サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
2024年ランキング
shigekiuno.hatenablog.com
これから僕の本を読んでくれる人に。 もし、万が一だけだけど、僕の本に関心をもってくれる人がいたら、次のことを伝えたい。最初に、どれか一冊を読むとしたら、どの本を読むべきか。 まあ、高校の現代文や大学入試を思えば、『<私>時代のデモクラシー』(岩波新書)かな。政治思想史を研究してきた人間が、現代社会をどう捉えるか。チャレンジして書いた本だ。けっこう小難しいことも書いているけど、じっくり読めば、おおよその主張はわかるはずだ。「私らしさ」とか「自分らしくあること」について考えたことのある人なら、考える材料になるはず。 〈私〉時代のデモクラシー (岩波新書) 作者: 宇野重規出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/04/21メディア: 新書購入: 10人 クリック: 174回この商品を含むブログ (61件) を見る じゃあ、実際に何をすればいいのか。民主主義といってもねえ、と迷う人には、『
都知事選で舛添要一さんが話題になっているので、僕の駒場時代の記憶を少々。 僕が駒場に進学したのは1986年。思えば、中沢事件の直前である。といっても、なんにも知らないフツーの大学一年生だった僕は中沢新一さんはもちろん、舛添さんの名前も知らなかった。後から思えば、僕のまわりの少しは野心的だった同級生は佐藤誠三郎さんや舛添さんのゼミに参加していたようだ。 大学に入った直後のことで覚えていることがある。都内の私立名門校出身のクラスメートに、「ヤマグチマサオはもう古いよね」と言われ、「はて、ヤマグチマサオって誰だろう」と思いつつ、何となく「そうだよねえ」と答えたのだ。ヤマグチマサオが山口昌男で、当時のちょっとませた東大生が、「ヤマグチマサオはもう古いよね」と笑うニュアンスを理解したのは、それから10年以上先のことであった。 西部邁さんに入れ込む同級生もいたが、どういう人なのか何となくわかるようにな
しかしながら、そのようなアーレントの考えの代償は大きかった。多くのユダヤ人の批判を招いただけではない。世界中から脅迫状が届き、アパートメントの住民からも罵倒の言葉が届く。 いつの時代も、その人の議論をきちんと理解することなしに、レッテルを貼付け、罵倒の言葉を投げつける人がいる。しかしながら、アーレントはそのような言葉の暴力に対し毅然と接し、自分を失うことはない。この映画の全編を通じ、傷つきながらも、けっして怒ることなく、悲しみを胸に、それでも笑顔で友人に接するアーレントが描かれる。 とはいえ、そのようなアーレントにとっても、幼少時からの親友であり、現在イスラエルに暮らすクルトや、ハイデガー門下の古い友人であるハンス・ヨナスによる最終的な拒絶はつらい。「民族」ではなく、「友人」を選んだアーレントだけに、そのつらさは倍増する。それでもアーレントは、自らの「思考」に従い、自分の信念に従う。その代
いま話題の映画『ハンナ・アーレント』をみた。なるほど、うわさ通り、たいへんな人気ぶりで、平日の日中であるにもかかわらず、朝から窓口の前に長蛇の列ができていた。ほとんどは高齢者であったが(まあ、勤め人には来られない時間だよね)、その熱気に圧倒された。いったいこの映画の何が、彼ら、彼女らの心を揺り動かしたのか。 ハンナ・アーレントという名前が、それほど人口に膾炙しているとは思われない。なるほど、亡命ユダヤ人であり、アメリカで活躍した女性の政治哲学者というプロフィールくらいは知られているかもしれない。とはいえ、彼女の著作はつねに難解であり、けっして多くの読者にとって間口の広いものではない。その彼女を主人公にした映画、それもナチスの戦犯であるアイヒマン裁判が主なテーマとなると、およそ一般的な人気など出そうにない。不思議だ、と思いながら、岩波ホールに行った。 昔、かなり歳をとってからのアーレントの映
ドレスデンからそのままベルリンに帰るのも能がない。ということで、ライプツィヒに寄ることにする。サイズ的にはドレスデンより小さいが、ここもなかなかの観光都市のようだ。そこでまず、ゲーテさんに挨拶する。若き日の像で、この街をかなり(飲み歩いて)エンジョイしたらしい。 次はやはりこの街を代表する人物バッハさん。バッハはこの街でその後半生を送り、背後にあるトーマス教会の音楽監督をつとめた(隣のバッハ博物館には、今時珍しく日本語の表示がたくさんある。やはり日本人はバッハが好きなんだね)。 そのあと、今度は一転してシュタージの博物館へ。旧東独時代の国民に対する監視や諜報活動の道具の様々が展示されている。これがほんの数十年前のことだと思うと気が重くなる。が、同時に、ライプチッヒは東独における人権・民主化運動の先頭を切った街でもある。シュタージの博物館の中には、こんな掲示もあった。「民主主義の学校」、いい
今晩の「クローズアップ現代」(NHK)では、最近流行のフリーペーパーが取り上げられていた。リクルートのR25など、駅などでただで置いてあるが、なかなかの人気だという。ただだから、という声もありそうだが、いまどき情報は溢れており、ただでもいらない情報はいらないというのが、一般的な感覚である。そこには、かなり綿密な読者の絞り込みと戦略があるようである。 おもしろいと思ったのは、想定される読者(若いサラリーマン)の一日である。朝起きて10分で家を出て、満員電車で職場に向かい、職場についてまずやることはメールのチェックと、おもなニュース項目の確認。以後、職場でのほとんどの時間、コンピュータに向かい続け、仕事が終わると、上司や同僚と飲みにいったりはせず、家に直行で帰る。その後、テレビをつけたまま1〜2時間、インターネットに接続し、午前1時頃に寝る、という具合であった。 となると、まあ、平日に本を読む
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『Shigeki’s blog』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く