サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
今年の「かわいい」
premium.kai-you.net
アニメは人並み程度には見ているが、声優への関心は希薄だ。というよりも、そもそも誰でも知っているような有名声優でも名前と声とが結びつかない、そうしたセンスが欠落しているのだが、不思議と田中敦子さんの声はしっかり聞き分けることができた。 それはひとえに『攻殻機動隊』シリーズの、草薙素子少佐の存在によるものだ。だから田中敦子さんの訃報を知ったときは、まるで『イノセンス』での、バトーのような気持ちになってしまった。 目次繋がりへの期待を放棄した『イノセンス』時代に遅れ、時代を見送った押井守の『イノセンス』再考救いがなく、惨めで、光の当たらない人生をおくる「弱者男性」としてのバトー押井守と、ミソジニー的こじらせの問題「主体を救い出す」ハードボイルドという試みハードボイルドの美学とは? 反発生んだアルトマン版『ロング・グッドバイ』我々はいかにして、孤独な生をまっとうすればいいのか草薙素子の「守護天使」
なぜインドネシアのVTuberシーンが注目され、隆盛しているのか。 改めてそれを分析するため、これまでの歩みとそこで行っていることを振り返っていく。 前編では、インドネシアがなぜ日本文化と親和性があって、どういった独自のVTuber文化を積み重ねてきたのかざっくりと紹介した。 VTuberが一度下火になったインドネシアで、今再び文化が返り咲こうとしている VTuber(バーチャルYouTuber)というカルチャーが世界に広がり始め、カバー株式会社のホロライブやANYCOLOR株式会社のにじさん… ここからは、2022年に入り巻かれた種が芽吹き始めるところから始まる。 目次Kobo Kanaeruという超新星──インドネシアで記録的な成功を遂げたホロライブのVTuberホロライブとにじさんじ、成功と失敗の分かれ目は何だったのか?タブーを踏み抜き大躍進 謎のエージェンシー「AKA Virtua
日々変わっていくVTuberシーンの今を、その渦中に身を置くVTuber自身に解説してもらう連載「おしえて、九条林檎様!」。お相手は、バーチャル蠱毒と呼ばれた特殊なオーディションを勝ち抜き、2度の企業所属を経験し、今は個人勢として活躍している九条林檎さん。 第6回のテーマは、みんなが気になっていて、常にシーンで取り沙汰される「VTuberの活動休止」問題です。 体調不良で活動休止するVTuberが後を絶たないのはなぜなのか? 約5年の活動期間で一度も活動休止をしていない九条林檎さんに、その秘訣や、業界内での健康への取り組みについて聞きます。 目次「我々は倒れるまでのチキンレースをやっている」VTuberは毎日何をしている? 九条林檎のある日のスケジュールVTuberの過酷な生存競争──人間を使い潰す、プラットフォームの在り方九条林檎が5年間、活動休止せずに走り続けられた理由ファンしかできな
VTuber(バーチャルYouTuber)というカルチャーが世界に広がり始め、カバー株式会社のホロライブやANYCOLOR株式会社のにじさんじの海外成功から5年が経とうとしている。 VTuberという単語自体への注目は次第に落ち着きつつあるものの、VShojoのIronmouseが「Twitch subathon」のサブスクリプション数で世界一位を記録し、HYBE傘下が運営する推し活アプリ「Weverse」が世界的に活躍するVTuberやVirtual Idolの歌特集を組むなど、その影響力は増し続けている。 VTuberの国際的な状況については、中国やアメリカ、ロシア、ラテンアメリカ、韓国、タイなどさまざまな視点で語られてきたが、意外と取り上げられていない国がある。それがインドネシアだ。 VTuberはグローバル化できるか? ANYCOLORにカバー、Brave groupの戦略 202
『呪術廻戦』という作品の顔であり続けた五条悟は、1989年12月生まれと設定されている。私事だが、1988年12月生まれの筆者はちょうど彼と1歳違いである。同世代と言っても差し支えないだろう。 「五条悟世代」は、「昭和」と「平成」の端境期に生まれた世代である。筆者の学年は特に象徴的で、和暦にして3種類の人間が混在する。1988年から1989年への変わり目、年が明けてわずか一週間で昭和天皇が崩御したため、通常の4月-12月生まれ(昭和63年生まれ)と1月-3月生まれ(平成元年生まれ)とは別に、1989年1月1日-1月7日というごく短い期間である「昭和64年」生まれの人間が存在するのだ。 つまり、12月生まれの筆者はギリギリ「昭和生まれ」なのだが、それ以前に60余年の歴史を持つ「昭和」を自分世代のものだとは到底思えないし、かといってその後30年も続いた「平成」生まれの代表面をするのも気が引ける
ある日突然、ソーシャルVRプラットフォーム・VRChatに降り立ち、信じられないほどの勢いでその魅力を広めていった人。それが、ストリーマー・スタンミさんに対する、現役VRChatユーザーとしての素直な感想だ。 その知名度に甘んじることなく、多くの人が見て「おもしろい」と率直に感じる企画を打ち続け、その上で「大切な友人とゆるくもかけがえのない日常を送れる場所」としてもVRChatを大人数へ示した活動スタイルは、類を見ない。彼が現れてから、VRChatコミュニティには波乱が起こりつつも、明らかに活発になっている。数年ほどこの世界に身を置き続ける筆者としては、感謝したい逸材だ。 我々にとっても嵐のような日々だったが、当然、本人にとってはなおのこと嵐のような日々が駆け抜けていったことは、想像に難くない。 今回短い時間ではあるが、筆者はスタンミさんにインタビューする機会を得た。2024年現在のVRC
「自分はもうオワコンだと思う」──予想外の言葉を口にしたやみえんさんが語ったのは、期待されながら走り続けた2年間への疲れと、「自分自身は応援されたいとは思わない」という、赤裸々な心境だった。 しばらくは配信者としては「隠居」するとも語る中、残された目標は何か。今後の展望について尋ねる前に、動画投稿者、配信者、役者、コンカフェプロデューサーなどなど、様々な活動を積み重ねてきた、これまでの人生を振り返っていただいた。 ■撮影:Vket2024S The Alter Vista - Crescent Calm(VRChat) 目次2007年のニコニコ動画から始まった動画投稿と配信配信者は最初から職業になると考えていた。それでも「お金に興味はない」最初は「声優になりたかった」役者・やみえんの歩みをたどる配信とは違う、現実逃避の場としての舞台「百合」コンセプトのコンカフェで叶えたいもの「いいなと思っ
2024年9月21日に開催された「THE HOPE 2024」にて、Creepy Nutsが出演した。 お台場に特設会場を設け、初めて2日間にわたって開催された「THE HOPE」には数万人のヒップホップファンが来場。 彼らの前で「合法的トビ方ノススメ」、「ビリケン」、「Bling-Bang-Bang-Born」と披露したR-指定は、その感慨を口にする。 俺がラップ始めた時、何年前の中学校高校の時 ヒップホップのフェスで こんだけ大勢のお客さん集まって こんだけみんなが色んな人の曲知ってて 一緒に盛り上がって踊って 若手もレジェンドも出てくるようなイベント この規模でできるってまったく想像してなかった 自分の想像とか理想みたいな超えたとこにある現実が 今目の前に広がってます HOPE 夢のような景色見せてくれてありがとう「THE HOPE 2024」R-指定 ヒップホップは今、これほどに市
VTuber黎明期に活動を始め、2度の企業所属を経て今は個人勢として活躍する九条林檎さん。酸いも甘いも噛み分けてきた彼女に、話題の尽きないVTuberシーンを語ってもらう連載「おしえて、九条林檎様!」も5回目となりました。 今回のテーマは、「VTuberと外部クリエイター」です。にじさんじを運営するANYCOLORが、所属タレントへの外部クリエイターによる悪質な行為に対して声明を出した一件を、VTuber当人はどう受け止めたのか。業界の動向予測を交えてお届けします。 目次完璧とはいかないVTuberのプライバシー対策裏切られた性善説 変わらざるを得ないスタジオと事務所の対応“インディー”感が残るも、秘密保持契約の普及が進むVTuber業界VTuberの間で共有される情報、噂、知見 メディアへのリーク対策も歴史的には事務所とのトラブルも スタッフと会わなくなる可能性は? 完璧とはいかないVT
謎めいている──配信者・動画投稿者であるやみえんさんへの、率直な感想だ。 経歴を調べていくと、2000年代から動画投稿・配信を始め、YouTubeを中心に活動しつつ、時には俳優として舞台に立ち、時にはコンセプトカフェのプロデュースも手掛けている。それぞれの活動領域が重なっているようには、パッとは見えない。非常にマルチな活動を精力的に展開している人物だ、と感じた。 そしてなにより、直近ではバーチャルアバターを獲得し、ソーシャルVRプラットフォーム・VRChatにやってきた。昨今のストリーマーによるVRChatブームが巻き起こっている中、VRChatの住民たちを招いて話を聞くユニークなインタビュー企画を仕掛けてきたやみえんさんに、現役VRChatユーザーである筆者も以前から注視していた。 様々な興味が湧く中、筆者はやみえんさんに、2時間に渡るインタビューを実施した。不意に切り出されたのは、「自
2023年の末、私はPlayStation5で『ペルソナ5 ザ・ロイヤル(以下、『P5R』と表記)』(アトラス)をプレイしていた。高校生の主人公を中心とするグループが「心の怪盗団」として活躍する人気RPGだ。 私は『P5R』をプレイしながら、幾度となく「大衆社会論だ……」と呟くことになった。その少し前、私は大衆社会論に関する論文を書いたのだが、『P5R』はまさに「大衆」を重要なテーマとする作品だったからだ。 ペルソナ5には無印とロイヤルの二種類があるのだけれども、ロイヤルのほうが大衆社会論としての深みが増している。 — Shotaro TSUDA (@brighthelmer) April 5, 2024 折しも、アトラスは2024年の10月11日(金)に新作RPG『メタファー リファンタジオ』の発売を予定している。ペルソナ3/4/5のスタッフによる作品で、トレイラーを見る限り、たしかにイ
本稿は、批評家・編集者の村上裕一氏が、2024年5月に開催された「文学フリマ東京38」にて配布した論考「バーンアウトの問題」を再構成したものとなる。 バーンアウト(燃え尽き症候群)と言えば、読書という切り口からバーンアウト問題を論じて大ヒットした三宅香帆氏の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が記憶に新しい。 『ゴーストの条件 クラウドを巡礼する想像力』や『ネトウヨ化する日本 暴走する共感とネット時代の「新中間大衆」』などの単著を持つ村上氏は、労働と燃え尽き、その究極系である「頂き女子りりちゃん」とその背景にある人間的資本主義への視座を通して、ゲーム的リアリズムから課金的リアリズムへの移行について論じている。 目次バーンアウトとは、金が全ての指標となる「課金的リアリズム」の問題系である「命がけの飛躍」──頂き女子りりちゃんと新宿タワマン刺殺事件とを分つもの頂き女子とホストの売掛問題、あ
ひとつの寓話から始めたい。『サルたちの狂宴』という、シリコンバレーのスタートアップ企業を運営していた人間が自らの経験を記した本がある。FacebookやAppleで活躍した著者は、当のスタートアップについて自嘲的にこう語る。 スタートアップとは、新しいアイディアによって華やかな未来を提案する夢のある新興企業のように思える。しかし著者にとってそれは、本の原題である“カオスモンキー”に近いものだ、と。 カオスモンキーとは、自社のシステムが障害に耐えられるかどうかを試すために、意図してシステム障害を起こすプログラムのことだ。『サルたちの狂宴』では、スタートアップの台頭とはある種、「社会にとってのカオスモンキーのようなものだ」と喩えてみせる。 たとえばUberの登場によって既存のタクシー業界が影響を受けたように、新興サービスが台頭するということは、既存の社会が無傷でいられるか、どんな犠牲を払うこと
イラストはこれだけブームになっているのに関わらず、「評論」というジャンルはほぼ存在しない。 近年の新興カルチャーでも、VOCALOIDなどの音楽やVTuberといった文化は調べればいくつも評論を見つけることができるし、ジャンルとしても少なからず存在している。 それ以上に歴史のあるイラストにおいて、なぜここまでイラストを語る言説が少ないのか。その背景や事情を分析する。 目次ユニークさや素晴らしさだけでは、アートではないイラストに評論が存在しない、2つの理由イラストに賛否両論は存在しない?(褒めてます)ただし、教本だけは批判に晒されるなぜ、評論が必要なのか?──100年後にも残る言葉を ユニークさや素晴らしさだけでは、アートではない 少し前に、世界的アーティストの村上隆氏が登場したYouTube番組「ReHacQ」が話題になりました。動画の中で村上隆氏は「100年後はアニメや漫画は歴史の中で最
『ゲームの王国』『地図と拳』知られる作家・小川哲。折に触れてゲーム文化について洞察してきた彼はどのようにゲームに親しんできたのか。 のめり込んだ傑作『シヴィライゼーション』やサバイバルクラフト、アナログゲームへのこだわりから、その先にある世界まで。 気鋭の小説家、小川哲。 満州を巡って繰り広げられる歴史巨編『地図と拳』が第168回直木賞を受賞。クイズ番組で起きた珍事を掘り下げる小説『君のクイズ』が第76回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門を受賞した、才気あふれる作家だ。 小川氏は小説家としてのキャリアのなかで、ポル・ポトの圧政下を独自のゲーム理論で生き抜くカンボジアの天才少年を描いた『ゲームの王国』といった小説をはじめ、折に触れてゲーム文化について洞察してきた。 今回、小川氏と兼ねてから親交があったゲームシナリオライターである筆者・各務都心が、小川氏のゲーム観を根掘り葉掘りインタビ
昨今規制の煽りを受けているアダルト業界。タレントとメーカーなとの間で契約の締結が必須になるなど多数の制限が加わったAV新法に、決済会社がプラットフォームでクレジットカードを使用できなくするなどの被害に遭っており、以前よりも制約された状態に置かれている。 一方、その中でアダルトを専門に活動するVTuberの一群であるAVTuberは、アダルト向けのライブ・プラットフォームとして知られるFC2のBANが相次いでいた。 AVTuberはどのような状況に置かれているか。どんな対応を迫られているのか。 今回、自身でもAVTuberの事務所を運営しており、現在のインディーズなAVが当たり前になる以前からAVを個人で制作、「同人AV」という単語をつくった主でもあるピンキーwebさんに取材。 クレジットカード会社がアダルトコンテンツから撤退したように見える業界の背景や、FC2のBAN事情と、その代替となる
これまでの連載では、「ケア誘いビジネス」としてのVTuberのビジネス構造を論じ、第二回では、VTuberが労働者として直面する「おもちゃ的労働」の構造を明らかにした。 私たちが次に考えなければならないのは、「私たち視聴者とVTuberのオルタナティブな関係性」である。なぜなら、これらに代表されるようなスポイル的鑑賞──VTuberの活動を邪魔したり、イメージを毀損したり、他のファンの鑑賞を阻害したりするようなVTuberの鑑賞──が前提とするのは、バッドケアの対象としてVTuberに過剰なケアをするにせよ、インターネットのおもちゃとしてVTuberで遊ぶにせよ、どちらもたとえ産業構造や事務所が必要とするにせよ、VTuberの心身を疲弊させる持続不可能な関係性だからだ。 もしも私たちがほんとうにVTuberをケアし、彼らと遊び続けたいと思うのならば、時にはVTuberを引退や卒業に追い込む
『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』(以下『マギレコ』)というアプリゲームがある。いや、あった。 2017年8月22日よりソニーミュージック傘下のアニプレックスとゲーム開発会社・f4samuraiとの協業体制でサービスを開始し、ゲーム内ムービーの制作は『魔法少女まどか☆マギカ』(以下『まどマギ』)から引き続き、アニメーション制作会社・シャフトが担当した。 メインストーリーは大きく第1部「幸福の魔女編」と第2部「終結の百禍編」に分かれている。2020年から2022年にかけては、第1部の内容をベースに同じくシャフト制作による『マギレコ』のテレビシリーズ(以下アニメ版)も放送され、『まどマギ』がアート方面からも評価される一因となった「魔女空間」デザイン担当の劇団イヌカレー・泥犬が、総監督という立場で関わったことも話題となった。 そして2024年7月31日にアプリ本体が、約7年間の歴史に
声優で、バーチャルYouTuber(VTuber)のパイオニア・キズナアイのボイスモデルとして活動してきた春日望さんへの独占取材。 自身の声優に至るまでの経緯や、これまで語られることがあまりなかったキズナアイのオーディション秘話。そして分人騒動の裏話。 そんな話を赤裸々に語る春日さん。後編では「キズナアイのアニメ化」とも発表され、実際にはキズナアイを目指す少女が主人公に描かれた『絆のアリル』から、バーチャルYouTuberカルチャーにおいてのキズナアイについてなどをうかがった。 「VTuberとはなにか?」「VTuberは生身の肉体を晒すべきなのか?」といった議論が好きな視聴者は是非最後まで読んでいただきたい。 目次キズナアイ、スリープから再始動へ?アイちゃんに全振りしたかった自分がいた バーチャルYouTuberとVTuberとキズナアイ歌い手文化や生放送文化──春日望から見たバーチャル
栄枯盛衰、毀誉褒貶の激しいVTuberシーン。激動の時代を、渦中からプレイヤー視点で解説し、その歴史を刻む連載「おしえて、林檎様!」。 今回も、VTuber界で酸いも甘いも噛み分けてきた、吸血鬼と人間のハイブリッドレディこと九条林檎さんに聞いていきます。 第3回目のテーマは、今に至るバーチャルYouTuberの始祖的存在「Kizuna AI」(キズナアイ)さんです。 6月30日にキズナアイさんが様々なメッセージを届ける意味深な動画が公開され、2022年2月から2年ぶりに活動復帰するのでは? と囁かれています。以降目立った動きはありませんが、依然動向は注視されています。 キズナアイとは何だったのか? 「関わるのをやめようと思ったことも」春日望が初めて語る誕生秘話 バーチャルYouTuber(VTuber)は「影の立役者」によって成り立っている。名前を知られることのないファンも存在としては大き
近年はイラストレーターの個展が増えてきた。これまでのギャラリーで行われてきた個展とは違い、企業が全面的にバックアップをするというスタイルである。 予算をかけて設計され、こわだり抜かれた展示──一見華やかで、動員も見込めそうに思えることだろう。ただし、そこには課題も横たわっている。 今回は、ネット中心で活動してきたイラストレーターが展示を行うモチベーション、そして展示企画の持つ課題について考えていく。 目次なぜ、絵描きは個展をやるのか?表現への探究心、プロダクトへのこだわり──イラストレーターが個展をやる理由現代においてイラスト個展を成功に導くためには、チームが必要不可欠個展は、金がかかる。そして、回収はさらに難しい数百万円のお金は、どこから出ているのか?個展の収益モデル 作家の取り分やギャラリーの取り分は?デスマーチ、トラブル、イベント対策……展示企画の課題作家ではなく、企画を立てるこれか
バーチャルYouTuber(VTuber)は「影の立役者」によって成り立っている。名前を知られることのないファンも存在としては大きい。しかし、名前の出ないスタッフ、演者たちは、まさに業界を裏で支える影の存在として、どこかに居続けている。 その必要不可欠な存在の中で、とても大きな貢献をしているのにも関わらず、表に出ることを本当は望んでいなかった人物がいる。それは、バーチャルYouTuberのパイオニア・キズナアイさんのボイスモデル、春日望さんである。 2020年、とあることをきっかけにキズナアイさんに携わっていることを正式に発表。2022年にキズナアイさんはスリープ(無期限活動休止)をしており、先日から謎の生配信を行っている。 春日望さんはあの頃何を考え感じていたのか? キズナアイプロジェクトにどのように携わってきたのか? そして今、どんな夢を思い描いているのか? 独占インタビューを前後編で
「インターネットのおもちゃ」というスラングがある。インターネット上で、人々のからかいの対象になること。例えば、VTuberである赤見かるびは配信で次のような印象的な言葉を残している。 ほんとにさみんな炎上のネタ好きだよね。って考えるとさ、誰かが炎上した時ってさ、インターネットであーぎゃー言うじゃん。 そうやって言うの楽しいんでしょ〔視聴者の〕みんな、実は。 いやすごいよ。〔VTuberやYouTuberは〕体張ってみんな。 かるびも思ったよ。みんながそれで笑顔になるならいいよって、思う。それで、おもしろいって。炎上ネタをいじって、おもしろいって思ってくれる人がいるならいいやって。 私、配信〔業〕を始めるときに、相当な、覚悟を決めたからね。 私はインターネットのおもちゃになる。それを覚悟して配信を始めたから。(赤見 2022、強調と〔〕の追加は筆者) VTuberをインターネットのおもちゃに
華々しいデビューを飾る者がいる裏で、人知れず表舞台から去っていく者もいる。激動のVTuberシーンの“今”をアーカイブすることで、後世に歴史的資料として残すことを試みる連載「おしえて、林檎様!」。 今回も吸血鬼と人間のハイブリッドレディこと九条林檎さんに、VTuberシーンのリアルを聞いていきます。 今回触れるトピック ・企業が著作権(IP)を売らないことのメリット ・VTuberと企業の認識がズレやすいマネジメントの範囲 ・『学園アイドルマスター』のプロデューサーが凄い ・メタバースの何が終わって、何が終わっていないのか ・VRChatのスマホ対応と、clusterへの影響 ・VTuberとVRシーンの距離はなぜ遠い? 第2回のテーマは「VTuberの著作権」。以前所属していたAVATAR2.0 Projectから、自身の著作権を買い取っていたことが話題になった当人に、VTuberの著作
クイズには、構造的な課題がある? 知識集団・QuizKnock。東大のクイズ研究会を中心に、Webメディアから始まりYouTubeチャンネルを設立した。いまやテレビでの活躍を見ない日はないほどの売れっ子で、YouTubeチャンネルの登録者数は225万人を誇る。 約3年間クイズ番組「東大王」大将もつとめたエンジニアで数理科学博士号を持つ鶴崎修功さん、「競技クイズ界最強の男」の異名を持つクイズプレイヤーにして、QuizKnockを運営する株式会社batonで広報を担当する徳久倫康さんの2人にお越しいただいた。 「楽しいから始まる学び」をテーマに活動するQuizKnockだが、一方でその胸中には、クイズの絶対視とはほど遠い、複雑な葛藤もある。 マスメディアで見せる闊達な様子とは裏腹に、彼らは常に自問自答を続けてきた──「そもそもクイズとは何なのか」「クイズの公平さはどのように保たれるべきなのか」
イラスト評論「ネット絵学」プロジェクトを推進してきたイラストレーター・虎硬がおくる新連載「令和のネット絵学」。 今回は、イラストレーターであり、広告や画集などを手掛けるプランナー・ディレクターでもある筆者が、イラストレーターに限らず、クリエイターに仕事を頼む「発注」の極意を明かします。 目次仕事は必ず「発注」から生まれる発注のお作法は、この10年で進化したどんなに忙しくても”あの人のため”なら予定は無限に空くクリエイターのモチベーション3原則発注とは、力学を理解した上で設計をすることである発注成功のための、たった一つの鍵考えて、考えて、考えて、言葉を尽くす主役はあくまで企画、それでもストライカーには劇的なゴールを! 仕事は必ず「発注」から生まれる イラストに限らず、仕事は「発注」から生まれます。誰に、何を、どのようにお願いするかが、プロジェクトにおけるすべてと言っても過言ではないでしょう。
──あなたにとってアイドルとは? 「実生活において誰かを愛したいのに愛せないみたいな状況が多い。 振り上げた愛のおろし先が見当たらない時に人々の愛を受けて入れてくれる場所。お金に代えて」 ある街頭インタビューに答えて。東京大学大学院生(当時)、足立伊織 愛と暴力のメビウスの輪 「仕方ねぇよバカ女なんだから」 「母親がいないせいで精神が未熟なんだろ」 このひどい言葉は文脈なしで読んでも人をぎょっとさせる。 これは、あるVTuberに対する名誉毀損に当たるとして、開示請求を受けた書き込みである(大阪地方裁判所第16民事部令和3年(ワ)第10340号発信者情報開示請求事件、令和4年8月31日判決言渡し)。 書き込んだ者を、私たちは「アンチ」と呼ぶだろう。当該のVTuberを傷つけるひどい行為をした、と。書き込んだ者はよほど当該のVTuberが嫌いなのだろう、と。 しかし、そう簡単な話ではない。こ
『League of Legends(LoL)』を運営するRiot Gamesは6月12日、競技シーン「LoL Esports」における2025年の再編計画を発表した。 新たな3つ目の国際大会の追加や、世界で開催されている各リーグ間でのスケジュールの統一などが発表されている中で、プレイヤーからの注目を特に集めている項目がある。 それは「APAC(アジア太平洋)とAmericas(南北アメリカ)における、複数地域にまたがるリーグの変更計画」だ。 これについて『LoL』プレイヤーや配信者などから、日本の『LoL』の競技シーンの行く末を危惧するものをはじめ、様々な意見が飛び交っている。 「LoL Esports」の新計画などRiot Gamesの発表 APAC(アジア太平洋)の国際リーグが新設する「LoL Esports」 「LoL Esports」は2025年、日本も所属するAPAC地域に、昇
イラスト評論「ネット絵学」プロジェクトを推進してきたイラストレーター・虎硬がおくる新連載「令和のネット絵学」。 今回は、イラストレーターが食っていくために必要なスキルについて。 SNS上ではしばしば、営業力やコミュニケーション能力などが取り沙汰されますが、筆者は断言しています。 結局は画力が全てである。 目次結局は画力が全てである迂回手段としての”コミュニケーション能力”画力不足は、あらゆる地獄を引き寄せる発注側の見極めスキルも求められる画力と同等に重要なものがあるとしたら、メンタルコントロール企画ができる絵描きはめちゃくちゃ強いコミュ力は画力には敵わない 結局は画力が全てである 職業イラストレーターにとっての必要なスキルは、尽きない話題の一つです。 SNSなどでは、職業イラストレーターに必要なスキルとして営業力、コミュニケーション能力や契約書の読み方がよく取り上げられます。もちろんこれら
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『KAI-YOU Premium』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く