ここ数日だけでも、広告業界にまつわる「残念なニュース」が世間を賑わせている。オリンピック・パラリンピックにおける問題や、報道ステーションのWEB CMの炎上。この2,3年まで広げたら、いくらでもその例を上げることができる。 しかしそれらを一つずつ取り上げて、「何が悪かったのか」を議論することはもうあまり意味を為さない。それくらい問題の本質は根深く、業界全体を覆ってしまっている。故に、その根本を見ることは難しい。 その世界に身を置いていた上であえて書くけれど、この数十年、電博を中心とした広告業界は持て囃されてきた。給料は高く、花形の仕事とされている。人気が故に新卒採用は狭き門だ。内定するだけでチヤホヤされ、港区や合コンの象徴として描かれたりもする。 しかし同時に、制作される広告そのものは「嫌われもの」、もしくは「無視されるもの」でもある。「人気の仕事」のはずなのに、そこから生まれる仕事の"ほ