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インタビュー
pinetree.hatenablog.com
著名な演出家であり、演劇を長くやってきた観点から「あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント」や「孤独と不安のレッスン」などの本で、身体や言葉の使いかた、他人とのコミュニケーションのとりかたについて優しく読者にアドバイスしてくれた著者。 最近読んだところでは「俳優になりたいあなたへ」で演技とは何をすることか、俳優とはどのような仕事か、について書かれていたのがとても面白かった。 今回の本は、「空気を読め」とあちこちで言われるこの日本で心地よく生きていくにはどうしたらいいか、を主に中高生あたりを想定読者として考えていこうという一冊。 とはいってもこういうことを扱う本によくありがちな、適当に書き散らしたような本ではない。「空気」と「世間」のそれぞれについて、山本七平、阿部謹也という偉大な先人たちが書いていることのエッセンスをしっかり紹介。そのうえで、「読め」と言われる「空気」は、長幼の序や贈与・報
山口の紳士服店を一大企業へと成長させた柳井社長、そしてその周辺へのインタビューを通して、ユニクロの経営手法と働く現場の光と影を浮かび上がらせたドキュメント。少々取材対象を悪く言う方向が強い部分がないではないが、全般としてはとても中立的に書かれていて、むしろ、大きな会社とはそんなものだろう、という納得感があった。この部分は人により感想が違うかもしれない。 なんというか、社長は、自分がほぼ一人で店長として切り盛りしていた山口時代の仕事の楽しさと厳しさ、自分で何でも決めてやっていく自律の精神、それを通じて成長していくことの楽しさを、社員にも感じて欲しいと純粋に思っているだけなのだろうと感じた。インタビューで言われていた「内気な青年」が変わった体験を、社員にもしてほしいのだろう。 もちろん、抱えているもの(家族だとか)や能力は一人ずつ違う。それを丁寧にフォローできるだけの小さい会社ではもはやないの
id:arakik10さんが、先日のエントリについて「違和感を覚えた」「上下関係の記述が目に付く」と書かれていますが、実のところ私の考えはそれほどおっしゃられていることと変わらないと思います。 水平的な関係を作ることの重要性。それについて少し書いてみたいと思います。 うちの研究室は、とても水平関係が多いほうです。 学部で入ってきた学生は、自分のテーマについてよく知っていて、直接指導してくれる先輩(主に博士課程の学生です)と、ある程度知っている先輩が何人もいる中で、研究をしていきます。 こうしたなかでは、助教の先生なども、学生からすると「相談しうる年上の人のなかで、もっとも信頼できる一人」でしかありません。 なので、何か困ったり、指導してほしいけども一人では聞きにくいときは、学年がそれほど離れていない学生にまず聞く風景がよく見られます。そして、「もっと深いことは助教の、ポスドクのあの人に聞い
前の記事はこちらです。 頭のいい人の、無邪気さと傲慢さのあいだ - 千早振る日々 無事に発表が終わってから、先日のエントリについての話を、例の学生に一対一でしてきました。 コメントをたくさんありがとうございました。おかげさまで、参考にしてちゃんと話ができました。 言い訳がましくなりますが、みなさまのブックマークコメントを読ませていただいた補足もかねて、もう少し書こうと思います*1。 まず最初に書いておきたいのは、その学生を妬んで足を引っ張ろうとしているわけではないということです。私も決して明日が保証されている身分ではありませんが、学生を引っ張ってどうこうしようというほど余裕がなくはありません(ボスのおかげです)。 チームで研究をして、困っている人は助け、より大きな成果をあげようという方針*2の中、その学生が修士課程の間に論文を出し、特別研究員になれるのは素直にうれしかったです。これで、一緒
これは面白い!勉強そっちのけの少年時代から、戦争で南方に赴き生死の境をさまよった青年時代、さらには貧乏な紙芝居絵師時代を経て『ゲゲゲの鬼太郎』を生むまでの七転八倒の人生を水木しげるが語る。 薄い本だが中身が濃すぎて、笑いどころ満載である。いや、書いてある内容だけをもう一度考えると、笑うどころか、悲惨だったり読んでいて辛いところもある(というかそういう部分が多い)はずなのだが、その語り口と人生の展開のスピード、なにより著者のおおらかな人生観が、読者にそう思う暇を与えない。逆に、もっと話を聞きたくなるような気にさせてくれる。 著者が南方で大変な思いをしたことは聞いたことがある。しかしこの本を読んでいると、それよりも戻ってきてどうにかマンガでやっていけるようになるまでの話の方がとても大変そうだ。 紙芝居絵師からマンガに転向したときの苦労。『時代の流れの中で、一つの業種が壊滅していく悲惨さはたいへ
追記:ちゃんと話してきました。つづきはこちら。 http://d.hatena.ne.jp/PineTree/20090130/p1 追記2:これだけでは分からないことについて、以下にも書いてみました。 http://d.hatena.ne.jp/PineTree/20090226/p1 http://d.hatena.ne.jp/pollyanna/20081224/p1 以前この記事を読んで、なるほどと思った。 確かに日本では「勉強ができる」ことへの偏見のようなものはあるし、それが科学の発展を妨げているところもあるかもしれないな、と実感があったからだ。 今日この記事を思い出したのは、頭がいいことへの偏見を生んでいるかもしれない、頭のいい人の無邪気さ(英語で言えばナイーブさ)に接してしまったからだ。 私は大学で研究をしている。チームで研究をしているうちの部屋において、自らの研究とともに、
自分で自分の書いているものを「ややこしい」と言ってはばからない橋本治の新書の新刊。くねくねとしつこく物事を考えていく著者の本に魅入られている。しかし、どこがどう面白いのだ?読みたくなるようにおすすめしてくれ、と言われるとどうしたらいいのかわからないのも、また著者なのである。 この本は、『女そのものを格別に苦手と思うわけではないが、その”女”というカテゴリーに属する者の中に、苦手としか言いようのない女がいる(p7)』というところからタイトルがついている。読んでいくうち、これが女性差別を主に考えていく本だということがわかる。 女というものが歴史上ほとんど重要と見られてこなかった、この本で言う「男社会」という時代から、戦後豊かとなって、女性が社会進出するまでの過程を、著者お得意の源氏物語の時代の話や、裁縫(著者は裁縫の本も出しているくらい得意なのである)など家事についての話を交えながら語っていく
このあいだテレビを買った。最近のテレビは値段も機能もさまざまで、販売員さんの話を聞いても、本当に納得して買ってよいのか決めかねる。また、印象に残ったのが、発色を不自然なほどはっきりさせる機能を持ったものがそれなりにあったこと。しかし、それもしばらく見ていると、大きな違いはないように、むしろよりきれいなようにも思えてくる。刺激の強い画像に、こうして慣らされていくのかな、とふと思った瞬間であった。 さて、そこでこの本である。本書では、心の潜在過程、特に『情動系』(感情とそれをもたらす神経や身体の反応)に注目した研究を紹介しつつ、それを刺激したり利用したりするCMや政治キャンペーンについての問題や、潜在過程があるからこそ発揮できる創造性について語っていく。 このように簡単にまとめると、潜在意識に働きかける宣伝の恐ろしさを告発して怒りを覚えているような、ありがちな本を思い浮かべてしまうかもしれない
現役の数学者が、一般向けの数学の本を書くのは、難しいことなのだろうなと思う。サイエンスの本はけっこう読むが、生物系が一番書きやすそうだ。一般の人にとっては、身近に覚えがあるもの、もしくは動物や人間の話が中心になるものが読みやすいだろうからだ。 数学は、なんたって抽象的である。語るには、高所に立たなくてはならない、ような気がする。偉くないと書けないような。しかしこの本は、そういった難しさや偏見を打ち破っているように思う。 著者は40歳。個人的な印象としては、数学でこういう本を書くにはかなり若い方だ。「はじめに」で、こう述べている。 この本は一般向けにわかりやすく数学を解説した本というよりは、むしろ「数学そのもの」についての本であり、数学についての筆者の個人的な思想や信条(そして心情も!)を率直に告白した本である。(「はじめに」) そしてまたこの本は、立派にこのとおりに、「数学そのもの」につい
博物学者、菌類学者、民俗学者。菌類学者としては動物の特徴と植物の特徴を併せ持つ粘菌の研究で知られている。…歩くエンサイクロペディア(百科事典)と呼ばれ、彼の言動や性格が奇抜で人並み外れたものであるため、後世に数々の逸話を残している。 南方熊楠 - Wikipedia 大学などの職につかず、生涯在野の一学者として、昭和天皇にご進講までした南方熊楠。この本は、社会学者である著者が、南方熊楠の世界、仕事、そして生涯についてまとめた、彼を語る上で最も有名な一冊。 若い時期にロンドンの大英博物館で学び(このとき近代中国の偉人孫文と知り合っている)、さまざまな事象に興味をもち多くの原稿を「ネイチャー」などの雑誌に発表した彼のなしたことをまとめるのはとても困難だ。しかしこの本で著者は、「南方曼荼羅(マンダラ)」をキーワードに、民俗学、博物学、菌類学に渡る彼の仕事に、地球レベルの学問体系を見据えた大きなつ
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