近世以前 世間 「世間」は仏教的な世界の意味か世の中一般を指すことが多い。 「万葉集」の中に「世間」を作った歌が45首。漠然と社会全体をあらわす。 中世から近世 世間 個人に対して圧力をかける厳しい「世間」が形成されてきた。 統一政権が成立し流動的な社会が固定してきた。 日本全国どこであってもそれぞれの「世間」がついて回る。 武士の外聞 武士が命を惜しまず戦うのは、主君のためと同時に恩賞のため。ただし名か利かと言えば名を取るのが武士の習い。 義理あるいは義務としての主君への忠誠心のためではなく、武士として生まれた自分の名自体を惜しむ意識からであった。誇り高い武士の身分意識そのものだった。 武士として立っていくため、なにより名誉を大事にした。世間の評判、「外聞」。 戦国時代から統一政権へ移る時代に、個々の戦国大名やその部将、配下の武士を見つめる「世間」があった。 武士は、自分の感情よりも、自