戦後80年を迎えて、あの戦争を次の世代にどう語り継ぎ伝えていくか、そのための教育のあり方があらためて問われている。実際に体験した世代が鬼籍に入っていくなかで、祖父母や祖祖父母たちの思いを引き継いでいくために本や映像などの資料を活用した教育も模索が続く。一方で「子どもたちに怖いものを見せたらトラウマになる」と悲惨なものから目をそらさせる風潮もあるなかで、本や資料を通じて子どもたちにどう伝えていくかは今からの新たな課題ともいえる。長年図書館の現場で活躍し、社会教育や学校教育などでも戦争体験の記憶と記録の継承のとりくみに携わってきた、公益社団法人日本図書館協会・図書館の自由委員会前委員長の西河内泰氏(元・滋賀県多賀町立図書館長、現・広島女学院大学非常勤講師)に話を聞いた。 今日の日本社会と政治について 西河内靖泰氏 参議院選挙の様子とその結果をみますと、非常に複雑な思いを感じてなりません。どうみ