一人暮らしをしていた時から何年も僕は自分の夜ご飯は自分で作っているが、料理を最初にはじめる時、ハードルが高くてひるんだ記憶がある。 たとえば何かかんたんなものをつくろうと思ってもけっこういろいろなものが必要になるものだ。片栗粉に薄力粉、小麦粉。醤油、砂糖、塩、こしょう。酒、みりん、コンソメ。にんにくにしょうがも──とあげはじめたらきりがない。しかも、それをただ買ってくればいいだけならまだよくて、あらゆる調味料に種類がたくさんある。何かひとつ作ろうと思っただけでもこの中のものから何を買えばいいかを判断し、実際買ってくる必要がある。 これが、まず最初にハードルが高い。一度すべてが揃ってからなら、後は欠けたものを買ってくればいいだけだ。あ、サラダ油なくなったな。買ってこなくちゃ。酒がないから買ってこないとな、みりんが──。たしかに手間だが、買ってくるのは一つか二つ。そのうえ、料理をするようになっ