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本年一九九八年三月一六日から二二日までの一週間、東京(幕張メッセ)、広島(平和公園内国際会議場)、京都(けいはんなプラザ)を会場に、「科学技術と社会(STS)に関する国際会議」が開催された。三会場を次々と移動しながら開催された会議は、参加者総勢三七二名という、国内のこの種の会議としては大規模なものとなった。海外参加者も、欧米先進国からリトアニアまで、三二カ国、約一三〇名を数えた。学会形式の発表二三〇件のうち過半の一三〇件が海外参加者によるものであり、実に国際色の豊かな会議だった。加えて、公開シンポジウムが二件、非公開のシンポジウムもいくつか持たれ、どの会場でも、英語・日本語を交えた非常に活発な議論がなされた。 本稿では、この国際会議の実行委員の一人の立場から、会議を開催するに至った経過を紹介し、あるいはその背後にあるSTS(科学技術と社会)という新しい研究分野の興隆について論じたい。それは
【書評】『サイバネティクス学者たち :アメリカ戦後科学の出発』 スティーヴ・J・ハイムズ著 忠平美幸訳 発行年月:2001.01 出版:朝日新聞社 ISBN:4-02-257565-4 価格: 3200円+税 評者:春日 匠(京都大学 人間・環境学研究科) 戦後アメリカで行われたメイシー会議(通称サイバネティクス会議)については、多くの論者がその重要性を指摘するところであるが、体系的な研究はあまり多くない。これは、ひとつには文理を横断した分野にわたる多くの参加者の来歴、思想や知識を理解し、記述していくことの困難さに由来するだろう。しかし、文末に掲げられたメイシー会議参加者のリストを見ればすぐに理解できるように、サイバネティクス会議の参加者は、ゲストまで含めると、まさに戦後アメリカの科学をつくったといえる人々の集合であり、この会議の持つ理論的、政治的影響力は計り知れない。 例を挙げればサイバ
c/o Masaki Nakamura's Research Office The Osaka University Center for Education in Liberal Arts and Sciences (CELAS) 1-16 Machikaneyama, Toyonaka, Osaka, JAPAN 560-0043 E-mail: [email protected] URL: http://stsnj.org/
STSは、Science, Technology, and Societyの略称です なお、本団体STSNJは科学技術社会論学会(STS学会)とは別組織です。 最終更新日(stsnj.org内)2018年11月20日 (最新情報に関することなど、細かい更新は随時おこなっております。) 現代社会において、科学技術は必要不可欠のものとなっています。ところが、近年の科学や技術の高度化に伴って、過去には予測することのできなかった諸問題が発生しています。例えば、地球環境問題、生命倫理をめぐる諸問題、ハイテクにおける技術摩擦などがあげられるでしょう。こうした科学技術の社会的諸問題に対しては、従来の科学技術史、科学社会学、科学技術政策、経済学などでは、専門の狭い枠組みに捕われ、現実的関心に十分応えられていません。そこで、STSが重要となってくるのです。 STSとは、科学(Science)・技術(Tech
「リスクをめぐる専門家たちの"神話"」 平川秀幸(京都女子大学) 先々週末(10月5日)、原子力安全委員会が開いたパネル討論会「リスク社会で安全を得る-原子力は特別なのか-」に行ってきた。会場は自宅からチャリで10分ちょっとの京都リサーチパーク。7月に東京で開かれたパネル討論会「リスクと、どうつきあうか-原子力安全委員会は語りあいたい」に続く二回目の討論会だ。ファシリテーター役の小林傳司さん(南山大学)からの誘いで、会場からの質疑応答でいろいろツッコミしてくれという半分「サクラ」としての参加だった。 討論会の中身だが、午前中は統計学者の竹内啓先生(明治学院大学国際学部教授)の講演。1時間ちょっとの時間、歯切れのよい調子でトントンと話を進める竹内さんの要点として、特に拾っておきたいのは以下の点だ。 (リスクに関する)確率や期待値の計算は、人と人との間の社会的な関係のなかでは全面的には通用しな
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