自作自演説まで飛び出した 四月八日に起こったイラクでの日本人「人質事件」で誘拐・拘束された三人はきわめて悪質なバッシングにさらされている。侵略戦争と占領支配が引き起こした深刻な被害に苦しんでいるイラクの民衆、とりわけ子どもたちに心を寄せ、献身的な支援の活動にたずさわってきた三人が、家族をふくめて文字通り「さらし者」にされ、集中攻撃を受けてきたのである。 すでに事件翌日の報道の中で、拘束された三人の責任を追及する「識者」のコメントが語られている。「イラクへの入国は危険が伴うことは分かっていたはずで、ボランティアは身の危険をある程度、覚悟しなければならないし、自己責任が原則だと思う」(佐々淳行・元内閣官房安全保障室長、4月9日「毎日」)とか、「現地は民間人が行けるような状態ではなかった。無謀な行為が大問題を引き起こした」(志方俊行・元陸上自衛隊北部方面総監、4月9日「産経」)というのがその典型