」の解禁が発表された。トクホは費用がかかりすぎ、中小企業の参入障壁となっているからだ。農産物にも機能性表示ができ、農業分野も注目の動きである。 2013年7月の参議院選挙において与党は過半数を超え、アベノミクスによる経済活性化が評価され、6年ぶりにねじれを解消した。アベノミクスは、いわゆる三本の矢からなる経済再生に向けての処方箋である(右図)。 大胆な金融緩和である第一の矢、機動的な財政政策である第二の矢により、足元の経済と雇用を固め、円安とインフレターゲットで輸出産業の振興を図る。その後第三の矢として、新規産業の創出・育成のステージに移り、規制改革とベンチャー育成という将来の経済発展に向けた施策が実施されることになる。私は安倍総理の諮問会議である規制改革会議委員であり、本稿ではアベノミクスと規制改革の行方について議論したい。 2013年
アメリカ発の国際NGO、ルーム・トゥ・リードがこれまでに建設した図書館・図書室は、16,060室、児童書の配布1,330万冊、学校建設1,752校、教育機会を与えた子どもたちは約880万名に上る(2013年末時点)。同NGOは、2000年の活動開始以来、成長著しいIT企業を超えるようなスピード感で事業を拡大してきた。 創設者ルーム・トゥ・リード創設者 John Wood(ジョン・ウッド)ルーム・トゥ・リード 「すべての子どもに教育を」壮大なビジョンを立てる 「世界中の『すべて』の子どもが、幼いうちから読み書きの教育を受け、母国語の本を読めるようにする」―ルーム・トゥ・リードの創設者、ジョン・ウッドが掲げた壮大なビジョンだ。このビジョンが、どれほど大きな目標か、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が発表している数字を見れば明らかだろう。 ユネスコによれば、学校に通えない子どもは、約5,700
東京2020パラリンピックを機に、障害者スポーツや社会における多様性への理解が深まることが期待される。国内外から訪れる障害を持つ選手や観客への対応によって社会のバリアフリー化が進むことも、そのレガシーとして望まれる。 2010年の北京パラリンピックにおけるボッチャの試合。右は日本の廣瀬隆喜選手 1964年東京パラリンピックで 始まった日本の取り組み 国内では1964年東京パラリンピックを機に、障害者スポーツへの取り組みが始まった。それ以前も障害者のスポーツはあったが、組織的に取り組まれるようになったのは、この大会の開催が決まってからだ。 大会以前は、いわば障害者が社会で隠されているような状態だったが、パラリンピックを機にその存在が可視化された。以降、障害者スポーツの制度が確立されてきたのは、この大会の最大のレガシーといえる。さらに1998年の長野パラリンピック前後には、障害者スポーツを「ス
ひび割れを自己治癒するコンクリート――。インフラの長寿命化につながる新マテリアルが昨年リリースされた。量産化を成功させたのは、北海道に本拠地を置く會澤高圧コンクリート。CO2排出削減が難しいコンクリート業界にあって、脱炭素にも寄与する新技術の開発経緯を聞いた。 バクテリアがコンクリのひびを修復 會澤高圧コンクリートは、北海道苫小牧市に本社を置く創業85年を超えるコンクリートメーカー。生コン・プレキャスト製造とこれらを用いた基礎地盤事業を柱に据える。北海道新幹線車両基地や札幌駅など大型インフラ事業を手がけつつ、常に最新技術を現場に実装してきた。 同社が量産技術を確立し昨年11月より生産を開始した〈Basilisk(バジリスク)〉は、ひび割れに代表されるコンクリートの損傷を、バクテリアの代謝機能を活用し自動的に修復する"自己治癒コンクリート材"。いわば人の傷口が自然治癒するようなもので、コンク
苦境にある外食産業の活路は、どこにあるのか。飲食店向けの予約・顧客管理サービスを提供するトレタの中村仁社長は、外食産業は積極的に中食・内食の領域へと向かうべきであり、店舗は「自分たちの世界観を伝えるメディア」だと明確に位置づけるのも1つの方法と説く。 「外食」にとどまらず、 「食」ビジネス全体を視野に ――トレタは、全国約1万店を超える飲食店に導入されている予約・顧客管理サービスを提供し、外食産業を支援しています。外食産業は苦境にありますが、コロナ後の復活に向けて何が重要になると見ていますか。 中村 今、外食産業には大きなパラダイムシフトが求められています。これまでの成功の定石が、ことごとく真逆になりました。例えば、コロナ禍前は店内にできるだけたくさんのお客様を入れて「密」をつくるのが当たり前、立地は駅前の一等地や繁華街を狙うのが定石でした。ところが今や、家賃の高い繁華街にお店を持っている
東京五輪で女子バスケットボールのメダル獲得のキーパーソンとなりそうな選手といえば、この姉妹。ともにアンダーカテゴリーから日本代表で活躍し、また、そのまぶしい笑顔と明るいトークでメディアの人気者にもなっている馬瓜エブリン選手とステファニー選手だ。大きな壁も乗り越えてきた若きふたりが目指す先には、スポーツ界の新たな道筋が広がっている。 文・油井なおみ 馬瓜 ステファニー、馬瓜 エブリン(女子バスケットボール日本代表) バスケットボールとの出会いが 辛い日々を乗り越える力となった ドライブでシュートに切り込むスピード感と圧倒的な攻撃力が持ち味の馬瓜エブリン、24歳。腕の長さを生かしたシュートやリバウンド、またここぞというときの器用なプレイが光る馬瓜ステファニー、20歳。 姉妹といえ、性格もプレイスタイルも真逆だが、それぞれの持ち味が試合を大いに盛り上げる期待の選手だ。 「バスケットボールの魅力は
日本の現代演劇を牽引してきた劇作家が、2019年、地方に移住する。東京の「こまばアゴラ劇場」を拠点に活動してきた平田オリザ氏は、自ら主宰する劇団「青年団」を兵庫県豊岡市に移転。その地で世界最大の国際演劇祭の実現を目指している。 平田 オリザ(劇作家・演出家・青年団主宰 城崎国際アートセンター 芸術監督) 地方移住を決断した理由とは ――兵庫県豊岡市に移住し、劇団も移転される理由をお聞かせください。 平田 2021年4月、豊岡市に演劇を必須科目とする県立大学「国際観光芸術専門職大学(仮称)」の開校を構想中です。私は数年前から同大学の設立に携わっており、初代の学長候補となっています。 それで、豊岡にいないと学長は務まらないので移住しようということです。ただ劇作家・演出家としての活動をやめるわけではないので、移住するなら劇団員を連れていかなければならない。それで、劇団ごと移転することしたんです。
日本で「エシカル」や「オーガニック」、「サステナビリティ」などの価値観に基づく消費を広く浸透させるのは難しい――。CIRCULAR ECONOMY JAPANの代表、中石和良氏は、経済合理性で選ばれる商品・サービスの開発をとおして、持続可能なライフスタイルを提案する。 CEで世界に遅れをとる日本 ――2013年にBIO HOTEL JAPAN(ビオホテルジャパン、BHJ)を設立されました。どういった狙いだったのですか。 中石 当時、日本ではオーガニック商品のビジネスがなかなか浸透しませんでした。また、消費者が持続可能なライフスタイルを志向しても、そのための商品・サービスの選択肢が限られます。オーガニック商品の多くは海外からの輸入品であり、価格帯も高めになっています。 何か新しい切り口がないかを模索しているときに、宿泊客の健康と環境に配慮するホテルの認証「BIO HOTEL(ビオホテル)」を
学生時代に会社を作る若者が増える中、キャリアの選択肢としての起業に注目が集まる。新卒後に就職せず、起業するとどうなるか。経済状況や結婚、仕事への満足度は。リクルートワークス研究所の解析結果が、初職で起業した人の意外な実態を明らかにした。 日本では、教育を終えた若者の大多数は企業・団体に就職して「社会人」になる。就活をして内定をもらい、4月になれば一斉に被雇用者としての毎日が始まる。雇われずに働く人になるのはごく一部だ。 このような、卒業即起業の道を選んだ「初職起業選択者」は、経済・社会的にどんな状態にあるのか。リクルートワークス研究所研究員の古屋星斗氏は、同研究所の持つデータを活用し、分析した成果を2018年に発表した。この研究から垣間見えたのは、従来のイメージを覆す初職起業者の姿だ。 収入多く、仕事満足度が高い起業者 古屋氏はこの研究テーマを選んだ動機について「日本には新卒一括採用という
人が普段、目にするのは1階であり、魅力的なまちは1階が活気にあふれている。建物の1階が、まちに開かれたものになれば、そこからまちは変わっていく。「1階づくりは、まちづくり」を実践するグランドレベルが、「喫茶ランドリー」の運営に乗り出した。 東京都墨田区千歳の住宅街にある「喫茶ランドリー」。築55年の建物の1階、もともとは手袋の梱包作業場として使われていた場所をリノベーションした 日本の1階は寂しすぎる――。1階の価値に着目し、1階を豊かにすることを目指す会社、グランドレベルが企画・運営する店舗が「喫茶ランドリー」だ。 「喫茶ランドリー」は、東京都墨田区千歳の住宅街にある。グランドレベルの代表・田中元子氏が知り合いの不動産会社、創造系不動産から築55年の建物の活用について相談され、もともと手袋の梱包作業場として使われていた1階の空間を「喫茶ランドリー」にリノベーションした。 「かつては倉庫や
海水魚が海水よりも早く育つという驚きの効果を持つ「好適環境水」。この新しい水は、場所を問わず魚の養殖を可能にするだけでなく、資源の枯渇・過疎・労働人口の減少など、様々な問題解決に貢献する。 海水魚は海水でしか育てられない。そんな誰もが疑いもしなかった「常識」を覆したのが、岡山理科大学の山本俊政准教授が開発した「好適環境水」だ。ナトリウム・カリウム・カルシウムという魚の代謝に必要な3種類の電解質を真水に加えたもので、しかもその濃度は海水と比べて非常に低い。 この好適環境水は単に海水魚を育てるだけでなく、海水よりも早く成長させるという驚くべき効果を備えている。しかも味が良く、真水と施設稼働用のエネルギーを確保できれば、場所を問わず養殖が可能になる。さらに病気の発生率が極めて低いため、薬の投与が必要なく、海水や人工海水よりもコストが圧倒的に低い。まさに良いこと尽くめの「夢の水」だが、その誕生には
移住した「定住人口」や観光による「交流人口」ではなく、「関係人口」への注目が増している。しかし、過去の国の動向を見ると、新しい概念を提起して予算を獲得してきた歴史があり、言葉の表面に惑わされることなく、従来の取り組みを再発見していく姿勢も求められる。 議会質問における 「関係人口」の経緯 昨年から注目を集める概念に「関係人口」がある。例えば、富田能成・横瀬町長は、2018年度の施政方針の中で「現時点では、まず一歩一歩、『ヒト・モノ・カネ・情報』の流入を促すことによる、交流人口、関係人口の増加と町の活性化の取り組みを継続していきたいと思います」と述べている。そのほか関係人口に着目する首長は多い。 関係人口の定義を確認する。総務省の「これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会」によると、関係人口とは「移住した『定住人口』でもなく、観光に来た『交流人口』でもない、地域や地域の人々と多様に関わ
高速無線サービスの背骨は、大量の情報を安定的に、素早く送受できる光ファイバー網。観光客のSNS投稿やスマート農業などのため、あらゆる場所で、高速ネット接続の需要が生じている。総務省は新規の大型予算で、光ファイバーの整備を進める計画だ。
TSUTAYAは「自己実現お手伝い業」として、本を売るのではなく、ライフスタイルを提案する。特別講演に登壇したカルチュア・コンビニエンス・クラブの増田宗昭社長兼CEOは、「世界一の企画会社」をビジョンに掲げる同社の戦略、ライフスタイル提案の未来を語った。 自分らしさを発見できる場所 2018年3月、パナソニックとの「共創」により、『二子玉川 蔦屋家電』内にオープンした『RELIFE STUDIO FUTAKO』。それは、新しいライフスタイルを提案し、「住まい」と「くらし」の気づきと発見をもたらす場となっている。 『RELIFE STUDIO FUTAKO』は「住まい」と「くらし」を彩る、ライフスタイルのコミュニティスタジオ カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、1983年に創業。当時から増田宗昭社長兼CEOが目指していたのは、「ライフスタイルを提案すること」だった。 「創業時に掲
今、林業でもITの活用が進められており、先進的な取り組みは、「スマート林業」などとも呼ばれている。新たなテクノロジーは、林業を効率化するだけでなく、「経営」そのものを変えていく可能性を秘める。 woodinfoは、3Dレーザースキャナによる森林計測の技術を開発。個々の木について、どのように丸太を取れば収益が最大化できるのか、どの木を伐採し、どの木を残せば儲かるのかなどを、シミュレーションすることができる 「林業は、改革が進んでいない産業の代名詞的な存在。古くからある産業特有の障壁があるため、ブルーオーシャンが存在します」 中村裕幸氏は、2011年創業のwoodinfoの代表取締役を務める。起業前、在籍していた大手ゼネコンでは建築資材の物流改革を担当し、共同配送システムなどを構築。抜本的な物流改革を実現し、成果をあげていた。 林業へ足を踏み入れたのは2003年頃、国のバイオマス研究プロジェク
世界各地にほぼ無尽蔵に存在する石灰石を主成分としながら、紙やプラスチックの代わりとなる新素材「LIMEX」が注目を集めている。それは、水や木材の使用量を大幅に削減し、世界の持続可能性のあり方を、根本から変えていく可能性を秘める。 LIMEX名刺は、すでに1400社以上が採用。食品容器など、プラスチックの代替製品としての用途も期待されている EUは、2021年までにプラスチックの容器や包装に対する課税の導入を検討している。これに先立ち、フランスは2020年までに使い捨てのプラスチック食器などの使用を全面的に禁止することを表明した。また、ケニアでは、2017年8月よりビニール袋の使用を禁じる法律が施行されている。 プラスチックのような環境負荷が高い素材の製造・使用が、世界的に見直されている中で、今、日本発の革新的な新素材が注目を集めている。2011年設立のベンチャー、TBMが開発したLIMEX
ウェブメディア『cakes』と、クリエイターと読者をつなぐサービス『note』を展開し、コンテンツ課金の事業モデルを確立して、成長を遂げているピースオブケイク。加藤貞顕CEOが描くcakes・noteのこれから、さらなる拡大に向けた戦略とは。 ――ピースオブケイクは、2012年に『cakes(ケイクス)』、2014年に『note(ノート)』をリリースしました。それぞれ、どういった狙いだったのですか。 加藤 cakesは週150円・月500円で2万本近い記事が読み放題になるウェブメディアです。50社以上の出版社と提携してコンテンツを配信し、インターネット上で雑誌に代わる新しいメディアとなっています。 cakesは作家・クリエイターが記事を書いていますが、これからは作家だけでなく誰もが表現する時代に変わっていきます。そのためのサービスがnoteです。 noteは、個人が自由にコンテンツを制作・
メディアアーティストや大学の研究者として活躍しながら、2015年に会社を立ち上げ、CEOに就任。落合陽一氏は、テクノロジーベンチャーの「経営者」として、何を目指すのか。先進テクノロジーの事業化や成長戦略、今後のビジョンについて話を聞いた。 ――2015年にピクシーダストテクノロジーズを立ち上げられました。なぜ、実ビジネスにも力を入れるのですか。 落合 社名のピクシーダストテクノロジーズとは「魔法技術」を意味し、魔法のように生活に溶け込むコンピュータ技術を表しており、自らの会社で自分の研究成果を社会に実装していきます。 日本の大学は、基本的に研究成果を事業化しません。また、企業と共同研究する場合でも、大学の研究者側はリスクをとっていません。 僕は2017年12月、「デジタルネイチャー推進戦略研究基盤」を筑波大学内に設立しました。それに伴い、筑波大学助教を退職し、同基盤の代表・准教授として改め
事業を構想し実践するビジネスデザイン 今号から「経営×デザイン」を基軸に、昨今急速に広がりつつある「ビジネスデザイン」をテーマとする連載を開始する。初回は、経済産業省と特許庁が公表した報告書「『デザイン経営』宣言」の意味を、委員の論考を交えながら分析する。 いつからか。イノベーションという言葉が潮流跋扈し、それに反比例するように革新的なものが日本では生まれてこなくなったのは。 なぜなのか。デザイン思考が時代の寵児となったのは。その導入で事業のクリエイティビティは高まり、実際の経営に資しているのであろうか。 こうした状況だからこそ、今一度、本質的に経営とデザインの関係を考察するために本連載を始めたい。 キーワードは「ビジネスデザイン」。これは次世代のビジネスを深い視座で構想し、価値創出のための仕組みを立案し、美しさを感じさせるビジネスモデルをデザインすることとする。 初回は、産業と知財を司る
22歳にして5軒のホテルを経営する新進気鋭のホテルプロデューサー、龍崎翔子氏。今年4月、北海道に新たなホテルをオープンした。ユニークなキャリアと、ホテルビジネスの可能性を語った。 4月に北海道層雲峡にオープンしたホテルクモイ。古びた旅館を再生したホテルで、水タバコを楽しめるスペースやビリヤードが並ぶプレイラウンジ、暖炉のあるシアタールームなどが整備されている 2018年4月、北海道の大雪山の麓にある道内有数の温泉街、上川町層雲峡で一軒の古びた旅館が「ホテルクモイ」としてリニューアルオープンした。黒岳ロープウェイの前に位置し、バスターミナルにもほど近い便利な立地のそのホテルは、層雲峡で異色の存在だ。 温泉宿といえば「癒し」をテーマにした和風の内装を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、「ホテルクモイ」に一歩足を踏み入れると、ヒビの入ったコンクリートやメタリックなステン素材が目に入る。エントラン
日本を代表するアウトドアブランドを一代で築き上げたスノーピーク・山井太社長と、インバウンドメディアで急成長を続けるスタートアップ、MATCHA・青木優社長の2人が、これからの観光ビジネスの行方、新しい市場をつくり出すために必要なことを語る。 (左)山井太・スノーピーク 代表取締役社長 (右)青木優・MATCHA 代表取締役社長 ――スノーピークは、自治体向けのコンサルティングなど地方創生事業を強化しています。インバウンド(訪日外国人)観光については、どう見ていますか。 山井 少子高齢化、人口減の時代となり、日本の将来について暗いイメージを持つ人が多くなっています。しかし、私は日本の将来を悲観してはいません。 実際に調べてみると、中国、インド、アメリカなどを別にすれば、ほとんどの国が日本よりも人口が少なく、それでいて人間的な生活という側面で見たら豊かな国はたくさんあります。 経済的に言うと、
アーケードを撤去し、開放感のある緑化空間にリニューアルした福山本通・船町商店街。通行人が増加し、30店あった空き店舗は10店以下まで減少。新しい商店街デザインはどのように生まれたのか。 2016年7月にオープンした福山市本通・船町商店街「とおり町Street Garden」。アーケード天蓋を撤去して上空にステンレスワイヤーを架け渡し、合計7,000本の植樹を実施した。歩きたくなる商店街に生まれ変わったことで、空き店舗問題の解消にも繋がった(写真提供:福山観光コンベンション協会、撮影:小畠由紀子) 空と緑に囲まれた商店街 広島県第2の都市である福山市。その中心部の本通・船町商店街が2016年7月に「とおり町Street Garden」としてリニューアルオープンした。 商店街の代名詞であるアーケード天蓋は撤去し、そのかわりに上空に約7,000本のステンレスワイヤーを架け渡し、開放感のある空間に
いま、日本の大企業はさまざまな取り組みでイノベーションを起こそうとしている。しかし、日本企業独特の文化や体制がイノベーションの妨げになっているとも言われる。ゼロワンブースターの鈴木代表が語る、日本企業の課題と対策とは。 取材・ 0→1 Booster Conference 日本の大企業の中には実は多くのアイデアが眠っているが、事業化はされにくい(写真はイメージ) 日本企業が、世界を驚かせるような、あるいは社会を変えるような事業を生み出していたのは、いつの頃だろうか。いま、大企業は変化の激しい市場のなかで存在感を示そうと四苦八苦している。新規事業開発、特にベンチャーと大企業のオープンイノベーションの重要性は広く認識されるようになった。しかし、成果を出している企業はほんの一握りだろう。
人口約8500人、埼玉県の小さな町が今、新ビジネスの実験場として注目を集めている。横瀬町が展開する官民連携プラットフォーム「よこらぼ」は、なぜ成果をあげているのか。富田能成町長に、「よこらぼ」を支える強みや努力、地方創生の行方について、話を聞いた。 多くの若者やクリエイターが訪れる横瀬町。「日本一チャレンジする町」を目指し、様々なプロジェクトが展開されている ーーー横瀬(よこぜ)町は今、新しいプロジェクトの実証実験の場として、多くの企業、ベンチャーを呼び込むことに成功しています。 富田 2016年9月末にスタートした官民連携プラットフォーム「よこらぼ」が成果をあげています。 簡単に言うと、「よこらぼ」は企業・個人を問わず、「あなたのやりたい事業や研究を横瀬町でやってください」と広く呼びかけ、地方創生や新しい公共サービスにつながるアイデア、先進的なプロジェクトを町に呼び込む仕掛けです。 採択
5年間のアベノミクスの下、「デフレではない」状態にたどり着いた日本経済。とはいえ少子高齢化は止まらず、介護が必要になる高齢者は増えていく。この課題を解決し、成長を継続すべく、生産性を改善する仕組みの構築を計画している。 Photo by DS80s 2018年(平成30年)戌年、新規事業の構想に役立ちそうな国の施策、政策にはどんなものがあるだろうか。 観光業にとって歴史的な年に 2018年は、観光業や不動産業においては歴史的な年となることが決まっていると言っていいだろう。6月15日には民泊新法が施行され、空き部屋を旅行者に貸すビジネスが法的な裏付けを得る。と同時に、自治体への届け出義務が生じ、年間の稼働日数を制限するなどの規制も受けるようになる。 民泊の合法化を受け、これまで参入に慎重な姿勢を見せていた大企業も、先行している中小企業と連携する形で、民泊事業への参入を始めた。みずほ銀行は、米
群馬県高崎市にある山名八幡宮の境内にはカフェとパン屋があり、施設内では英会話教室や放課後デイサービスが開かれている。取り組みを始めて参拝者は5倍に。異色の神社が目指すのは「地域のより所」だ。 公共施設としての神社 神社、という場所にどういうイメージを持っているだろうか。安産や受験合格などの祈願、七五三やお宮参り、初詣といった特別な目的、特別なお祝い事のために行く場所という印象を持っている方も多いだろう。 しかし過去、特に第二次世界大戦より前の時代には集会所や子どもたちの学び舎としても使われ、地域の公共の場としての機能を持っていた。当時のこうした機能を取り戻そうと様々なユニークな取り組みを行っているのが、群馬県高崎市にある山名八幡宮だ。 山名八幡宮は840年以上の歴史を持ち、子育て・安産の神社として有名 平安時代後期に創建され、2025年には850周年を迎える山名八幡宮。室町時代、後醍醐天皇
大学在学中の22歳で起業し、料理レシピ動画の『クラシル』で躍進。同サービスは2017年8月、アメリカの先発サービスを抜き、レシピ動画数で世界一になった。delyの堀江裕介CEOは「多くの企業が戦略を間違えている」と、自社の成長に自信を見せる。 「20代で、(企業価値が)1000億円の企業をつくりたい」 真剣そのものの表情でそう語るのは、delyの代表取締役CEO、堀江裕介氏だ。現在25歳の堀江CEOは、2014年4月、慶應義塾大学在学中の22歳でdelyを立ち上げた。 そして2016年2月、料理レシピ動画の『kurashiru(クラシル)』をスタート。現在、動画再生回数は月間で1億7000万回、SNSのフォロワー数は230万人を超える。2017年8月にはアメリカの先発サービスを抜き、レシピ動画数世界一を達成した。 『クラシル』は、「20代で1000億円企業」という目標から逆算し、やるべき事
ゆるやかな丘陵地が広がり、「日本で最も美しい村」連合にも加盟する北海道美瑛町。同町で地域おこし企業人として、ITを活用した観光振興に取り組む佐竹氏は、「地方には、『域外』をマーケットとする経営者が不足している」と語る。 美瑛町は「丘のまち」として知られ、年間170万人の観光客が訪れる。その美瑛町において、佐竹氏は新たな観光マーケティングを仕掛けている 北海道のほぼ中央に位置する美瑛町。東京23区がおさまるほどの面積のうち、70%以上が山林、約15%が畑地で、美しい景観が観光資源となっている。 そんな美瑛町に、ヤフーは2012年、廃校を活用して研修所を設置。それを契機に連携協定を結び、2016年10月には「地域おこし企業人」としてヤフー社員を町に派遣している。 白羽の矢が立てられたのは、公私にわたり数々の地域プロジェクトに携わってきた佐竹正範氏だ。 「ヤフーでは、広報やブランド・マーケティン
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