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大そうじへの備え
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司書の配置を進めるための方法:【11項目】 改訂版 2021.9.22 登録 薬袋秀樹 2023.4.21 改訂 薬袋秀樹 *【 】内が加筆した部分です。 私は、約20年前の2001年に『図書館運動は何を残したか』(勁草書房,2001)を 出版しました。その「第1部 司書職制度の基礎」の「第1章 わが国における司書 職制度」に「6.4 司書の配置を進めるための方法」の項目を設け、「司書の配置を進 め,維持するためには次の方法が必要である」として、11項目を挙げました。 その当時、1990年代以後、司書制度は広がりを見せていませんでした。図書館関係 団体が「司書制度を導入すべきだ」という主張を繰り返してきましたが、十分掘り下 げられた意見ではありませんでした。 法律で定めた制度を主張するだけでは議論は深まりません。私は制度と実態の間にギ ャップがあったと思います。 ギャップを埋め
公共図書館と「議論の整理」 2021.2.26 薬袋秀樹 以下は、ツィッター「図書館の基礎知識」の【議論の方法18】(2021.2.24) 〜【議論の方法26】(2021.2.26)をまとめたものです。 公共図書館関係者の人々は、しばしば最新の問題について議論しますが、不思議な ことに、それを整理し、まとめる作業には熱心ではないようです。例えば、図問研会 員の人を見ても、一般の図書館職員と比べて、意見を発表する機会は多いのですが、 その割に議論の整理が不十分になる傾向があると思います。 ある学会で、私が公立図書館基準に関する図問研会員の議論を整理して発表した後、 図問研会員の大学教員が近寄ってきました。「整理してもらって、ありがとうござい ます。僕らは議論しっぱなしで、まとめないので、参考になります」という趣旨の話 でした。 現状では、議論の整理が不十分な事項が沢山あります。例えば、佐賀
〇司書の必要性を主張するための戦略 2017.5.16 薬袋秀樹 図書館職員については、25年以上前の1990年代の初めから、私なりに専門職制度を 構築する戦略を考えていました。 司書職制度のある自治体の司書が、専門的なサービスに力を入れて、職員の資格の 違いがサービスの違いに現れるようにしようと考えました。 専門的なサービスというと、一部の大学教員は、レファレンスサービスや地域資料 の提供を挙げることが多いのですが、私はそれは選びませんでした。利用がそれほど 多くなく、サービスにかなりの知識と技術が必要だからです。 そこで、『市民の図書館』(1970)における「貸出部門のレファレンスサービス」 に注目しました。これは、貸出カウンターの横にレファレンスデスクを置いて、利用 者の求める「資料に関する質問」を受け、丁寧に応対しようという考え方です。(な お、『市民の図書館』では、「読書案内」と
公共図書館の評価基準が必要です 2017.5.10 薬袋秀樹 1.公共図書館の評価基準が必要です 指定管理者制度や個々の指定管理の図書館を批判する意見があります。これは、図 書館のあるべき姿を明らかにし、図書館を適切な方向へ導く上で、大変貴重で重要な 取り組みです。しかし、その根本となる「評価基準」はあるのでしょうか。 現在の日本の公共図書館の最大の弱点は、「公共図書館で共通して用いることがで きる評価基準」がないことだと思います。このため、利用者やマスコミ関係者等の外 部の人が評価する手段がなく、図書館間の比較ができません。基本は自己評価ですか ら、どの図書館もそれなりに評価されています。 図書館サービスの質・多様性・継続性を評価する、共通して利用できる「評価基準」 があれば、それが公開されていれば、利用者による評価によって、質の低い図書館は 自ずと明らかになり、徐々に淘汰されていくはず
〇 図書館の説明資料を作ろう 2017.4.28 薬袋秀樹 はじめに 日本の公共図書館では、最も根本的な課題が取り組まれていません。その一つは、 図書館職員が、市民や行政に対し、図書館について説明することです。日本では、 図書館が遅れていて、理解されていないと言われているのですから、単なる広報で はなく、市民や行政関係者向けに図書館について説明することが必要です。 1.事務職の図書館に対するイメージ 図書館に勤務したことのない自治体の事務職の多くは、図書館に対して、「図書 館は本を貸すところであり、本を貸していればよい(他には何もしなくてよい)」 というイメージと「図書館には、子どもの本、小説、お料理の本がある」というイ メージを持っています。 文部科学省・筑波大学等共催の新任図書館長研修のパネルディスカッションの冒 頭で、着任 2年目の館長さんに、毎年「着任前は図書館をどう見ていましたか
〇 司書資格取得科目「図書館情報技術論」がめざしたもの 2017. 4.12 薬袋秀樹 1.「図書館情報技術論」に対するある評価 2009年4月、いわゆる司書科目(正しくは「司書資格取得のために大学において履修すべき 図書館に関する科目」)が制定されました。この中に「図書館情報技術論」という科目があり ます。 2016年3月に出版されたある本では、文部科学省の社会教育課が作成した「改正司書養成科 目に関するQ&A」を引用して、「図書館業務に必要な、ネットワークにかかわるサービスに 携わる際の前提となる最低限の用語や概念、ウェブページの構成・評価、個人情報の流出やウ ェブサイトの改ざんを防ぐための最低限の必要な知識等」を教えるに過ぎず、現在の図書館を 取り巻く情報技術環境を踏まえたものではないと述べています。 上記の記述には誤解があると思いますので、報告の作成に携わった者として、説明したいと
〇 図書館法第2条の「調査研究」は理解されているか 2017. 4. 7 薬袋秀樹 1.図書館法第2条の「調査研究」の規定 図書館法第2条では、図書館とは、「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存 して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的 とする施設」と定められています。目的の2番目に「調査研究」が含まれている点が重要です。 3つの目的の一つが「調査研究」ですから、機械的に理解しても、図書館の資源の3分の1 を「調査研究」に向ける必要があります。 また、これは図書館一般に関する規定ですから、町村立図書館も私立図書館も含まれます。 実際、町村でも、必ず「調査研究」を行っている人がいますから、町村立図書館にも調査研究 に対するサービスが必要です。また、図書館はシステムを構成しますから、分館でも調査研究 に対するサービスが必要です。 このよ
○ 小田光雄氏「出版状況クロニクル」について 2017. 3. 2 薬袋秀樹 小田光雄氏は、『出版社と書店はいかにして消えていくかー近代出版流通システム の終焉』(ぱる出版,1999,237p.)という衝撃的な本の著者として知られています。 その後も出版関係の本を次々と出版しています。 小田氏は「出版・読書メモランダム」というブログを開設しており、その中の「出 版状況クロニクル」(http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/)の欄で、毎月の出版状 況をレポートしています。公共図書館のあり方を考える前提として、出版界の現状を くわしく知るための資料として、大変便利です。 この内容をまとめた『出版状況クロニクル』という書名の本が3巻出版されていま す。昨年、4巻目として、『出版状況クロニクルⅣ 2012.1−2015.12』(論創社、 2016.5、714p.)が出版され
〇 公共図書館司書の能力を向上させるには(7) 2017. 1.19 薬袋秀樹 【記事一覧の見方】 この記事の題名の上にある Entry をクリックすると、新しい記事 5点のリストを見ること ができます。新しい順に並んでいます。 画面右下の other の下の RSS1.0 をクリックすると、記事一覧を見ることができます。 上から新しい順に全記事が並んでいます。一番上の記事が最新の記事です。それ以前の初期 の記事は、「図書館の基礎知識:ブログ 目次」 (http://toshokanron.jugem.jp/?eid=65) に記事一覧が掲載されています。 日図協の提案は司書資格の脆弱性をはっきり認めています。なかなか思い切った意見で、初 めて読んだ方は驚かれただろうと思います。その点で優れた指摘です。先に述べた森耕一氏が 委員長を務めた時期に出版された初版から記載されています。 そ
〇 公共図書館司書の能力を向上させるには(2) 2017. 1.10 薬袋秀樹 【記事一覧の見方】 この記事の題名の上にある Entry をクリックすると、新しい記事 5点のリストを見ること ができます。新しい順に並んでいます。 画面右下の other の下の RSS1.0 をクリックすると、記事一覧を見ることができます。 上から新しい順に全記事が並んでいます。一番上の記事が最新の記事です。それ以前の初期 の記事は、「図書館の基礎知識:ブログ 目次」 (http://toshokanron.jugem.jp/?eid=65) に記事一覧が掲載されています。 (1)で、次のように書きました。 本質的な回答は、司書が学習する内容(その一つの現れが単位数です)を増やすことだと 思います。これにはいくつかの条件が必要です。㋐現職の図書館職員、地方在住者を含め、 できるだけ多くの職員が学習でき
〇 公共図書館司書の能力を向上させるには(1) 2016.12.31 薬袋秀樹 【記事一覧の見方】 この記事の題名の上にある Entry をクリックすると、新しい記事 5点のリストを見ること ができます。新しい順に並んでいます。 画面右下の other の下の RSS1.0 をクリックすると、記事一覧を見ることができます。 上から新しい順に全記事が並んでいます。一番上の記事が最新の記事です。それ以前の初期 の記事は、「図書館の基礎知識:ブログ 目次」 (http://toshokanron.jugem.jp/?eid=65) に記事一覧が掲載されています。 現行の司書資格を考える時、多くの人は、現行の資格では不十分だと考えていると思います。 しかし、そのことをはっきり述べた文章は少ないようです。 1960年代には、現行の司書資格では不十分であるという明確な意見がかなり見られました。
〇 公共図書館司書とはどのような制度なのか? 2016.12.30 薬袋秀樹 最近は、「司書職制度」「専門職制度」などの用語が用いられることが少なくなったようで す。そもそも、司書職制度を主張するのであれば、司書とは法律上どのような制度なのかを知 っておく必要があります。司書とは法律上どのような制度かは十分理解されているのでしょう か。 私は、1997年に、図書館法の司書・司書補に関する規定を、社会教育法の社会教育主事、博 物館法の学芸員の規定、その他の関連法規と比較して、詳細に検討しました(注1) (http://hdl.handle.net/2241/100676)。 結論として、次の 5点が明らかになりました。ただし、学会誌の論文ですので、客観的分析 にとどめています。 ①司書・司書補の職務内容、職務分担と等級、資格の要件・取得方法、配置のいずれの点に も不十分な点があり、一貫性が見
〇 どちらが大事? 指定管理者制度と複本・貸出猶予問題 2016.12.20 薬袋秀樹 指定管理者制度(TUTAYA図書館を含む)と複本・貸出猶予問題の重要性を考えてみたい と思います。 複本・貸出猶予問題は、エンターテイメント系小説の著者である職業作家やその出版社に とっては文字通りの「死活問題」であり、きわめて重要です。 他方、日本の公共図書館にとってはどの程度重要な問題でしょうか。指定管理者制度とそ れに対応するための職員事情の調査や図書館評価方法の検討と比べて、どちらが重要でしょ うか。 誤解を恐れずに言いますが、複本・貸出猶予問題は「指定管理者制度が導入されたこと」 や公共図書館に「共通する評価基準が存在しないこと」や「司書の専門的業務が何かが明ら かにされていないこと」と比べると、影響はずっと小さい問題です。 仮に公貸権制度を導入したとしても、図書館の資料費が若干減る可能性があ
○ 公共図書館職員の学習のための文献 2016.11.30 薬袋秀樹 公共図書館職員が学習するための文献について考えてみたいと思います。一般には、図書館 関係の雑誌の記事を読むことが多いと思います。 図書館関係の雑誌に掲載されている記事は、雑誌によって異なりますが、投稿を除けば、ペ ージ数が少なく、短期間で依頼されたものが多いと思います。また、個人の意見や個々の事例 に関する原稿の依頼が多いと思います。 したがって、総論に当たる内容を書く場合でも、多くの文献を読んでまとめることは難しい と思います。取り上げるテーマや文献や事例の範囲は限られますし、詳しく説明したり、参考 文献リストを掲載するスペースも限られると思います。これは、ページ数が少なく、短期間で 依頼されるので、やむを得ません。 しかし、一つ一つの記事は重要なため、重要なテーマについて学習をするには、多数の記事 をコピーして、テー
薬袋秀樹編「占領期における社会教育・図書館行政担当者一覧」2024年5月 凡例 ・対象期間は原則として1945年8月15日〜1947年4月末です。 ・文献の根拠があるもののみを記載しています。 ・右端の丸括弧内は出典文献です。文献の番号、著者名、ページ数を記載しています。 ・アンダーラインは推定した部分です。 ・誤りがありましたら、ご教示ください。 ・社会教育局 社会教育局の復活 45年10月15日(9横山714) 社会教育局の課数 4課:社会教育課、文化課、宗務課、調査課を設置 45年10月15日(6寺中43) 6課:公民教育課、芸術家課を設置 45年10月26日(6寺中43) 公民教育課廃止 46年3月 (6寺中43) ・社会教育局長 関口 泰 45年10月26日着任(6寺中
○ 『読売新聞』4月2日(土)夕刊の記事「図書館と出版界 共存のために」について 2016. 4.11 薬袋秀樹 ・記事の概要 2016年4月2日(土)夕刊9面の「探Q!」欄に「図書館と出版界 共存のために−互いを知 り情報共有を」という題名の記事(待田晋哉記者)が掲載されました。最初に「最近の図書館 を巡る話題を集めた」という説明があり、「TSUTAYA図書館」「図書館と出版の関係」「デ ジタル化情報と図書館」の3つの話題が取り上げられ、筆者の「利用者の選択肢増やす」とい う題のコメントが掲載されています。 新聞記事のコメントは、コメンテータが一定の時間で話したことを記者が限られた字数でま とめるため、読む人の関心や立場によって受けとめ方が異なってきます。また、時間の制約で 話せなかったこともあります。これを解決するには、コメンテータがブログ等でコメントを補 足することが望ましいと思いま
○ 今、公共図書館にできること−新任図書館職員の皆さんへ− 2016.3.22 薬袋秀樹 ・公共図書館には様々な資料があります 最近、ある会合で、図書館長さんから「今でも、図書館はもっぱら小説を貸しているのだろ うと考えている人が多くて、困ります」という発言がありました。まだまだ、社会には、「読 書好きの人々が小説を借りるところ」という先入観があるようです。 図書館では、まず、書架を端から端まで一通り見てみてください。また、借りられる本や予 約されている本を見てください。小説以外にも、実に様々な分野の本があり、利用されて、人 々の役に立っていることがわかります。 ・新しいキーワードは「課題解決」 これまでの公共図書館サービスのキーワードは「読書」や「資料提供」でしたが、これに、 新しいキ-ワード「課題解決の支援」が加わりました。地域の人々の課題とは、例えば、「健 康や医療、福祉や介護、子
○ 新任職員に役立つ公共図書館リンク集−図書館行政を中心に− (2017.4.3現在)」 2018. 5. 14 (点検中) 薬袋秀樹 (2016.4.20掲載) 解説:図書館サービスは行政サービスの一環であるため、公共図書館職員には行政に 関する知識が必要です。 特に、公共図書館に新たに勤務することになった新任職員の皆さんには、公共 図書館にかかわる行政機関や行政に関する様々な情報・資料を一覧できるリン ク集があれば、便利です。そこで、このようなリンク集を作成しました。ご活 用いただければ、幸いです。 ただし、行政が中心で、図書館サービス等の領域や民間団体の活動は対象とし ていないため、他のリンク集と併用していただくようお願いいたします。 1.国の図書館行政 2.関係機関 3.図書館の評価 4.図書館職員の養成 5.図書館職員の研修 6. 子どもの読書 7.複本・公貸権・出版 8.自治体
薬袋 秀樹 〇はじめに 図書館、特に、公共図書館の制度・政策に関する文献について気付いたことをメモし てみたいと思います。Xのポストやブログの記事にするほどではない小さな事柄です。 ①「公立図書館の任務と目標」に関する文献 サイニーで「タイトル:公立図書館の任務と目標」で検索すると、16件の文献があり ますが、ほとんどは検討・作成側の委員会のメンバーの文献です。 図書館の側から論じたものは、荻原幸子氏の「公共図書館における住民との関係性 : 『公立図書館の任務と目標:解説』の分析を通して」(『日本図書館情報学会誌』 53 (4), 2007)だけのようです。 日図協の会員、図書館職員は「公立図書館の任務と目標」を論じていないようです。 様々な理由が考えられます。ここに公共図書館関係者の姿勢が現われていると思います。 なお、私は、望ましい基準の学習が終わったら民間の基準として取り上げたいと
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