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今年の「#文学」
note.com/p_pakira
論文紹介「<研究動向>「ケルト」とは何か」(九鬼 由紀)/「ケルト研究の現在・過去・これから:近年の考古学,言語学,考古遺伝学の動向から」(常見 信代) 「ケルト」って、何でしょうか。 そう質問されたらどう答えたらいいでしょうか? 私は多分答えられません。言葉に詰まってうなり声を出すしかなくなってしまう。 なぜかというと、これはまさに今議論の真っ最中の熱い議題で、はっきりした結論が出ていない問題だからです。今回は、この議題の論点を概括した二つの論文をご紹介します。 なんとこれらの論文、現在オープンアクセスになっており、誰でも読めます。日本語でケルト学の概論的論文がオープンで読めるというのはとてもありがたいことです。 <研究動向>ケルトとは何か(九鬼 由紀) https://kwansei.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_dow
アイルランドに比類なき英雄、戦士にして狩人にして詩人、強く、賢く、美しい、戦士達の王。それがフィン・マックールです。彼が如何なる男なのか知るために、彼が伝承の中でどのように語られているかを、ライフステージ毎に見ていきましょう。 0.名前まず先に名前を明らかにしておかなければなりません。フィンの名前は「フィン・マク・クウァル」(フィン・マク・クウィル;古期・中期アイルランド語Finn mac Cumaill, 現代アイルランド語Fionn mac Cumhaill;-nnは-ndとも綴られる)といいます。英語化された「フィン・マックール」(Finn Maccool)の方がよく知られています。 この名前は「クウァルの息子フィン」を意味し、クウァル(Cumaill, Cumhaill)とは父親の名前です。「フィン」(Finn, Fionn)という名は「白い、輝いている、見目良い、祝福された、公正
引用1: するとフェル・ディアドはクー・フリンが油断しているのを見てとり、象牙の柄の剣の一撃を見舞い、クー・フリンの胸に突き刺した。そしてクー・フリンの血が彼の腰帯の中に入り、浅瀬はこの戦士の血で赤くなった。フェル・ディアドが強烈な死の連撃を放ったため、彼はこの傷に耐えられなかった。彼はロイグにガイ・ボルガを要求した。ガイ・ボルガの性質は以下のようであった――それは川の流れに置かれ、足指の間から投げるものだった。それは、人の体内に入る時は一つの傷をつけるが、それを取り除こうとするときは30の棘を持ち、その周りの肉を切り取らなければ体内から抜かれることはなかった。(TBC2, from "Táin Bó Cúalnge from the Book of Leinster", Cecile O'Rahilly, pp. 228-229、拙訳)アイルランドいちの英雄といえばクー・フリン。そしてク
1.CODECSって何だ今回は便利なサービスの紹介記事です。有料サービスに誘導して裏で報酬をもらうとかはしないのでご安心ください。 ご紹介するのは、"CODECS" というデータベースです(注:英語です)。 これは、ケルト学のためのオンラインデータベースで、一次、二次問わないケルト学関係の膨大な量の文献が集積されています。私も普段お世話になっています。とても便利なので、皆さんにも知ってもらいたいと思いました。 どんなことができるか知るために、とりあえず実例を眺めてみましょう。私が普段やっている、アイルランド神話関係の調べものの仕方を実践形式で説明します。(なおウェールズの神話についても同様に調べられますが、オンラインで公開されているものは少ないようです) 2.物語を探すアクセスして、右上の検索窓に検索ワードを入れるとデータベース内の項目がヒットします。例として、今回は私が先日翻訳した「エウ
最近日本でも季節のイベントとして定着したハロウィーン。9月に入ると、街は早くもハロウィーンの色に染まります。気が早いですね。みんなで仮装して「トリックオアトリート!」とか言ってお菓子をねだったり、かぼちゃを食べたりする。大体そんな感じのハロウィーン、日本にはアメリカから伝わったらしいです。 その起源がケルト人の習俗「サウィン」とされている、ということはそこそこ知られていますが、それ以上のことを知っている人は中々いないのではないでしょうか。今回はハロウィーンの起源と言われるサウィンについて、可能な限り調べてみました。現代のハロウィーンはアメリカを経由しているので、全ての要素をサウィンから説明することはできないかもしれません。しかし現代のハロウィーンの形と関わりそうな点もありますので、そこに触れつつも、サウィン祭儀全体についてわかる限りみていきましょう。 1.サウィンの日の性質「サウィン」(ア
ドーモ皆さん。ケルト神話のお時間です。 今回は、某FG○で「スカサハ=スカディ」説がぶち上がったので、これを検証したいと思います。 前も言った事ですが、フィクションはフィクション、事実は事実。フィクションの事実性が否定されたところで、そのフィクションの面白さが否定されるわけではありません。エンターテインメントの目的は事実と虚構とに線引きをすることではなく、面白くあることなのです。 つまりここで書くことは、その作品の面白さにケチをつけることでは全くないので、ごあんしんください。 1.スカサハ、スカディとはまず前提として、スカサハとスカディとは何者か、というところを確認します。なお、以下ではより言語に近いとされる表記(スカーサハ、スカジ)で通します。 スカーサハ(Scáthach;スカサハ、スカーハ): アイルランドの伝説における女戦士。アルバ(スコットランドのこと)、またはスコットランドはヘ
どうもこんにちは。はじめましての方ははじめまして。 神話や伝説を読んでいて、詰まったり混乱したりすることは誰しもあると思います。私も何度もあります。今でこそ、アイルランドの神話や伝説に関して多少の知識がつきましたが、触り始めたころは「これ何?」と「なんで?」の連続でした。その疑問は、解消すれば快感へと変わるものですが、一方で伝承文学のとっつきづらさの原因でもあります。 しかし、そのせいでアイルランドの神話に触れなくなる人が出てくるのはもったいない。もっと多くの人に読んで欲しい。1人でもアイルランドの伝承を読む人が増えて欲しい。そう思ったので、アイルランドの神話によく出てくることばについて簡単に説明を行ってまとめてみました。 人名は膨大なので、ここでは取り上げません。また別の機会にやるかもしれません。動物については、個別に記事にしているものもいくつかありますので、そちらをご参照ください(馬、
皆さんは昔のことを知るときに、どのような手段を使いますか? 当時を知ってる人に聞く? それはいい手段ですね。では、もっと昔のことの場合はどうでしょう。当時を知ってる人はもういないかもしれません。そのときはどうしますか? 記録や歴史書を読む。それもいい手段ですね。では、もっともっと前、記録も残っておらず、文字を使ってすらいなかった時代は? 今回は、ケルト人について我々が持てる資料(原資料)についてお話しします、 1.ケルト人を語る資料の種類1.1.ギリシア・ローマによる文字記録 ギリシア・ローマというのは、世界史上の特異点のようなものだと言えます。なぜならば、彼らは文字というものを操り、様々なことを記録しているからです。彼らの記録は多岐にわたり、自分たちのこともあれば、他者のこともあります。彼らにとっての他者といえば、特に大きいのはゲルマン人、そしてケルト人でしょう。 実際、ケルト人に関する
神話を読んでいるときによくあるのが、固有名詞、特に人物名(神様も含む)が覚えられない、ということではないでしょうか。これは外国文学を読むときなど、あるいは世界史の勉強をするときも同様だと思いますが、馴染みのない感じの名前、しかも横文字の名前がたくさん出てくると、とても覚えにくいです(日本や中国の神話なら漢字ですが、それでも現代日本の名前感覚とは大きく離れており、大差ありませんよね)。 ケルト神話(アイルランド)ではこの問題が、尚更複雑になっているように思えます。というのも、同じ神格・人物でも、本によって表記が全然異なることが頻繁にあるのです。経験のある方もいらっしゃるでしょう。そういうわけで、ここではアイルランドの神話や伝説におけるそのような名前の書き方の違いが、なぜ起こるかを説明していきたいと思います。 まず、どのように書かれ方が違うか、具体例を出しましょう。ローズマリー・サトクリフの『
皆さんこんにちは。今回は「再話」について話したいと思います。「再話」というのは、「語り直し」のことで、ゲームでいうなら「リメイク」にあたる活動です。 物語というものは、文字や絵、映像などの何らかの媒体によって、必ず表現されます。そしてその表現というものは、時とともに風化して古びていくものです。しかし、後世に残すべき優れた作品は、何らかの形で新しい形で表現し直されます。神話などの伝承文学では、それが「再話」と呼ばれるのです。 例えば、テレビゲームは映像と文字と音で表現されます。不朽の名作「ドラゴンクエストⅢ」は最初ファミコンで出されましたが、ゲームハードが新しくなるたびにリメイクされ続け、常に最新のハードで遊ぶことができていました。これは作品が生き続けるために必要なことであり、ファミコンでリリースされたっきりでは、今ではほぼ誰もこの作品をプレイできないことになってしまいます。 神話や伝説も同
ケルト世界とアイルランドにおける犬について、そして英雄クー・フランについて――考古学と伝承、神話学の点から 今年は戌年ですね! もう春なのに何言ってんだと思われるかもしれませんが、今度は本当に戌年です。なぜ新年最初のノートでこれを書かなかったのか、自分でもわかりません。 ケルト神話で犬といえば言わずもがな、あのお方です。彼に限らず、ケルト世界において犬は重要な動物です。今回はケルト世界の犬について、考古学、伝承、そして神話学の見地からも少々、お話ししたいと思います。 1.考古学から見るケルト世界の犬現代日本では、犬といったらもっぱらペットですが、古来より犬は人類の友として、生活に役立って来ました。 それはケルト人にとっても同様で、特に狩猟犬としての用途で名高かったようです。紀元前1世紀に生まれたギリシアの著述家ストラボンによれば、ローマ支配以前のブリテン島からは狩猟犬がローマに輸出されてい
ケルト人といえば戦士。戦士といえば剣。そう、まさに剣は戦士の象徴といえるでしょう。 それは現代人が剣に感じるロマンにも通じる話です。ビデオゲームでは槍や斧より剣の方が強く、最上位に扱われます。また今でも日本人は刀を特別視しています。 それは遠く離れた過去の人々にも言えるようで、アイルランドでも刀剣の類は武器の中でも特別な扱いを受けてきました。 今回は、アイルランドにおける剣を、まずは考古学的な面から、次に伝承の面から、見てみましょう。 先史時代の剣アイルランドの先史時代には、極めて珍しい特徴があります。それは、鉄器時代の遺物が著しく少ないという点です。青銅器時代のものは非常に豊富に残っているため、なおさら奇妙なことです。新納泉『鉄器時代と中世前期のアイルランド』では、「沈黙の鉄器時代」という章題を用いています。しかしながら、鉄製のモノもわずかではあるものの発見されています。よってここでは青
彼は詩人になるため、ボイン河に住まうフィンネーギャスに会いに行った。彼は七年間〈フェックの淀み〉の鮭を見ていた。その鮭を食べるとき、彼はこの世に知らないことが一つもない、との予言があったためである。ある時とうとう鮭が捕まり、デムネは鮭を調理するよう命じられた。彼は鮭を決して口にせぬよう言われ、その通りにしたが、調理の際親指が燃え、とっさに口にくわえてしまった。フィンネーギャスは彼に名前をたずねたが、これからはフィンと名乗るよう言い、鮭は彼のものとなったと告げた。フィンは鮭を食い、そしてこの先彼が親指を口にくわえ、呪文を唱えると、どんなことでもわかるようになった。(「フィンの少年時代の功業」(Macgnímartha Find)、部分要約) 最近この「ケルト人と動物」のシリーズに味を占めました。さて、今回は鮭のお話をしましょう。「ケルト神話」と鮭と聞いて、ピンとくる人はきっといらっしゃるでし
私が翻訳したアイルランドの異教的伝承「ブリクリウの饗宴」(Fled Bricrenn)をここに掲載していきたいと思います。 「ブリクリウの饗宴」は複数の写本に書かれており、それぞれバージョンが微妙に、あるいは大きく異なりますが、それらについてここで細かく示したりはしません。 また原テクストを載せてもあまり需要がないと思いますので、訳文のみを載せることにしたいと思います。訳稿では脚注で解説などをしておりますが、ここでは省きます。 「ブリクリウの饗宴」はパラグラフに分けて書かれており、全部で102のパラグラフがあります。本ノートではパラグラフ番号を示しつつ訳文を載せて公開します。 量が多いので、一つのノートにまとめるのは不可能だと判断しました。適当に分けて載せます。本記事では冒頭からパラグラフ7までを掲載しています。 太字の部分はテクストに最初から付されており、大雑把に章分けがなされています。
という疑問をお持ちの方ってどれくらいいらっしゃるんでしょう。もしも一人以上いらっしゃるなら、この記事を書く意味もあろうというもの。 かつては私もこの疑問にぶち当たり、大変苦労しました。もうその時の気持ちは忘れてしまいましたが、私の後を行く人が少しでも楽をできるように、そして少しでも多くの人がケルト人の残した伝承に手を伸ばせるように、私の知ってる限りの手段をここに書きましょう。 そもそもケルト人って何、という話や、ケルト神話ってどういうのがあるの、という話は私のnoteで既にちょっとだけ触れましたが、ここでは詳しく語りません。アイルランドとウェールズの両方の伝承を含んでいる本も多いので、それらを分けて書くよりは、どういう媒体があるかに触れていきましょう。日本語で読めるものと英語のもの、どちらにも言及していきます。 1.抄訳 原典のテクストを短くまとめ直したものは、日本でも結構な数が出版されて
「我に槍を!」吟遊詩人は言った。 「人々が誓うものに我は誓う」クーフランが言った。 「お前は俺が必要とするほどには、この槍を必要としていない。エーリウの男たちが俺のもとへ向かっている。俺もまたやつらのもとへ向かっている」 「もしも汝がそれを寄越さぬというのなら、我は汝を謗り不名誉を伝えよう」「俺は吝嗇と賎しさから謗りをうけたことは一度もない」 クーフランは詩人に槍をその柄を先に向けて投げた。槍は詩人の頭を貫通し、その後ろの九人を殺した。(「クー・フランの死」、Whitley Stokesによる抄訳版、枕屋痛子氏による邦訳) 1.初期アイルランド社会における「名誉」のあり方「名誉」という言葉を現代日本ので使うのは、せいぜい「名誉毀損」くらいでしょうか。我々にとってそれは、あまりに曖昧模糊とした、抽象的な概念です。 しかし、かつてアイルランドでは、「名誉」という言葉には具体的で現実的な響きが伴
ケルト神話の翻訳や、ケルト神話関係の知識、ケルト神話のあらすじなど書いています。面白いと思っていただけたらサポートをお願いします。連絡は「仕事依頼」から。マシュマロ:https://marshmallow-qa.com/celticmythtrns
皿の上に食べ物もなく、 仔牛を育てる乳もなく、 闇の帳の降りた後に一人の人の眠る場所もなく、 語り部たちへのもてなしもない――ブレスをしてかくあらしめよ。(「マグ・トゥレドの戦い」(Cath Maige Tuired) 、Elizabeth A. Grayによる英訳の拙訳)上記の詩はダーナ神族の詩人カルブレ (Coirpre) による、フォウォーレ族の王ブレスに対する風刺詩(英語satire、アイルランド語áer)であり、アイルランド最初の風刺詩と言われています。この詩が唄われたのは、ブレス王のもとを訪れた詩人カルブレが歓待を拒否された時のことです。この詩の力によってブレス王は王座を追われることになります。アイルランドの伝承の中では、詩人、そして詩人の言葉は魔法のような力を持っていたと思しき節がいくつもありますが、これもその一つです。(「マグ・トゥレドの戦い」はCELTで読むことができます
いわゆる「ケルト神話」——すなわちアイルランドとウェールズの非キリスト教的な伝承物語のことですが、以下ではアイルランドのものに焦点を絞ります——は、現在日本語によっても、その断片を覗くことができます。 日本語で読むことができるのは、ごくわずかな例外を除き、全て「再話」ないしは「翻案」と呼びうる形です。つまり、作家なり何なりが、原典及びその英訳(あるいは独訳や仏訳)の長大なテクストを、読みやすい形や表現に置き換え、短くまとめて再構成し、あるいは大小の改変を加えて語り直したもののことを、ここでは指します。 有名なものでは、ローズマリー・サトクリフの『ケルト神話 炎の戦士クーフリン』や同じく『黄金の騎士フィン・マックール』、フランク・ディレイニー『ケルトの神話・伝説』、井村君江『ケルト神話 女神と英雄と妖精と』、また古いものでは八住利夫『世界神話伝説体系 アイルランドの神話伝説』などです。 これ
0. はじめに以下に、アイルランド語の発音規則について、ざっくりした説明をします。できるだけわかりやすく整理しようとはしましたが、専門的な用語がいっぱい出てくるので、腰を据えてお読みください。長いので目次を用意しました。 0. はじめに 1. 固有名詞の書き方について 2. アイルランド語の発音規則について 2.1. 音素の数と音の分類 2.2. 口蓋音・非口蓋音 2.3. 狭母音・広母音と、発音記号的に使われる母音 2.3.1. 口蓋音・非口蓋音の書き分けと狭母音・広母音の関係 2.3.2. 発音記号的に使われる母音 2.4. 軟音と鼻音 2.4.1. 軟音 2.4.2. 鼻音 2.4.3. 非強勢音節の子音 2.5. 曖昧母音(シュワー) 3. スペルの揺れ 3.1. 軟音化のスペルへの反映 3.2. 新たな子音スペリング規則 3.3. 新たな母音スペリング規則 4. まとめ 1. 固
「ケルト神話」ってよく聞くけど何?という疑問をお持ちの方、よくぞいらっしゃいました。「ケルト神話」と呼ばれる伝承群にはどういったものがあるのか、その分類をここではお話しします。前置きは置いといて、早速本題に入りましょう。 「ケルト神話」と呼ばれるのは、アイルランドとウェールズ、スコットランドの――言い換えると、ブリテン諸島の、イングランド以外の幾つかの部分の――異教的伝承です。「異教的」というのは、「キリスト教的」ではないという意味です。量の面では、圧倒的にアイルランドのものが豊富です。 1. アイルランドとウェールズ、スコットランドの異教的伝承の分類1.1.アイルランドの伝承 アイルランドの伝承のさらに内部ではどのような分類があるのかというと、近代以降ではいくつかの "Cycle"(「物語群」という語が充てられるので、以降はこれを使います)に分けられます。 1.1.1.「神話物語群」(m
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