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今年の「#文学」
warbler.hatenablog.com
前記事「ツイッターでの中傷投稿への法的対応事例-ネット中傷対策」で言及したX氏の別アカウントと思われるX2, X3の投稿内容と、それに対するTwitter社の判断を紹介します。 warbler.hatenablog.com ※X2と X3のアカウント主がX氏であるという確証はまだありません。 この記事は、Twitter社の「ルール違反の判断」についての問題提起が目的です。 【X2の投稿内容】 私に対して多数の中傷投稿がされましたが、代表的な投稿をいくつかピックアップします。全般に主張の論理がかなり飛躍しており、内容も下品で気味が悪かったので、できるだけ相手にしないようにしていました。 2017年 ※これらのツイートをTwitter社に通報しました。 通報した文面も記録してありますが、この中で「このアカウントは凍結処分を別に受けており」の部分は脱字があり、「このアカウント主は凍結処分を…」が
この記事は、ネット中傷に悩む方々の参考として、また、ネット中傷をする人達への牽制にもなると考えて書きました。以下の流れで経緯を説明していきます。 (今回の件の中傷投稿者をX氏とします。X氏のツイッターアカウントをX1、おそらくX氏の別のアカウントと思われるものをX2・X3・X4とします) 【参考資料】(各文書のPDFをリンクしています) ・仮処分決定文「平成30年(ヨ)第9 2 3 号」 ・判決文「平成31年(ワ)第997号」(さいたま地裁) ※追記:被告が期限までに控訴せず、上記判決が確定しました。 ※追記:「謝罪文の交付」が履行されるまでX氏に「1日につき1万円」を私に支払うことを命じる決定が出されました。 ・間接強制の決定文 1. X2から中傷が開始される(2017年7月27日~) X2から少なくとも52回、私を指した中傷投稿がされる →Twitter社に通報したが「ルールに違反して
前回、EM菌(EM1活性液)に含まれる細菌の構成を、メタ16S解析(V3V4領域)をした結果を報告しました。 この解析には一般的に行われている手法を用いましたが、その改良版が出されましたので、それを用いて再解析をしてみました。 【QIIMEとQIIME2の違い】 解析パイプライン「QIIME」を改良した「QIIME2」の特徴として、NGS解析で得られたDNA配列データを分類する際のエラーを減らす「DADA2」という手法が取り入れられています。 ・半田佳宏氏による解説 http://crusade1096.web.fc2.com/qiime2_renew.html (参考文献) www.ncbi.nlm.nih.gov 前回のNGS解析によって得られたアンプリコンシーケンスデータ(fastqファイル)をQIIME2と精度が高いデータベースを組み合わせて再解析した結果を以下に示します。 【解析
Wezzyに寄稿した記事を、こちらのブログに転載します。 https://wezz-y.com/archives/64198 前記事の続きです。 「プラセボであっても症状が軽くなるなら問題ないではないか」と考える方もいるかも知れません。しかし、治療効果のないホメオパシーに傾倒してしまったことで、防げたはずの病気や、治せるはずの病気が放置され、症状が悪化し、最悪の場合、死に至るといった悲劇的な事件も起きています。本記事では、ホメオパシーによる諸問題を取り上げます。さらに、ホメオパシーの様な治療効果がない療法に頼ってしまう人達がいる背景についても掘り下げていきます。 【ホメオパシーによる諸問題】 ホメオパシーは効果のない治療法ですが、前述の通り、個人が趣味で行う限りは放置しておいても大した影響はないと考える人もいるかもしれません。ここでまず問題になるのが、ホメオパシーは感染症も予防できると宣伝
「コインハイブ事件」の裁判は今月(2019年2月)18日に結審しました。検察側と弁護人側の主張の整理をしてみます。 ・参考資料として、刑法第168条の2と3「不正指令電磁的記録に関する罪」(いわゆるコンピュータ・ウイルスに関する罪)について、法務省と大コンメンタールによる解説の要所を引用します。 (文中の下線と文字の色付けは片瀬がしました) 法務省「いわゆるコンピュータ・ウイルスに関する罪について」(抜粋) 不正指令電磁的記録に関する罪は,いわゆるコンピュータ・ウイルスの作成,供用等を処罰対象とするものであるが,この罪は,電子計算機のプログラムが,「人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず,又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令」を与えるのではないという,電子計算機のプログラムに対する社会一般の者の信頼を保護法益とする罪であり,文書偽造の罪(刑法第17章)など
【JavaScript(JS)の動作について】 時計表示のプログラムを作成して、このブログ記事に埋め込みました。 〔現在の時刻〕: この「時計」は、JavaScript(JS)の指令でこのブログの閲覧者のパソコン(PC)や携帯電話(iPhoneなど)のブラウザを動作させて表示しています。 ※JavaScriptは、「サンドボックス」と呼ばれるブラウザ内の保護領域で実行されます。この保護領域で実行されるプログラムは外部に影響を及ぼすことができない仕組みになっています。また、ウェブページの閲覧を終えて離れたらそのプログラムの動作は止まります。こうした「安全設計」がされているため、ウェブサイト運営者からJavaScriptで組んだプログラムの存在をわざわざ閲覧者に通知しない慣習があります。 「コインハイブ(Coinhive)」を自分のウェブサイトに設置した人たちを検挙した警察・検察の論理をそのま
コインハイブ裁判の傍聴メモ(1)の続きです。 ↓ 「事件の概要」と「争点」はこちら ※メモしきれずに記録できなかった部分もありますし、私の記憶違いが含まれている可能性もありますので、他の方々の傍聴報告と併せて相補的に読んで頂くのが良いと思います。 2019.1.15 高木浩光氏 証人尋問 弁護人による主尋問 【経歴と専門性】 ・個人情報保護法の研究をしており、法律の知識もある。 ・GPS捜査とプライバシー保護に関する著書もある。 ・CPUの設計に関する論文で博士の学位を取得した。ボランティア・コンピューティングの提案をしており、コインハイブの事案にも繋がる内容の研究である。 ・法とコンピュータ学会での講演などもしている。 【法律の解釈と問題について】 ・法案の審議にも関わった。そこでは多数の人が典型的なウイルスを想定していた。 2011年に増殖しないタイプの「トロイの木馬」が現れる。 ウイ
コインハイブ事件の裁判を傍聴してきました。 【事件の概要】 横浜市の男性が「コインハイブ」というジャバスクリプト(JS)という言語で組まれたプログラムを自分のブログ内に設置して、それを知らせずにブログを閲覧した人のPCのブラウザで仮想通貨のマイニング(計算処理を行う報酬として仮想通貨を得る)をさせた行為が「刑法第168条の3」の罪に該当すとして起訴された事件です。 資料として傍聴メモを公開します。 ※メモしきれずに記録できなかった部分もありますし、私の記憶違いが含まれている可能性もありますので、他の方々の傍聴報告と併せて相補的に読んで頂くのが良いと思います。 長くなりますので、3つに分けて掲載します。 ・初公判(2019.1.9) コインハイブ裁判:傍聴メモ(1) ・証人尋問(2019.1.15) コインハイブ裁判:傍聴メモ(2) - warbler’s diary ・被告人質問(2019
コインハイブ裁判の傍聴メモ(1)、コインハイブ裁判の傍聴メモ(2)の続きです。 ↓ 「事件の概要」と「争点」はこちら ↓高木浩光氏の証人尋問はこちら ※メモしきれずに記録できなかった部分もありますし、私の記憶違いが含まれている可能性もありますので、他の方々の傍聴報告と併せて相補的に読んで頂くのが良いと思います。 2019.1.15 被告人質問 弁護人による主尋問 【経歴と仕事内容】 ・自営業でウェブデザイナーをしている。10年前から複数の客から依頼を受けている。それ以前は大阪で調理師をしていた。 ・独学でウェブを勉強した。 ・プログラムはPHPやJSなどを使い、様々な内容の依頼を受けている。 【JSについて】 ・JSは閲覧者のブラウザで動く。例えば、Googleアナリティクスなど。 ・ユーザーがアクセスしたら、Googleアドセンスなどはウェブページに広告を表示する。 【JS実行の事前許諾
EM菌(EM1活性液)に含まれる細菌の構成をメタ16S解析(V3V4領域)結果が更新されましたので、「まとめ」も新たな情報を加えて更新します。 (前回のまとめ) 【新たに判明したこと】 ※微生物資材EM1に含まれている可能性の高い微生物 1. EM1の主要構成微生物である乳酸菌の種類が1つ判明しました。 Lactobacillus parafarraginis(ラクトバチルス・パラファラギニス) (補足情報) EM1に含まれている乳酸菌は、イーエムテックフクダから公表されている情報によると次の2種類とされていますが、 ・Lactobacillus Plantarum(ラクトバチリス プランタラム) ・Lactobacillus Casei(ラクトバチルス カゼイ) 実際に検出されたのは上記2種類とは異なるラクトバチルス・パラファラギニスであり、主要乳酸菌に関してもEM側の情報が怪しいことを
EM研究機構から弁護士を介して過去の私の投稿に関する削除訂正と謝罪を求める通知が送付され、もし私の対応が不十分であれば法的対処をすると予告されましたので、それに対応すると共に、2018年12月7日に、私からも弁護士を介してEM研究機構に削除訂正要望を出しました。以下に私から出した要望の概要を示します。 「株式会社EM研究機構のホームページには、以下のとおり誤った情報があり、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがありますので、削除及び訂正を求めます」 ・第1に、EM研究機構のHPに掲載されている「他分野への応用」には、「養殖・水質浄化分野では、水系の生態系を豊かにすることで、自浄作用が高まり、水質が改善されます。」と記載されておりますが、環境省の見解どおり、水質浄化に科学的効果があるとは認められておりません。 ・第2に、EM研究機構のHPのQ&Aに「EM・1には、乳酸菌、酵
過去の文献による「細菌や真菌」の検出方法は、いずれも分離用のプレート培地で生育をチェックする「平板法」と呼ばれる「培養法」による方法でしたが、プレート培地で育てる人為的な培養条件に合わない菌は、もし存在していてもコロニーを形成せずに見落とされてしまうという欠点がありました。そのため、これまで「平板法」によって特定の菌が検出されなくても、「本当は存在するのだ」という可能性を否定し難いという問題がありました。 最近手法が確立されたメタゲノム解析(メタ16Sr RNA解析など)は、従来行われてきた分離用のプレート培地で特定の菌の存在をチェックする「平板法」とは根本的に異なり、存在する菌のDNAをまとめて抽出して解析する「非培養法」なので、「(人為的に増やすことができなくても)存在していれば検出できる」、より信頼性が高い方法です。 今回、この方法によってEM菌(EM1活性液)を調べた結果、EM菌を
微生物資材として売られているEM菌は、EM1を主力商品として「乳酸菌、酵⺟、光合成細菌」を主体とした微⽣物で構成されると宣伝されています。 しかし、これまで多くの文献において「光合成細菌が検出されなかった」と報告されてきました。EM菌開発者の比嘉照夫氏は「EM・1やEM・2からは検出されないため海外を含め多くの研究者からEM・1とEM・2には光合成細菌は居ないのではないかという指摘がありました。」とこうした「指摘」がある事を認めています。 EM情報室WEBマガジンエコピュア連載新・夢に生きる 比嘉照夫 名桜大学教授 第103回 比嘉氏は「極めて初歩的な平板希釈法という微生物の検出方法では、光合成細菌が検出されるのは、EM・3のみで、EM・1やEM・2からは検出されない」「EM・1はpHが3.5以下という強い酸性下にあるため、光合成細菌はシスト状態となり、休眠的になっており、施用後に発芽的に
※細菌叢の再解析結果をもとに、一部の情報を更新しています。 ↑こちらに「最新情報」があります。 【実験材料と方法】 【Part1 細菌のメタ16SrRNA解析結果】 【Part2 真菌のメタITS解析結果】 ※微生物資材EM1に含まれている可能性の高い微生物 (注)アセトバクタ―科の細菌については、同じものが糖蜜培地からも検出(存在比率0.003%)されており 、糖蜜由来でありEM培養液(活性液)中の環境が適していたので顕著に増えた可能性もあります。また、この細菌のシーケンスデータを取り出して解析(Blast)して、アセトバクタ―科に属する光合成細菌(紅⾊⾮硫⻩細菌の一部)ではないことを確認しています。 ↓ ※再解析の結果 ※EM1活性液から「紅⾊⾮硫⻩細菌」(光合成細菌)は検出されませんでした。 (情報追記) 一般的に「紅色非硫黄細菌」は、酸性条件(pH5以下)では生存が難しいとされます
NATROM改め名取宏(なとろむ)さんの著書『「ニセ医学」に騙されないために』の新装版が出版されます。(発売日は11月29日です) この本に収録されている解説文を出版社のご厚意により、無料で公開します。 20年ほど前になりますが、私の知人のAさんは妊娠中に初期の乳がんと診断され、出産後すぐに乳房温存手術を受けました。手術後は、本来ならば抗がん剤と放射線治療を継続して、がんの再発を抑えていく必要があります(こうした治療を受ければ、当時でも8割くらいの確率で10年以上の生存が期待できました)。 しかし、抗がん剤治療をしていると、母乳で育てたくても与えられないこと、ある健康本に「抗がん剤は効果がないばかりか、副作用によって苦しんで逆に早く死んでしまう」という情報が書かれていたことから、出産後でナーバスになっていたAさんの不安はとても大きくなっていきます。母乳を与えるためにもと、「これでがんの再発
ニセ科学批判を本格的にするには、(相手が相手だけに)自分が泥水をかぶる覚悟でやらないとできません。まともな研究者が相手しない方が良いというのは、そういう部分。分かってはいたけど、やはり大変です。 少しでも私側に落ち度があれば、たちまちそこを巧妙に攻撃されます。逆に私の方が悪質な人物だとされてしまい、法的に対処しようにも、これがなかなか難しいのです。 私もいくつかの失敗を経て、色々と勉強させて頂いております。 悲しいけれど、「人は嘘をつく」というのを前提にしておかないと、特にニセ科学に関わった人達に対しては用心をする必要があります。必ず証拠を残しておかないと、嘘をつかれても後から「嘘だと証明」することができません。 さらに、その証拠を自分で管理しておくことも大事です。細心の注意が必要です。 ニセ科学関係の講演などに参加するのも特に注意が必要です。講演会での出来事について主催者側から嘘をつかれ
話せば長いことながら、、、これじゃ長くて読み切れないよ! とのことで、ダイジェスト版です。 1. 「きのこ組」を名乗る人物から、執拗な誹謗中傷を受けていました。 私と関わった人物にも直接嫌がらせをするようになって、さらに「きのこ組」が流した私に関する虚偽の数々による「フェイクニュース」を信じた人達の中から、私に対する殺害扇動や殺害予告がされるに至り、放置できなくなりました。 (補足:「きのこ組」は「米のとぎ汁乳酸菌」で放射能対策ができると主張し、EM菌で風邪や子宮頸がんなどの病気を防げると宣伝していた人物です。さらに「STAP細胞増殖液」という名称の乳酸菌液1本500mlを7000円で販売していました) 2.「きのこ組」は、私と家族の本名や詳しい住所情報の他に、当時高校生であった娘の容姿や通学方法をネットで流布しており、また私の「フェイクニュース」が発信されて扇動された人達が出たら、今度は
愛知県稲沢市は平成14年度から開始したEM菌を使用した河川浄化活動の廃止を決定して、平成29年度でEM菌を定期的に三宅川に投入していた活動を止めました。 廃止の理由は、公共下水道と浄化槽の普及が主な理由となっていますが、実際にEM菌の投入効果がどの程度あったのかを検証しました。 EM菌は、毎年100tが稲沢町北山一丁目と稲沢町小沢二丁目の2か所から投入されていた他に、三宅川流域の各家庭から生活排水と一緒に7t前後が投入されていました。 (投入量のデータは、河川浄化推進事業の外部評価説明補足資料から得ました) 稲沢市に情報開示請求をして、稲沢市の各河川の平成10年度以降の水質データと、下水道と浄化槽の普及状況についての資料を開示して頂きました。 EM菌投入地点(黄)と三宅川の測定地点(赤)、および今回比較用として選んだ近い位置にある別の川の測定地点(青)の位置を印した図を示します。三宅川の流
【EM1活性液の微生物解析】 Part1 細菌のメタ16SrRNA解析-増幅領域を変えた追加解析 (V1-V2領域アンプリコンシーケンス) ・試料:EM1活性液(培養液A)、糖蜜培地(培養液B)から抽出したDNA V3V4領域(細菌)とITS2領域(真菌)の解析に使用したDNA試料…
徳島県に公文書の情報開示請求をして、「平成23年度 畜産関係業績発表会 発表集録」を入手しました。この中で、EM菌で鶏舎を消毒していたら「鶏舎内環境からのサルモネラ検出率」が年々上昇してしまった農場の事例が報告されています。 「鶏卵衛生事業におけるサルモネラ検出率の推移と疫学調査について」 徳島家畜保健衛生所 id:warbler の 平成23年度 畜産関係業績発表会.pdf 【問題の発覚】P11 【原因調査】P11 ※原因は、EM菌の効果の過信であった。 【殺菌力の検証】P11 ※EM菌液はpH4以下を維持しているが、実際にこれを鶏舎に散布した場合の殺菌効果とは異なることに注意 【効果の検証】(実用性)P11 【結論】P12 【農家への指導】P12 (重要ポイント) ※検証データを示すことで、EM菌では効果的に殺菌できない事実を農家が納得して、殺菌効果が高いと確認されている方法を取り入れ
愛知県稲沢市は平成14年度から開始したEM菌を使用した河川浄化活動の廃止を決定して、平成29年度でEM菌を定期的に三宅川に投入していた活動を止めました。 廃止の理由は、公共下水道と浄化槽の普及が主な理由となっていますが、実際にEM菌の投入効果がどの程…
茨城県が各都道府県に対して実施したアンケートで愛知県は、 「平成16~ 17年度に、EM菌による河川の水質浄化効果を把握するため、EM菌による浄化実験を行っていた河川(BOD:10~50mg/L程度)で、EM菌の投入か所の上下流において水質・底質の分析調査を実施した。 この調査の結果、水質、底質とも、EM菌の浄化効果を数量的に把握すること(EM菌の投入か所の上下流における差異を確認すること)はできず、EM菌による水質、底質の浄化効果については、不明であった。」 と回答していました。 そこで、愛知県にこの報告書に関する公文書開示請求をしたところ、開示をして頂けました。 平成16・17年度に実施したEM菌による河川の水質浄化効果の検証報告書と、この報告を受けて愛知県が見解をまとめた公文書を入手しましたので紹介します。 EM菌による河川の水質浄化効果の検証報告書:調査期間 平成16年4月~平成1
大阪市は、EM菌が投入されている淀川・道頓堀川・神崎川において、EM菌の投入効果がどれだけあるのかを調査していました。大阪市よりこれらの報告書を入手できましたので、紹介します。 いずれもEM菌を河川に投入しても改善効果はみられず、逆に状況によっては「CODの上昇」「底質の有機物汚濁の進行」「底泥中の硫化物増加」「上澄水の汚濁の進行」「合成指標の悪化」などの現象がみられました。 ※これらの結果と他の自治体の検証結果を総合すると、河川等の環境改善を目的としたEM菌の投入は効果がないばかりでなく、環境悪化の原因となり得るので、EM菌投入活動はやめた方が良いと考えます。 【淀川での検証】 ・淀川のヘドロ分解効果:実験期間 平成16年2月~6月 報告書全文(PDF) id:warbler の 【資料1】EM菌の有用性機能調査結果について.pdf ①嫌気性条件:試料 淀川のヘドロ ②好気性条件:試料
広島県から公文書として開示された資料の中に、平成16年9月に国交省の淀川河川事務所河川環境課の職員からEM菌に関する情報提供がありました。 それによると、この職員は以下の理由でEM菌(EM団子)の投入をやめるように指導しようとしていました。 ・EM菌の投入は、河川への有機物の投入であり汚濁をもたらす。 ・淀川にEM団子が投入されているが、調査した結果、EM菌による効果は認められなかった。 その後、国交省がどの様に対応したのかを知るために、国交省の近畿地方整備局に情報開示請求をしましたが、「文書の不存在」を理由に開示されませんでした。 そこで、次に開示請求する対象文書を変えて、改めて情報開示請求をしてみましたが、こちらについても「文書の不存在」を理由に開示されませんでした。 ・国交省が淀川でのEM団子投入活動に了解(許可)を与えた記録 ・国交省が淀川でのEM団子投入効果を調査した記録 ・国交
長崎県が実施した 『大村湾環境保全・活性化事業(有用微生物「えひめAl-1」を用いた環境改善効果検証事業)に係る水質等調査結果(平成16~ 18年度調査結果) 』より id:warbler の 大村湾環境保全・活性化事業(有用微生物年えひめAI-1を用いた環境改善効果検証事業)に係る水質等調査結果(平成16〜 18年度調査結果) 圧縮後.pdf 【各調査地点】 報告書P8~ 報告書P13~ 同様な問題は、実験室レベル(水槽)の検証でも確認されています。 報告書P37~ ※これらの検証実験の結果から、「えひめAI-1」の投入によって在来微生物の一部の種類が環境中から失われてしまう(=生物多様性が低下する)ことが示されていますが、EM菌投入によっても同様の問題が生じるのではないかと考えられます。
平成29年5月に茨城県から全国46都道府県にアンケート調査が実施されていました。 茨城県に公文書開示請求した結果、全国の都道府県からの回答が記入された調査票を開示して頂けました。 調査結果まとめ (補)アンケートを実施した茨城県については、これまでに把握できている情報を元に分類しました。 水質浄化活動への補助金制度が存在しない自治体:39 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 水質浄化活動への補助金制度はあるが、有用微生物群(EM菌)は対象としていない自治体:4 茨城県 補助金制度「世界湖沼会議市民活動気運醸成事業
茨城県は、平成7~8年度にかけて、筑波大学TARAセンターおよび国立環境研究所と共同で、EM菌を含む6種類の微生物製剤を用いて、水質改善に使えるかどうかを検証していました。 公文書(行政文書)開示請求によって、この報告書も開示して頂けましたので、こちらもUPします。以下にリンクしたURLからダウンロードできます。 ・「微生物製剤を用いた水改善手法の開発」最終報告書 平成9年3月 http://d.hatena.ne.jp/warbler/files/「微生物製剤を用いた水改善手法の開発」最終報告書%E3%80%80平成9年3月.pdf この報告書の結論部分です。 この結論からEM菌に関する部分を抜き出して整理すると、 ・かなりの量の有機物質を含有している。 ・この有機物質は、製剤中の微生物というよりは底泥中の微生物によって急速な好気分解を受け、溶存酸素を消費して系を嫌気状態にした。 ・微生
茨城県は平成30年10月に「第17回世界湖沼会議」を開催します。これと連動して平成29年4月に「世界湖沼会議市民活動気運醸成事業」補助金の募集を開始しました。 次の画像は、その時の茨城県庁のHPの一部を記録したものです。 「ただし、有用微生物群を活用した事業及び経費については補助対象外」と記載されていました(赤枠はブログ主が入れました)。有用微生物群とは、EM菌の正式名称です。 茨城県に公文書(行政文書)の開示請求をしたところ、EM菌を補助金対象から除外した事に対してEM推進団体や関連企業から茨城県に苦情が申し入れられていた事が判明しました。 次の資料は、茨城県霞ケ浦環境科学センターが作成した「経緯の概略」と「EM菌に関する状況」がまとめられた文書です。 (文書中の赤線・赤枠とマーカーで印を付けたのはブログ主です) ※「各都道府県の状況」についての詳細は、各都道府県から茨城県への回答文書も
2017年分のデータが集まりましたので、グラフを更新しました。 ※このブログ記事の見方としては、新聞記事として取り上げられたものだけなので、実際にEM菌が使用されている状況をそのまま反映したものではない事に留意が必要です。 EM関係の新聞記事数の年別推移です。 2017年のEM関係記事の総数は前年より減っており、引き続き全体としての減少傾向が進んでいます。 各年度の月別推移です。 2017年は6月に記事数が多くなりましたが、その後は増えることはなく、データのふらつきの範囲内と見なせそうです。 EM関係記事の各分野の割合です。 全体的な傾向として、環境分野の割合がやや減少傾向にある様に見えます。 2017年のEM菌関係記事では、EM菌に否定的な内容の記事が3件ありました。その内容は、EM菌の効果に対して否定的な意見が書かれた本の書評です(分類は「その他」に入れました)。 EM関係記事全体に占
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