昨今、セキュリティ侵害に対して完璧に防御することは不可能であり、侵入されることを前提に対策を検討すべきだと言われています。これは主に企業や組織を守る立場の文脈で語られていることだと思いますが、その企業や組織が提供しているサービスの利用者など、個人についても同じような考え方が必要なのではないでしょうか。 つまり、セキュリティ被害は個人のレベルでも、誰にでも起こりうる、ということです。それを前提にしなければならないのではないでしょうか。 誰にでも起こりうるリスク それを裏付けるようにフィッシングによる被害が急増しています。フィッシングによるものと思われる不正送金が令和5年(2023年)に5,000件以上発生しており、その被害額は87億円を超えています。 インターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生件数および被害額の推移 (警察庁の「令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」