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大そうじへの備え
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美味しい日本酒の酒粕は美味しい酒粕との出会いは、東京農業大学に通っていた学部生時代のこと。甘いもの、特に生クリームが大好きだったさけかす子さんは、ニキビなどの肌荒れに悩まされていました。 「我慢せずに食べたいけど、太りたくないと思っていたときに、東京農大の先輩に教えてもらって酒粕を知りました。クリームみたいで濃厚なのにヘルシーなところに惹かれたんですが、東京農大の大学院に通っていたころは、お金も時間もないので酒粕甘酒を主食にしていたほどです」 これまで食べた酒粕は100種類以上。 さまざまな健康的機能も知られる酒粕ですが、好きないちばんの理由は「美味しいから」だと断言します。 「酒粕はいろいろな用途に使えますが、好きなのはそのまま食べて美味しいもの。ほんのりした甘さとほどよい酸味があって、苦みが少ないものが好きです。 酒粕の味が酒蔵によって違うことを知るきっかけになったのは、山形県・楯の川
伝統的な日本酒のラベルに見られる「ひげ文字」という書体。前編では、これまでの歴史について解説しました。 後編となる今回は、石川県金沢市で長く酒ラベルのデザインにかかわってきた中山穆(あつし)さん(90)にお聞きした話を紹介します。そのうえで日本酒ラベルを研究している筆者が、ラベルやひげ文字を近代デザイン遺産として再評価し、アーカイブ化することを提案します。 2023年6月、金沢市の中山さんの作業場を訪問しました。そこで「ちょっと描いてみました」と見せてもらったのは、酒ラベルの原画パネルです。稲穂と朱杯をバックにした「祝杯」という架空の銘柄。そのまま瓶に貼って出せそうなほどの完成度です。 「銘柄周りがさびしかったので、杯を入れてみました。稲穂は、先輩の版下さん(後述)が残していたのをなぞって……。久しぶりに描いたので3、4日かかりました。あとは醸造場の名入れをすれば出来上がりです」 そこで中
日本酒の商品コンセプトやパッケージデザインが多様化していく一方で、古くから日本では、他社の商品の模倣がしばしば問題視されてきました。特集「日本酒デザインの模倣を考える」前編では、模倣がなぜ起きるのか、法律やその他の観点からどのような問題が起こり得るのかを解説しました。 後編では、商品設計からパッケージまで、クリエイティブに徹底的にこだわるラグジュアリー日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」で注目される株式会社Clear代表・生駒龍史さんにインタビュー。日本酒デザインにおける独自性の必要性や、模倣に対する考え方についてお話を聞きました。 2020年に、大幅なリブランディングをおこなった「SAKE HUNDRED」。「心を満たし、人生を彩る。」というブランドパーパスのもと、商品設計からパッケージ、プロモーション活動に至るまで、一貫したクリエイティブ(創造に関わるすべてのもの)を開発してきま
飲食店やイベントで日本酒を提供するプロフェッショナルの中でも、燗酒をつけることを専門にしている「お燗番(おかんばん)」という人々がいます。 日本酒は、ほんのわずかな温度の違いでも味わいが変わるもの。それぞれのお酒の個性を見極め、料理やシチュエーションに合わせて最適な温度に温め、最もおいしく味わえる状態で提供するのがお燗番の役割です。温める道具や合わせる酒器、提供タイミングなどによって絶妙な調整を加えるテクニックは、まさに職人技といえるでしょう。 SAKE Streetでは、そんなお燗番の人たちに、燗酒の魅力やこだわりの燗つけメソッドについて語ってもらう不定期連載「お燗番の流儀」をスタート。第一回は、「熱燗DJ」というユニークな肩書でエンタテイメントにお燗を広める「つけたろう」さんにお話を聞きました。 プロフィール 熱燗DJつけたろう 日本酒に対する愛情を熱燗で表現する熱燗DJ。 武蔵野美術
酒造メーカーが生き残りをかけて戦略的なブランディングをおこなう中で、味わいや酒質だけでなく、商品コンセプトやパッケージデザインも多様化してきています。一方で、他社の商品と酷似していることから、「“パクリ”ではないか」と指摘されるケースもたびたび発生しています。 日本酒業界に限らず飲料業界、あるいはほかの日本企業などでも、こうした模倣行為は昔から慣習的におこなわれてきました。そして実は、過去の訴訟事例とその結果を見ると、法的には必ずしもNGと言えないケースもあります。 今回の特集では、日本酒における模倣問題について、前後編にわたって掘り下げていきます。前編では、模倣が起きる原因と、法律面における問題点、そして法律面以外で起こりうるリスクについて、インタビューも交えながら解説します。 なぜ、真似をしてしまうのか?日本の「同質的行動」という慣習そもそも、模倣というのは日本酒に限らず、日本のさまざ
錫・銅・アルミ・ステンレスのちろりを比較して徹底検証! - 高いちろりで、本当に日本酒はおいしくなる?山本 聖治 | 日本酒を学ぶ 日本酒の燗酒を作る際によく使用される「ちろり」。錫(すず)をはじめ、銅やアルミニウムなど、さまざまな素材で作られたものが販売されています。 ちろりの素材についての解説を調べてみると、例えば以下のようなコメントが書かれています。 「銅のちろりは熱伝導性が高いので、お酒を均一に温めることができます」 「すずは熱伝導性の高い素材なので、まろやかな美味しい燗酒を作ることができます」 「熱の伝わり方が早いちろりの方が機能的です」 違う素材なのに、同じようなコメントが羅列されており、間違いではないとはいえ、どこか的を射ていないように感じてしまいます。 これらの説明は正確なのか。また、素材の違いによって、実際の味わいにどのような変化が生じるのか。今回はこの疑問を解消する
冷蔵設備が広く普及し、フルーティーな味わい・繊細な味わいの日本酒が人気になって久しい昨今。特にこの5年ほどは、日本酒の保管や熟成は冷蔵または氷温がふさわしい、との意見も広まってきています。 フレッシュな味わいを変えずに長期間保存しておきたいという需要は熱心な日本酒ファンの中では多く、なかには自宅でも氷温で保管できる日本酒専用冷蔵庫を保有している人もいます。「氷温熟成」と記載して発売されたり高額な商品も増えてきており、今後の熟成酒の一つの大きな流れになる可能性があります。 一方で常温で熟成させた、よく「燗酒向き」とも呼ばれるようなお酒が、これまでの熟成酒では主流でした。数年〜数十年かけて熟成された日本酒には、新酒では造りえない独特の味わいが表現されます。 ここで一つ疑問が浮かんできます。 「冷蔵でも常温でもなく、加熱しながら熟成させたらどうなるのか?」 これまで日本酒を保管する際には、高温に
山口県で「貴(たか)」を醸す永山本家酒造場は、2001年に5代目の永山貴博さんが杜氏に就任するまでは、杜氏組合から蔵人集団を雇用して酒造りをおこなっていました。 「そのころの酒蔵と杜氏さんたちの関係は、プロ野球の球団と選手のように、成果に対して報酬を支払うシステム。蔵人を社員として雇用する酒蔵が増えたころから、“企業”として労働基準法に則る蔵が増えてきたとはいえ、いまだに従来の慣習が残っているところが混在しているのだと思います」 幼いころから、母親が土日も年末年始も休みなく蔵人たちの食事の世話をしていることに違和感を覚えていたという永山さんは、自らが造りに入ってから、まずは食事の支給を市販のお弁当に変更。代表取締役となった2013年ころからは、繁忙期にスタッフの休日を増やす工夫を始めました。 「土曜日に洗米をおこなわず、仕込みを日曜日に挟まないようにすることで、土日どちらかに交代で休めるよ
山口県の旭酒造が製造する『獺祭』は、日本酒好きではなくても一度はその名を聞いたことがあるほど有名な銘柄です。2010年頃から人気に火がつき、現在の生産量は30年前の約70倍にも達しています。設備の増強にも力を入れており、2015年春には12階建ての新しい蔵(本社蔵)を完成させました。 大規模な生産量や最新設備を導入しているイメージもあってか「旭酒造は杜氏もいないし、すべて機械が造っている。手造りの地酒蔵ではない」と噂されることもあるようです。噂の真相を確かめるべく、旭酒造の本社蔵を訪問しました。 30,000石を160人の蔵人で桜井博志会長による案内で足を踏み入れた本社蔵は、鉄筋12階(地下一階)建て、延べ床面積は約11800㎡。この本社蔵と第二蔵をあわせて造る酒の量は30,000石(540万リットル)にのぼります。酒造りに携わる蔵人の数は、160人。これは、同規模を製造する企業平均の3倍
筆者は「酒票」と呼ばれる日本酒のラベルが持つ美しさに魅せられ、その収集を始めて40年になります。これまでに集めたラベルの数は、1万5000~2万点程度になるでしょうか。これらの所蔵品を、広島県熊野町「筆の里工房」で日本酒ラベル展「酒票の美 - 文字と意匠」に出展しています(2021年11月7日まで)。 しかし近年、地酒専門店を覗いても、ラベルにときめくことが少なくなりました。どれも似たような顔で、色も絵柄も乏しく見えてしまうのです。味のあるラベルが、その美しさを競っていたのは、明治から昭和にかけて。なぜこのような変化が起きたのでしょうか、日本酒ラベルの変遷とこれからを考えてみます。 今回は前編として、日本酒ラベル発祥からの流れを、デザインを切り口にしてたどります。そして「日本酒のラベルはなぜ美しい(美しかった)のだろう」という素朴な疑問に迫っていきます。 言ってしまえば、「たかがラベル」。
「日本酒の辛口」を考えるこの連載、これまでの二回の記事では、辛口という言葉が使われやすい背景として1980〜90年代の「淡麗辛口ブーム」が重要だったことに触れました。一方でこの連載を企画した筆者本人も含め、「淡麗辛口ブーム」を直接体験していない世代の飲み手も増えてきています。 淡麗辛口ブームの頃から現代に至るまで、「辛口」はどのように変わってきたのか?これからの「辛口」はどうなっていくのか? 日本酒を愛し続けて約30年、東京・大塚に地酒専門店「地酒屋こだま」を開店して約10年、異業種から参入し「モノ言う酒屋」として発信を行ってきた「たけさん」こと児玉 武也(こだま たけや)さんにお話を伺いました。 ーーまずは、たけさんが日本酒を飲み始めたころの「辛口」についてお聞きしたいのですが、その頃はやはり「淡麗辛口」のお酒が中心だったのでしょうか? 僕が日本酒を飲み始めたのは今から30年ぐらい前、1
「辛口ください」 この言葉は、日本酒を扱う飲食店や酒販店で働く提供者にとっての悩みの種として、ネット上でもたびたび話題となり議論が交わされてきました。「辛口を注文していた人が実際に求めていた味はフルーティーな香りのあるお酒だった」など、この「辛口」という言葉から連想される味わいは、消費者と提供者ですれ違いが存在しています。雑誌等のメディアでも、これまでさまざまな立場の人々が「辛口」に関する知見や意見を述べてきています。それらを見聞きしてきた人は日本酒の「辛口」について理解を深めてきたかもしれません。 しかし、依然としてこの悩みは解決への道筋が見えていません。日本酒を選ぶうえでの常套句とされてきた言葉が、消費者にも、提供者にも、ひいては製造者にも共通の問題意識として残り続けているのです。 この「辛口ください」問題を生んだ原因に目を向けていくと、これが一筋縄では解決しないものであることに気が付
穏やかでユーモラスな語り口で剣菱の歴史をお話してくれたのは、剣菱酒造蔵元・白樫家の4代目である白樫政孝社長。1505(永正2)年に伊丹で創業した剣菱酒造は、500年以上にわたる歴史の中で、5軒にわたり蔵元を交代してきました。 創業者は稲寺屋。200年以上にわたるその経営下では、赤穂四十七士が吉良邸への討ち入り前の出陣酒として剣菱を飲んだことをきっかけに大ブームが巻き起こります。近年、タピオカを飲むことを「タピる」と表現するように、剣菱を飲むことを「けんびる」と呼んでいたことが文献に残っているほど。 しかし、そこでうっかり調子に乗ってしまった稲寺屋。 「当時は製造量や酒を造ってよい時期が細かく決まってたのに、『出したら売れるから』とたくさん造って売り抜こうとした結果、2回捕まって廃業。現在で言うところのコンプライアンス違反ですね」 2軒目の蔵元は津国屋。現在のラベルにある「瀧水」という商標は
異業種の地元企業が出会った、廃業目前の酒蔵と女性杜氏長州産業が畑違いの日本酒造りに関わるきっかけになったのは、新規事業として2017年から始めたチョウザメの養殖です。チョウザメ養殖の鍵を握るのは良質で豊富な地下水。県内3カ所で養殖場所を設ける一方、さらに拠点を探して岡本晋(すすむ)社長が辿り着いたのが下関市菊川町にある児玉酒造でした。 そこで出会った蔵元の児玉剛さんから、「造りは15年前から止めているし、後継者もいないので廃業を考えている」と聞かされます。岡本社長はそれを知って「地域の文化である酒蔵が消えるのは惜しい。この地に続いてきた日本酒の文化と伝統を残すため、新規事業として取り組む価値がある」と考え、児玉酒造の事業承継を決めます。2017年夏のことでした。 その後準備を進め、2018年春に児玉酒造の事業承継手続きを完了。社名を長州酒造に変え、老朽化した酒蔵を解体して、更地にゼロから酒
店頭でラベルや商品説明を読んでお酒を買ってみたけど、家に帰って飲んでみると「美味しくない・・・」と感じることがあるかもしれません。試飲して購入ができれば良いのですが、通販や試飲ができないお店では直感に頼らざるをえないこともあります。 でも、日本酒は飲み方次第で味わいが大きく変わります。幅広い楽しみ方を知っておけば、美味しいと感じる日本酒も増え、お酒を買うのも飲むのもますます楽しくなるでしょう。今回は、買ったお酒が好みに合わなかったときに試してみてほしいことを5つ、ご紹介します。ここに書かれていることを全部試して!ということではなくて、この中で試せそうなものや、飲んだ日本酒の特徴に近いものがあったらぜひ、試してみてください! デキャンタージュ一番簡単に試せる方法が、デキャンタージュです。デキャンタージュとはワインを飲む際に使われる手法で、ボトルから「デキャンタ」という容器に移すことによって液
人間が感じる美味しさのうち、8割は香りによるものだと言われています。日本酒の香り成分は100種類を超えると言われており、そのバランスでお酒の香りが決まってきます。なかでも吟醸香と言われる香りは最近の研究でリラックス効果が科学的に認められたものでもあるのです。 https://www.gekkeikan.co.jp/company/news/detail/135/ 今回は吟醸香編と題しまして、吟醸酒でよく感じる果実のようなフルーティな香りやそれを支える香りについて、科学的な視点から解説していこうと思います。 よく精米して低温でゆっくり発酵させる、「吟醸づくり」が香りに影響するここでは簡単に吟醸香の核ともいえる吟醸造りについて触れたいと思います。まず、吟醸造りとは何かということを国税庁のウェブサイトに掲載されている用語解説から引用します。 吟醸造りとは、吟味して醸造することをいい、伝統的に、よ
アメリカの酒文化に学ぶSAKEの未来(1/2) - なぜ、今アメリカでSAKEの造り手が増えているのか木村 咲貴 | SAKE業界の新潮流 いま、海外でSAKE(※1)を造る小規模醸造所(※2)が増えています。中でも、トップの醸造所数を誇るのはアメリカ。きた産業株式会社の統計によれば、 日本国外にある33の小規模SAKE醸造所のうち、約6割にあたる19蔵がアメリカに存在 しています。このほか建設中の蔵もあれば、数年で廃業に至ってしまうケースもあるため、数値は絶え間なく増減。とはいえ、アメリカは海外のクラフトSAKEブームをリードする存在だと言うことができるでしょう。 なぜ、いま、アメリカでSAKEが造られているのでしょうか。歴史や法制度、実際のプレイヤーたちの言葉をもとに、その理由をひも解いていきましょう。 (※1)国税庁の定める「地理的表示」により、『日本酒』と名乗ることができるのは
日本酒の中でもアル添(あるてん)と呼ばれるカテゴリがあるのをご存知でしょうか?アル添とは「醸造アルコール添加の日本酒」の略称です。 日本酒を好んで飲む人の中にも、「日本酒は純米しか頼まない」「アル添された日本酒は悪酔いするから飲まない」という人もいます。 「醸造アルコールなるものが体に悪い影響を与える」と考え、アル添を避ける人もいるようです。そもそも醸造アルコールとは何なのか、酒造りにおいてどのような役割を果たしているのか、そしてアル添は純米の日本酒よりも体に悪影響を及ぼすのか。アル添の歴史にも触れながら、幅広く説明していきたいと思います。 そもそも醸造アルコールとは何でしょうか?「清酒の製法品質表示基準」では、「醸造アルコールとは、でんぷん質物又は含糖質物を原料として発酵させて蒸留したアルコールをいうものとする」と定義されています。 もう少しわかりやすく表現すると、醸造アルコールとは、サ
日本酒をいろいろと飲んでいると、米だけではなく酵母にもいろいろな種類があることに気が付くかもしれません。特に最近では「6号酵母」を使った新政のNo.6のように、ラベルで使用酵母を大きくアピールするお酒も出てきていることから、酵母に注目する機会も増えているように思います。 実は 日本酒の風味を決めるのは、米よりも酵母の与える影響が大きいと言われることもある ほど、酵母は日本酒造りにとって大事な原料の1つです。この機会に、酵母とは何なのか、日本酒の風味にどのような影響を与えているのかを学んでみましょう。 酵母とは?日本酒の発酵に使われる 酵母は、生物学上はS.セレビシエ(サッカロマイセスセレビシエ)という名称の菌類の一種 です。 日本酒に限らず、お酒を造る際には「糖を分解してアルコール(エタノール)と二酸化炭素を生成する」いわゆるアルコール発酵というプロセスが必要になります。S.セレビシエは日
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