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今年の「かわいい」
www.newsweekjapan.jp/tanaka
<北朝鮮など近隣諸国との軍事的緊張の中にあり、またデフレからの完全脱却までもうひと押しの状況にもある。石橋湛山が八月十五日に、新しい日本の針路とした小国主義とリフレ主義は今も重要な指針となる> 石橋湛山(1884-1973)は、戦前・戦後にわたって活躍した言論人・ジャーナリストであり、また戦後は政治家としても活動し1956年には内閣総理大臣にまでになった。石橋の主張は、リフレ主義(デフレを脱却して低インフレ状態で経済を活性化する政策)や、「小国主義」を安全保障の観点から採用するものだった。 小国主義とは、1921年のワシントン軍縮会議を契機にして、当時の日本の植民地やその獲得の野心の放棄を唱えた。「朝鮮、台湾、満州を棄てる、支那から手を引く、樺太も、シベリアもいらない」「一切を棄つる覚悟」で、軍縮問題に挑むことを主張した。当時としては絶対的少数派の意見といえた。 経済合理的な判断での小日本
WHY@DOLL「WHY@DOLL」(2017/8/1 on sale) 2nd ALBUMティザー映像- Youtube <北海道出身で、東京を拠点に活動する二人組アイドルWHY@DOLL(ほわいどーる)。アイドルというフィルターを通して、癒しを得ることができるのは、彼女たちのライブ以上のものはなかなかない> 先日、ホリプロダクションの創業者である堀威夫氏と鼎談をする機会を得た。そのときのテーマは「中三トリオ」であった。1970年代を代表するアイドル―森昌子、桜田淳子、山口百恵の三人だが、正式なグループではない。たまたま同じオーディション番組「スター誕生!」で前後してデビューして、それぞれがブレイクしたため、そのような「愛称」が独り歩きしたのである。 堀氏と話しながら、私はこの「中三トリオ」といういわば日本のアイドルの原型の魅力を考えた。それは「人に対する丁寧な応対」と「純粋さ」である。
非常に驚く記事を読んだ。ニューズウィーク日本版ウェブに6月28日に掲載された、ロイターの伊藤純夫(編集 田巻一彦)による"日銀の原田審議委員「ヒトラーが正しい財政・金融政策をして悲劇起きた」" と題された記事だ。 深刻な誤解を世界の読者に与えた この題名しか読まない人は、あたかも原田泰審議委員が、ヒトラーの政策を「正しい」ものとして肯定したかのような印象をうけとったのではないか。実際にこの記事へのコメントには、少数ながらそのような反応がある。さらに深刻なのはこの記事の海外版の見出しであり、Bank of Japan policymaker Yutaka Harada praises Hitler's economic policiesとある。つまり「原田泰日銀政策委員がヒトラーの経済政策を賞賛した」というものとして掲示されている。これは深刻な誤解を世界の読者に与えたであろう。 もし原田審議
<韓国では、政権と財閥グループとの関係を叩き、破壊すること、いわば「構造的要因」を正すことに国民は熱狂している。しかし、韓国経済の停滞の真因は、構造的なものではなく、むしろ総需要の持続的な不足にこそその原因がある> 朝鮮半島のリスクが急速に高まっている。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を数年以内に実用化する目処がついたという報道がされている。その射程範囲は、米国本土まで達するだろう。これはアメリカにとっては静観することは安全保障戦略上不可能である。また中国も米国など国際世論に圧されて北朝鮮への批判のトーンを高めている。マレーシアでの金正男暗殺事件をみせられた国際社会では、北朝鮮の暗黒面が急速に拡大し警戒を強めている。 また韓国は、朴槿恵氏は弾劾裁判によって大統領の職を失った。また大統領への収賄容疑で、最大派閥のサムスングループのトップであるサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が
人のこころを救う歌唱力 2016年年末、フリージャズ専門の名店荻窪ベルベットサンで、若田部昌澄(早稲田大学教授)、安達誠司(エコノミスト)、山形浩生(評論家)ら、著名な「リフレ派」の面々を前にして、若き歌手が絶唱を繰り広げた。 鈴木花純(かすみ)、二十二歳。ミスコンに出てもおかしくない整った顔立ちと黒目勝ちの大きな瞳、流れる黒髪。地味といっていいくらいのワンピースで華奢な体をつつみ、だがその歌声は、その場にいたリフレ派や満員の観客を、ぐいぐいその世界観にひきこむ迫力に満ちたものだ。偶然に、機材のトラブルで伴奏が絶えた中でも、鈴木花純は動揺することなく、アカペラで持ち歌の「ゆきか」を歌いきる。まさに絶唱だ。その見事さは、パフォーマンス終了後、経済評論の世界では手ごわいリフレ派の面々が、彼女のCDを買い求めたことでも明らかだ。 本日のイベントの模様です! pic.twitter.com/KaS
<日本経済新聞が掲載した内閣官房参与の浜田宏一氏へのインタビューが、予想外の反応を引き起こしている。浜田参与が、金融緩和によるデフレ脱却を否定したという解釈だが、これはあまりにもバカバカしい> 浜田参与へのインタビュー記事に予想外の反応 イェール大学名誉教授で内閣官房参与の浜田宏一氏は、国際的にその業績を認められた偉大な研究者であり、また今日の日本経済の「導師」とでもいうべき地位にある人物だ。筆者もまた学生時代からいままでうけた学恩は計り知れない。ところで最近、浜田参与のインタビューを日本経済新聞が掲載した(11月10日朝刊、ネット掲載はこちら)。この記事が予想外の反応を引き起こした。それは浜田参与が、従来の主張である金融緩和によるデフレ脱却を否定したという解釈である。これはあまりにもバカバカしい見方である。 浜田参与のインタビューを素直に読めば、金融緩和でアベノミクス当初1,2年は成功し
<人工知能が人間の能力を超えた後の経済を予測して話題の井上智洋著『人工知能と経済の未来』。経済学の問題として、この未来社会を考える> 人工知能(AI)が囲碁で世界トップ棋士に勝ったことで、認知能力や画像認識などで人間を上回るその「知性」に国際的な注目が集まった。特にこの対局に使用されたグーグル社の開発した「アルファ碁」はいわゆる汎用型AIと呼ばれるもので、碁というゲームに特化したものではなく、通常の人間と同じように碁のルールを学び、自分で(人間が現実には実現できない数量の)自己対局を繰り返すことで、みずから学習しただけだった。 つまりその学びのプロセスは、人間と大差ない。しかしそれは量的にも質的にも天才といわれる人間をも超える水準となっていることが特徴だ。この人工知能には汎用性があるので、碁だけではなく、およそ人間がいま携わるすべての知的活動に応用可能になる。これがもし本当に実現すれば、人
<クリントン政権のときの労働長官であったロバート・B・ライシュの主張を基にしたドキュメンタリー『みんなのための資本論』に注目しながら、ライシュによる現代社会への処方箋を読み解く> 経済の話題を理解できる、優れた映画がいくつもある。特にここ数年では、ノンフィクションで見るべきものが多い。大相撲の八百長のメカニズムなど、人間の行動動機を追った『ヤバい経済学』、リーマンショックに揺れる世界を描いた『インサイド・ジョブ』(アカデミー記録映画賞受賞)、辛口ドキュメンタリーを発表し続けるマイケル・ムーアの『キャピタリズム』『シッコ』など、日本公開されたものも多い。ムーアの最新作の『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』は、欧州各国の雇用・社会保障の美点を広く紹介していて刺激的だ。 ロバート・B・ライシュの「好循環」の図式 今回注目したいのは、クリントン政権のときの労働長官であったロバート・B・ライシュの
<日本の文化経済を支える柱のひとつとなっていたアイドル市場。欧米で人気を高めるグループがある一方で、国内アイドル市場はゆるやかに縮小し、構造的な変化を迎えている。その中で、「脱アイドル化」する西恵利香の例を紹介したい。> 緩やかに縮小し、構造的な変化を迎えているアイドル市場 日本の文化経済を支える柱のひとつは、間違いなくアイドル市場である。以前、試算したことがあるが、ざっと市場規模は2500億円。活動している女子アイドルの数は5000人前後だといわれている。経済規模も大きいが、また世界的な知名度でも日本の文化をリードしている。欧州を中心に人気の高いPerfumeやBABYMETAL、そしてアジア圏ではAKB48グループの知名度は、アイドルの枠を超えて広がっている。 他方でアイドル市場が変わり目に来ているのも事実だ。多い時では月に十数グループも業界から姿が消える。またグループだけではなく運営
<9月21日の日本銀行の金融政策決定会合では、リフレ政策の「補強」が行われた。大胆な金融緩和にむけての「政策転換」ではないが、いままでの政策を大きく「補強」する手段を日銀が明確にしたことを大きく評価したい。> 従来の量的・質的緩和政策を「補強」したもの 9月21日の日本銀行の金融政策決定会合では、リフレ政策の「補強」が行われた。筆者はこの決定を、今年冒頭のマイナス金利政策導入の数倍好意的に評価したい。日本のメディアの多くは、今回の政策を「従来のマネーの量から金利に目的を変更したもの」と政策転換的にとらえているが、それはまったく正しくない。 日本銀行自身が公式に名づけたように「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」であり、従来の量的・質的緩和政策を「補強」したものである。そしてこの「補強」は現状の日本経済においてインフレ目標の達成と、さらに実体経済のさらなる改善にきわめて有効な手段を日本銀行に
<来週、9月20日、21日に開催される日本銀行の金融政策決定会合に注目が集まっている。追加の金融緩和あるなしをめぐって、いわゆる「市場関係者」の予想が賑々しいが、それは、何を表しているのか...> 「市場関係者」のコメントは、組織・団体の利害を反映したものになりがち 今月の9月20日、21日の両日に開催される日本銀行の金融政策決定会合に注目が集まっている。前回の決定会合で黒田東彦日銀総裁が、インフレ目標達成のための「総括的検証」を行うと公表したため、それに関連して金融緩和あるなしをめぐっての予想が、いわゆる「市場関係者」を中心に煩い。 【参考記事】日本銀行の「追加緩和」は官僚的な対応のきわみだ ここでいう「市場関係者」というのは、例えば市場ー財・サービス市場、労働市場、資産市場ーに参加する人たちの中のごく一部の既得権者たち(筆者の目算だとせいぜい三桁)を表現する言葉でしかない。 例えば金融
<日本銀行が半年ぶりに追加緩和を行ったが、ほとんど政策効果がないような、「追加緩和」に帰結した。今の黒田日銀には政策実現を遅らせる悪しきエリート主義の病理が集中して現れている> 市場の予想を裏切る形での「追加緩和」 日本銀行がマイナス金利導入以来、半年ぶりに追加緩和を行った。その中身は上場投資信託(ETF)の買い入れ額を年間3.3兆円から倍の6兆円に増額するものだった。ただしマネタリーベースが、年間約80兆円に相当するペースで増加させるという量的緩和部分はまったく変更することはなかった。 この政策決定会合の結果は、市場にマイナスの材料として認識された。株価は急激に下落し、為替レートは円高が急速にすすんだ。株価こそ戻していき前日比微増で終わったが、為替レートはドル円では1円以上の円高になっている。これらは市場の予想を裏切る形での「追加緩和」であったことは少なくとも明瞭である。 安倍政権は参院
<小金井市で起きた女子大学生刺傷事件は、当初、アイドルの構造的な問題として報道されることが多かった。そうした偏向報道は、どうして生み出されるのか> 経済問題の議論でもあるマスコミの偏向報道 経済問題を議論しているとマスコミの報道姿勢がしばしば問題になることが多い。経済学の常識がまったく通じないか、あるいは偏向といえるような報道がなされることが多々ある。 このような「偏向報道」はなぜ生じるのだろうか? しばしば指摘されるのが、1)既得利益、2)既得観念 というふたつの要因だ。前者は、報道する側の金銭的利害が直接に報道をゆがめてしまい、公正とはいえない一方的な断定を行ってしまうことだ。例えば日本のマスメディア(特に大新聞)が、消費増税について事実上の支持を打ち出すのは、軽減税率を優先的に自分たちの新聞に適用することを望むからかもしれない。また二番目の既得観念とは、特定のバイアス(偏見)が、報道
「金融引き締めスタンス」の採用は被災地の経済活動や、被災地を支える日本全体の活動を停滞させてしまう Yuya Shino-REUTERS この20数年、災害に対しての経済政策は適切ではなかった 熊本地震の強い余震が続くなか、被害の全容は正確につかむのが難しい状況が続いている。避難生活者も屋内・屋外ともに10数万人いるといわれているが、その実数の把握も困難なままだ。これだけの強い地震が波状的に、しかも震源地を広範囲に移動しながら長期間続くことは、専門家も未知の領域だという報道にも接した。 深刻な被害を招く大地震には、この20年以上で何度も日本社会は経験してきた。阪神淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、そして今回の熊本地震。もちろんこれ以外にも数多くの地震があり、ひどい被害があった。もちろん地震だけではなく、自然現象に起因する様々な災害があり、社会に深刻な被害を残し、その影響は容易に消え
5000億%のインフレ ジンバブエで発行された100兆ジンバブエドル札 Philimon Bulawayo-REUTERS 東京、大塚の駅前に「岩舟」という蕎麦の名店がある。店の構えはお蕎麦屋さんとは思えないモダンな造りだが、開店前から人が並ぶ人気のお店でもある。そこでつい最近、評論家の古谷経衡氏と待ち合わせて昼食をともにした。彼も僕も大の蕎麦好きなのである。ただ今回は蕎麦をめぐる経済学の話ではない。 この連載では、僕が街角でみかけたものを気軽に経済学の視点から書くという企画だ。ちなみに「街角経済学」とは、戦前に活躍した当時のリフレ派(デフレを脱して低インフレ状態にすることで経済を活性化する政策を支持する人たち)の代表者であった小汀利得の代表作『街角経済学』(1931年)からそのまま表題を拝借している。 で、古谷氏とその蕎麦屋を出た後に、彼が送ってくれるというので車で赤坂までドライブに
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